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    トランプ、ツイート、「話すことは答えではない!」と、よく似た2人、トランプをこき下ろす動画でツイートするトランプを中学生と (2017年8月30日)

    30日、トランプがツイート。

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    Donald J. Trump‏認証済みアカウント @realDonaldTrump 9 時間9 時間前

    米国は25年間、北朝鮮にずっと話をしてきて、金を脅し取られてきた。話すことは答えではない!
    The U.S. has been talking to North Korea, and paying them extortion money, for 25 years. Talking is not the answer!
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    何をもって「25年間・・・話をしてきて」と言っているのかよく分からない。軍事力を行使しなかったということを言いたいのであろうか。本当に25年間話をしてくれば、今日のような結果にはなっていなかったはずだし、それほど長期間「金を脅し取られてきた」のであれば、中国の対北朝鮮貿易を非難する前に自らが「金を脅し取られ」ないようにすべきだと思うのだが。

    「元帥様」も「話をしても通じない相手」と米国を非難しているが、トランプも同じことを言っている。よく似た2人だ。

    タイムリーにuriminzokkiriにトランプを徹底的にこきおろす動画が掲載された。昨日、朝鮮語バージョンが出て、今朝、日本語字幕バージョンが出るという異例の早さ。早晩、英語バージョンも出すのではないかと思う。私が日本語字幕を付ける前に出てしまったわけだが、「トランプという商売人が」を「トランプという凶人が」と訳している部分以外は、ほぼ適訳だと思う。トランプをよく観察している。特に、ツイートで悪口ばかり書き込んでいるのは中学生並みと。

    Source: uriminzokkiti, 2017/08/31

    いつもの普通の字幕も付け加えておいた。

    「敬愛する最高領導者金正恩同志が朝鮮人民軍戦略軍の中長距離戦略弾道ロケット発射訓練を指導された」:朝鮮中央TV報道、発射シーンは食傷気味、発射場所は事前準備が必要 (2017年8月30日 「朝鮮中央TV」)

    30日、「朝鮮中央TV」で放送された、29日の「火星ー12」発射訓練報道。

    日本語字幕付き。

    Source: KCTV, 2017/08/30

    <追記: 2017/08/30 1715>
    発射場所は、スナン空港かどうか迷っていたが、「朝鮮中央TV」で公開された写真を見ると「元帥様」を背中から見て右側(東側)の空が明るくなっているので、滑走路の北端にミサイルを置いて発射したものと思われる。

    スナン空港。北側の滑走路を使用。
    20170830 sunan1
    Source: Google Earth

    位置関係。右側のタクシー走路の可能性もあるが、ミサイル横の草の生え方からすると、こちらだと思う。
    20170830 sunan2
    Source: Google Earth

    <追記2: 2017/08/30 1830>
    Savelsberg先生に動画のurlをお送りしたら、早速コメントを頂けた。まず、この動画で残念なのは、カメラがミサイルを追いかけているために、ミサイル発射時の加速を推測できないということらしい。ミサイルの加速度を以前発射された「火星ー12」や「火星ー14」と比較することで、ミサイルに使われているエンジンやミサイルの重量を推測できるという。発射から層積雲と思われる雲を突き抜けるまでの時間(私の計測では44秒)から何か分からないのか質問してみた。

    一方、静止画からはいくつかの興味深い点が確認できたという。まず、下の写真に見られるように、過去の「火星-12」や「火星ー14」の発射時と同様に、地面の上にコンクリートで作られたプラットフォームがあるという点である。つまり、ミサイル自体はTELで自由に輸送できるにしても、発射地点にこのコンクリート製プラットフォームを事前に作っておく必要があり、それが、発射視点を限定させるため、「完全な移動式ミサイルではない」というのがSavelsberg先生の見解である。
    20170830 경애하는 최고령도자 김정은동지께서 조선인민군 전략군의 중장거리 전략탄도로케트발사훈련을 지도하시였다mp4_000105474
    Source: KCTV, 2017/08/30

    また、今回のTELはタイヤが露出しているので、タイヤのサイズから「火星ー12」の直系が予測できそうだとしている。
    20170830 경애하는 최고령도자 김정은동지께서 조선인민군 전략군의 중장거리 전략탄도로케트발사훈련을 지도하시였다mp4_000054583
    Source: KCTV, 2017/08/30

    「敬愛する最高領導者金正恩同志が朝鮮人民軍戦略軍の中長距離戦略弾道ロケット発射訓練を指導された」:火星ー12を平壌から初めて、周辺国に影響を与えず、さらに多くのミサイルを太平洋に発射と「元帥様」、やはり8月29日は意味があった、中国の反応、安保理非難声明 (2017年8月30日 「朝鮮中央通信」)

    30日、タイトルの通り。追って、全訳。

    MM00258821.jpg
    Source: KCNA, 2017/08/30

    MM00258823.jpg
    Source: KCNA, 2017/08/30

    MM00258831.jpg
    Source: KCNA, 2017/08/30

    MM00258828.jpg
    Source: KCNA, 2017/08/30

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    朝鮮労働党委員長であられ、朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員長であられ、朝鮮人民軍最高司令官であられる我が党と国家、軍隊の最高領導者金正恩同志が、朝鮮人民軍戦略軍の中長距離戦略弾道ロケット発射訓練を現地で指導された。
    조선로동당 위원장이시며 조선민주주의인민공화국 국무위원회 위원장이시며 조선인민군 최고사령관이신 우리 당과 국가,군대의 최고령도자 김정은동지께서 조선인민군 전략군의 중장거리전략탄도로케트발사훈련을 현지에서 지도하시였다.

    李炳哲同志、金ジョンシク同志、チョ・ヨンウォン同志、ユ・ジン同志をはじめとした、朝鮮労働党中央委員会高級幹部とチャン・チャンハ同志、チョン・イルホ同志をはじめとした国防科学研究部門の幹部が訓練を参観した。
    리병철동지,김정식동지,조용원동지,유진동지를 비롯한 조선로동당 중앙위원회 책임일군들과 장창하동지,전일호동지를 비롯한 국방과학연구부문의 일군들이 훈련을 참관하였다.

    敬愛する最奥領導者同志を現地で朝鮮人民軍戦略軍司令官である戦略軍大将金ラクキョム同志をはじめとした朝鮮人民軍戦略軍指揮官が迎えた。
    경애하는 최고령도자동지를 현지에서 조선인민군 전략군사령관인 전략군대장 김락겸동지를 비롯한 조선인민군 전략군 지휘성원들이 맞이하였다.

    訓練には、有事、太平洋作戦地帯内の米帝侵略軍基地(複数)を打撃する任務を担っている朝鮮人民軍戦略軍火星砲兵部隊と中長距離戦略弾道ロケット「火星ー12」型が動員された。
    훈련에는 유사시 태평양작전지대안의 미제침략군기지들을 타격할 임무를 맡고있는 조선인민군 전략군 화성포병부대들과 중장거리전략탄도로케트 《화성-12》형이 동원되였다.

    世界が注視しているように、朝鮮人民軍戦略軍の中長距離戦略弾道ロケット発射訓練は、重大な意味と重みがある我々の警告に挑戦し、ついに強行されている「ウルチ・フリーダム・ガーディアン」合同軍事演習に備えた対応武力示威の一環として行われた。
    세계가 주지하는바와 같이 조선인민군 전략군의 중장거리전략탄도로케트발사훈련은 중대한 의미와 무게가 실린 우리의 경고에 도전하여 끝내 강행되고있는 《을지 프리덤 가디언》합동군사연습에 대비한 대응무력시위의 일환으로 진행되였다.

    今回の訓練は、朝鮮半島有事、我々の戦略部力の迅速対応体制を判定検閲し、新たに装備された中長距離戦略弾道ロケットの実戦運用能力を確定するため予告ない機動と打撃を組み合わせて行った。
    이번 훈련은 조선반도유사시 우리의 전략무력의 신속대응태세를 판정검열하고 새로 장비한 중장거리전략탄도로케트의 실전운영능력을 확정하기 위하여 불의적인 기동과 타격을 배합하여 진행하였다.

    敬愛する最高領導者同志の命令に従い、我が国の首都で初めて発射訓練を行うことになった火星砲兵の胸は、何とも言い難い戦闘的熱狂で力強く高まっていた。
    경애하는 최고령도자동지의 명령에 따라 우리 국가의 수도에서 첫 발사훈련을 진행하게 된 화성포병들의 가슴가슴은 이름할수 없는 전투적열광으로 세차게 높뛰고있었다.

    敬愛する最高領導者同志は、早朝、まだ色濃く残る暗闇の中、発射場に到着され、「火星ー12」型ロケット発射台を迅速に起動展開し、発射準備をする火星砲兵の火力服務動作を見守られながら、俊敏でありながらも正確に良くやっていると褒められまた。
    경애하는 최고령도자동지께서는 이른새벽 짙은 어둠속을 헤치시며 발사장에 도착하시여 《화성-12》형로케트발사대를 신속히 기동전개하고 발사준비를 하는 화성포병들의 화력복무동작을 지켜보시면서 민첩하면서도 정확하게 잘한다고 치하하시였다.

    敬愛する最高領導者同志は、続いて、中長距離戦略弾道ロケット発射計画と設定された飛行軌道、目標水域などを具体的に了解され、発射命令を出された。
    경애하는 최고령도자동지께서는 이어 중장거리전략탄도로케트발사계획과 설정된 비행궤도,목표수역 등을 구체적으로 료해하시고 발사명령을 하달하시였다.

    瞬間、明るくなってきている平壌の早朝の空を赤い火の光で染めながら、大きな爆音も高く主体的核強国の尊厳と威容を抱き「火星ー12」型が粛々と打ち上げられた。
    순간 밝아오는 평양의 새벽하늘을 붉은 화광으로 물들이며 거세찬 폭음높이 주체적핵강국의 존엄과 위용을 안고 《화성-12》형이 도도히 솟구쳐올랐다.

    発射された弾道ロケットは、予定された飛行軌道に従い、日本の北海道の渡島半島と襟裳岬上空を横断、通過し、北太平洋上に設定されたも目標水域を命中打撃した。
    발사된 탄도로케트는 예정된 비행궤도를 따라 일본 혹가이도의 오시마반도와 에리모갑상공을 가로질러 통과하여 북태평양해상에 설정된 목표수역을 명중타격하였다.

    朝鮮人民軍戦略軍の中長距離戦略弾道ロケット発射訓練は、周辺国家の安全にいかなる影響も与えなかった。
    조선인민군 전략군의 중장거리전략탄도로케트발사훈련은 주변국가들의 안전에 그 어떤 영향도 주지 않았다.

    訓練では、戦略軍火星砲兵部隊のロケット実戦運用能力と新たに装備した中長距離戦略弾道ロケットの戦闘的性能が完璧なものと評価された。
    훈련에서는 전략군 화성포병부대의 로케트실전운영능력과 새로 장비한 중장거리전략탄도로케트의 전투적성능이 완벽한것으로 평가되였다.

    敬愛する最高領導者同志は、「火星ー12」型ロケット発射が成功裏に行われたことに対し、大満足を表明された。
    경애하는 최고령도자동지께서는 《화성-12》형로케트발사가 성과적으로 진행된데 대하여 대만족을 표시하시였다.

    敬愛する最高領導者同志は、戦略軍火星砲兵が、新たに装備した尖端ロケットシステムに精通し、機材を正しく扱っていると言われながら、今回の訓練を通して、ロケット実戦運用でよい経験を積んだだろうと言われた。
    경애하는 최고령도자동지께서는 전략군 화성포병들이 새로 장비한 첨단로케트체계에 정통하고 기재를 잘 다룬다고 하시면서 이번 훈련을 통하여 로케트실전운영에서 좋은 경험을 쌓았을것이라고 말씀하시였다.

    敬愛する最高領導者同志は、実践を彷彿させる今回の弾道ロケット発射訓練は、我が軍隊が行った太平洋上での軍事作戦の第一歩であり、侵略の前哨基地であるグアム島を牽制するための意味深長な前奏曲となると言われながら、今後、太平洋上を目標とし、弾道ロケット発射訓練を多く行い、戦略部力の戦略化、実戦化、現代化を積極的に推し進めなければならないと言われた。
    경애하는 최고령도자동지께서는 실전을 방불케 하는 이번 탄도로케트발사훈련은 우리 군대가 진행한 태평양상에서의 군사작전의 첫걸음이고 침략의 전초기지인 괌도를 견제하기 위한 의미심장한 전주곡으로 된다고 하시면서 앞으로 태평양을 목표로 삼고 탄도로케트발사훈련을 많이 하여 전략무력의 전력화,실전화,현대화를 적극 다그쳐야 한다고 말씀하시였다.

    敬愛する最高領導者同志は、米国が、奴らの行動を見守ると言った我々の警告に好戦的な侵略戦争演習で応じたと厳しく言われながら、今日、戦略軍が行った訓練は、米国とその手下共が行った「ウルチ・フイーダム・ガーディアン」合同軍事演習に対する断固たる対応措置の序幕にすぎないと言明された。
    경애하는 최고령도자동지께서는 미국이 저들의 행태를 지켜볼것이라고 한 우리의 경고에 호전적인 침략전쟁연습으로 대답하였다고 준절히 말씀하시면서 오늘 전략군이 진행한 훈련은 미국과 그 졸개들이 벌려놓은 《을지 프리덤 가디언》합동군사연습에 대한 단호한 대응조치의 서막일따름이라고 언명하시였다.

    敬愛する最高領導者同志は、極度に緊張した情勢を緩和するための我々の主導的な措置を無視し、図々しく騒ぎ立てている米国とは、上品な言葉では駄目で、行動で見せてやらなければならないというのが、今回、再び見出した教訓であると言われながら、既に闡明にしたとおり、我々は米国の言動を継続注視し、それにより今後の行動を決心すると力を込めて言われた。
    경애하는 최고령도자동지께서는 극도로 첨예한 정세를 완화할데 대한 우리의 주동적인 조치를 외면하고 뻔뻔스럽게 놀아대는 미국과는 점잖게 말로 해서는 안되며 행동으로 보여주어야 한다는것이 이번에 또 한번 찾게 되는 교훈이라고 하시면서 이미 천명한바와 같이 우리는 미국의 언동을 계속 주시할것이며 그에 따라 차후행동을 결심할것이라고 힘주어 말씀하시였다.

    敬愛する最高領導者同志は、戦略軍将兵が厳しい情勢の要求に合わせ、火星砲戦闘準備をより一層強化しながら、強力な弾道ロケットを任意の瞬間に発射できるよう、万端の決戦進入体制を徹底して準備することで、米帝とその追従一味の軍事的妄動を抑制し、祖国の安全と人民の幸福をしっかりと守るという大きな期待と確信を表明された。
    경애하는 최고령도자동지께서는 전략군장병들이 준엄한 정세의 요구에 맞게 화성포싸움준비를 더한층 강화하며 강위력한 탄도로케트들을 임의의 순간에 발사할수 있도록 만단의 결전진입태세를 철저히 갖춤으로써 미제와 그 추종무리들의 군사적망동을 억제하고 조국의 안전과 인민의 행복을 굳건히 담보하리라는 크나큰 기대와 확신을 표명하시였다.

    朝鮮人民軍戦略軍の全ての将兵は、107年前「韓日合併」という、恥辱的な条約が公布された血の8月29日に、残忍な日本島国族が、気絶して泡を吹く大胆な作戦を展開され、首都圏地域から弾道ロケットを発射するよう承認してくださり、我々人民の胸に積もり積もった恨みを晴らしてくださった絶世の愛国者、民族の英雄であられる敬愛する最高領導者金正恩同志に最も熱い感謝の挨拶を捧げながら、党中央が命令させすれば、反帝反米対決戦を総決算することになる最後の聖戦の先頭で朝鮮労働党の頼もしい核兵力としての聖なる氏名と本分を全うする決死の誓いをした。
    조선인민군 전략군의 전체 장병들은 107년전 《한일합병》이라는 치욕스러운 조약이 공포된 피의 8월 29일에 잔악한 일본섬나라족속들이 기절초풍할 대담한 작전을 펼치시고 수도권지역에서 탄도로케트를 발사하도록 승인하여주시여 우리 인민의 가슴에 쌓이고쌓인 한을 풀어주신 절세의 애국자,민족의 영웅이신 경애하는 최고령도자 김정은동지께 가장 뜨거운 감사의 인사를 드리면서 당중앙이 명령만 내리면 반제반미대결전을 총결산하게 될 최후성전의 맨 앞장에서 조선로동당의 믿음직한 핵무장력으로서의 성스러운 사명과 본분을 다해나갈 결사의 맹세를 다지였다.(끝)
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    「元帥様」、ここまでやっておき「米国の言動を継続注視」と言っている。その前提となっているのは、「警告」したのに無視して米韓合同軍事訓練を行ったということだが、今後、米国が北朝鮮の今回の発射に対する何らかの対応措置に踏み切れば、再び、ミサイル発射ということになるのかもしれない。その「言動」が何になるのか。安保理でさらなる制裁決議を出すことは困難だと思われるので、米国の独自制裁、中国やロシアに対する経済制裁となろう。もちろん、中国やロシアからは強い反発を招くであろうが、当の北朝鮮は間接的な影響は当然受けるものの、直接的な制裁とはならない。

    4月にやったように、航空母艦を朝鮮半島水域に出動させたり、B-1のような核爆撃機を韓国上空を飛行させるなど、軍事的な威嚇をする可能性はある。その「言動」を北朝鮮がどう判断するのか。

    興味深いことは、「元帥様」が「極度に緊張した情勢を緩和するための我々の主導的な措置」と言っている点である。やはり、ティラーソンが評価したように、ミサイル発射を数週間しなかったことを「元帥様」も「情勢を緩和するための主導的な措置」と考えているようだ。

    このまま行けば、北朝鮮によるミサイル発射と米国による軍事的威嚇の無限連鎖に陥る危険性がある。

    今のところ、トランプは「全ての選択肢はテーブルの上にある」としつつも、今回のミサイル発射に対して「火と怒り」の対応はしていない。いくら日本首相に「米国は100%日本の見方」だとリップサービスをしても、日本上空を通過した程度では「火と怒り」には遠く及ばないということなのだろう。もちろん、「火と怒り」の対応などしてもらえば、日本はさらに困ることになるので、やってもらわないに越したことはない。

    ともあれ、昨夜の記事にも書いたとおり、日本の上空を通過する、北朝鮮自らが「中長距離弾道ロケット」と認める飛翔体を発射し、「島国族共を気絶して泡を吹」かせたということは、政治的に非常に重要な意味を持つ。恐らく、これが既成事実化され、「元帥様」が言うように、「太平洋上を目標とし、弾道ロケット発射訓練を多く行」うことになれば、日本上空は北朝鮮のミサイル銀座と化してしまう。日本を攻撃すれば自滅することは「元帥様」は十分承知しているだろうから日本を攻撃することはないにしても、「ミサイル銀座」になれば、部品が落下したり、打ち上げに失敗をしたミサイルが落ちてくる可能性が各段高まることは間違いない。昨日の記事にも「PAC-3は北海道に配備されていたのだろうか」と書いたが、PAC-3を大量に導入して米国の軍事産業を潤わせたとしても、到底対処しきれないというのが現実であろう。

    これがまさに「非常に深刻な事態」であり、米本土に到達するミサイルを「非常に深刻な事態」と眉をハの字にして述べてきた日本首相は、自国に対する「非常に深刻な事態」にどう対応するのか、きちんと国民に対して説明をする必要がある。

    現状、「米国をはじめとした国際社会と共に強く非難をする」以上の対応はなかろうが。

    <追記: 2017/08/30 0900>
    コメントを頂いたので、追記しておく。「8月29日」は、やはり意味があった。昨日、平壌時間12時の「朝鮮中央放送」で聞いたのだが、受信状態が悪くフェージングの谷間からフワッと信号が上がったときに「8月29日」の話が聞こえた。「報道」の最後の方だったはずだが、どのような脈絡で「8月29日」が出てきたのかは分からないが、日本に向けたミサイル発射と関連があることは確信していた。

    北朝鮮のミサイル発射、これまで、北朝鮮にとって特段意味がない日以外では、北朝鮮の祝日かその前後に行われてきたが、今回のように「恥辱」の日に「百年宿敵」に向けて発射するのは初めてだと思う。米国の独立記念日である7月4日に行った「火星ー14型1次試験発射」もそうであったが、これからのミサイル発射日は、北朝鮮の祝日だけではなく、「百年宿敵」の祝日や北朝鮮の「恥辱」の日にもあり得るという前提で発射予想をする必要がありそうだ。

    <追記: 2017/08/30 1044>
    中国外交部の29日の定例記者会見を読んだ。Hua Chunyingという女性報道官は、いつも比較的冷静かつ淡々と質問に答えているが、英訳されたやりとりを見ても、昨日は記者に対して反駁する場面が多く見られた。

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    Q:米国と日本は北朝鮮に対する圧力強化を要求している。中国は彼らと共に圧力を強化するのか。中国は圧力強化の意味をどのように捉えているのか。
    Q: The US and Japan call on increasing pressure on the DPRK. Will China join in their call? What does China think increased pressure means?

    A:米国と日本、そして韓国は、繰り返される軍事演習と強化される軍事的圧力で、自分たちの安全でより確保されると感じているのか、それとも安全が損なわれると感じているのだろうか。繰り返される緊張の悪循環を見て、彼らは平和的な朝鮮半島核問題解決の入り口に近づいていると思っているのか、遠ざかっていると思っているのか。
    A: With regard to your question, I wonder whether the US, Japan and the ROK have ever considered that the round after round of military exercises and ever-increasing military pressure have made them feel more secure, or less secure. After seeing the vicious spiral of tension, do they think they are closer to the gate of peacefully resolving the Peninsula nuclear issue or farther?

    Q:中国は関係国に自制するよう求め、朝鮮半島の核問題に冷静に対応するよう求めてきた。しかし、北朝鮮はミサイル発射を続けている。これは、中国がこの問題に関する影響力を喪失したという意味なのか。
    Q: China has been calling on all parties to exercise restraint and remain calm on the Peninsula nuclear issue. But the DPRK continues with its missile launches. Does that mean that China has lost its influence on the issue?

    A:あなたがどれほどの期間、朝鮮半島核問題を報じてきたのか、また中国の努力と言葉、そして他の当事国の行動については熟知しているのか分からない。朝鮮半島の核問題の本質は安保問題であり、要点となるのは朝米、朝韓の対立である。縛り目は縛った当事者によって解かれるべきだ。直接当事国の安保懸念が解消されれば、朝鮮半島問題はすっきりと解決する。中国は朝鮮半島核問題解決のために不断の努力をしてきた。その努力が効果的であったかどうかを質問する前に、中国が自制と冷静さ、そして対話を求めているのに、ミサイルを発射する国に対して、軍事演習と軍事的圧力の増強をし続けているというシナリオについて考えるべきだ。そうすれば、誰が責められるべきで、誰がもっと努力をすべきかが分かる。
    A: I don't know for how long you've been reporting on the Peninsula nuclear issue and how familiar you are with China's efforts and the words and deeds of other parties. The nature of the Peninsula nuclear issue is the security issue, the crux being the contradiction between the DPRK and the US as well as between the DPRK and the ROK. The knots shall be untied by those who got them tied. Only when the legitimate security concerns of directly concerned parties are taken good care of can the Peninsula issue be resolved once for all. China has been making unremitting efforts for a peaceful settlement of the Peninsula nuclear issue. Before questioning whether these efforts are effective or not, I suggest you think about the scenario when China calls for restraint, calmness and dialogue, while directly concerned parties keep conducting military exercises and ratcheting up military pressure, against the background of flying missiles launched by another party. Then, who should take the blame and who should do more?

    国連安保理の関連決議は、一方では北朝鮮に核・ミサイル計画を止めさせるためのものであるが、もう一方では、六者会談を再開するためのものでもある。私は、関係国に対して、彼らが決議を総括的に履行してきたのか、平和的対話再開を促進する努力をしてきたのかを尋ねたい。
    The UN Security Council has adopted relevant resolutions which on one hand implement measures to stop the DPRK's nuclear and missile programs and on the other hand call for the resumption of the Six-Party Talks. I would like to invite all relevant parties to ask themselves and answer the question whether they have been comprehensively implementing the resolutions and how much they have done to promote the resumption of peace talks?

    Source: Ministry of Foreign Affirs of the PRC, Foreign Ministry Spokesperson Hua Chunying's Regular Press Conference on August 29, 2017, http://www.fmprc.gov.cn/mfa_eng/xwfw_665399/s2510_665401/t1488261.shtml
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    そんなことを書いていたら、国連安保理が「非難声明」を出したという報道があった。北朝鮮によるミサイル発射については、中露も含めて安保理決議違反であることを認めているので、「非難声明」は当然の結果であろう。しかし、上の中国の反応からしても、これ以上、北朝鮮に対する圧力を強化するような制裁決議は当面出されないであろう。

    『JIJI.COM』、「安保理が議長声明、北朝鮮のミサイル発射を非難 素早い対応で結束示す」、https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170830-00000013-jij_afp-int

    北朝鮮、どう説明するのか、本当に「極めて深刻な事態」とはまさにこのこと (2017年8月29日)

    夜になり短波の伝搬状態が良くなり、断続的に「平壌放送」や「朝鮮中央放送」を聞いているが、今朝のミサイル発射に関する言及はない。あるとすれば、「朝鮮中央TV」が終了するこれから1時間以内ぐらいの間に、何らかの「声明」を出すのであろうが、雰囲気的には、明朝、「朝鮮中央通信」が報じるまで何も言わないような気がする。

    日本列島を飛び越したこと自体は、北朝鮮のミサイル性能からすれば脅威でも何でもない。Savelsberg先生も「火星ー10(ムスダン)でも十分に可能」と言っているので、そのこと自体、今更騒ぎ立てることではない。

    問題は、北朝鮮が今回の発射をどう説明するのかである。1998年に「光明星-1」が日本上空を通過したとき、北朝鮮は「地球観測衛星」だったと主張した。その実体がミサイルであったとしても、とにかく、北朝鮮は軍事的な威嚇や攻撃のためではない、「地球観測衛星」の発射だったと主張した。

    では、明朝、北朝鮮は今回の発射をどう説明するのだろうか。「地球観測衛星」の発射であったと主張する可能性もゼロではない。そうであれば、実体がミサイルであったにせよ、北朝鮮の日本領空を通過する飛翔体についてのスタンスは変わっていないことになる。

    しかし、今回の発射が、新型であれ旧型であれ、「中長距離弾道ロケット」だったと発表すれば、これはこれまでになかった事態となる。上記のように、技術的には既にいくらでもできる状況にあったとしても、日本の上空を通過した飛翔体が「中長距離弾道ロケット」であると公言するのは初めてだからである。

    「中長距離弾道ロケット」で、今回は「周辺国に危険を与えないような超高角発射」ではないので、それをどう説明するのか。米国に対する「警告」だとして、「追従勢力」であるにせよ日本上空を通過させたことについてどう説明するのか、この点については注目しなければならない。

    「極めて深刻な事態」という言葉は、日本首相は官房長官の口から何回も聞いてきたが、今回、北朝鮮が飛翔体をどう説明するか次第で、日本にとっては政治的に実に「極めて深刻な事態」ということになる。

    「朝鮮中央放送」:1910年8月29日「日帝は」朝鮮併合と (2017年8月29日 「朝鮮中央放送」)

    「朝鮮中央放送」を聴取していたら、朝鮮併合に言及。ミサイル発射と関連づけているわけではないが、8月29日、日本に向けてミサイルを発射する理由は充分にある。

    『聯合ニュース』を眺めているが、韓国にとっても重要なはずの「8月29日」とミサイルを関連させた記事はない。

    北朝鮮、ミサイル発射、高度550km、飛距離2700km、北海道上空通過し太平洋に落下、Jアラート(2017年8月29日 「聯合ニュース」)

    29日、「5時57分、スナンより北朝鮮がミサイルを発射、ミサイルは高度550kmに達し、2700km飛行、北海道上空を通過し、太平洋に落下」と『聯合ニュース』などが報じた。

    『聯合ニュース』、「北, 평양일대서 탄도미사일 발사…日상공 통과 북태평양 낙하(종합)」、http://www.yonhapnews.co.kr/politics/2017/08/29/0505000000AKR20170829010754014.HTML?template=2085

    日本では、Jアラートが6時02分に出されたとも。

    『ねとらぼ』、「北朝鮮ミサイル発射でJアラート発令 不審物を見かけた際には絶対に近寄らないで」、https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170829-00000022-it_nlab-life.view-000

    今回発射されたのが「火星-12」型と想定し、過去記事に書いたSavelsberg先生からいただいたシミュレーションのグラフで確認すると、15分後に落下することが分かる。今回の発射では、「6時12分頃に落下」と報じられているので、15分というこの数字と同じである。

    Google Earthで見ると、北海道までの距離は約1500kmであり、単純に割り算をすると、約8分後には北海道上空を通過したことになる。するとJアラートは、ミサイルが上空を通過する3分前か、まさに通過中に出されたものと思われる。
    20170829 ggm1
    Source: Google Earth

    発射方向にもよるが、高い確率で北方領土上空も通過しており、ロシアとの関係にも影響を与える可能性がある。

    北朝鮮のラジオ放送は、今のところ何も報じていないようだ。いつも聞いている周波数では、この時間、北京放送の日本語放送が行われているので、北朝鮮の朝鮮語放送は聞こえなくなっている。

    <追記: 2017/08/29 0830>
    9650KHzで放送されている「朝鮮の声放送」と同じ周波数で放送されている、平壌放送で「金正恩将軍賛歌」を流していたので、その後、何かアナウンスがあったかも知れないが、「朝鮮の声放送」日本語放送で、聞こえなくなってしまった。「敬愛する最高領導者・・・」と言っているのだが。

    <追記2: 2017/08/29 0921>
    日本首相安倍は、「「発射直後から北朝鮮ミサイルの動きは完全に把握していた。国民の生命と安全を守る万全な態勢を取っている」と述べたそうだが、本当だろうか。北海道にPAC-3が配備されているのだろうか。できることとできないことをきちんと国民に説明するのが、首相の責務。

    『毎日新聞』、「<北朝鮮ミサイル>安倍首相「発射直後から完全に把握」、https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170829-00000014-mai-pol

    <追記3: 2017/08/29 0946>
    拙宅の近くには軍用空港があるのだが、気のせいかも知れないが、今朝からジェット戦闘機の音がかなり頻繁に聞こえている。今も、北方向に戦闘機が1機飛んでいった。

    <追記4: 2017/08/29 0953>
    戦闘機の音はずっと聞こえている。11680KHzで「朝鮮中央放送」がかなりクリアに聞こえるようになったが、今のところ音楽を流している。

    <追記5: 2017/08/29 1010>
    日本外相河野が、北朝鮮が北海道方向にミサイルを発射したことについて、「北朝鮮、少しひるんだか」と発言。この発言、裏を返せば、「どうせ発射するなら、グアム方向に発射してみろ」と言っているようなもの。北朝鮮が、仮にもグアム方向に向けて発射すれば、どういう事態が想定されるか分かって言っているのであろうか。とても一国の外相とは思えぬ、ネトウヨレベルの戯言。

    『朝日新聞デジタル』、「北海道周辺に発射『北朝鮮、少しひるんだか』」、https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170829-00000019-asahi-pol

    <追記6: 2017/08/29 1025>
    『労働新聞』HPの記事が29日のものに更新された。米国を非難する記事では「我々の力と意志を正しく見なければならない (우리의 힘과 의지를 똑바로 보아야 한다)」という記事があるが、ミサイル発射に関連する直接的な言及はない。

    『労働新聞』、「우리의 힘과 의지를 똑바로 보아야 한다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2017-08-29-0030

    <追記7: 2017/08/29 1029>
    「朝鮮中央放送」、平壌時間10時の報道。トップは普通のニュース。

    <追記8: 2017/08/29 1049>
    『聯合ニュース』、韓国空軍が「有事に敵指導部を焦土化する空軍の対応能力を再度確認した ( "유사시 적 지도부를 초토화하는 공군의 대응 능력을 재차 확인했다")」と、9時30分に江原道で「北朝鮮指導部撃滅訓練」をしたと発表。北朝鮮を刺激すること必至。

    『聯合ニュース』、「공군, 北미사일 발사대응 '적지휘부 격멸' 실무장 폭격훈련」、http://www.yonhapnews.co.kr/politics/2017/08/29/0505000000AKR20170829072500014.HTML?template=2087

    <追記9: 2017/08/29 1130>
    「襟裳岬沖1180km」とのことなので、襟裳岬から半径1180kmの円を描いてみた(黄色い円)。そして、平壌から北海道最北端付近と最南端付近を通過する直線を引いた(赤線)。この範囲で襟裳岬を通過する緑の線と黄色い円周の接点付近が落下地点だと思われる。だとすると、北朝鮮は、巧みにロシア領空通過を避けるようにミサイルを発射しており、さらに通過コースのすぐ南には、三沢飛行場がある。米軍と日本をまとめて威嚇しつつ、ロシアを避けるコースだと言えよう。また、このコースだとすると、人口密集地の函館上空を発射後7分30秒(上記算出根拠による)ぐらいで通過していることになる。

    さらに、北朝鮮が三沢か函館を目標に射程1000kmで発射したと過程すると、発射後7分~8分で着弾していることになる(上記、Savelsberg先生のシミュレーションから算出)。Jアラートが6時2分に鳴ったとして、3~4分で何ができるというのか。

    20170829 erimo1
    Source: Google Earth

    <追記10: 2017/08/29 1230>
    「朝鮮中央放送」、平壌時間12時にも通常ニュース。

    <追記11: 2017/08/29 1650>
    Savelsberg先生よりメールが来て、「高度550kmというのは、火星ー12だとすると、飛行距離からすれば低すぎる気がする」と。

    <追記12: 2017/08/29 1703>
    再びSavelsberg先生よりメール。「火星ー12だとすると、相当に重いペイロードでの発射で、実際の核弾頭に近い重量のペイロードでの実験をしたと主張する人も出てくるだろう」と。しかし「逆にムスダン(火星ー10)のペイロードを減らせば、このような軌道もあり得る」とも。「元帥様」が「国防研究院」を「現地指導」し、炭素繊維を見ていたので、炭素繊維を使ってムスダンを軽量化した可能性について、同先生に質問しておいた。

    <追記13: 2017/08/29 2005>
    Savelsberg先生よりメールの返信。炭素素材を使った発射については否定的。特に、液体燃料を使ったミサイルでは、「(自分は化学者ではないが)UDMHは浸食製が強いので、炭素素材を溶かす可能性がある」と。もし、炭素素材を使ったならば、固形燃料を使うミサイルであったはずだと。

    北朝鮮、短距離ミサイル3発発射するも失敗か、ミサイルではなく放射砲の可能性も、結局発射した物は何だったのか (2017年8月26日 「聯合ニュース」)

    <追記3: 2017/08/18 1600>
    27日、FOX NEWSとのインタビューで、米国務長官ティラーソンは、飛翔体が「弾道ミサイルであった」とした上で、「弾道ミサイルの発射は、安保理決議違反」だと北朝鮮を批判した。同ニュースでは、トランプとティラーソンがそれぞれ、北朝鮮が自制していると述べている映像を流した上で、ティラーソンに「2人の判断は間違っていたのか」と問いかけている。これに対しティラーソンは「弾道ミサイルは安保理決議違反であるが、2人の判断は間違っているとはいえない。もう少し北朝鮮の出方を見る必要がある」と述べている。


    Source: FOX NEWS, YouTube, 2017/08/27

    飛翔体について、米軍が当初「3発失敗」とし、その後「2発成功」と修正、韓国軍は「放射砲」説を唱え、今、『聯合ニュース』の記事を見たら、「短距離弾道ミサイルの可能性が高い」と訂正されていた。

    『聯合ニュース』、「軍 "北발사체 단거리 탄도미사일 가능성 높아…한미 중간평가"(종합)」、http://www.yonhapnews.co.kr/politics/2017/08/28/0505000000AKR20170828096952014.HTML?template=2087

    実は、私は、何がどうであれば「弾道ミサイル」であるのかという定義が分からなかった。北朝鮮が少し前に実験した、水面ギリギリを飛ぶような飛翔体が巡航ミサイルであることぐらいは分かるが、今回発射された飛翔体のように、高度50kmまで達するようなものが、「弾道ミサイル」なのかどうか、どこで判断するのか分からず、例のSevelesburg先生に質問をぶつけてみた。

    Savelsburg先生からまず頂いたのは、「弾道ミサイルかどうかは、軌道で判断する。弾道ミサイルの場合は、推進力での飛行は比較的短い時間で、その後の軌道は重力により決定される。一方、巡航ミサイルは、飛行中のほとんどの時間、推進力と空気力学的でコントロールされている」という回答であった。この辺りは、何となく分かっていた部分である。到達高度についても質問しておいたのだが、「現実的に、弾道ミサイルは飛行距離の最高約3分の1までの高度に達する」という回答が来た。250kmで50kmは、3分の1からすればやや低い感じはするので、「では、やはり韓国が言うように放射砲なのか」と質問したら、「到達高度50kmで250kmの飛行距離は、弾道ミサイルの軌道だと思う」と返信が来た。しかし、その上で「弾道ミサイルと放射砲の違いは曖昧」だとし、「違いがあるとすれば、ブースト・フェーズで放射砲は誘導されていないが、弾道ミサイルは角度を変えるなど誘導されている」とし、「非誘導の放射砲の場合、目標地点は発射時の発射台の角度で決ま」り、「射程距離が長いミサイルの場合は、ブースト・フェーズで誘導することで、より正確に目標地点に到達させることができる」と返信が来た。

    続けて、「米軍はなぜ始めに3発失敗と判断したと思うか」と質問したところ、「想像ではあるが、米軍が発射された飛翔体を長距離弾道ミサイルと誤認したからではないだろうか」と返信が来た。確かに、250kmで落下してしまえば、長距離弾道ミサイルとしては失敗であろう。

    続けて、「軌道で放射砲か弾道ミサイルか判断できないとすれば、何を見ればよいのか」と質問したところ、「発射角しかない」と。しかしそれでも「多くの弾道ミサイルは垂直に発射されているが、垂直以外の角度で発射されるような発射台もあるのでややこしい」としている。確実に言えることは、「垂直に発射されたミサイルは、非誘導型ではない」ということだけであるという。確かに、そのまま空高く飛んで、自分の頭上に再び落ちてくるわけだから、そういうことであろう。

    こうしたことからすると、やはり「元帥様」は、放射砲とも弾道ミサイルともいえる、微妙なものを発射したようだ。結局、飛翔体を弾道ミサイルと結論づけるのか、放射砲とするのかは、政治的な判断が入り込む余地がありそうだ。やはり、「先軍節」を契機に米韓合同軍事演習にしつつ、自制するには、放射砲であれ弾道ミサイルであれ、今回発射した飛翔体が最適だったのであろう。

    「3発中1発は発射直後に爆発した」というのが米軍の発表なので、「爆発」がみっともないから公開しないのかと思っていたが、元々、どちらとも言えない飛翔体を発射することが目的だったのなら、公開など予定していなかったであろう。3発中に1発だけ新型ミサイルを混ぜて試験発射していたとすれば、結果は失敗でも、「元帥様」の作戦勝ちということか。発射のインターバルが長いのも、何かそういうことと関係がありそうな気がする。

    <追記2: 2017/08/26 1644>
    『時事通信』によると、米軍が「2発失敗」と発表を訂正し、「250km飛行した」と訂正した。依然として到達高度は明らかにされていないようだが、通常の発射角で発射され、「成功」した結果が250kmならばスカッド系の短距離ミサイルということになろう。スカッドも弾道ミサイルなので、これは安保理決議違反となる。米軍の発表がころころと変わる背景には、政治的な配慮があるのだろうか。

    『JIJI.COM』、「「2発は失敗せず」と訂正=ミサイルの見方は維持―米軍」、https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170826-00000068-jij-n_ame

    <追記: 2017/08/26 1244>
    『聯合ニュース』によると、韓国政府関係者が「発射されたものは、現時点では改良された300mm放射砲(Multiple Rocket Launcher)と推測される」と述べたと伝えた。放射砲であれば、弾道ミサイル技術は使われていないので、安保理決議違反とはならない。また、下に書いた「新型ミサイル説」にも当てはまらない。

    『聯合ニュース』、「靑, 北도발에 NSC상임위 소집…"300㎜ 대구경 다연장포 추정"(종합2보)」、http://www.yonhapnews.co.kr/politics/2017/08/26/0501000000AKR20170826030351001.HTML?template=2085
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    26日、『聯合ニュース』が、米軍太平洋司令部の発表を引用しながら「6時49分、7時7分、7時19分」に「江原道キッデ一帯から」北朝鮮がミサイルを発射したが、「1発目と3発目は飛行に失敗、2発目はほとんど発射直後に爆発した」と報じた。

    『聯合ニュース』、「北, 동해로 단거리미사일 3발 발사…"1발은 발사직후 폭발"(종합2보)」、http://www.yonhapnews.co.kr/politics/2017/08/26/0505000000AKR20170826013554014.HTML?template=2085

    発射地点は、韓国に近い江原道なので、米韓合同軍事演習を意識した発射であろう。
    20170826 キッデリョン
    Source: Google Map

    それにしても、3発も発射してまともに飛行したものが1発もないというところが奇妙である。「グアム島包囲打撃」ならば、4発発射するはずだし、短距離弾道ミサイルなら3発全て失敗するということは考えにくい。そうなると、いつも北朝鮮がミサイル発射に失敗した際に書いているように、「失敗は成功の基」で、今回階発射したのは、何らかの新型ミサイルの可能性が高い。「250km飛行した」とも報道されているが、上昇高度については今のところ報じられていない。これが「火星-14」並に高ければ、250kmしか飛行しなかったとしても侮れない。

    「元帥様」が「国防科学院」を「現地指導」した直後の発射なので、「報道」の中で言及した「炭素繊維」や「固形燃料」を使用したミサイルを発射し、米韓合同軍事演習を威嚇しつつ、「大成功」と発表しようとした可能性がある。強度が不十分な炭素繊維と充分な実証が行われていない固形燃料を組み合わせた結果が、今回の「大失敗」に繋がったのではないだろうか。

    一つ前の記事に、米国務長官ティラーソンの北朝鮮に対する評価を書いたが、この発射について、米国はどう評価するのか。

    「敬愛する最高領導者金正恩同志が、島占領のための朝鮮人民軍特殊作戦部隊の対象物打撃競技指導された」:大ヨンピョン島などを占領、ソウル占領指示も、米韓合同軍事演習への対抗はこれで、ミサイルは図面だけ、船外機は米国マーキュリー製 (2017年9月26日 「朝鮮中央通信」)

    <追記4: 2017/08/26 1711>
    「朝鮮中央TV」の「革命活動報道」を見たが、残念ながら動画はなかった。しかし、ざっと見た感じで使われた静止画の80%以上は、やはり米国製船外機付きのゴムボート映像で、やはりこの「制裁対象品目」、しかも米国製を大量に「戦利品」として獲得したという主張が込められていることが分かる。

    ずらっと並べられた「戦利品」を満足げに眺める「元帥様」
    20170826 경애하는 최고령도자 김정은동지께서 섬점령을 위한 조선인민군 특수작전부대들의 대상물타격경기를 지도하시였다mp4_000160841
    Source: KCTV, 2017/08/26

    安保理決議2270(2016)の「付録Ⅳ(b)の(1)」で、贅沢品として「レクレーション用水上乗り物(水上オートバイなど)」の対北朝鮮輸出は禁止されている。船外機もこれに類する物といえよう。
    20170826 unsc2270(2016)
    Source: UN, https://undocs.org/S/RES/2270(2016)


    <追記3: 2017/08/26 1657>
    「朝鮮人民軍」が使っている「50」も出てくる。

    Source: Mercury, YouTube

    <追記2: 2017/08/26 1129>
    記事中にエギゾーストと書いたが、一番上の穴はエンジン内部の写真を見ると、エアの取り入れ口だったようだ。エギゾーストは下の方の穴だと思う。

    20170826 s-l1600air
    Source: ebay, http://www.ebay.com/itm/New-Mercury-40-HP-FourStroke-EFI-Model-ELPT-Outboard-Engine-/201844391390?epid=1541784150&hash=item2efedcfdde:g:dXAAAOSwSlBYvdfP&vxp=mtr


    <追記: 2017/08/26 1101>
    船外機の調べが付いた。「競技」自体よりも今回はこれを見せたかったのではないかといえるような、「元帥様」の大勝利。船外機は、中国製と思いきや、なんと米国マーキュリー(Mercury)社の現行モデルということが判明した。「制裁・封鎖策動」をしても全く効いていないという「元帥様」の対抗心がたっぷりと込められた写真である。良くてもヤマハの中古かと思っていたら、米国企業の現行品だった。

    20170826 marc11
    Source: Mercury HP, https://www.mercurymarine.com/en/asia/engines/outboard/fourstroke/40-60-hp/?utm_term=en&utm_medium=us+&utm_source=Overlay_IP%3Dasia&utm_campaign=Region+Redirection

    20170826 me33
    Source: KCNA, 2017/08/26 より切り出し

    上の写真と比較して欲しい。
    20170826 s-l16002
    Source: ebay, http://www.ebay.com/itm/New-Mercury-40-HP-FourStroke-EFI-Model-ELPT-Outboard-Engine-/201844391390?epid=1541784150&hash=item2efedcfdde:g:dXAAAOSwSlBYvdfP&vxp=mtr

    同モデルの40HPタイプのエンジンカバー部分。
    s-l1600.jpg
    Source: ebay, http://www.ebay.com/itm/New-Mercury-40-HP-FourStroke-EFI-Model-ELPT-Outboard-Engine-/201844391390?epid=1541784150&hash=item2efedcfdde:g:dXAAAOSwSlBYvdfP&vxp=mtr

    Mercury社は、中国、マレーシア、シンガポールと、いずれも北朝鮮と経済関係が強い国にも支社があるので、北朝鮮はこの辺りから入手したのであろう。

    エンジンをこれだけ大きく見せているので、絶対何かあると思ったがやはり。どうせなら、社名もそのまま見せれば良さそうなものだが、そこは「人民軍」が米帝製のエンジンを使っていては人民に示しが付かないということであろう。いずれにせよ、「強盛」であることは間違いない。下に書いてある社名を確認したいのだが。
    ***************************

    26日、「朝鮮中央通信」が、「元帥様」が「特殊作戦部隊」の「島占領」のための「打撃競技を現地指導」したという記事を報じた。

    25日の「先軍節」には、米韓合同軍事演習への対抗を込めてミサイルを再び発射するのではないかという観測もあったが、「北極星-3」などの新型ミサイルの図面を「国防科学院現地指導」報道の中で見せただけで、発射はしなかった。即断はできないものの、米国務長官ティラーソンも、北朝鮮がミサイル発射や核実験を安保理決議2371後にしていないことを対話に向けた前進と評価しているので、それをリセットするような行動には「元帥様」も慎重なのであろう。

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    <追記:記事執筆中>
    と書いていたら、北朝鮮が250km飛行するミサイルを発射したという報道があった。
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    しかし一方、「先軍節」に何もしないのでは、「将軍様」に示しが付かないので、期待したにもかかわらず「朴槿恵とたいして変わらない南朝鮮当局者」を威嚇するために、今回の訓練を実施したのだと思う。顔を黒く塗り特殊装備を装着した特殊作戦部隊を投入したこれほど大規模な訓練を公開するのは、今回が初めてだと思う。「朝鮮中央通信」の記事でも、

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    先軍節に際して組織された今回の対象物打撃競技は、飛行隊と砲兵、特殊作戦部隊の緊密な協同の下、ベンリョン島と大ヨンピョン島を占領するための作戦計画の現実性を確定し、いったん有事、いかなる作戦任務も円満に遂行できるよう準備された特殊作戦軍の必勝不敗の威力を残すところなく示威することを目的とした。
    선군절을 맞으며 조직된 이번 대상물타격경기는 비행대와 포병,특수작전부대들의 긴밀한 협동밑에 백령도와 대연평도를 점령하기 위한 작전계획의 현실성을 확정하며 일단 유사시 그 어떤 작전임무도 원만히 수행할수 있게 준비된 특수작전군의 필승불패의 위력을 남김없이 시위하는데 목적을 두었다.
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    と書いている。

    記事には、「競技」が進行する様子が細かく書かれているので、恐らく「朝鮮中央TV」では、動画を使って訓練の様子を紹介する「革命活動報道」がなされるとおもう。

    MM00258695.jpg
    Source: KCNA, 2017/08/26

    「朝鮮中央通信」は、「特殊作戦部隊」がゴムボートに乗って「島」に上陸する写真も数枚配信している。エンジンには朝鮮文字で「強盛」と書かれており、その下に企業名が入っているようだが読み取れない。過去に記事に書いた「元帥様」のゴムボートにはヤマハ製エンジンが装着されていたが、このエンジンは中国製なのか、あるいはその他の有名海外メーカーのエンジンのカバー部分だけを変更したのかはもう少し調査してみないと分からない。ただ、この写真を見る限りは、エギゾーストがどこなのかよく分からない。「元帥様」のゴムボートに使われていたエンジンには「40」と書かれていたが、こちらは「50」と書いているので、こちらの方がパワーがあるのだろう。
    MM00258687.jpg
    Source: KCNA, 2017/08/26

    また、「南朝鮮当局者」を威嚇するために、

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    敬愛する最高領導者同志は、人民軍隊では、どの国の軍隊も持てない我々革命武力固有の思想精神的得失をしっかりと固守しなければならず、銃隊で敵共を無慈悲に掃討し、ソウルを一気に(タンスメ)占領し、南半部を平定する考えをしなければならないと言われながら、人民軍隊が到達しなければならない軍建設目標を占領するための闘争へと将兵を積極的に奮い立たせなければならないと言われた。
    경애하는 최고령도자동지께서는 인민군대에서는 그 어느 나라 군대도 가질수 없는 우리 혁명무력의 고유한 사상정신적특질을 굳건히 고수하여야 하며 오직 총대로 적들을 무자비하게 쓸어버리고 서울을 단숨에 타고앉으며 남반부를 평정할 생각을 하여야 한다고 하시면서 인민군대가 도달하여야 할 군건설목표를 점령하기 위한 투쟁에로 장병들을 적극 불러일으켜야 한다고 말씀하시였다.
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    と「元帥様」は指示している。

    「私の抱負」:ワシントンDCをミサイル攻撃する「抱負」 (2017年8月19日 「朝鮮の今日」)

    19日、「朝鮮の今日」にアップロードされた動画。「高級中学校3年生」が将来「国防科学者」となり、米国東部を攻撃できるミサイルを作るという「抱負」を描いた動画。ワシントンDCに命中することになっている。

    日本語字幕付き。

    Source: 「朝鮮の今日」、2017/08/19

    「4つの塊の氷」:日本を舞台にした現代小説、安倍副官房長官も登場 (2017年8月23日 「uriminzokkiri」)

    23日、「uriminzokkiri」に、「4つの塊の氷」という「長編小説」が掲載された。この「長編小説」は、2016年7月に書かれたもので、2017年に「平壌出版社」から出版されている。

    01.jpg
    Source: uriminzokkiri

    パラパラと飛ばしながら読んでみただけなので、全体の内容は正しく把握できていないが、「ニシハラ」という「首相」と繋がりがある右翼系宗教関係者が、「天皇」と繋がりがある「孫娘」と共にタイで「アジア正義連合」という組織に属する何者かに殺され、その事件の背景を「警察庁対外問題局のムラヤマ課長」という刑事が解明していくというストーリーのようである。「天皇」と関係がある「ニシハラ」と孫娘を殺害し、「天皇」の戦争責任をクローズアップさせようというのが「アジア正義連合」の狙いのようなことが書かれている。

    興味深いのは、登場人物に実在する人物で含まれている点である。ざっと見ただけでも「ナカガワ経済産業相」(小泉政権下で経済産業相を務めた中川昭一と思われる)、「アベ内閣官房副長官」(小泉政権下で安倍晋三は内閣官房副長官)などが登場している。「首相」は「首相」とだけ書かれており、実名は出てこないようである。

    全体を通して読んでみないと分からないが、日本の右傾化に反対する内容ではないかと想像される。読み進んだら、追記を書く。

    「革命戦士に施された愛の伝説」:1990年代の金日成時計はロンジン製 (2017年8月24日 「朝鮮の今日」)

    「金日成腕時計」でしばしば見かけるのは、オメガのコンステレーションかシーマスターである。私が中国で仕入れた「金日成腕時計」も類い漏れずオメガのコンステレーションであった。キャリバーの製造番号で調べると、1972~1973年製であることがことからして、「首領様」の還暦に際して、党や軍に貢献した幹部に贈られたものではないかと思う。もちろん、「中国で」なので偽物の可能性もあるが、文字盤に赤インクで印字された「首領様」の名前も経年劣化でほとんど消えており、キャリバーもそれらしい年のものを積んでいることからして、本物ではないかと思っている。曜日が朝鮮語で、オーバーホールの結果、実用に絶えうる精度で動いているこので常用している。オーバーホールをしてくれた時計屋の主人はキャリバーを見て、「傷だらけですね。相当に酷い扱いをされたのでしょう」と。ま、これも北朝鮮の時計修理人ならではのことなのかもしれない。

    消えかけた「首領様」の名前。オリジナルな状態を保持するかリダンするか悩んだが、このまま経年劣化が進み「首領様」の名前が消えてしまうと残念なので、名前が消える前にリダンした。今は「首領様」の名前もはっきりと見える美しい文字盤になった。赤いペイントは紫外線の影響を受けやすいので文字が消えてきてしまうのであろう。
    PB160663.jpg

    「今日の朝鮮」を久しぶりに見ていたら、「金日成時計」の写真が出ていた。韓国で長期間収監されていた非転向長期囚、李インモに「首領様」が贈った時計とのことで、関連部分は以下。

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    革命的戦士に施された愛の伝説
    혁명전사에게 베풀어주신 사랑의 전설

    彼の病状が徐々に良くなってきているという報告を受けられ、1993年4月15日、自ら病院を訪問された偉大な首領様は、李インモ同志に彼が解放直後入党した当時の党員証番号とご自身のお名前が刻まれた朝鮮労働党党員証を自ら授与して下さり、拷問で骨まで曲がった彼の細い手首に金時計も付けて下さった。そして、自ら彼の横に立たれ、記念写真を撮られる熱い愛を施して下さった。
    그의 병세가 점차 호전되여간다는 보고를 받으시고 주체82(1993)년 4월 15일, 몸소 병원에 찾아오신 위대한 수령님께서는 리인모동지에게 그가 해방직후 입당할 당시의 당원증번호와 자신의 존함이 새겨진 조선로동당 당원증을 몸소 수여해주시고 고문으로 뼈까지 탈린 그의 가는 손목에 금시계도 채워주시였다. 그러시고는 몸소 그의 곁에 서시여 기념사진을 찍어주시는 뜨거운 사랑을 부어주시였다.

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    Source: 『朝鮮の今日』、http://www.dprktoday.com/index.php?type=2&no=23192

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    Source: 『朝鮮の今日』、http://www.dprktoday.com/index.php?type=2&no=23192

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    家族にも時計が授与されたということで、女性用の時計もある。メーカーを見るとロンジンのロゴが描かれており、90年代にはロンジン製の「金日成時計」が贈呈用として使われていたのかもしれない。文字盤のサイズが分からないので何とも言えないが、名前の文字も大きくなったように見える。

    大連沖の北朝鮮籍船舶:南浦-大連間を往来、禁止前の猶予期間に契約済み貨物を急いで運搬か (2017年8月24日)

    17日に大連沖の北朝鮮船籍船を調べてから1週間経った。Marine Trafficで調べると、SAHYANGSANはほぼ同じ位置に着岸しているものの、航跡を見ると日本時間の24日午前9時頃に入港している。ということは、17日に着岸していた同船は一度、北朝鮮に引き返し、また新たに貨物を積んで入港しているのかも知れない。22日以前の航跡は見られないので北朝鮮に向かって航行している部分は確認できないが、そういうことだと思う。またWOORY STARも同様に24日に再着岸している。そしてTONG MYONG 9も日本時間の24日早朝に入港している。

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    Source: 2017/08/24 1325JST

    WORRY STARとSAHYANGSANを見たときは、荷揚げができず埠頭で足止めされているのかと思ったのだが、どうやら北朝鮮との間を依然として往来しているようである。積載貨物が何か分からないが、輸入禁止の猶予期間に契約済みの制裁対象物資を急いで運んでいるのかも知れない。

    沖合には、JA SONG 1と KUM SONG 5が停泊している。

    20170824 1330 tairen off
    Source: Marine Traffic, 2017/08/24 1330JST

    「夜眠れなくなった米国人、費用はいくらなのか?」:米韓合同軍事演習に警告、祖国平和擁護全国民族委員会スポークスマン談話も (2017年8月18日 「uriminzokkiri」)

    18日、「uriminzokkiri」にアップロードされた動画。既に始まっているが、21日からの米韓合同軍事演習ウルチ・フリーダム・ガーディアンを威嚇している内容。「グアムの防空網をミサイルが1発でも通過すれば」と、「4発動時発射」の意味を現実的に述べている。また、ミサイル発射ボタンに指を置いている人民軍兵士の絵も、「元帥様」が視察した「戦略軍司令部」の機材と一致している。

    日本語字幕付き。

    Source: uriminzokkiri, 2017/08/18

    一方、23日には「祖国平和擁護全国民族委員会スポークスマン談話」が出され、

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    南朝鮮全域に火薬の臭いを漂わせる殺風景を展開しながらも、米国と傀儡一味は、盗っ人猛々しくも演習参加する米軍兵力数が減っただの、核戦略兵器の朝鮮半島展開計画が取り消されただのと言いながら、我々の警戒心と内外の非難世論を沈静化させようと狡猾にほざいている。
    남조선전역에 화약내풍기는 살풍경을 펼쳐놓고도 미국과 괴뢰패당은 도적이 제발 저려나한다는 격으로 연습에 참가하는 미군병력수가 줄어들었다느니, 핵전략자산들의 조선반도전개계획이 취소되였다느니 뭐니 하며 우리의 경계심과 내외의 비난여론을 눅잦혀보려고 교활하게 놀아대고있다.
    ***************

    兵力削減、核戦略兵器不使用に対する認識を示しつつも、

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    我々が傲慢無礼な挑発行為を直ちに止め、正しい選択をすることについて警告をし、改心する機会まで与えたのにもかかわらず、危険千万な妄動を続けながら、死ぬこともできず苦しんでいる腰抜け共が他でもない米国と傀儡一味だ。
    우리가 오만무례한 도발행위를 당장 걷어치우고 옳바른 선택을 할데 대하여 경고도 하고 개심할 기회까지 주었음에도 불구하고 위험천만한 망동을 계속 부려대며 죽지 못해 몸살을 앓는 얼빠진자들이 다름아닌 미국과 괴뢰패당이다.

    理性的な思考が完全に欠如し、初歩的な判別力さえ喪失したこのような戦争凶共、惨めで愚鈍な精神的未熟児共には言葉は通じず、力で治めることだけが上策であるという結論を再び確認することになった。
    리성적인 사고가 완전히 결여되여있고 초보적인 판별력조차 상실한 이런 전쟁미치광이들, 미련하고 아둔한 정신적미숙아들과는 말이 통하지 않으며 오직 힘으로 다스리는것만이 상책이라는 결론을 다시금 확인하게 된다.

    米軍と傀儡一味は、既に明らかにした我が共和国政府声明と朝鮮人民軍総参謀部スポークスマン声明、朝鮮人民軍戦略軍スポークスマン声明の一字一句をもう一度しっかりと胸に刻み、首根っこに鋭い刃が刺される歴史的瞬間を免れたいのであれば、当然、分別ある身の振り方をしなければならない。
    미국과 괴뢰패당은 이미 천명한 우리 공화국정부성명과 조선인민군 총참모부 대변인성명, 조선인민군 전략군대변인성명의 자자구구를 다시금 새겨보고 모가지에 서슬푸른 비수가 박히는 력사적순간을 모면하려면 마땅히 분별있게 처신하여야 할것이다.
    *******************

    と警告している。そして、

    *****************
    (米国との同盟強化云々を)ほざいているのが、全民族に嫌われる中、蝋燭民心の審判を受けた朴槿恵と特に変わらない現傀儡政権の対決行動だ。
    놀아대는 꼴이 온 겨레의 저주속에 초불민심의 심판을 받은 박근혜와 별다른 차이가 없는것이 현 괴뢰정권의 대결행태이다.
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    と文在寅を名指ししないまでも、非難している。

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    我々は、この機会に米国と傀儡一味はもちろん、今日の北侵戦争演習騒動に便乗している英国とオーストラリアをはじめとした追従国にも戦争に集まる蛾の火遊びで踊りを踊っていると、共々叩きつぶされてい死ぬ悲惨な運命を免れないということを厳粛に警告する。
    우리는 이 기회에 미국과 괴뢰패당은 물론 오늘의 북침전쟁연습소동에 편승하고있는 영국과 오스트랄리아를 비롯한 추종국가들에도 전쟁부나비들의 불장난에 춤을 추다가는 함께 타죽는 비참한 신세를 면치 못하게 된다는것을 엄숙히 경고한다.
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    と英国やオーストラリアに「死」を「警告」している。北朝鮮から英国までは、ユーラシア大陸を飛び越して8700km、オーストラリアのシドニー辺りまでは8300km、9300kmのサンフランシスコが「打撃圏内」なのだから、英国もオーストリアも無事ではないという話であろう。

    日本は今回の演習に参加していないので、名指しされていない。

    「敬愛する最高領導者金正恩同志が国防科学院化学材料研究所を現地指導された」:「水中戦略弾道弾、北極星-3」も計画、3段式大陸間弾道ロケット「火星-15」も? (2017年8月23日 「労働新聞」)

    23日、『労働新聞』に「敬愛する最高領導者金正恩同志が国防科学院化学材料研究所を現地指導された」という記事が掲載され、その中で壁面に「水中戦略弾道弾、北極星-3」のパネルも。記事は読んでいないので、詳細追って。

    写真右のパネル。
    2017-08-23-01-03.jpg
    Source: 『労働新聞』、「경애하는 최고령도자 김정은동지께서 국방과학원 화학재료연구소를 현지지도하시였다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_02&newsID=2017-08-23-0001_photo

    「朝鮮中央TV」での同報道を見た。「北極星-3」は確実に写っており、左側の側面には「火星-15」と読み取れるようなパネルもある。これが「火星-14」ではないと思われる理由は、そこに描かれているミサイルが3段式であるからである。2段式であれば「火星-14」であるが、弾頭部の下に3段目があるような図が描かれている。
    20170823 경애하는 최고령도자 김정은동지께서 국방과학원 화학재료연구소를 현지지도하시였다mp4_000141286
    Source: KCTV, 2017/08/23

    <追記: 2017/08/25 0814>
    「火星-15」ではないかミサイルであるが、高画質の映像で確認したところ「火星-13」と書かれているという情報があった。「火星-13」は、いわゆるKN-08で、試験発射していないが2012年の太陽節閲兵式で公開されている。


    技術的なことが書かれている部分を訳出しておくと、

    *******************
    敬愛する最高領導者同志は、炭素繊維による予備成形体製織工程、化学気相堆積工程、高圧液状堆積工程と最終処理工程を了解されながら、予備成形体の密度、化学気相堆積工程での堆積温度、真空度、堆積時間、高圧液状堆積工程での堆積温度、圧力、作業媒質、堆積回数、最終処理工程での技術的特性について具体的に聞かれた。
    경애하는 최고령도자동지께서는 탄소섬유에 의한 예비성형체직조공정, 화학기상침적공정, 고압액상침적공정과 마감처리공정들을 료해하시면서 예비성형체의 밀도, 화학기상침적공정에서의 침적온도, 진공도, 침적시간, 고압액상침적공정에서의 침적온도, 압력, 작업매질, 침적회수, 마감처리공정에서의 기술적특성들에 대하여 구체적으로 알아보시였다.

    Source: 『労働新聞』、「경애하는 최고령도자 김정은동지께서 국방과학원 화학재료연구소를 현지지도하시였다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2017-08-23-0001
    ****************

    と書かれているが、何のことだかさっぱり分からない。「堆積」と訳している部分も、そのような訳語が正しいのか分からない。一応参考にしたのは、以下のページである。

    日経テクノロジーon line、CVD(化学気相堆積)、http://techon.nikkeibp.co.jp/article/WORD/20090421/169083/

    数行飛ばして、『労働新聞』の記事は、
    **************

    敬愛する最高領導者同志は、研究所の科学者、技術者、労働者が党中央の戦略的構想と命令を高く支え、大出力固体ロケットはエンジン政策に利用する高強力繊維とロケット弾頭部の尖端材料である炭素・炭素複合材料を我々式に研究開発し、何回もの弾道ロケット試験発射を通して、大気圏再突入能力を立証したことは、ロケット工業発展で鍵的な意義を持つ素晴らしい成果だと言われながら、主体国防力強化に突出した貢献をした国防科学院化学材料研究所の事業性かを高く讃えられました。

    경애하는 최고령도자동지께서는 연구소의 과학자, 기술자, 로동자들이 당중앙의 전략적구상과 명령을 높이 받들고 대출력고체로케트발동기제작에 리용하는 고강력섬유와 로케트전투부첨단재료인 탄소/탄소복합재료를 우리 식으로 연구개발하고 여러차례의 탄도로케트시험발사를 통하여 대기권재돌입능력을 립증한것은 로케트공업발전에서 관건적의의를 가지는 대단한 성과라고 하시면서 주체적국방력강화에 특출한 공헌을 한 국방과학원 화학재료연구소의 사업성과를 높이 치하하시였다.
    ************************

    この報道で一番主張したいのは、この部分だと思われる。つまり、米国などによる、ロケットは飛んでも大気圏再突入技術は確立されていないという推測を「大気圏再突入能力を立証した」という言葉で否定したいのであろう。一方、今後の課題として、

    *************************
    敬愛する最高領導者同志は、研究所に高強力繊維素材基板(?)によるエンジン生産工程と炭素・炭素腹蔵材料によるロケット弾頭部及びエンジン噴出口生産能力もより拡張し、固体ロケットエンジンとロケット弾頭部をどんどん生産しなければならないと指示された。
    경애하는 최고령도자동지께서는 연구소에 고강력섬유감기반에 의한 발동기생산공정과 탄소/탄소복합재료에 의한 로케트전투부첨두 및 발동기분출구생산능력도 보다 확장하여 고체로케트발동기와 로케트전투부첨두를 꽝꽝 생산하여야 한다고 지시하시였다.
    ************************

    とも言っている。

    素材工場の「現地指導」だったからかもしれないが、「米帝」云々と米国を非難するような発言を一切していない点にも注意しておく必要がある。

    「どれもこれも詭弁ばかりだ」:再び中露を「米国の賛成挙手機」批判 (2017年8月23日 「uriminzokkiri」) 

    23日、uriminzokkiriにアップロードされた動画「どれもこれも詭弁ばかり」では、再び中露を「米国の賛成挙手機」と批判している。また、「核を交渉のテーブルに置く」気はなく、米国には「戦争か平和か」の選択肢しかないと主張している。

    日本語字幕付き。

    Source: uriminzokkiri, 2017/08/23

    「土下座して謝罪しろ、トランプよ」:南朝鮮の話だった (2017年8月20日 「uriminzokkiri」)

    20日、uriminzokkiriにアップロードされた動画。北朝鮮に対する「制裁、封鎖策動」に対する「謝罪」かと思ったら、「南朝鮮」から出て行けという話だった。

    日本語字幕付き。

    Source: uriminzokkiri, 2017/08/20

    27探査隊員、延吉レポート:中朝関係悪化を感じる、<追記>柳京ホテル・インフォーメーション、ポシンタン (2017年8月22日)

    27探索隊員、延吉より無事帰還。今回、初めて、延吉-関空間の直行便を使ってみたが、極めて快適だった。延吉から大阪は地図上で直線を引くと北朝鮮領空を通過している。中国籍の飛行機なので、北朝鮮領空を通過するのかと期待し、わざわざ右側の窓側の席に座ったのだが、延吉から東に進みウラジオストック上空を通過して東に進み、日本海に出たところで南に向きを変え佐渡沖へ、そこから南西に飛行するというルートを通っている。

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    Source: Flightradar 24

    中朝間で民間航空機の領空通過をどのように許可し合っているのかは調べていないが、この大回りがなければ、1時間ぐらい短縮できそうな気がする。ともあれ、ウラジオストックの橋を眼下に見たときは、感動した。Marine Trafficで確認した万景峰号や北朝鮮船籍船がこの辺りにいるのだと思いつつ眺めていた。

    ついでに書いておけば、延吉の空港もなかなかおもしろかった。人民解放軍のJ-10と思われる戦闘機が2機滑走路上におり、私が乗った旅客機は戦闘機の後の離陸を待っていた。戦闘機がフロントライトを点灯すると、順次飛び立っていった。離陸前にさかんに音だけの花火のようなものを上げていたので、対空砲火の訓練かとも思ったのだが、あまりにもショボい花火だったので、鳥を追い払っていたのであろう。人民解放軍の戦闘機が飛び立つシーンを生で見るというよい経験になった。軍事機密云々と離陸前の電子製品電源オフの関係で撮影できなかったのが悔やまれる。

    以上は、27探査隊員の任務以外の話であるが、以下、任務に関する報告をしておく。

    延吉での宿所は、定宿の柳京ホテル。前回の柳京ホテル泊は2年前だったはずなので、ドンム達は入れ替わっている。電話予約した通り、普通にチェックインした。部屋もフロントも特に変わったところはなかった。初日は、到着が遅かったので、18時30分からの公演はとっくに終了、コーヒー店には誰も客はおらず「朝鮮中央TV」が流れているだけ。腹が減っていたので、朝鮮族の先生と一緒にビールを飲みながら夕食を食べた。

    ビールは当然、大同江ビール。ドンム「50元ですが、28元で販売しています」と。28元というのは、これまでの最安値かも知れない。「朝鮮中央TV」では、「初めての麓で(첫 기슭에서)」を放送しており、朝鮮族の先生が「これは何の番組か」とドンム質問するも「祖国のテレビ放送です」としか答えない。大連の朝鮮食堂もそうだったが、明らかに口が堅くなっている。27探査隊員が番組名を言うと、後ろの方で「麓で・・・」とか言いながら、笑っていた。

    柳京ホテル、部屋も食堂もお客はとても少なく、恐らくは、18時30分からの公演もやっていないと思う。他方面の探査に出向いていたので、柳京ホテルの公演探査は今回は見送ったのだが、とにかく客の入りが悪い。

    柳京ホテルと言えば、部屋で「朝鮮中央TV」が見られるところがプレミアムなのだが、今回はそれが見られない。一応、ドンムに見られない旨伝えて調べてもらったが、それでも見られない。中国の番組は全て見られるのだが、「朝鮮中央TV」だけはチャンネルがない。

    2年前の探査の時のことだったので、忘れていたが、柳京ホテルはタイコムを受信しているのではなく、吉林省をカバーする中国の衛星放送を受信しており、その衛星が中継している番組に「朝鮮中央TV」が含まれていたのを思い出した。しかし今回、番組リストを見ると、「朝鮮中央TV」はリストに含まれていない。いつからリストから除外されたのかは不明ながら、そんなに前の話ではないと思う。もしかすると、中国が安保理決議2371を履行するための決定をした時期と重なっているのかも知れない。ドンムに「中央TVが見られない」とクレームを入れたが、結局見られず。翌日からは、吉林衛星放送の電波すら受信できなくなった。恐らくは、アンテナを切断してしまったのであろう。それが、抗議の意なのか、「朝鮮中央TV」も写らない放送を見せるのは良くないと考えたのか、理由は定かではないが、全ての部屋で見えなくなったようだ。ただ、住み込みの朝鮮人民のオッサンは、見えるようなことを言っていたので、客室だけ切断したのか、ピンポイントで27探査隊員の部屋だけを切断したのかは不明。とりあえず、壁から出ている同軸ケーブルは、チューナーに繋がっていた。

    中国の放送が受信できていたときには、左の黒い画面に多くの放送局が表示されていたが、この項目が表示されなくなった。設定から衛星受信を試みるも、衛星からの電波は一つも拾えず。アンテナを切断されたのであろう。
    20170822 kitusrin tv P8210176

    かなり静かな柳京ホテルであるが、2日目の夜は、団体貸しきりの部屋が大いに盛り上がっていた。ちょうど大連の朝鮮人民団体の個室のような感じで、モランボン楽団の新曲が連発で歌われ、しばらくするとカラオケも始まった。27探査隊員は、客のいないコーヒー店でその歌を聞きながら大同江ビールを飲んでいたら、その部屋から出てきた女性が男の子数人を連れてきて「ここで静かに遊んでいなさい」と朝鮮語で言った。しかし、ガキ共は、ゲーム機で遊びながら中国語で大声で騒いでいる。ドンムに朝鮮語で注意されるも無視。母親らしき女性も部屋から出てくる男性もバッジを付けていないようなので、在中朝鮮人なのかもしれない(北朝鮮の歌を連発で歌っていたので、朝鮮族ではないと思う)。この宴会、何時まで続いたのか分からないが、12時過ぎまで続いたと思う。

    大連の朝鮮食堂もそうだったが、主な客層が変わったような気がする。

    柳京ホテルのコーヒー店(公演会場)には、「動画撮影禁止」の張り紙があった。

    以前から確認はできているが、少なくとも延吉では、中国のホテルやレストランで共和国旗が付いたバッジを付けて働いているドンム達がいる。今回、夕食を食べたホテルにもドンムがたくさんいた。

    大連の公演は記事に書いた通り演奏無しのガッカリ公演だったが、こちらは少なくとも演奏はしていた。しかし、演奏したのはたったの3曲。例によって「(お会いできて)嬉しいです(반갑습니다)」から始まり、「タンスメ(一気に)」、そして中国曲1曲で終わり。10分そこそこという、大連よりはましながら、ガッカリ公演であった。

    こちらは、人が多いので制止しようがないからか、中国人経営の場所だからか、撮影は一切お咎めなし。
    20170823 koen P8190166

    『タンスメ』の一部


    そして、最後に27探査隊員が向かったのは、千年白雪会館。今度は、19時の公演時間前に行ったので、2階の食堂に。中国人の団体が3組ほどおり、まあまあの盛況ぶりだった。ステージ上のスクリーンには「モランボン楽団2013年新年(新正月)公演」の木蓮DVDの映像が流されている。ドンムに「これは、何年のソルマジ(旧正月)公演か」とわざと外して質問するも、「2015年」と。本当に知らないのだか、とぼけているのか分からないが、とにかく、皆、口が堅くなっているようだ。昨年の北京と比べると雰囲気が全く違う。しかも、同じDVDばかりリピート再生で、おもしろくない。

    公演は、結局19時20分頃から始まり、1曲目は「社会主義を守ろう」。社会主義を放棄した中国人を前に歌う曲としてはなかなか良い選曲だったので期待をしたのだが、続きが良くなかった。古い民謡調の朝鮮曲、中国曲数曲、カヤグムを使った民謡調の朝鮮曲、そして中国曲で終わった。最後の中国曲の曲調は「革命的」だったので、それ系の曲だったのかも知れないが、それにしても、最新の朝鮮曲を一切演奏しないというのはガッカリ。千年白雪会館の演奏組も歌唱組も、容姿、演奏、歌唱力において、レベルが高い。それだけに、新しい朝鮮曲を演じないのは勿体ない。

    その後、例によって中国人のカラオケが始まる。当然、全て中国曲。ドンムが知っていればデュエットになるし、知らなければオッサンが1人で歌う。27探査隊員も1曲と思い費用を尋ねたところ、1曲100元(約1600円)と。工作資金不足で、敢えなく後退となる。今後、千年白雪会館を探査する隊員のために言っておくと、この店は高い。特に、1人で工作をすると割高になる(中国全般にいえることだが、料理のサイズが大きい)。大同江ビールは、なんと68元。「他の店は28元ですが」と言ってみたら、「こんなに大きいです」と手でサイズを示しながらドンム。68元の工作資金で分かったことは、大同江ビールに大瓶というものが存在すること。ともあれ、68元は高すぎる。金満中国人は、そんなに高い店で大同江ビールは注文し放題、料理もどんどんと頼むし、カラオケもどんどん歌う。千年白雪会館は、撮影規制が厳しく、中国人がスマホで撮影を始めると、オンニ(年上のドンム)が監視しており、指で合図しながら、他のドンムに撮影を制止させる指示を出している。ただし、100元払ってカラオケを歌えば、デュエット姿は撮影し放題のようだ。

    朝、人民公園の朝市にも行ってみた。例によって、犬肉が売られており、時節柄、マツタケも売っていた。以前はさほど気にもしなかったのだが、今回は安保理制裁2371の対象となった北朝鮮産の海産物(干物)が売られているのが気になった。パッケージ入れられた明太で漢字や朝鮮語で「北朝鮮明太」と書かれていた。朝鮮族のオッサンが売っていたので、「これ入らなくなりますね」と言ったら、「これからは珍しくなる」と。安保理制裁2371を忠実に履行すれば、確かに北朝鮮産の明太は、いずれ北朝鮮領域内でしか食べられなくなる。

    「北朝鮮明太」と書かれた28元のパッケージ。
    20170823 mentai P8210177

    北朝鮮とは関係ないが、もう一つ朝市で気付いたことは、違法コピーしたCDやDVDが消えていたことである。少なくとも昨年秋は、この朝市に違法コピーしたメディアを売る屋台が数軒は出ていた。しかし、今回は、そうした屋台が全くなくなり、かろうじて1つの屋台で1枚だけセクシー系DVD(もしかすると、パッケージだけで、中身は普通の音楽かも知れないが)と思われるものが置かれていた。米国からの圧力で、習近平政権が違法ソフト摘発に力を入れた結果なのかも知れないが、朝市を見る限りでは、かなり徹底しているように思われる。

    <追記: 2017/08/23 0800>
    その他、いくつか関連情報を書いておく。

    ・柳京ホテル:
    宿泊費は1泊約280元(時期により若干の変動があると言っていた)。朝食付き。朝食は、日本人の場合は、辛めのおかずを減らし、納豆と海苔を付けてくる。ドンムが「このお客さん、日本の方でしょうか」とフロントに電話をして確認し、その後、調理人の「XX同志」(名前は失念)に、納豆と海苔を付けるよう指示していた。おかず数点、汁物1点のシンプルな食事であるが、中国のホテルで朝から中華料理を食べるよりも私には向いている。

    ホテルで通じる言語は、朝鮮語と中国語。英語については、未確認ながらも、簡単な会話はできるように思われる。ただ、このホテルには朝鮮総連系の人が常駐しているようで、2年前は青年が夜中に到着したときフロントにおり、今回はコーヒー店でビールを飲んでいたら、中年女性が日本語で話しかけてきた。この人達が対応してくれれば、日本語も可ということになる。総連青年については、明らかに、朝鮮語が話せない日本人向けの対応であった(朝鮮語で予約したのに・・・)。

    その予約であるが、電話のみ(中国のホテル予約サイトを全て確認したわけではないが)。日本のネットを見ていると、予約代行サービスを提供している業者もあるようだが、私は使ったことがない。決済は現金(中国元)のみで、一応、クレジットカード読み取り機は置かれているが、海外カードには対応していないと思われる(過去、カード決済は不可と言われた)。外貨との換金もしていないので、宿泊する場合は、中国元を準備する必要がある(頼んでみたら「近所に銀行はたくさんありますよ」と言われた)。

    部屋は、高級感はないものの広くて快適。一番快適なのは、トイレに南朝鮮謹製のウォッシュレット(スイッチ類は全て「ハングル」表示)が設置されていること。中国のホテル(私が自前で泊まるような安ホテルや、時々招待側の負担で使える一部の4つ星以上のホテルも)でウォッシュレットが設置されているホテルは少数派だと思う。部屋により違いがあるのかも知れないが、バスタブはなく、シャワールームはガラスで分離されているので洗面所・トイレ部分へ水が流れ出ることもなく、これまた合格。温水も充分に出る。部屋のスリッパに朝鮮文字(故郷だったか健康だったか失念したが、そんな文字)が書かれていたのでmade in DPRKかと思いきや、Chinaだった。わざわざスリッパまで朝鮮文字が記されたものを使うなど細心の心遣い。そんなことからすると、やはり「朝鮮中央TV」が写らないテレビなどテレビではないということなのかもしれない。

    ミネラルウォーターは有料(5元)。ホテル正面にある超市(スーパー)で買えば2元。漢族の店なので朝鮮語は通じないが、冷蔵庫から出してカウンターに置き、適当な高額紙幣(10元ぐらい)出せば、おつりをくれる。足りない場合は、1元とか5元をトランプのように開いてみせると、引っこ抜いてくれる。いつまで経っても中国語を覚えない日本人民に友好的な店である。

    部屋に置かれている、ホテル・インフォメーション。朝鮮語と中国語(裏面)で記されている。宿泊情報だけではなく、ホテルの来歴まで書かれているところが興味深い。
    20170823 ryh an2 P8200170

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    延吉柳京ホテル(「ホテル」の태は、南朝鮮フォントを使用)への来訪を歓迎します。

    延吉柳京ホテル有限公司は、1995年10月、延辺州政府の延吉市の(「の」部分、朝鮮語はこともあろうに의と위の誤記)温かい関心の下で設立された外商投資企業です。1、2階の食堂と1階の西洋料理・コーヒー店は、温かく静かな雰囲気で、国内外の多くの貴賓をお迎えしております。

    各客室には自動電話とインターネットが設置されており、外部に通話される場合は、まず9番を押し、希望される電話番号を押して下さい。

    食堂では、平壌から招かれて来られた(料理士に敬語を使っている。エラーと思われる)料理士が、各種の独特な朝鮮料理をご提供いたしております。

    1階の柳京館は、朝鮮の独特な料理を提供し、平壌の接待員が歌も歌って差し上げております。

    2階の柳京館は、静かな食堂と貴賓室で落ち着いた雰囲気で食事ができます。

    1階の西洋料理、コーヒー店では、日本から来た料理士が西洋料理を提供し、(インスタントではない)ドリップ・コーヒーもお出ししております。

    朝食:2階の食堂、7時-8時30分まで、朝鮮料理を提供しております。
        1階の西洋料理・コーヒー店では、9時から10時30分までパン食を提供しております。

    電話番号:
    総服務台:(また、朝鮮語のエラー。「服務」で무を부と)。(電話番号は、悪戯防止のため、著者削除)
    客室服務台: 4542
    1階柳京館: 2210
    2階柳京館: 2228
    1階西洋料理・コーヒー店: 2234

    お客様の事業の成果と健康をお祈りいたします!ありがとうございます!
    **********************************

    「1階の西洋料理・コーヒー店」で「パン食」を食べてみようと、9時過ぎに行ってみたら、「朝食は8時半まで」だと断られた。部屋の案内板に10時30分までだと書いてあったと提供を求めるも、「パンとセットになったものはない」と。ドンムの様子からして、このホテル・インフォメーションの存在すら知らない様子だったので、「そうですか」と後退した。

    柳京ホテルでのお勧め料理は、トジャン・クック(토장국)15元と温面(온면)約15元。トジャン・クックは韓国のテンジャン・チゲと同じであるが、飲んだ後は旨い。また、以前記事にもした、トウモロコシ麺(강냉이국수)を食べたくて注文したところ、トウモロコシ麺という名前の料理はなかったが、温面という名称でトウモロコシ麺を使った激辛面があった。辛いのが苦手な人は絶対に食べられない辛さであるが、美味しかった。

    フロント前には冷蔵庫が置かれており、これまでも販売していた平壌キムチなどの食材だけではななく、大同江ビールも28元で販売していた。

    ・英子狗肉館:
    「パン食」を断られたので、そのまま延吉の街を探査することにした。27探査隊員の新標準装備、中国SIM(香港版:香港版でないと、google系は使用不可と思われる)がなかったときは、事前に地図で調べて、日本でプリントアウトするなり、現地で手書きにするなりの手間がかかったが、この新標準装備のおかげで、Baidu地図とgoogle翻訳が使えるようになり、かなり自由に動き回れるようになった。延吉の8月は、陽ざしこそ強いが、湿度が低く日陰に入れば涼しいので、探査するには悪くない。延吉も都市整備を進めているようで、これまでガタガタのブロックが置かれていた歩道をコンクリートで固める工事があちこちで行われていた。しかし、例によって歩道は駐車場と化しており、歩行者は車道を歩かざるを得ない場所もたくさんある。また、上海と比べると自動車優先度が依然として高く、道路を横断するときは「周りの中国人と一緒に動く」必要がある(命の保証はしないが)。彼らは、どのタイミングでどのように動けば渡れるか心得ているようで、自動車の切れ目を上手にすり抜けていく。

    ポシンタン(犬肉スープ)を食べたくて、baiduで検索したら、柳京ホテルの近く(徒歩10分)に英子狗肉館という店があった。なかなか大きな店で、朝鮮族の老人グループがビールを飲みながら大声で話をしていた(そして、ロシア人のカップルもいた)。注文を取りに来たのは漢族のニーチャンだったので、朝鮮語で話しかけると、支配人のような朝鮮族の女性が来てくれた。中国では、1人で食事をするという習慣がないのか、とにかく全てが大きい。この店のポシンタンも大きかったのだが、その中で一番小さなサイズを注文した。支配人は「肉が少ないですよ」と言っていたが、私には丁度良いか充分すぎるぐらい。食べているとやって来て「今朝仕入れた新鮮な肉だから美味しいでしょ」と。確かに美味しいのだが、一瞬、朝市の光景が頭に浮かんだ。ポシンタン、小サイズは22元だった。

    <追記2: 2017/08/23 1327>
    柳京ホテルがネットからも予約できるという情報を頂いた。ctripという中国のホテル予約サイトで、以前検索したときは出ていなかったか、ホテル名は項目として出てくるも予約できない状態になっていたのだが、今見ると、予約できるようになっている。朝食無しだと240元のようだ。私が泊まった部屋は左上の写真の部屋と同じ構造。

    https://hotels.ctrip.com/hotel/5275510.html

    「米国が、いったい何様だと!」:「元帥様」は、「図体の大きな国」の片方に祝電、ウクライナ製のエンジン (2017年8月14日 「朝鮮中央TV」)

    14日、「朝鮮中央TV」で放送された反米の「詩」。ついでに、「制裁決議に手を挙げた」「図体の大きな国々」も嘲笑している。

    日本語字幕付き。

    Source: KCTV, 2017/08/14

    とはいえ、「元帥様」は、「図体が大きな国々」の1つである、ロシア大統領には祝電を送っている。

    *************************************
    敬愛する最高領導者金正恩同志が、ロシア連邦大統領に祝電を送られた
    경애하는 최고령도자 김정은동지께서 로씨야련방 대통령에게 축전을 보내시였다

    モスクワ、ロシア連邦大統領 
    모스크바 로씨야련방 대통령
    ウラジミール・ウラジミロパチ・プーチン閣下
    울라지미르 울라지미로비치 뿌찐각하

    私は、朝鮮解放72周年に際し、あなたと、そしてあなたを通して親善的な貴国人民に温かい挨拶を送ります。
    나는 조선해방 72돐에 즈음하여 당신과 그리고 당신을 통하여 친선적인 귀국인민에게 따뜻한 인사를 보냅니다.

    私は、厳しい抗日大戦の日々、共同の闘争で作られた朝露親善関係が、両国人民の利益に合うように変わらず強化発展するという確信を表明します。
    나는 준엄한 항일대전의 나날에 공동의 투쟁으로 마련된 조로친선관계가 두 나라 인민들의 리익에 맞게 변함없이 강화발전되리라는 확신을 표명합니다.

    私は、この機会に強力なロシアを建設するためのあなたの責任ある事業で成果があることを心より願います。
    나는 이 기회에 강력한 로씨야를 건설하기 위한 당신의 책임적인 사업에서 성과가 있을것을 진심으로 바랍니다.

    朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員長
    조선민주주의인민공화국 국무위원회 위원장
    金正恩
    김정은

    主体106(2017)年8月15日、平壌
    주체106(2017)년 8월 15일 평양

    Source: 『労働新聞』、「경애하는 최고령도자 김정은동지께서 로씨야련방 대통령에게 축전을 보내시였다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2017-08-15-0004
    *********************

    「元帥様」、対共産党ではないからか、「国務委員会委員長」の肩書きを使っている。

    これに先だちプーチンは、11日付けで「元帥様」に祝電を出している。

    **********************
    敬愛する最高領導者金正恩同志にロシア連邦大統領が祝電を送ってきた
    경애하는 최고령도자 김정은동지께 로씨야련방 대통령이 축전을 보내여왔다

    平壌、朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員長
    평양 조선민주주의인민공화국 국무위원회 위원장
    金正恩閣下
    김정은각하

    尊敬する金正恩閣下、
    존경하는 김정은각하,
    私は解放の日に際して、あなたに心より祝賀を捧げます。
    나는 해방의 날에 즈음하여 당신께 충심으로 되는 축하를 드립니다.

    我々は、貴国の自由と独立のための闘争で、自分の生命を捧げた赤い軍隊、軍人と朝鮮の愛国者達を敬虔に追憶しています。
    우리는 귀국의 자유와 독립을 위한 투쟁에서 자기의 생명을 바친 붉은군대 군인들과 조선의 애국자들을 경건히 추억하고있습니다.

    私は、ロシアと朝鮮民主主義人民共和国間の親善関係と建設的な協力をさらに強化することが、我々の共同の利益に合致し、朝鮮半島と東北アジア地域全般の平和と安定保障に寄与すると確信しています。
    나는 로씨야와 조선민주주의인민공화국사이의 친선관계와 건설적인 협조를 더욱 강화하는것이 우리의 공동의 리익에 부합되며 조선반도와 동북아시아지역전반의 평화와 안정보장에 이바지한다고 확신합니다.

    私は、あなたが健康で、成果を挙げられることを祝願しながら、貴国の全ての人民に幸福と福利があることを願います。
    나는 당신께서 건강하고 성과를 거두실것을 축원하며 귀국의 전체 인민들에게 행복과 복리가 있기를 바랍니다.
    敬意を表します。
    경의를 표합니다.

    ウェ・プーチン
    웨.뿌찐
    2017年8月11日、モスクワ、クレムリン
    2017년 8월 11일 모스크바, 크레믈리

    (変換ミスのご指摘をいただいた方、ありがとうございます)
    Source:『労働新聞』、「경애하는 최고령도자 김정은동지께 로씨야련방 대통령이 축전을 보내여왔다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2017-08-15-0005
    ********************

    「元帥様」の祝電は、答礼という要素が強いのかも知れないが、外面的には、朝中よりも朝露の方が関係が良いように見える。

    昨日記事にした、15日の米国務省定例記者会見では、「火星-14」に使われたエンジンが「ウクライナの国営工場から輸出されたものではないのか」という質問が出された。これについてウクライナ政府はこのエンジンが「2001年以前にロシアに輸出された」ことを認めている。仮にこのエンジンが北朝鮮に持ち込まれたとして、どの時期なのかは今のところ明らかになっていないようだ。

    このエンジンが「火星-14」に使われた可能性があるのかについて、Savelsburg先生に意見を求めているところである。

    大連の北朝鮮籍貨物船 動きは活発 (2017年8月17日)

    17日朝、11時頃の大連コンテナターミナルと大連沖の北朝鮮船籍船の状況を見た。

    コンテナ埠頭には、大連沖に停泊していた別の北朝鮮籍貨物船が入港している。
    20170817 1100jst
    Source: Marine Traffic, 2017/08/17 1100JST

    また、大連港沖を見ると、昨日、着岸していた貨物船が北朝鮮に向かって航行しており、新たに北朝鮮船籍船が入港してきている様子も分かる。昨日の記事にも書いたように、30日間の猶予期間があるので、この状況はしばらく続くものと思われる。もし、30日後にもこの状況が続いているのであれば、積荷が制裁対象品目ではないか、中国が制裁を厳格に履行していないということになる。
    20170817 1103jst
    Source: Marine Traffic, 2017/08/17 1103JST

    ざっと見ただけであるが、この他にも煙台沖などを航行する北朝鮮船籍船が確認できた。

    「火星-12」をグアム沿岸30~40kmに着弾させる現実性、別の意味で「大変賢明で熟考した上での判断」 (2017年8月17日)

    昨夜書いた「トランプの金正恩は賢明」ツイート記事の下の方に書いたように、ミサイル科学者のSaveksberg先生に「北朝鮮が計画しているようにグアム沖30~40km地点に「火星-12」を着弾させることが北朝鮮の技術的に可能か」と質問を出した。今朝見たら、返信が来ていたので紹介しておく。

    命中精度、同先生はCEPという少し複雑な概念で回答しておられるが、北朝鮮のミサイル誘導システムはScud由来のものが使われており、だとするとCEPは300km当たり1kmということになり、北朝鮮からグアムまでの距離はおよそ3400kmとなるので、CEPは10km+αぐらになるという。したがって、CEPだけからすれば、北朝鮮が計画している「30~40kmに着弾させる」ことは可能ではないかということになる。

    しかし、CEPの問題はさておき、「北朝鮮は火星-12の発射に1回しか成功していない上に(火星-14の1段目に火星-12と同じものが使われているとしても3回)、3回の失敗をしている。また、5月の発射で再突入に本当に成功したのかも確認されていない」と指摘しながら、「火星シリーズは、実戦配備可能な兵器ではない」と断定している。

    こうした大きな不確実性を内包しているにもかかわらず、「火星-12、グアム島打撃計画」は、北朝鮮がよく使う表現のように「米国と世界を震撼」させており、「戦略兵器」としての役割は充分に果たしているように思われる。

    トランプが言う「大変賢明で熟考した上での判断」とは別の意味で、発射せずとも米国を動かせるのであれば、7月の2回の「火星-14」によるデモンストレーションと今回の「グアム島打撃計画」は、「元帥様」の「大変賢明で熟考した上での判断」だと言えるのではないだろうか。

    トランプ、ツイートで「元帥様」に「賢明で熟考した判断」と、<追記>命中精度 (2017年8月16日)

    16日、トランプが次のようなツイートをした。

    ****************
    Donald J. Trump‏認証済みアカウント @realDonaldTrump 3 時間3 時間前

    北朝鮮の金正恩は、大変賢明で熟考した上での決断をした。反対の決断をしていれば、壊滅的で容認不可であったはずだ!
    Kim Jong Un of North Korea made a very wise and well reasoned decision. The alternative would have been both catastrophic and unacceptable!
    13,803件の返信 14,265件のリツイート 56,289 いいね
    *****************

    トランプが、元帥様の「様子見」を多少なりとも対話に「前向き」と捉えたような雰囲気もあるが。

    <追記: 2017/08/17 0026>
    ふと思いついたのだが、「火星-12」の命中精度はどのぐらいなのだろうか。北朝鮮は、グアム島の沖合30~40kmに着弾させると予告しているが、その範囲に着弾させられる命中精度に自信があるのだろうか。仮に発射して、予告した地点より大きく外れて100~150km沖合となれば、戦争は回避できる可能性は高くなるものの、北朝鮮はミサイル誘導技術の低さで恥をさらすことになるし、逆に陸地に落ちて犠牲者を出すような事態になれば、それこそ戦争になる。そう考えると、「元帥様」は、本気だったのかと疑ってしまう。

    「火星-12」の命中精度についてどのように考えられるのか、いつものSavelsberg先生に質問のメールを送っておいた。

    北朝鮮投資会社Phoenix Commercial Ventures Ltd、2016年6月をもって解散、ハナ電子のカラオケマイクは手に入らず (2017年8月16日)

    香港に事務所がある(あった?)Phonenix Commercial Ventures Ltd.という会社のHPを見ていたら、北朝鮮のハナ電子と提携関係があると書かれていた。早速、「ハナ電子のカラオケマイクは入手できるのか」とメールを送ってみたところ、「2015年に提携関係は解消した」と返信が来た。よく見れば、同社HPのトップに「2016年6月に北朝鮮から撤退し、この会社は公式に解散した」と書かれていた。しかし、メールに対する返信が直ぐにあったので、この企業自体は存続しており、北朝鮮以外の企業への投資を続けているのであろう。安保理決議2371との関連からすれば、タイムリーな撤退だったのかも知れない。

    同社HPのトップページ
    20170816 hanachonj jv
    Source: Phonenix Commercial Ventures Ltd., http://www.phoenixcommercialventures.eu/

    大連沖にいた北朝鮮船籍船、コンテナ埠頭に着岸中 (2017年8月16日)

    15日、大連沖に停泊していた北朝鮮船籍船2隻が、大連のコンテナ埠頭に着岸している。

    地図がずれていることに注意。
    20170816 marine traf 1812jst
    Source: Marine Traffic, 2017/08/16 1812JST

    Google Earthで見ると、2隻はそれぞれの☆の位置に着岸していると思われる。
    20170816 g earth dalian close1
    Source: Google Earth 筆者加工

    コンテナ埠頭なので、コンテナの中身は不明。仮に安保理決議2371で取引が禁じられた品目であっても、既に契約が行われている場合(今回のケースはそれに相当するであろう)、安保理当該委員会に45日以内に報告することを条件に、決議採択から30日以内であれば輸入は許可されている。一方、中国独自の輸入禁止措置にこうした猶予期間が設けられているのかは不明。

    下の写真は、咸鏡南道にあるHungnam Manson Trading Companyの加工水産物であるが、これらも安保理決議2371では取引禁止品目とされている。
    20170815 foreign trade seafood f
    Source: Foreign Trade of the DPRK, 2016 3, Foreign Trade Publishing House, p.21

    <追記: 2017/08/17 1246>
    中国当局の禁輸措置に関するコメントをいつもタイムリーに中国語を翻訳してコメントして下さる方から頂いた。本当に有難い限りである。以下、コメントからも見られるが、訳出された部部のみ記事の方にも転載しておく

    **************
    ----------
    国連安保理第2371号決議の執行に関する公告
    商務部 海関総署 公告 2017年第40号

     国連安保理第2371号決議の執行のため、中華人民共和国対外貿易法にもとづき、ここにおいて朝鮮との輸出入貿易に係わる一部産品につき下記の管理措置をとる:
    1 公告の施行日より、石炭・鉄・鉄鉱石・鉛・鉛鉱石・水産物の朝鮮からの輸入を全面的に禁止する。公告の施行日の前に既にわが港に到着している上述の貨物につぃては、通過の許可を与えることができる。9月5日の零時からは、輸入の手続きも行わない(税関が既に申告を受けたが、まだ通過の許可手続きをしていない貨物を含む)。この後、入境する上述の産品については、一律に貨物輸入禁止により処理する。
    2 上記の措置は、信頼できる情報にもとづいて、朝鮮原産ではなく、かつ朝鮮の羅津港(Rason)を経由して再輸出されたと輸出国が証明する石炭には適用しないが、輸出国は事前に国連安保理が第1718号決議にもとづいて設立した委員会に報告しなければならない。羅津港を経由して朝鮮原産でない石炭を輸入する中国企業は、国連安保理が第1718号決議にもとづいて設立した委員会への輸出国の報告資料を保持しつつ通関手続きを行わなければならない。
    3 関係する禁輸産品の詳細については付属文書を参照のこと。
    本公告は2017年8月15日より施行する。
    付属文書:国連安保理2371号決議により新増設された対朝鮮禁輸一部産品の明細
    ----------

    第2項は、一部の石炭が「他国原産の石炭の再輸出」という名目で北朝鮮から輸出されていたことを示しているように思われます。実際、前回の公告第12号を確認すると、輸入を停止したのは「朝鮮原産の石炭」となっているので、北朝鮮の港から来たものであっても「朝鮮原産」に相当しないとされる石炭は輸入可能だったことになります。
    今回の措置にそういう「抜け穴」があるのかについては、自分も興味があるのですが、なかなか公告と付属文書の文面だけからでは判断がつけられません。

    ----------

    コメントを下さった方がお書きに「第2項」は、ロシア産(等外国の)石炭の羅先港経由での第三国への輸出を許可する条項で、安保理決議条項にも含まれている。記憶では、北朝鮮産の石炭輸入に上限を設けた一つ前の決議には既にこの条項はあり、きちんと比較こそしていないが、今回の制裁決議2371でもそれをそのまま引き継いでいるものと思われる。

    「第1条項」は、一見、制裁決議を履行する形を取っている。しかし、今一つよく分からないのは「公告の施行日の前に既にわが港に到着している上述の貨物については、通過の許可を与えることができる」と「通過の許可」を与えておきながら、一方で、「9月5日の零時からは、輸入の手続きも行わない」としている点である。「通過」を一度陸揚げされ、そのまま第三国に輸出されるという意味ではなく、「税関を通過させる」つまり、「中国に輸入する」という意味で捉えれば、安保理制裁と内容的には一致するのだが。

    平和自動車:ラインアップ (2017年8月16日)

    平和自動車のHPがなかなか面白いので紹介しておく。サーバーは、韓国に置かれており、会社の所在地もソウル市江南区になっている。

    設立日:1999年4月8日
    代表理事:朴サンクォン
    資本金:435億ウォン(3630万ドル)、2009年12月現在

    2002年~2006年製造 1.6L ガソリン, 80hp, 5MT、7.89km/l フィパラム(口笛)(휘파람)
    20170805 hpm1
    Source: 平和自動車、http://www.pyeonghwamotors.com/eng/

    2007年 1.8L ガソリン, 110hp, 5MT, 6.2km/l フィパラムⅡ(휘파람Ⅱ)
    20170816 hpm2
    Source: 平和自動車、http://www.pyeonghwamotors.com/eng/

    2010年~現行モデル 1.6L ガソリン、100hp, 5AT、8.5km/l フィパラムⅢ(휘파람Ⅲ)
    20170816 hpm3
    Source: 平和自動車、http://www.pyeonghwamotors.com/eng/

    2003年~2004年 1.6L ディーゼル, 60hp, 5MT, 11km/l ポックギ(カッコウ鳥) (뻐꾸기)
    20170816 pkg1
    Source: 平和自動車、http://www.pyeonghwamotors.com/eng/

    2004年~2006年 2.2L ディーゼル, 120hp, 5MT, 15km/l ポックギⅡ (뻐꾸기Ⅱ)
    20170816 pkg2
    Source: 平和自動車、http://www.pyeonghwamotors.com/eng/

    2004年~現行 2.2L ディーゼル, 120hp, 5MT 10km/l ポックギⅢ (뻐꾸기Ⅲ)
    20170816 pkg3
    Source: 平和自動車、http://www.pyeonghwamotors.com/eng/

    2005年~現行 2.4L ガソリン、120hp, 5MT, 13.9km/l ポックギ4WD (뻐꾸기4WD)
    20170816 pkg4wd
    Source: 平和自動車、http://www.pyeonghwamotors.com/eng/

    2005年~2006年 2.8L ガソリン、197hp, 5AT, 8.2km/l ジュンマ(駿馬) (준마)
    20170816 junma
    Source: 平和自動車、http://www.pyeonghwamotors.com/eng/

    2005年~現行 2.4L ガソリン、101hp, 5MT, 9.8km/l サムチョルリ(三千里) (삼천리)
    20170816 3000ri
    Source: 平和自動車、http://www.pyeonghwamotors.com/eng/

    以上が同HPに出ているラインアップである。

    南浦市の平和自動車工場
    n1_6_02.jpg
    Source: 平和自動車、http://www.pyeonghwamotors.com/eng/

    アッセンブリーライン
    n1_6_12.jpg
    Source: 平和自動車、http://www.pyeonghwamotors.com/eng/

    若干分かりにくいグラフであるが、上のグラフは平和自動車のシェアを表しているものと思われる。2002年~2008年までの青い棒グラフは、北朝鮮での平和自動車を除く自動車生産台数で右の目盛りを見るのであろう。興味深いのは、2002年から2007年までは生産台数が4400台以下で推移しているが、2008年には旧に4500台に増加している。たかが100台の増加ではあるが、右の目盛りを見れば、その100台が如何に北朝鮮の自動車生産において大きな数字であるのかが分かる。

    一方、左の目盛りと棒グラフの中に書かれている数字が平和自動車の生産台数、そしてそれぞれのグラフの上に書かれているパーセントが全北朝鮮の自動車生産台数に占める平和自動車の占有率となる。2005年に一時的な落ち込みを見せてからは、ほぼ堅調に増加している。2009年以降、棒グラフが急に長くなっているのは、平和自動車による生産が北朝鮮全体の生産量に含まれたからである。北朝鮮における2011年までの乗用車生産は、ほぼ平和自動車により牽引されたと言ってよかろう。

    それを反映するかのように、下のグラフを見ると、平和自動車の販売台数も2008年以降、急増している。

    20170816 north1_3_img
    Source: 平和自動車、http://www.pyeonghwamotors.com/ 日本語筆者追記

    問題は、2011年以降どうなっているかであるが、平和自動車HPではそれ以降のデータは公表されていない。想像では、平和自動車による生産は上昇を続けているものの、中国からの自動車輸入の増加に伴い、乗用車数が急増する中、それに占める平和自動車の割合は低下しているのではないかと思われる。

    「元帥様」の「しばらく米国の行動を見る」を受けて、米国務省定例記者会見など (2017年8月15日)

    「エビ」の記事の下の方に書いていたのだが、長くなったので別記事にすることにした。

    文在寅が光復節演説で「韓国の許可なく、朝鮮半島で戦争を起こすことを認めない」と発言した問題は、米国務省定例記者会見のみならず、中国外交部定例記者会見でも取り上げられ記者から質問が出されている。米国務省定例記者会見で報道官は、「同盟国とは緊密に連携している」と言葉を濁して答え、中国外交部報道官は「文在寅大統領は平和のための努力を惜しまない」とこの発言を歓迎している。

    「元帥様」が「もう少し米国の行動を見る」と発言したことについて、記者から「米国はこれを対話に向けた前向きの行動と考えるのか」という質問が出された。これに対して米国務省報道官は、「そうは考えない」とした上で、こんな例を出した。「子供が『クッキーを盗まなかったから、テレビを買って』と言っているようなものだ」と。記者からは直ぐに「金正恩は子供だというのか」と質問が返され、報道官は「ただの例だ」と答えていたが、こういう微妙なやりとりは北朝鮮を刺激することは間違いない。

    また、国務長官ティラーソンと国防長官マティスがWall Street Journal に連名で投稿した記事で、「外交による解決に努力する」と述べているという話題も米中両国の外務部署の定例記者会見で取り上げられている。

    確かに、何を持って「北朝鮮の前向きの態度」とするのかについては、よく分からない。そもそも、「元帥様」が「核を放棄する」などと交渉に入る前からこの期に及んで言い出すはずなどない。「首領様」の92年の「朝鮮半島非核化宣言」という「遺訓」を持ち出す可能性は残されているが、交渉の中途でこの「遺訓」を引用する可能性こそあれ、最初からこれを言うことはないであろう。

    米国務省報道官は、21日から予定されている米韓軍事演習を「定例的で国際的に合法的なものである」としているが、朝鮮半島での戦争を回避し「朝鮮半島の非核化」というより大きな目標を達成するために、中止はしないまでも、何らかのアクションを取ることはできるはずである。「国際的に合法」であれば、緊張を敢えて激化さえてもよいということではない。

    過去記事で、「元帥様」は、1994年の核危機を再現し、「偉業」にしようとしているのではないかと書いたが、21日からの米韓合同軍事演習で米国が一歩引き下がれば(中止しなくても、規模縮小や訓練海域変更を公言すれば良い)、「元帥様」の「反米対決戦での戦勝偉業」となり、北朝鮮としても動きやすくなるはずである。米国にとって失うものは何もなく(北朝鮮が「戦勝」宣伝したところで、国際社会はどうせそう考えないのだから)、核・ミサイル問題解決に向けた流れができるのであれば、これぞ外交である。

    「元帥様」も「戦略軍司令部視察」で、「米国が周辺から核打撃手段を引き上げれば」というようなことを言っており、明らかに米国による何らかのジェスチャーを望んでいるのではないだろうか。

    US Department of State, Daily Press Conference, https://www.state.gov/r/pa/prs/dpb/2017/08/273454.htm#NORTHKOREA
    Foreign Ministry of the PRC, Foreign Ministry Spokesperson Hua Chunying's Regular Press Conference on August 15, 2017
    2017/08/15, http://www.fmprc.gov.cn/mfa_eng/xwfw_665399/s2510_665401/t1484923.shtml

    「災難に遭ったエビ」:米国と中国にTHAAD問題で翻弄されるエビ(韓国)、BGMはディズニー系らしい、文在寅光復節演説 (2017年8月15日 「uriminzokkiri」)

    15日、uriminzokkiriにアップロードされた動画。「鯨の争いでエビの背中が割れる」という朝鮮の諺を基にした風刺アニメ。

    「アメリカ鯨」と「アジア鯨」の板挟みになり、THAAD配備で困り果てている「エビ」の姿を現している。「アジア鯨」はもちろん中国であるが、中国とは言っていないところもポイント。また、アニメに描かれている鯨の顔も「アメリカ鯨」は凶悪な強盗のように、「アジア鯨」は普通の顔をしている。しかし、エビが「アジア鯨」を指して「偉容」という吹き出しでは、「偉容」に括弧が付けられている。また、THAADを示す「長い槍」の袋にも「用」と一つだけ漢字が使われている。この辺り、わざわざ1文字だけ漢字を入れることで中国を連想させるための細かな演出であろう。

    また、YouTubeにこの動画をアップロードしたところ、BGMの著作権に関する案内が出た。使用禁止の楽曲ではないが、視聴による収益が著作権者に入るというもの。uriminzokkiriの動画は、しばしば外国の楽曲を使っており、この案内はよく見る。しかし、このアニメに使われているBGMはトーマス・ニューマンの映画『Finding NEMO』の中で使われている『新しい家』という曲のようで、ディズニー系の楽曲である。

    エビもNEMOも海の中で暮らしているのだが・・・ということなのか、もっと深い意味があるのか『Finding NEMO』を見ていないのでよく分からない。

    日本語字幕付き。

    Source: uriminzokkiri, 2017/08/15

    15日、「エビ」の文在寅の光復節演説を聞いていたら、「元帥様」の「戦略軍視察」ニュースが飛び込んできて、文在寅演説は項目を並べただけになってしまったが、文在寅は「エビ」どころかなかなか立派なことを言った。「韓国の許可なく、朝鮮半島で戦争を起こすことは許さない」という言葉であるが、これは米国が一国主義に基づいて身勝手に北朝鮮に対する武力攻撃をすることは容認しないという実に力強いメッセージである。

    <追記: 2017/08/23 1154>
    オリジナル日本語字幕バージョン。

    Source: uriminzokkiri, 2017/08/18

    カブトムシ (2017年8月16日)

    中国のタクシー運転手以上に、北朝鮮とは無関係の話。

    7月末ぐらいだっただろうか。マンションの通路に雄のカブト虫がひっくり返ってもがいていた。そのままつかんで放り投げればブーンと飛んでいったのであろうが、余命幾ばくもない哀れな奴(北朝鮮に言わせれば米国)だと思い、部屋に持ち帰った。

    実は、かつて鯉のぼり祭りでカブトムシの幼虫を数匹買い、飼っていたら一時期は数十匹に増えてしまい、衣装ケース2つに分けて飼っていた。エサは100均の黒糖ゼリーをカブトムシ共が好んだのでよかったのだが、腐葉土はそれなりにお金がかかった。

    繁殖を繰り返すこと数年、惰性で飼い続けていたのだが、ある年の冬、幼虫が腐葉土の中で全滅した。理由は不明ながら、ネットで調べてみると、あれこれと原因は書かれている。これまで通りの管理をしていての突然死だったので、やむを得ずとカブトムシの飼育に一度ピリオドを打った。

    ということで、ダイソー謹製黒糖ゼリーがまだ1パック残っていたので(賞味期限不詳)、そこらに転がっていた虫かごに止まり木と一緒に入れてやった。連れてきた奴は、背中に他の雄に付けられた傷があり、ひっくり返っていたような奴なので、2~3日で死ぬと思っていた。

    ところが、このカブトムシ、未だに生き延びている。想定外の寿命で、残り物の黒糖ゼリーも残り少なくなってきた。頭もそこそこ良いのか、ゼリーが少なくなり角が引っかかり深いところを食べられなくなると、自分でひっくり返してゼリーを出して食べている。

    かわいい奴、メスと一緒にしてやりたいところなのだが、数十匹の悪夢(あるいはコバエのファンタジー)が再来すること明らかなので、独身のまま一生を終えてもらうことにしている。

    「創造できぬ悲劇はどこから」:「ソウルで数千人死んでも、米国では死なない」というトランプ発言を排撃 (2017年8月15日 「uriminzokkiri」)

    15日、uriminzokkiriが以前アップロードされた字幕なし版にオリジナル日本語字幕を付けてアップロードした動画。トランプの「ソウルで数千人死んでも、米国では死なない」というトランプの発言を排撃する動画。「創造」はuriminnzokkiriの変換ミス。

    オリジナル日本語字幕付き。

    Source: uriminzokkiri, 2017/08/15

    「敬愛する最高領導者金正恩同志、朝鮮人民軍戦略軍司令部を視察された」:壁面には、朝鮮半島、日本、太平洋、アンダーソン空軍基地 (2017年8月15日 「労働新聞」)

    日本語字幕付き。

    Source: KCTV, 2017/08/15

    15日、『労働新聞』に。

    写真から(写真のファイル名の付け方が変更されていた)。

    壁面地図、左「南朝鮮作戦地帯」、右「日本作戦地帯」、机上「戦略軍火力打撃計画」
    20170815-01-03.jpg
    Source: 『労働新聞』、「경애하는 최고령도자 김정은동지께서 조선인민군 전략군사령부를 시찰하시였다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2017-08-15-0001

    右壁面、グアムのアンダーソン空軍基地と思われる写真。
    20170815-01-04.jpg
    Source: 『労働新聞』、「경애하는 최고령도자 김정은동지께서 조선인민군 전략군사령부를 시찰하시였다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2017-08-15-0001

    アンダーソン空軍基地。これと同じ写真が壁面に。
    20170815 anderson ab guam
    Source: Google Earth

    20170815 anderson ab guam2
    Source: Google Earth

    <追記: 2017/08/15 1410>
    「朝鮮中央TV」の画像をよく見ると、アンダーソン空軍基地の写真は、2枚の写真を繋いで作ってあることが分かる。中央で色が別れている。また、右上の青い枠にボカシが入れてあるように見える。
    20170815 anderson ab guam4
    Source: KCTV, 2017/08/15 より切り出し

    海岸の波の様子、雲の少なさなどからすると、2015年12月24日に撮影された映像を下の写真のように切り取って使っているのではないかと思われる。若干見える雲のようなものは、周辺の光の反射か、そうでなければ北朝鮮が静止画処理で埋め込んだものであろう。「地球観測衛星」が撮影したものでなければだが。
    20170815 anderson ab guam3
    Source: Google Earth, 2015/12/24撮影


    敬愛する最高領導者同志は、続けて、司令部指揮所で戦略軍が準備しているグアム島包囲射撃方案に関する金ラクキョム大将の結審報告を聴取された。
    경애하는 최고령도자동지께서는 이어 사령부지휘소에서 전략군이 준비하고있는 괌도포위사격방안에 대한 김락겸대장의 결심보고를 청취하시였다.

    敬愛する最高領導者同志は、グアム島包囲射撃方案を長時間、具体的に検討され、指揮官と真摯に協議された。
    경애하는 최고령도자동지께서는 괌도포위사격방안을 오랜 시간 구체적으로 검토하시고 지휘성원들과 진지하게 협의하시였다.

    敬愛する最高領導者同志は、朝鮮人民軍戦略軍でグアム島包囲射撃方案を党の構想と意図に合ったように、非常に緻密で用意周到に作成したことについて評価され、威力示威射撃準備状態を検閲された。
    경애하는 최고령도자동지께서는 조선인민군 전략군에서 괌도포위사격방안을 당의 구상과 의도에 맞게 매우 치밀하고 용의주도하게 작성한데 대하여 평가하시고 위력시위사격준비상태를 검열하시였다.

    つづく・・・

    敬愛する最高領導者同志は、グアム島包囲射撃準備を終え、党中央の命令を待っているという戦略軍司令官の報告を受けられ、火星砲兵の気勢が普通ではない、今日、大連合部隊に来て火星砲兵の戦闘準備態勢と士気沖天する姿を直接見て、新たな決心を固くすることになる、非常に満足だと言われた。
    경애하는 최고령도자동지께서는 괌도포위사격준비를 끝마치고 당중앙의 명령을 기다리고있다는 전략군사령관의 보고를 들으시고 화성포병들의 기세가 이만저만 아니라고, 오늘 대련합부대에 와서 화성포병들의 전투준비태세와 사기충천한 모습을 직접 보니 새로운 결심을 가다듬게 된다고, 대단히 만족하다고 말씀하시였다.

    「新たな決心」とは・・・つづく

    我が党が決心さえすれば、いつでも実践に突入できるよう、常に発射体制を準備していなければならないと言われた。
    우리 당이 결심만 하면 언제든지 실전에 돌입할수 있게 항상 발사태세를 갖추고있어야 한다고 말씀하시였다.

    と、威嚇・・・つづく


    ・・・・米国野郎共の行いをもう少し見守ると言われた
    ・・・・미국놈들의 행태를 좀더 지켜볼것이라고 말씀하시였다.

    当面は攻撃しないということのようだ。

    敬愛する最高領導者同志は、水か火かも分からず、対策のない空元気を出しながら、朝鮮半島情勢を最悪の爆発段階に追いやっている米国に一言忠告するが、一体、今の状況がどちらに不利なのか明晰な頭脳で得失関係をよく計算した方が良いと言われた。
    경애하는 최고령도자동지께서는 물인지 불인지 모르고 대책없는 객기를 부리며 조선반도정세를 최악의 폭발계선으로 몰아가고있는 미국에 한마디 충고하건대 과연 지금의 상황이 어느쪽에 더 불리한지 명석한 두뇌로 득실관계를 잘 따져보는것이 좋을것이라고 말씀하시였다.

    損得勘定が得意な不動産王トランプへの皮肉、「元帥様」もなかなか言ってくれる。

    敬愛する最高領導者同志は、朝鮮半島地域で情勢を緩和し、危険な軍事的衝突を防ぐためには、我々の周辺に数多くの核戦略装備を持ち込み、火花を散らした米国が、先に正しい選択をし、行動で示さなければならないと言われながら、米国は我々に対する傲慢無礼な挑発行為と強要を直ぐに引っ込め、我々をこれ以上刺激してはならないと言われた。
    경애하는 최고령도자동지께서는 조선반도지역에서 정세를 완화시키고 위험한 군사적충돌을 막자면 우리 주변에 수많은 핵전략장비들을 끌어다놓고 불집을 일으킨 미국이 먼저 옳바른 선택을 하고 행동으로 보여주어야 할것이라고 하시면서 미국은 우리에 대한 오만무례한 도발행위와 일방적인 강요를 당장 걷어치우고 우리를 더이상 건드리지 말아야 한다고 말씀하시였다.

    「行動で示す」のは、朝鮮ではなく米国だと「元帥様」。

    敬愛する最高領導者同志は、米国野郎共が、我々の自制力を試しながら、朝鮮半島周辺で危険千万な妄動を続けるなら、既に明らかにした通り、重大な決断を下し、世界の面前で我々に再び殴られる恥をかかされたくないならば、理性的に思考し、正確に判断しなければならないと言われた。
    경애하는 최고령도자동지께서는 미국놈들이 우리의 자제력을 시험하며 조선반도주변에서 위험천만한 망동을 계속 부려대면 이미 천명한대로 중대한 결단을 내릴것이라고, 세계면전에서 우리에게 또다시 얻어맞는 망신을 당하지 않으려거든 리성적으로 사고하고 정확히 판단해야 할것이라고 말씀하시였다.

    「元帥様」、理性的ではないと米国に言われたことに、言い返す。

    敬愛する最高領導者同志の大きな信頼を受けた朝鮮人民軍戦略軍将兵は、金正恩同志が命令さえされれば、無敵の発射台に聖なる赤い党旗と最高司令官旗をパタパタたなびかせながら、南朝鮮と日本、太平洋作戦地帯と米国本土の打撃対象物を殲滅的な超強力打撃で焦土化し、反米対決戦の最後の勝利をもたらす燃える決意を誓った。
    경애하는 최고령도자동지의 크나큰 믿음을 받아안은 조선인민군 전략군 장병들은 김정은동지께서 명령만 내리시면 무적의 발사대마다에 성스러운 붉은 당기와 최고사령관기를 펄펄 휘날리며 남조선과 일본, 태평양작전지대와 미국본토의 타격대상물들을 섬멸적인 초강력타격으로 초토화하여 반미대결전의 최후승리를 안아올 불타는 결의를 다짐하였다.

    そして、日本も「焦土化」。

    「朝鮮中央TV」の静止画報道がやっとダウンロードできた。

    戦略軍司令部内部。いつも思うが、北朝鮮の司令部はとてもシンプル。しかも、ほとんど民生品を組み合わせてできている。個々のユニットの性能が飛躍的に向上する一方、安価になったユニットとを組み合わせて作り上げてしまう。民生用なのか軍用なのか区別が付かないユニット(例えばウェブカメラ)なので、禁輸措置にも引っかからない。これが、金を掛けずに何発ものミサイルを打ち上げる秘訣だと思う。
    20170815 경애하는 최고령도자 김정은동지께서 조선인민군 전략군사령부를 시찰하시였다mp4_000362153
    Source: KCTV, 2017/08/15

    壁面には、公開されていない過去の現地指導の様子の写真も。
    20170815 경애하는 최고령도자 김정은동지께서 조선인민군 전략군사령부를 시찰하시였다mp4_000411754
    Source: KCTV, 2017/08/15

    *************
    全文。(一部エラーあり。追って修正)
    敬愛する最高領導者金正恩同志が朝鮮人民軍戦略軍戦略軍司令部を視察された
    경애하는 최고령도자 김정은동지께서
    조선인민군 전략군사령부를 시찰하시였다

    朝鮮労働党委員長であられ、朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員長であられ、朝鮮人民軍最高司令官であられる我が党と国家、軍隊の最高領導者金正恩同志が、8月14日、朝鮮人民軍戦略軍司令部を視察された。
    조선로동당 위원장이시며 조선민주주의인민공화국 국무위원회 위원장이시며 조선인민군 최고사령관이신 우리 당과 국가, 군대의 최고령도자 김정은동지께서 8월 14일 조선인민군 전략군사령부를 시찰하시였다.

    朝鮮人民軍総政治局長である朝鮮人民軍次帥黄炳瑞同志、朝鮮労働党中央委員会副部長金ギョンシク同志が同行した。
    조선인민군 총정치국장인 조선인민군 차수 황병서동지, 조선로동당 중앙위원회 부부장 김정식동지가 동행하였다.

    最高司令官旗と共和国旗がパタパタたなびいている戦略軍種大連合部隊指揮部には、首領決死擁護精神、祖国守護精神が溶岩のように煮えたぎっていた。
    최고사령관기와 공화국기가 펄펄 휘날리고있는 전략적군종대련합부대 지휘부에는 수령결사옹위정신, 조국수호정신이 용암마냥 끓어번지고있었다.

    敬愛する最高領導者同志を現地で朝鮮人民軍戦略軍司令官である戦略軍大将金ラクキョム同志をはじめとした大連合部隊の指揮官が迎接した。
    경애하는 최고령도자동지를 현지에서 조선인민군 전략군사령관인 전략군대장 김락겸동지를 비롯한 대련합부대의 지휘성원들이 영접하였다.

    敬愛する最高領導者同志が到着すると、大連合部隊の将兵は、祖国の尊厳と人民の運命に対する非常な覚悟と責任感を抱き、全身を火のように燃やされて、我が国を主体の核強国、世界的な軍事大国の地位に台頭させられた敬愛する金正恩同志に最大の栄誉と限りない感謝を捧げながら、爆風のような「万歳!」の歓喜の声を上げた。
    경애하는 최고령도자동지께서 도착하시자 대련합부대의 장병들은 조국의 존엄과 인민의 운명에 대한 비상한 각오와 책임감을 안고 온몸을 불태우시며 우리 국가를 주체의 핵강국, 세계적인 군사대국의 지위에 우뚝 올려세우신 경애하는 김정은동지께 최대의 영예와 다함없는 감사를 드리면서 폭풍같은 《만세!》의 환호성을 터쳐올리였다.

    敬愛する最高領導者同志は、栄光の歓喜の声を上げる将兵に温かく手を振りながら答礼され、彼らと共に記念写真を撮影された。
    경애하는 최고령도자동지께서는 열광의 환호를 올리는 장병들에게 따뜻이 손을 저어 답례하시고 그들과 함께 기념사진을 찍으시였다.

    記念撮影が終わると、大連合部隊将兵は、最も厳しい情勢の中で、朝鮮人民軍戦略軍を朝鮮労働党の直系軍種に、核武装力の中軸として固く信じられ、反米対決戦の第1線に立たせて下さり、今日は自ら大連合部隊を訪問して下さり、無敵の力と勇気、白頭の胆力と度胸を抱かせて下さっている共和国核兵力の総司令官同志を仰ぎ見、「金正恩決死擁護!」のスローガンを声の限り叫んだ。
    기념촬영이 끝나자 대련합부대 장병들은 가장 준엄한 정세속에서 조선인민군 전략군을 조선로동당의 친솔군종으로, 핵무장력의 중추력량으로 굳게 믿으시며 반미대결전의 제1선에 내세워주시고 오늘은 몸소 대련합부대를 찾으시여 무적의 힘과 용기, 백두의 담력과 배짱을 안겨주시는 공화국핵무력의 총사령관동지를 우러러 《김정은 결사옹위!》의 구호를 목청껏 불렀다.

    敬愛する最高司令官同志は、金日成-金正日主義研究室に展示されている史跡物と史跡資料をご覧になった。
    경애하는 최고령도자동지께서는 김일성-김정일주의연구실에 전시된 사적물들과 사적자료들을 돌아보시였다.

    敬愛する最高領導者同志は、貴重な史跡資料と史跡物を注意深くご覧下さりながら、未だにこの世の人が全てを知っていない未曾有の力を持ち、主体朝鮮の尊厳と国力を象徴する強力な打撃軍種として偉容と轟かせる朝鮮人民軍戦略軍が歩んできた歴史の年輪毎に刻まれている白頭山霊将たちの偉大な領導業績を感慨深く回顧された。
    경애하는 최고령도자동지께서는 귀중한 사적자료들과 사적물들을 주의깊게 보아주시면서 아직은 세상사람들이 다 모르는 미증유의 힘을 지니고 주체조선의 존엄과 국력을 상징하는 강위력한 타격군종으로 위용떨치는 조선인민군 전략군이 걸어온 력사의 갈피마다에 어려있는 백두령장들의 거룩한 령도업적을 감회깊이 회고하시였다.

    敬愛する最高領導者同志は、続けて、司令部指揮所で、戦略軍が準備しているグアム島包囲射撃方案に関する金ラクキョム同志の結審報告を聴取された。
    경애하는 최고령도자동지께서는 이어 사령부지휘소에서 전략군이 준비하고있는 괌도포위사격방안에 대한 김락겸대장의 결심보고를 청취하시였다.

    敬愛する最高領導者同志は、グアム島包囲射撃方案を長時間、具体的に検討され、指揮官と真摯に協議された。
    경애하는 최고령도자동지께서는 괌도포위사격방안을 오랜 시간 구체적으로 검토하시고 지휘성원들과 진지하게 협의하시였다.

    敬愛する最高領導者同志は、朝鮮人民軍戦略軍でグアム島包囲射撃方案を党の構想と意図に合うように非常に緻密で、用意周到に作成したことについて評価され、威力示威射撃準備状態を検閲された。
    경애하는 최고령도자동지께서는 조선인민군 전략군에서 괌도포위사격방안을 당의 구상과 의도에 맞게 매우 치밀하고 용의주도하게 작성한데 대하여 평가하시고 위력시위사격준비상태를 검열하시였다.

    敬愛する最高領導者同志は、グアム島包囲射撃準備を終え、党中央の命令を待っている戦略軍司令官の報告を聞かれ、火星砲兵の気勢が普通ではない、今日、大連合部隊に来て火星砲兵の戦闘準備態勢と士気沖天した姿を直接見て、新たな決心を固くすることになる、大変満足だと言われた。
    경애하는 최고령도자동지께서는 괌도포위사격준비를 끝마치고 당중앙의 명령을 기다리고있다는 전략군사령관의 보고를 들으시고 화성포병들의 기세가 이만저만 아니라고, 오늘 대련합부대에 와서 화성포병들의 전투준비태세와 사기충천한 모습을 직접 보니 새로운 결심을 가다듬게 된다고, 대단히 만족하다고 말씀하시였다.

    敬愛する最高領導者同志は、米帝の軍事的対決妄動は、自分の手で自分の首を絞めることになると言われながら、悲惨な運命の分秒を争う辛い時間を送っている馬鹿で愚かな米国野郎共の動きをもう少し見守ると言われた。
    경애하는 최고령도자동지께서는 미제의 군사적대결망동은 제손으로 제목에 올가미를 거는셈이 되고말았다고 하시면서 비참한 운명의 분초를 다투는 고달픈 시간을 보내고있는 어리석고 미련한 미국놈들의 행태를 좀더 지켜볼것이라고 말씀하시였다.

    敬愛する最高領導者同志は、水か火かも分からず、対策のない空元気を出しながら、朝鮮半島情勢を最悪の爆発段階に追いやっている米国に一言忠告するが、一体、今の状況がどちらに不利なのか明晰な頭脳で得失関係をよく計算した方が良いと言われた。
    경애하는 최고령도자동지께서는 물인지 불인지 모르고 대책없는 객기를 부리며 조선반도정세를 최악의 폭발계선으로 몰아가고있는 미국에 한마디 충고하건대 과연 지금의 상황이 어느쪽에 더 불리한지 명석한 두뇌로 득실관계를 잘 따져보는것이 좋을것이라고 말씀하시였다.

    敬愛する最高領導者同志は、朝鮮半島地域で情勢を緩和し、危険な軍事的衝突を防ぐためには、我々の周辺に数多くの核戦略装備を持ち込み、火花を散らした米国が、先に正しい選択をし、行動で示さなければならないと言われながら、米国は我々に対する傲慢無礼な挑発行為と強要を直ぐに引っ込め、我々をこれ以上刺激してはならないと言われた。
    경애하는 최고령도자동지께서는 조선반도지역에서 정세를 완화시키고 위험한 군사적충돌을 막자면 우리 주변에 수많은 핵전략장비들을 끌어다놓고 불집을 일으킨 미국이 먼저 옳바른 선택을 하고 행동으로 보여주어야 할것이라고 하시면서 미국은 우리에 대한 오만무례한 도발행위와 일방적인 강요를 당장 걷어치우고 우리를 더이상 건드리지 말아야 한다고 말씀하시였다.

    敬愛する最高領導者同志は、米国野郎共が、我々の自制力を試しながら、朝鮮半島周辺で危険千万な妄動を続けるなら、既に明らかにした通り、重大な決断を下し、世界の面前で我々に再び殴られる恥をかかされたくないならば、理性的に思考し、正確に判断しなければならないと言われた。
    경애하는 최고령도자동지께서는 미국놈들이 우리의 자제력을 시험하며 조선반도주변에서 위험천만한 망동을 계속 부려대면 이미 천명한대로 중대한 결단을 내릴것이라고, 세계면전에서 우리에게 또다시 얻어맞는 망신을 당하지 않으려거든 리성적으로 사고하고 정확히 판단해야 할것이라고 말씀하시였다.

    敬愛する最高領導者同志は、米国の無謀さが一線を越え、計画した威力示威射撃が断行されれば、我が火星砲兵が米国野郎共ののど元を締め上げ、短刀を突き刺す最も痛快な歴史的瞬間となると言われながら、我が党が決心さえすれば、いつでも実戦に突入できるよう、常に発射準備態勢を備えなければならないと言われた。
    경애하는 최고령도자동지께서는 미국의 무모함이 선을 넘어 계획한 위력시위사격이 단행된다면 우리 화성포병들이 미국놈들의 숨통을 조이고 모가지에 비수를 들이대는 가장 통쾌한 력사적순간이 될것이라고 하시면서 우리 당이 결심만 하면 언제든지 실전에 돌입할수 있게 항상 발사태세를 갖추고있어야 한다고 말씀하시였다.

    敬愛する最高領導者同志は、続けて、軍事講習所、体育館を見て回られながら、教育で主体を徹底して打ち立て、軍事講習の質的水準を不断に高め、大連合部隊内の全ての火星砲兵を現代軍事科学技術と敵共の変化した戦争遂行方式、それに対処した我々式の戦法に完全無欠に精通した頭脳戦の名手として、さらにしっかりと準備させなければならないと強調された。
    경애하는 최고령도자동지께서는 계속하여 군사강습소, 체육관을 돌아보시면서 교육에서 주체를 철저히 세우고 군사강습의 질적수준을 부단히 높여 대련합부대안의 전체 화성포병들을 현대군사과학기술과 적들의 변화된 전쟁수행방식, 그에 대처한 우리 식의 전법에 완전무결하게 정통한 두뇌전의 능수들로 더욱 튼튼히 준비시켜야 한다고 강조하시였다.

    敬愛する最高領導者同志は、弾道ロケットが現代化、先端化するのに合わせて、戦略軍指揮官と技術幹部を再教育する隊形を必ず打ち立てなければならないと言われた。
    경애하는 최고령도자동지께서는 탄도로케트들이 현대화, 첨단화되는데 맞게 전략군 지휘성원들과 기술일군들을 재교육하는 체계를 반드시 세워야 한다고 말씀하시였다.

    敬愛する最高領導者同志は、軍部隊食堂をはじめとした大連合部隊指揮部内の後方施設を見て回られながら、軍人の生活を実の父の心情で温かく見守って下さった。
    경애하는 최고령도자동지께서는 구분대식당을 비롯한 대련합부대 지휘부안의 후방시설들을 돌아보시면서 군인들의 생활을 친어버이의 심정으로 따뜻이 보살펴주시였다.

    敬愛する最高領導者同志は、部隊を見て回るたびに、いつも強調することであるが、後方事業が戦いの準備と言われながら、指揮官が戦士を実の兄弟、実の子供のように愛し、彼らを心から大切にし、しっかりと面倒を見なければならないと言われながら、軍人により良い物質文化生活条件を与えるために力一杯努力しなければならないと依頼された。
    경애하는 최고령도자동지께서는 부대들을 돌아볼 때마다 늘 강조하는것이지만 후방사업이자 싸움준비라고 하시면서 지휘관들이 전사들을 친형제, 친자식처럼 사랑하고 그들을 진심으로 아끼고 잘 돌봐주어야 하며 군인들에게 보다 훌륭한 물질문화생활조건을 마련해주기 위해 힘껏 노력하여야 한다고 당부하시였다.

    敬愛する最高領導者同志は、この日、軍人会館で大連合部隊芸術宣伝隊の公演を観覧された。
    경애하는 최고령도자동지께서는 이날 군인회관에서 대련합부대예술선전대의 공연을 관람하시였다.

    敬愛する最高領導者同志は、芸術宣伝隊員が戦略軍の作戦任務と特性、火星砲兵の思考と思想感情がよく反映された作品で立派に公演をしたことについて満足を示され、公演活動に関する貴重な教えを下さった。
    경애하는 최고령도자동지께서는 예술선전대원들이 전략군의 작전임무와 특성, 화성포병들의 지향과 사상감정을 진실하게 반영한 작품들을 가지고 훌륭한 공연을 진행한데 대하여 만족을 표시하시고 공연활동에서 나서는 귀중한 가르치심을 주시였다.

    敬愛する最高司令官同志は、我が党の核兵力の中軸力として、反米対決戦と祖国統一大戦で一端を堂々と担わなければならない火星砲兵は、誰よりも思想と信念が透徹し、党に対する忠誠心が高くなければならないと言われながら、大連合部隊党委員会で党が提示した5大教養を強化することに大きな力を入れ続けなければならないと指示された。
    경애하는 최고령도자동지께서는 우리 당의 핵무장력의 중추력량으로서 반미대결전과 조국통일대전에서 한몫 단단히 하여야 할 화성포병들은 그 누구보다도 사상과 신념이 투철하고 당에 대한 충성심이 높아야 한다고 하시면서 대련합부대 당위원회에서 당이 제시한 5대교양을 강화하는데 계속 큰 힘을 넣어야 한다고 지시하시였다.

    敬愛する最高領導者同志は、我が党の戦略的企図を実現することで戦略軍が担っている位置と任務が非常に重要であると言われながら、戦略軍では、核兵力に対する最高司令官の唯一領導体系、唯一的指揮管理体系を確固たるものにし、主体的なロケット打撃戦法をさらに完成していかなければならないと強調された。
    경애하는 최고령도자동지께서는 우리 당의 전략적기도를 실현하는데서 전략군이 맡고있는 위치와 임무가 대단히 중요하다고 하시면서 전략군에서는 핵무력에 대한 최고사령관의 유일적령도체계, 유일적지휘관리체계를 확고히 세우고 주체적인 로케트타격전법을 더욱 완성해나가야 한다고 강조하시였다.

    敬愛する最高領導者同志は、祖国と民族の千万年未来を確実の保証する頼もしい宝剣である朝鮮人民軍戦略軍があり、心強いと大きな信頼のお言葉を下さりながら、全ての戦略軍将兵が、党と祖国と人民の前に担った重大な使命感を深く刻み、戦闘準備完成で新たな転換を達成するであろうという期待と確信を表明された。
    경애하는 최고령도자동지께서는 조국과 민족의 천만년미래를 억척으로 담보하는 믿음직한 보검인 조선인민군 전략군이 있어 마음이 든든하다고 크나큰 믿음의 말씀을 주시면서 전체 전략군 장병들이 당과 조국과 인민앞에 지닌 중대한 사명감을 깊이 자각하고 싸움준비완성에서 새로운 전환을 이룩하리라는 기대와 확신을 표명하시였다.

    敬愛する最高領導者同志の大きな信頼を受けた朝鮮人民軍戦略軍将兵は、金正恩同志が命令さえされれば、無敵の発射台に聖なる赤い党旗と最高司令官旗をパタパタたなびかせながら、南朝鮮と日本、太平洋作戦地帯と米国本土の打撃対象物を殲滅的な超強力打撃で焦土化し、反米対決戦の最後の勝利をもたらす燃える決意を誓った。
    경애하는 최고령도자동지의 크나큰 믿음을 받아안은 조선인민군 전략군 장병들은 김정은동지께서 명령만 내리시면 무적의 발사대마다에 성스러운 붉은 당기와 최고사령관기를 펄펄 휘날리며 남조선과 일본, 태평양작전지대와 미국본토의 타격대상물들을 섬멸적인 초강력타격으로 초토화하여 반미대결전의 최후승리를 안아올 불타는 결의를 다짐하였다.
    ********************

    文在寅、光復節慶祝の辞:KBSで生放送中 (2017年8月15日 (KBS)」

    放送中。南北関係について何を言うか注目。

    ・南北共同で強制動員被害調査
    ・分断克服は、独自の力で
    ・朝鮮半島平和政策:安保、経済、全てが平和が前提
    ・朝鮮半島の平和がなければ、東北アジアの平和もない
    ・東北アジアと朝鮮半島の恒久的平和構築
    ・北朝鮮の核・ミサイルが脅威、米国と緊密に協力して打開
    ・自国の安保は、同盟国に依存するだけでは駄目だ
    ・朝鮮半島で再び戦争は引き起こさない。
    ・朝鮮半島での軍事行動は、韓国の同意なく、いかなる国もできない
    ・平和的解決方針は米国も同じ
    ・国防力強化も
    ・南北軍事対話の門を開き続ける
    ・制裁と対話を同時に
    ・核問題解決は、核凍結から
    ・北朝鮮制裁は、対話に誘導
    ・このまま進めば、北朝鮮は国際的孤立と、暗い未来 (これは、北朝鮮を怒らせる発言)
    ・北朝鮮の崩壊、吸収統一も求めない、民主的方法で統一を行う
    ・南北合意の制度化(政権が変わっても一環)
    ・北朝鮮と経済協力
    ・離散家族のような容易な問題から始めることを北朝鮮に提案
    ・平昌オリンピックは南北協力の良い機会
    ・日中韓で安保、経済協力が必要

    ・韓日関係、東北アジアの平和と繁栄に寄与するように発展させる
    ・しかし、歴史問題は無視できない
    ・慰安婦問題を含む歴史問題解決は、国際社会の原則に基づくべき。韓国政府はこの方針を貫く。(慰安婦問題は解決していないという認識を表明。日韓合意を事実上否定。)

    プロフィール

    川口智彦

    Author:川口智彦
    「크는 아바이(成長するオッサン)」

    ブログの基本用語:
    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「政治局員候補」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)、2018年2月11日から「第1副部長同志」とも
    「白頭の血統」=金一族
    「大元帥様達」=「首領様」と「将軍様」
    「女史」=李雪主夫人(2018.07.26より「同志」に)

    우 그림은 충정 담아 아이가 그린 경애하는 김정은원수님이십니다.


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