「自分の価値を貶める愚かな醜態」:前原議員の総連ビル発言を攻撃、総連ビルに関する現状認識表明、日朝関係に関する認識 (2015年2月28日 「労働新聞」)
2月28日、「今日の中央新聞概観」という、『労働新聞』、『青年前衛』、『平壌新聞』などに掲載された主要記事を紹介する番組を何となく聞いていた。そしたら、「前原」という聞き覚えのある名前が出てきた。
『労働新聞』に「自分の価値を貶める愚かな醜態」と題する個人名の「論評」が掲載された。「論評」では、民主党の前原誠司議員が衆議院予算委員会で総連ビルに関する質問をしたことに対する反発である。前原議員の質問に関して、議事録などでは確認していないので、下記はいずれも「論評」からの引用であることを断っておく。
「論評」では、前原議員が総連ビルの再使用は「脱法」である、「継続使用させてはならない」、「全ての権能を動員して総連が払う賃貸用を差し押さえ」すべきだなどと発言したと非難している。加えて、同議員「対米追従悪習」があり、「法学を専攻したにもかかわらず・・・法的に何の問題もない総連中央会館問題を取りざたするのは、初歩的な法概念も知らず」と同議員を罵っている。
この記事で注目すべき点は、前原議員を罵倒したことよりも、北朝鮮が総連ビルの現況について初めて認識を示したことである。北朝鮮は、
「総連中央会館と関連した転売と賃貸問題は、法的に認められた手続きによる普遍的な取引問題であり、資本主義社会ではよくあることである。日本の法曹界はもちろん、政界と言論界も、如何なる『法的』や『脱法』行為もなく、全てのことが合法的になされているルということを認めている」
として、「転売と賃貸」により、総連中央会館は適法に継続使用が可能になったという認識を示している。そして、「最近、比較的順調に解決されている総連中央会館問題を再び俎上に載せ」と、総連中央会館問題が「順調に解決」しているという認識も示している。
北朝鮮が主張するように、総連中央会館の転売、賃貸は、表面的には「資本主義社会ではよくある」ことなので、北朝鮮の現状認識は間違っていない。
さらに興味深いのは、総連中央会館の問題と関連させ、「朝日関係」について次のように述べている点である。
「(前原氏は)朝日関係の進展に釘を刺し」、「朝日関係問題と関連して、誰それに『隙を与えてはいけない』と騒ぎ立て、朝日政府間会談が切迫した時点で茶番を演じ」
とし、何を持ってかは不明ながら「朝日政府間階段が切迫した」と言っている。もしかすると、拉致問題を巡る日朝政府間の調整が水面下で進んでおり、近い将来、何らかの動きがあることを予告しているのかもしれない。
このところ、過去記事で紹介したように、「独島」問題を巡り日本を攻撃したり、比較的に反日的な報道が多く見られたので、北朝鮮は総連中央会館問題「解決」で拉致問題を巡る日朝協議に一方的に幕を引いてしまおうとしているのではないかと思っていた。しかし、上に書いたように、本当に「朝日政府間会談が切迫」しているのであれば、それは歓迎すべきことである。
「論評」は、
「朝日間の国交関係がない中で、外交代表部の役割をしている神聖な活動拠点である総連中央会館を抹殺するため、狂奔するエセ政治家である前原は、時代の流れに逆行し、自らの価値を貶める妄動を自制すべきである」
と結んでいる。単に「反動」の意味で使っているだけなのかもしれないが、「時代の流れ」と「朝日間の国交関係」が何となく繋がっているような気がしないでもない。
『労働新聞』、「스스로 제몸값을 떨구는 역스러운 추태」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2015-02-28-0026&chAction=T
『労働新聞』に「自分の価値を貶める愚かな醜態」と題する個人名の「論評」が掲載された。「論評」では、民主党の前原誠司議員が衆議院予算委員会で総連ビルに関する質問をしたことに対する反発である。前原議員の質問に関して、議事録などでは確認していないので、下記はいずれも「論評」からの引用であることを断っておく。
「論評」では、前原議員が総連ビルの再使用は「脱法」である、「継続使用させてはならない」、「全ての権能を動員して総連が払う賃貸用を差し押さえ」すべきだなどと発言したと非難している。加えて、同議員「対米追従悪習」があり、「法学を専攻したにもかかわらず・・・法的に何の問題もない総連中央会館問題を取りざたするのは、初歩的な法概念も知らず」と同議員を罵っている。
この記事で注目すべき点は、前原議員を罵倒したことよりも、北朝鮮が総連ビルの現況について初めて認識を示したことである。北朝鮮は、
「総連中央会館と関連した転売と賃貸問題は、法的に認められた手続きによる普遍的な取引問題であり、資本主義社会ではよくあることである。日本の法曹界はもちろん、政界と言論界も、如何なる『法的』や『脱法』行為もなく、全てのことが合法的になされているルということを認めている」
として、「転売と賃貸」により、総連中央会館は適法に継続使用が可能になったという認識を示している。そして、「最近、比較的順調に解決されている総連中央会館問題を再び俎上に載せ」と、総連中央会館問題が「順調に解決」しているという認識も示している。
北朝鮮が主張するように、総連中央会館の転売、賃貸は、表面的には「資本主義社会ではよくある」ことなので、北朝鮮の現状認識は間違っていない。
さらに興味深いのは、総連中央会館の問題と関連させ、「朝日関係」について次のように述べている点である。
「(前原氏は)朝日関係の進展に釘を刺し」、「朝日関係問題と関連して、誰それに『隙を与えてはいけない』と騒ぎ立て、朝日政府間会談が切迫した時点で茶番を演じ」
とし、何を持ってかは不明ながら「朝日政府間階段が切迫した」と言っている。もしかすると、拉致問題を巡る日朝政府間の調整が水面下で進んでおり、近い将来、何らかの動きがあることを予告しているのかもしれない。
このところ、過去記事で紹介したように、「独島」問題を巡り日本を攻撃したり、比較的に反日的な報道が多く見られたので、北朝鮮は総連中央会館問題「解決」で拉致問題を巡る日朝協議に一方的に幕を引いてしまおうとしているのではないかと思っていた。しかし、上に書いたように、本当に「朝日政府間会談が切迫」しているのであれば、それは歓迎すべきことである。
「論評」は、
「朝日間の国交関係がない中で、外交代表部の役割をしている神聖な活動拠点である総連中央会館を抹殺するため、狂奔するエセ政治家である前原は、時代の流れに逆行し、自らの価値を貶める妄動を自制すべきである」
と結んでいる。単に「反動」の意味で使っているだけなのかもしれないが、「時代の流れ」と「朝日間の国交関係」が何となく繋がっているような気がしないでもない。
『労働新聞』、「스스로 제몸값을 떨구는 역스러운 추태」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2015-02-28-0026&chAction=T