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    第13期第4回最高人民会議で「朝鮮民主主義人民共和国国務委員会を最高機関」、「国防委員会」は名称変更で廃止、「第7回党大会」における「トップ28」と対比 (2016年6月29日 「朝鮮中央TV」)

    <追記3>
    『労働新聞』より写真を追加しておく。
    李ヨンホ
    2016-6-30-4-11.jpg
    Source: 『労働新聞』、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2016-06-30-0005

    朴永植
    2016-6-30-4-05.jpg
    Source: 『労働新聞』、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2016-06-30-0005

    金ウォンホン
    2016-6-30-4-09.jpg
    Source: 『労働新聞』、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2016-06-30-0005

    崔富一
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    Source: 『労働新聞』、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2016-06-30-0005
    *******************

    <追記2>
    「第7回党大会」で設置された「政務局」の委員と対比しておく。

         「朝鮮労働党政務局」               「国務委員会」
    1.   委員長  金正恩                  委員長  金正恩
    2.   副委員長 崔龍海                 副委員長 黄炳瑞
    3.   副委員長 金己男                 副委員長 崔龍海
    4.   副委員長 崔泰福                 副委員長 朴奉珠
    5.   副委員長 李洙墉                 委員    金己男
    6.   副委員長 金平海                 委員    李万建
    7.   副委員長 呉秀容                 委員    金英哲
    8.   副委員長 郭範基                 委員    李洙墉
    9.   副委員長 金英哲                 委員    李ヨンホ
    10.  副委員長 李万建                 委員    朴永植
    11.                              委員    金ウォンホン
    12.                              委員    崔富一

    赤字にした兼職者の序列を足し算して、少ない方から並べてみると、
    1.金正恩、2.崔龍海、3.金己男、4.李洙墉、5.金英哲、李万建

    ****************
    29日、「最高人民会議」で、「朝鮮民主主義人民共和国国務委員会」を最高機関に。放送中。右胸に新たなバッジ。「代議員」バッジと思われる(以前の会議の写真を要確認だが)。

    「朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員長」に「元帥様」就任。北朝鮮の最高首位。

    「国防委員会」は解散か、そうでなければ、格下げ。

    「国務委員会」の副委員長、黄炳瑞、崔龍海、朴奉珠、「元帥様」が発表。

    委員は、聞き逃しているが、ほぼ党政務委員会委員。

    「国防委員会に代わり」と聞こえたが。

    北朝鮮2016年「憲法」の全文を早くみたい。

    「先軍」から「先党」へ、制度的にも転換するのか。

    人事変動も。

    <追記>
    最高人民会議第13期第4回会議議案

    1.朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法修正・補充について
    ・朝鮮民主主義人民共和国と朝鮮人民は、偉大な金日成同志と金正日同志を主体朝鮮の永遠の首領として高く頂き、朝鮮労働党の領導の下、金日成同志と金正日同志の思想と業績を擁護固守して、継承、発展させ、主体革命偉業を最後まで完成させるであろう。
    ・朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法は、偉大な金日成同志と金正日同志の主体的な国家建設思想と国家建設業績を・・明白に規制することに言及。
    ・朝鮮民主主義人民共和国国防委員会第1委員長を朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員長に、国防委員会を国務委員会に変えることについて。
    ・最高検察署を中央検察署に、最高裁判所を中央裁判所に変更。
    ・一部表現を整理。

    2.敬愛する金正恩同志を朝鮮民主主義人民共和国最高首位へ高く推戴することについて

    3.朝鮮民主主義人民共和国国務委員会を構成することについて
    ・副委員長:黄炳瑞、崔龍海、朴奉珠
    ・委員:金己男、李万建、金英哲、李洙墉、李ヨンホ、朴永植、金ムンウォン、崔富一

    4.朝鮮労働党が提示した国家経済発展5カ年戦略を徹底して遂行することについて
    5.朝鮮民主主義人民共和国祖国平和統一委員会を新たに組織することについて
    6.組織問題(人事問題)

    第13期第4回最高人民会議場に入場した「元帥様」
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    Source: KCTV, 2016/06/29

    「夜を知らない戦闘場 リョミョン通り戦闘場」:工事現場の様子 (2016年6月27日 「朝鮮中央TV」)

    27日、「朝鮮中央TV」で放送された番組。「リョミョン通り建設現場」の様子を紹介している。

    日本語字幕を付けてアップロードしておいた。

    Source: KCTV, 2016/06/27

    KCTV ストリーミング突然の変化 (2016年6月27日 「朝鮮中央TV」)

    27日、「朝鮮中央TV」の韓国からと思われるストリーミングを見ていたら、「20時報道」辺りで突然画面が大きくなった。WMPで見ているのだが、送出側が突然クォリティーを変更したのか。よく分からない。

    <追記>
    録画ファイルを確認したが、特段の変化はないようだった。なぜWMPの画面が急に大きくなったのかは依然として不明。

    「将軍様」単独徽章、自分で撮影していた! (2016年6月26日)

    「将軍様の単独バッジはあるのだろうか」と書いた結果、色々な方からコメントや情報を頂いた。いつも拙ブログをご覧頂いているだけではなく、タイムリーに情報を提供して頂き本当に有難い限りである。

    灯台下暗しというか、「将軍様」単独徽章は、自分で撮影していた。朝鮮人民が朝鮮国内で着用していたのだから、間違いない。

    下は、2014年8月に羅先で撮影したアジュミが着用していたバッジである。「首領様」と「将軍様」が微笑んでいる「太陽像」徽章を並べて着用している。やはり、どちらか一つとはいかず、2つ所有している場合は、両方着けるということなのだろう。北朝鮮でバッジを交付する際、古いタイプと新しいタイプとを交換しているのか、それとも古いタイプはそのまま保管させているのか分からないが、2人並んだタイプが出るまでの期間、「将軍様」単独のバッジが存在したのであろう(コメントで頂いたように、もっと古い時代、「将軍様」に止めろと言われて廃止したバッジを除いて)。

    20160626kji badge

    この件では、いろいろとお騒がせしたが、コメントや情報を下さった方々には、心より感謝申し上げる。

    『切なる気持ち(간절한 생각)』:「青峰楽団」の新曲、「元帥様」の歌 (2016年6月25日 「朝鮮中央TV」)

    25日夜、「朝鮮中央TV」で放送された「青峰楽団」の新曲『切なる気持ち』。このところ、「青峰楽団」の新曲発表が続いている。

    日本語字幕付き。

    Soruce: KCTV, 2016/06/25

    「朝鮮で戦略軍節制定」、7月3日 (2016年6月25日 「朝鮮中央通信」)

    25日、「朝鮮中央通信」が「最高人民会議常任委員会の政令」として24日に「戦略軍節」が制定されたと報じた。以下訳出。

    *************
    朝鮮民主主義人民共和国戦略軍節を制定することに関する最高人民会議常任委員会政令が24日発表された。
    조선민주주의인민공화국 전략군절을 제정함에 대한 최고인민회의 상임위원회 정령이 24일 발표되였다.

    政令は次のとおり指摘した。
    정령은 다음과 같이 지적하였다.

    英雄的朝鮮人民軍戦略軍は、日々露骨化している米帝と敵対勢力の核戦争挑発狂気を制圧粉砕し、祖国と民族の千万年未来を強固に保証する我が党の頼もしい核武装力である。
    영웅적조선인민군 전략군은 날로 로골화되는 미제와 적대세력들의 핵전쟁도발광증을 제압분쇄하고 조국과 민족의 천만년미래를 억척으로 담보하는 우리 당의 믿음직한 핵무장력이다.

    過去、偉大な金日成同志が提示された主体的ロケット武力建設思想を輝かしく継承・発展されてこられた偉大な金正日同志は、1999年7月3日、独自的な軍種である戦略ロケット軍を創設され、自衛的核抑止力を強化するためのしっかりとした土台を作られた。
    일찌기 위대한 김일성동지께서 제시하신 주체적로케트무력건설사상을 빛나게 계승발전시켜오신 위대한 김정일동지께서는 1999년 7월 3일 독자적인 군종인 전략로케트군을 창설하시여 자위적핵억제력을 강화하기 위한 튼튼한 토대를 마련해주시였다.

    敬愛する金正恩同志は、偉大な首領様の崇高な意を受け継ぎ、造成された情勢と現代戦の要求に合わせ、朝鮮人民軍戦略軍の主体的な火力打撃戦法を明らかにされ、精力的な領導で戦略軍を小型化、精密化された核打撃手段を備えた強力な軍種として強化・発展させられた。
    경애하는 김정은동 지께서는 위대한 수령님들의 숭고한 뜻을 받들어 조성된 정세와 현대전의 요구에 맞게 조선인민군 전략군의 주체적인 화력타격전법들을 밝혀주시고 정력적인 령도로 전략군을 소형화,정밀화된 핵타격수단들을 갖춘 강력한 군종으로 강화발전시키시였다.

    白頭山絶世偉人達の導きの手のもと、朝鮮人民軍戦略軍は、党の唯一的領軍体系が徹底して確立された思想と信念の強軍として、地球上の如何なる場所にある侵略の本拠地も一気に焦土化できる無敵必勝の戦闘隊伍として成長・強化された。
    백두산절세위인들의 손길아래 조선인민군 전략군은 당의 유일적령군체계가 철저히 확립된 사상과 신념의 강군으로,지구상 그 어디에 있는 침략의 본거지들도 단숨에 초토화해버릴수 있는 무적필승의 전투대오로 장성강화되였다.

    政令は、金正日同志が朝鮮人民軍戦略軍を組織して下さった1999年7月3日を意義深く記念するために、この日を朝鮮民主主義人民共和国戦略軍節として決定したと明らかにした。
    정령은 김정일동지께서 조선인민군 전략군을 조직해주신 1999년 7월 3일을 뜻깊게 기념하기 위하여 이날을 조선민주주의인민공화국 전략군절로 결정한다고 밝혔다.(끝)

    KCNA, 2016/06/25, 조선에서 전략군절을 제정
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    「尊厳徽章」ではなく「肖像徽章」、「将軍様」単体 (2016年6月25日)

    「朝鮮記録映画」の中から、「将軍様」が「尊厳徽章」を作ることを発議したことに関する部分を取り出して記事にしたら、いくつかコメントを頂いた。バッジのことをこれまで「尊厳徽章」と書いてきたが、「肖像徽章」が正しいようだ。「尊厳徽章」としたのは、何かの番組の中でそう言っているように聞こえたからだが、聞き違いだったのかもしれない。

    頂いたコメントにある、「将軍様」単独の「肖像徽章」の元記事を『朝鮮新報』HPで検索しても出てこない。日本語と朝鮮語でDaily NK Japanに出ている『朝鮮新報』記事のタイトル中の語彙をキーワードに検索したが、ヒットしない。

    Daily NK Japan, 「北朝鮮で「太陽像」が描かれた金正日バッジが支給される」, http://dailynk.jp/archives/15946

    『朝鮮新報』に掲載されているのであれば信憑性が高いが、Daily NK Japanだけとなると今一つである。

    コメントを頂戴してすぐに思ったことは、「将軍様」単独のバッジはあり得るのだろうかということである。なぜかというと、「将軍様」単独のバッジがあるとすれば、朝鮮人民は従来の「首領様」バッジと2つ着用しなければならない(面倒だと不評を買うこと間違いなし)。銅像も、「ムンス・ウォーターパーク」に設置されたビーチに立つ「将軍様」天然色銅像、金日成総合大学の「将軍様」学生時代立像など、テーマがあるいくつか(他にもあればだが)を除いては、「首領様」とセットで建立されている。そして、「金日成-金正日主義」という「主義」が宣布された以上、2人はセットでなければならず、その系では「将軍様」単独バッジはないだろうということである。

    それが、『朝鮮新報』に掲載されているならば、移行期にごく短期間、「将軍様」単独バッジが出たのではとも思ったが、オリジナル記事の裏が取れないので何とも言えない。

    「元帥様」のすぐさまバッジになりそうなデザインも登場しているが、「将軍様」の「自分の銅像を建てるな」という話の繋がりで行けば、「人民の切実な祝願」があったとしても、3人の肖像画が描かれたバッジは登場しないのかもしれない。

    <追記>
    バッジのことで一つ思いだした。羅先で見た人たちの中には、2つも3つも並べてバッジを付けている人がいた。

    米国務省定例記者会見:北東アジア協力対話北朝鮮の崔副局長を「Mr」.、やる気がない米国 (2016年6月23日 「米国務省定例記者会見」)

    23日、米国務省定例記者会見でのやりとり。

    *****************
    記者:北朝鮮問題です。スン・キム大使が出席している北京の会議に(北朝鮮)代表として出席したミスター・チェが、スン・キム大使と会ったことを臭わせるおもしろいコメントをしています。会談があったのか教えて下さい。

    QUESTION: North Korea. This Mr. Choi, who was the envoy in Beijing for this conference that Ambassador Sung Kim attended, made some interesting comments suggesting that he might have met with Sung Kim. Can you let us know if there – if a meeting took place?

    カービィ報道官:彼(スン・キム大使)は彼(チェ副局長=女性)に会っていません。間違いありません。

    MR KIRBY: He did not meet with him. I can confirm that.

    (ボールド筆者)

    U.S. Department of State, Daily Press Conference 2016/06/23, http://www.state.gov/r/pa/prs/dpb/2016/06/259015.htm#NORTHKOREA
    *******************

    実は、22日の米国務省定例記者会見でも、北朝鮮代表を「李ヨンホ」と記者が質問したのに対し、報道官は何も訂正していない。

    ********************
    QUESTION: Yesterday at the Beijing meeting, the North Korean delegation Lee Young Ho – he said – he strongly comment they never give up their nuclear development. So how you think about this?

    (ボールド筆者)

    MR KIRBY: Janne, we’ve talked about this many times. I mean, we are – nothing has changed about our commitment to a verifiable denuclearization of the Korean peninsula. That remains our policy, that remains our goal, that remains our objective, and nothing has changed about the fact that we would like to get back to the Six-Party process. But the onus is on the North, and when they do things like this, it’s impossible to see how we can get back to that Six-Party process.

    U.S. Department of State, Daily Press Conference 2016/06/22, http://www.state.gov/r/pa/prs/dpb/2016/06/258980.htm#NORTHKOREA
    ********************

    23日の定例記者会見の最大の喜劇は、以下。

    **************
    記者:あなたは会談はなかったと言うが、着座して話し合うということを指しているのか?彼らは同じ部屋に一緒にいたのでは・・
    QUESTION: Well, when you say there was no meeting, does that mean there was no, like, formal, sit-down meeting? They were in the same room together --

    カービィ報道官:語彙の説明はしない。会談はなかった。彼らは同じ会合にいなかった。・・・
    MR KIRBY: No, I’m not parsing words. There was no meeting. They were not in a meeting. They were not --

    記者:ということは、彼らは「こんにちは」、「元気ですか」という一対一の挨拶もしなかったのか、グループ会合の中でも?
    QUESTION: So they didn’t exchange any private words? They didn’t even say, “Hello, how are you,” in a one-on-one way, even if it was in a group setting?

    カービィ報道官:会談はなかったと理解している。両者が等しく参席するグループ会談もなかった。もし、エレベーターの中や・・・
    MR KIRBY: There was no meeting, and as I understand it, there was no group meeting at which the two were equally present. Now, if they passed each other in an elevator or --

    記者:そのことなのですが。
    QUESTION: Well, that’s what I mean.

    カービィ報道官:男子トイレで遭遇したら。どうか分かりません。
    MR KIRBY: -- in a men’s room, I just don’t know.

    (ボールド筆者)
    ***********************

    「男子トイレ」内でチェ副局長とキム大使が遭遇する・・・偉大な米朝融和というべきか、「思想・精神的問題」と言うべきか。

    北朝鮮代表が男性か女性かという認識がないほど、米国はやる気がないようだ。

    「民族料理の自慢キムチ」:キムチの種類や薬効を紹介、2015年12月UNESCO無形遺産に「キムチ作り」登録 (2016年6月23日 「朝鮮中央TV」)

    23日、「朝鮮中央TV」で放送されたキムチを紹介する番組。2015年12月に放送された番組の再放送。

    これは、2015年12月に、国連教育科学文化機関(UNESCO)第10回無形遺産保護協約の政府間委員会で、北朝鮮が申請した「キムチ作り」が無形文化遺産に登録されたことと関連して作られた番組。

    日本語字幕を付けてアップロードしておいた。

    Source: KCTV, 2016/6/23

    「主体時代を輝かせた絶世の偉人 2 偉大な転換」:KCTVのIDと「尊厳徽章」の由来を説明、両方とも「将軍様」の事業 (2016年6月18日 「朝鮮中央TV」)

    18日に「朝鮮中央TV」で放送された『主体時代を輝かせた絶世の偉人 2 偉大な転換」の中で、KCTVのID音楽と「尊厳徽章」に関する説明があった。両方とも「いつ」なのかナレーションがないので分からないが、番組全体の流れからすると、1970年代の初めのようである。

    私が、KCTVのIDを聞くに至ったのは、KCTVストリーミングが開始された後であるが、同TVで使われている『金日成将軍の歌』の旋律は、中波や短波で北朝鮮のラジオを聞いていた頃からずっと馴染みがある。北京放送、モスクワ放送、朝鮮中央放送は、電波が強力であるばかりか、電波の質も悪かったので、本体放送だけではなく、色々なところで高調波が受信できた。当時、私が使っていた受信機の分離性能が悪かったということもあろうが、『東方紅』、『モスクワ郊外の夕べ』、『金日成将軍の歌』は、色々なところで聞こえていた。時には、本命の放送局の上にかぶり、本命が聞こえなくなってイライラしたこともある。それが、70年代初めなので、多分、私が北朝鮮のラジオを聞いていた頃、「将軍様」がこのIDを「発議」したのであろう。

    「尊厳徽章」の方も、今回、「将軍様」の「発議」で作られたということが確認された。若干記憶が曖昧なのだが、「将軍様」の顔が「尊厳徽章」に入ったのは、「元帥様」の時代に入ってからだっただろうか。「将軍様」は、自分の「銅像を建てることを許さなかった」とされているので、その系からすれば「尊厳徽章」に自分と「首領様」の顔を並べることも許さなかったはずである。これを並べたのは、「元帥様」の事業であったかもしれない。

    YouTubeに関連部分+αに字幕を付けてアップロードしておいた。

    Source: KCTV, 2016/06/18

    「主体朝鮮の国防力一大誇示、地上対地上中長距離戦略弾道弾ロケット『火星ー10』試験発射で成功、敬愛する金正恩同志が地上対地上中長距離戦略弾道弾ロケット『火星-10』試験発射を現地で指導された」:SLBMではなかった、日本への配慮、「先制核使用」へ再び転換か、「戦略核兵力」の「唯一的領導」、「火星」は? (2016年6月23日 「朝鮮中央通信」)

    <追記2>
    『労働新聞』に写真が掲載された。

    通常はこのぐらいの角度で発射するのか。
    2016-6-23-1-04.jpg
    Source: 『労働新聞』, http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_02&newsID=2016-06-23-0001_photo

    2016-6-23-1-02.jpg
    Source: 『労働新聞』, http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_02&newsID=2016-06-23-0001_photo

    しかし、今回は飛距離を減らすために垂直に立てた。
    2016-6-23-1-05.jpg
    Source: 『労働新聞』, http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_02&newsID=2016-06-23-0001_photo

    発射の瞬間。
    2016-6-23-1-17.jpg
    Source: 『労働新聞』, http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_02&newsID=2016-06-23-0001_photo

    東海岸で実験。
    2016-6-23-1-06.jpg
    Source: 『労働新聞』, http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_02&newsID=2016-06-23-0001_photo

    上昇するミサイル。
    2016-6-23-1-12.jpg
    Source: 『労働新聞』, http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_02&newsID=2016-06-23-0001_photo

    大満足の「元帥様」。この間、タバコの吸い殻は1本のみ。減煙も成功中。
    IMGP8818.jpg
    Source: 『労働新聞』, http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_02&newsID=2016-06-23-0001_photo

    失敗を重ねたので喜びも大きい様子。10度目の正直となったようだ。
    2016-6-23-1-21.jpg
    Source: 『労働新聞』, http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_02&newsID=2016-06-23-0001_photo

    横線のグラフの値は読み取れないが、上昇落下のグラフはよく分かる。
    2016-6-23-1-13.jpg
    Source: 『労働新聞』, http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_02&newsID=2016-06-23-0001_photo

    ***********************

    23日、「朝鮮中央通信」が、「地上対地上中長距離前略弾道弾ロケット『火星-10』試験発射で成功」と報じた。「火星-10」ということは、「火星」1~9号まであるということになるが、これらは全て失敗だったということなのだろう。4月から北朝鮮は「ムスダン」と言われるミサイルを発射してきたが、韓国軍が発表した発射数では6発ぐらいだったはずである。捕捉できていない発射があるのかもしれないが、10度目の成功ということなのだろう。

    以下、「朝鮮中央通信」より主要部分訳出。

    ****************
    国防科学部門に対する敬愛する金正恩同志のたゆまぬ現地指導と細心な教えの中で、我々の国防科学戦士は、主体朝鮮の核攻撃能力を百倍強化することにおいて大きな意義を持つ地上対地上中長距離戦略弾道ロケット「火星-10」試験発射を成功裏に行った。
    국방과학부문에 대한 경애하는 김정은동지의 끊임없는 현지지도와 세심한 가르치심속에서 우리의 국방과학전사들은 주체조선의 핵공격능력을 백방으로 강화하는데서 거대한 의의를 가지는 지상대지상중장거리전략탄도로케트 《화성-10》시험발사를 성공적으로 진행하였다.

    敬愛する金正恩同志を李万建同志、李炳哲同志、金ジョンシク同志、ユ・ジン同志をはじめとした朝鮮労働党中央委員会核心幹部と朝鮮人民軍戦略軍事司令官である戦略軍大将金ラクキョム同志、政治委員戦略軍中将朴ヨンレ同志が迎えた。
    경애하는 김정은동지를 리만건동지,리병철동지,김정식동지,유진동지를 비롯한 조선로동당 중앙위원회 책임일군들과 조선인민군 전략군사령관인 전략군대장 김락겸동지,정치위원 전략군중장 박영래동지가 맞이하였다.

    敬愛する金正恩同志は、監視所で地上対地上中長距離戦略弾道ロケット「火星-10」試験発射計画を聴取され、試験発射を行うことに関する命令を下された。
    경애하는 김정은동지께서는 감시소에서 지상대지상중장거리전략탄도로케트 《화성-10》시험발사계획을 청취하시고 시험발사를 진행할데 대한 명령을 주시였다.

    地上対地上中長距離戦略弾道ロケット「火星-10」試験発射は、弾道ロケットの最大射距離を想定し、高角度発射態勢で行われた。
    지상대지상중장거리전략탄도로케트 《화성-10》시험발사는 탄도로케트의 최대사거리를 모의하여 고각발사체제로 진행되였다.

    敬愛する金正恩同志が見守られる中、雷のような爆音を轟かせながら自走発射台を離脱した弾道ロケットは、予定飛行軌道にしたがい、最大頂点高度1413.6kmまで上昇飛行し、400km前方の予定された目標水域に正確に落弾させた。
    경애하는 김정은동지께서 지켜보시는 가운데 천둥같은 폭음을 터뜨리며 자행발사대를 리탈한 탄도로케트는 예정비행궤도를 따라 최대정점고도 1,413.6㎞까지 상승비행하여 400㎞ 전방의 예정된 목표수역에 정확히 락탄되였다.

    試験結果、システムを現代化した我々式の弾道ロケットの飛行動力学特性と安定性及び操縦性、新たに設計された構造と動力計等に関する技術的特性が確証され、再突入区間での弾道部耐熱特性と飛行安定性も検証された。
    시험결과 체계를 현대화한 우리 식 탄도로케트의 비행동력학적특성과 안정성 및 조종성,새로 설계된 구조와 동력계통에 대한 기술적특성이 확증되였으며 재돌입구간에서의 전투부 열견딤특성과 비행안정성도 검증되였다.

    今回の試験発射を通して、今後の戦略兵器システム開発のための確固とした科学技術的保証を得ることができた。
    이번 시험발사를 통하여 앞으로의 전략무기체계개발을 위한 확고한 과학기술적담보를 마련하게 되였다.

    戦略兵器の今回の実験は、周辺国の安全に僅かな影響も与えることなく、成功裏に行われた。
    전략무기의 이번 시험발사는 주변국가의 안전에 사소한 영향도 주지 않고 성과적으로 진행되였다.

    敬愛する金正恩同志は、敵共はもちろん、全世界が今回の弾道ロケット飛行快挙だけを見ても、中長距離戦略弾道ロケットの能力をはっきりと評価できるであろうと仰りながら、太平洋作戦地帯内の米国野郎共を全面的、現実的に攻撃できる確実な能力を持つことになったと自信に満ちた様子で話されました。

    경애하는 김정은동지께서는 적들은 물론 전세계가 이번 탄도로케트의 비행궤적만 보고도 중장거리전략탄도로케트의 능력을 바로 평가할수 있을것이라고 하시면서 태평양작전지대안의 미국놈들을 전면적이고 현실적으로 공격할수 있는 확실한 능력을 가지게 되였다고 신심에 넘쳐 말씀하시였다.

    敬愛する金正恩同志は、米国をはじめとした敵対勢力の恒常的な威嚇から我が祖国と人民の安全を確固として保障するためには、我々も敵共を恒常的に威嚇できる強力な攻撃手段を持たなければならないと仰りながら、先制核攻撃能力を持続的に拡大強化しながら、多様な戦略攻撃兵器を継続して研究開発しなければならないと仰った。
    경애하는 김정은동지께서는 미국을 비롯한 적대세력들의 항시적인 위협으로부터 우리 조국과 인민의 안전을 확고히 담보하려면 우리도 적들을 항시적으로 위협할수 있는 강력한 공격수단을 가져야 한다고 하시면서 선제핵공격능력을 지속적으로 확대강화해나가며 다양한 전략공격무기들을 계속 연구개발하여야 한다고 말씀하시였다.

    敬愛する金正恩同志は、我々が相手にしなければならない本当の敵は核戦争それ自体であると仰りながら、我々は米帝の核威嚇から祖国と人民と我々の革命を保衛するために、核攻撃能力を不断に高めなければならないと仰った。
    경애하는 김정은동지께서는 우리의 핵무력이 상대해야 할 진짜 적은 핵전쟁 그자체라고 하시면서 우리는 미제의 핵위협으로부터 조국과 인민과 우리 혁명을 보위하기 위하여 핵공격능력을 부단히 키워나가야 한다고 하시였다.

    敬愛する金正恩同志は、今回の発射は、我が国の核攻撃能力を一層強化する重要な契機となったと仰りながら、戦略的核兵力に対する唯一的領導と唯一的管理体系をさらに徹底して打ち立てることについて強調された。
    경애하는 김정은동지께서는 이번 시험발사는 우리 국가의 핵공격능력을 더한층 강화하는 중요한 계기로 되였다고 하시면서 전략적핵무력에 대한 유일적령도와 유일적관리체계를 더욱 철저히 세울데 대하여 강조하시였다.

    敬愛する金正恩同志は、国防科学部門の幹部と科学者、技術者が、今日の成果に満足せず、さらに奮発して立ち上がり、戦略的攻撃手段をより高い水準で完成し、国防科学研究と軍需生産で新たな奇跡と革新を巻き起こすであろうという大きな期待と確信を表明された。
    경애하는 김정은동지께서는 국방과학부문의 일군들과 과학자,기술자들이 오늘의 성과에 만족하지 말고 더욱 분발하여 떨쳐나 전략적공격수단들을 보다 높은 수준에서 완성하며 국방과학연구와 군수생산에서 새로운 기적과 혁신을 일으켜나가리라는 크나큰 기대와 확신을 표명하시였다.(끝)

    KCNA 2016/06/23, 주체조선의 국방력 일대 과시,지상대지상중장거리 전략탄도로케트 《화성-10》시험발사에서 성공
    경애하는 김정은동지께서 지상대지상중장거리전략탄도로케트《화성-10》시험발사를 현지에서 지도하시였다
    ******************

    このところのミサイル発射は、SLBMの実験継続かと思っていたが、どうやらそうではなかったようだ。SLBMについては、取りあえず「完全成功」ということで一段落付いたということなのだろう。地上発射であれば、テストベンチで行った弾道部分の大気圏再突入試験を「行った」と発表するとは思っていたが、やはり耐熱性と再突入後の落下コースについても「成功」であったとしている。

    高角度で発射しているのは、日本領空を通過させないための措置であったのだろう。特に、弾頭を切り離し、再突入まで兼ねた実験だったとすると、失敗して日本の領海、場合によっては日本の領土への落下可能性を危惧したのであろう。

    「元帥様」は、「先制核攻撃能力を継続的に強化拡大」すると言っている。「元帥様」は、「第7回党大会」で「核先制不使用」を言っておきながら、今回「先制核攻撃能力を継続的に強化拡大」と全く逆の発言をしている。

    それと関連し「戦略的核兵力に対する唯一的領導と唯一的管理体系をさらに徹底して打ち立てる」とも言っているが、「第7回党大会」における「先制不使用」発言は、「唯一的領導」が徹底していなかったために、「宗派」や「反動分子」に言わされてしまったとでも言いたいのであろうか。

    「火星」というミサイルのネーミングもおもしろい。北朝鮮は、「地球観測衛星運搬ロケット」には、「それらしい」名前を付けてきたが、弾道ミサイルには名前など付けなかった。「ノドン」にしても「ムスダン」にしても、西側が勝手に付けたコードネームである。学生時代、『朝日新聞』に「ノドン」と書いてあったので、「北朝鮮では『ロドン』と発音するのだから、『ロドン』と書くべきだ」と電話したことがあるが、同新聞の担当者は「西側のコードネームが『ノドン』なのだから、『ノドン』で間違いない」と教えてくれた。話がそれたが、「火星(ファソン=화성)」という名前はどこから出てきたのだろうか。核爆弾=「火」というイメージなのかもしれない。

    しばらくすると、写真が公開されると思うが、出てきたら追記する。

    <追記>
    米国と国連の動きである。米国務省定例記者会見で、今回の発射について質問が出され、報道官は、「米国はこの問題を国連安保理で提起している」と述べている。また、現行の「最強の対北朝鮮制裁」(報道官談)の効果について質問され、「制裁の効果が出るには時間が要する」と答えている。「どれほどの時間なのか」や「オバマ政権終了までに効果が出るのか」等の質問については答えていない。新しい話としては、「北朝鮮の宇宙科学者(弾道ミサイル科学者)が、インドでトレーニングを受けている」というものがあった。報道官は、「聞いていない」と。これについては、米国務省としては認識しているようなことを記者が言っているので、これについては追って確認する。

    U.S. Department of State, Daily Press Conference, http://www.state.gov/r/pa/prs/dpb/2016/06/258980.htm#NORTHKOREA

    一方、国連安保理では「報道声明」を出す方向で検討に入ったと。しかし、今年に入り、既に6回(1/6, 2/7, 4/15, 4/25, 6/1)も報道声明を出しているが、北朝鮮の耳には入っていないようだ。

    別記事にした「北東アジア協力対話」では、北朝鮮は強気の姿勢を崩しておらず、そのタイミングで「ミサイル発射実験成功」を発表しているところからすると、崔ソンフィ副局長は従来の立場を表明しに出かけただけのようだ。今日(23日)も会議は継続しているはずなので、どのようなことが話し合われているのか。北朝鮮の挑発を受けて北朝鮮非難一色になるのか、あるいは、中国が何らかの仲裁案を出してくるのか。

    北東アジア協力対話 (the Northeast Asia Cooperation Dialogue)に北朝鮮代表出席 (2016年6月20日 「共同通信」)

    20日、『共同通信』が北京空港に到着した北朝鮮外務省北米局副局長、崔ソンフィ(女性)の写真を掲載した。

    Kyodo News, Senior N. Korea diplomat in China to meet regional nuclear envoys, https://english.kyodonews.jp/photos/2016/06/417187.html

    崔ソンフィ副局長のこれまでの対外活動についてはまだ確認していないが、写真を見た限りの印象では鋭そうなオバサンで、しかもすぐに目に付いたのは彼女のヘアスタイルである。

    <追記>
    崔副局長は、今年1月にも北京入りしたと報じた韓国メディアがあった。このメディアは、崔ソンフィは崔永林前内閣総理の一人娘だと伝えている。同ニュースの動画は下。


    Source: 聯合ニュースTV
    **************

    Kyodoが提供している彼女の写真は1枚のみのようで、ざっと調べた限りでは今のところ他のメディアは伝えていないので、スクープ的な価値がある。(スクープ的価値があり、商業メディアなので、拙ブログへのコピー掲載は控えておく)

    今回、北朝鮮が代表を派遣したことには意義がある。Kyodoの写真にある眼鏡を掛けた通訳と思われるような女性の髪型であれば、北朝鮮の普通のオバサンであるが、この人、ふわっとストレートで流しており(女性のヘアスタイルについては無知なので、適切な表現を知らない)、ちょっと普通の北朝鮮のオバサンとは異なる雰囲気を漂わせている。

    北京では、6月21日から23日まで第26回北東アジア対話協力会議が予定されている。同会議はトラック1.5(半官半民)の会議ではあるが、24回、25回会議に北朝鮮代表は出席していないことも含め、こうした国際会議に北朝鮮が今回初めて女性を派遣したということになると、単に偶然、北米局副局長が女性であったという以上の意味がありそうだ。

    米国務省報道官は、20日(現地時間)の定例記者会見で、「北朝鮮と対話はしない」と言い切っているが、二国間協議はしないにしても、全体会議の中では北朝鮮代表と同席し、意見を交わすことになるのであろう。

    米国からは北朝鮮政策特別代表のSung Kim大使が出席することになっている。

    U.S. Department of State, Ambassador Sung Kim, Special Representative for North Korea Policy Travel to Beijing, http://www.state.gov/r/pa/prs/ps/2016/06/258637.htm

    朝鮮戦争開戦日、数日前という意味ありげな時期に、北京で開催されるこの会議で北朝鮮問題を巡り何らかの進展があることが期待される。

    この記事を書いている時点で、北朝鮮メディアは彼女の訪中について伝えていない。

    『20時報道』:「200日戦闘期間」の成果、農業、工業、サービス業、洗車ビジネスも (2016年6月17日 「朝鮮中央TV」)

    17日、「朝鮮中央TV」の「20時報道」の後半部分で、「200日戦闘」期間中の経済活動が紹介された。もともと、洗車場だけ記事にしようと思ったのだが、思えば「20時報道」の経済ニュースの字幕動画は出したことがなかったので、その他の経済活動に関する部分にも一緒に字幕を付けておいた。

    農業技術など、そもそも全く知らないので、字幕を付けるには苦労をしたし、間違った字幕が付いている部分もあるはずである。しかし、インターネットとはありがたいもので、それらしいキーワードで検索すると案外ヒットし、「中干し」などという単語が見つかったりする。

    また、「集成材」を作る工場でも、合板という言葉しか頭に浮かばず、色々検索していたら「集成材」という用語にたどり着いた。

    過去記事で「애국풀」を「愛国草」と訳出した記憶があるが、今回きちんと調べてみたら「애국」は「愛国」という漢字語ではなかった。こればかりは、ピッタリとくる訳語を見つけることができず、「朝鮮語大辞典」に書いてある用途から「飼料用の草」と訳しておいた。

    わずか10分ほどのニュースではあるが、30分以上のドラマを訳すのと同じぐらいの時間がかかってしまった。

    そういえば、uriminzokkiriの「朝鮮語大辞典」のリンクが切れたままで、困っている。新しいバナーやボタンなど作らなくてもよいので、早く復活させて欲しい。職場のゼミナールでは、北朝鮮の文献(といっても、児童文学や漫画がほとんどであるが)を学生たちに読ませており、北朝鮮で使われる語彙で「NAVER国語辞典」に出てこないものについては、uriminzokkiriの「朝鮮語大辞典」を参照させているが、これが使えないと他に容易に調べるところがなくなってしまう。

    ここ数日間、「朝鮮中央TV」のストリーミングも止まっているが、uriminzokkiri以外でも録画の配信が行われるようになったので、過去ほど主要な番組のフォローに苦労することはなくなった。


    Source: KCTV, 2016/06/17

    「青い空電子製品工場 2」:充実したサービスセンター、やはり地デジ放送中か?、USBボールペン (2016年6月18日 「朝鮮中央TV」)

    18日、「朝鮮中央TV」で数日前の記事に書いた「青い空電子製品工場」を紹介する番組の第2部が放送された。

    第2部では、プリント基板の回路設計などを20代、30代の若い技術者が「我々の力」でやっており、ベースが自己の技術であるために修理が容易であるだけではなく、ユーザーの要望に応じたアップデートも可能であると説明している。

    開発会議を行う若い技術者達
    푸른하늘전자제품공장을 찾아서 2 우리의 힘과 기술이 제일입니다mp4_000397230
    Source: KCTV, 2016/06/18

    新型コンピューターであろうか。非一体型のPCの写真も出ている。
    푸른하늘전자제품공장을 찾아서 2 우리의 힘과 기술이 제일입니다mp4_000416412
    Source: KCTV, 2016/06/18

    このようなプリント基板も「自分の力」で製造したということなのだろう。プリント基板製造が技術的にどれほど難しいのかは分からないが、中国でコピー製品を大量に製造していることからすれば、プリント基板の製造技術は生産装置と一緒に導入すれば、さほど困難ではないのかも知れない。
    푸른하늘전자제품공장을 찾아서 2 우리의 힘과 기술이 제일입니다mp4_000306038
    Source: KCTV, 2016/06/18

    ここでは民生品を紹介しているが、北朝鮮の最新兵器にもこのようなプリント基板が搭載されているのであろう。

    本社内のカスタマー・センター。人民からの質問に電話とPCで対応している。規模は小さいが、北朝鮮でもこのようなスタイルのサービスを提供するようになったということを示している。過去記事で紹介した、「朝鮮芸術映画」の主人公である「靴修理工一家」のような和やかな対応もよいが、これからはこのような対応が求められるのであろう。
    푸른하늘전자제품공장을 찾아서 2 우리의 힘과 기술이 제일입니다mp4_000472403
    Source: KCTV, 2016/06/18

    カスタマーセンターは本社内だけではなく、「全国的範囲で」数カ所設置されているようだ。「青い空、情報技術交流所」。「情報技術交流所」では、「販売後、技術サービスを行うだけではなく、人民の要求と意思を総合し、生産に徹底して反映させている」とナレーション。「交流所」で製品を販売しているとは言っていないが、雰囲気からすると販売もしているようだ。
    푸른하늘전자제품공장을 찾아서 2 우리의 힘과 기술이 제일입니다p4_000533300
    Source: KCTV, 2016/06/18

    푸른하늘전자제품공장을 찾아서 2 우리의 힘과 기술이 제일입니다mp4_000538992
    Source: KCTV, 2016/06/18

    リョンアク山登山道にやってきた技術者達は、測定器などを設置し始める。何が始まるのかと思って見ていると、屋外での受信状態のチェックだという。
    푸른하늘전자제품공장을 찾아서 2 우리의 힘과 기술이 제일입니다mp4_000602385
    Source: KCTV, 2016/06/18

    スペクトラムアナライザーのような装置で測定している。
    푸른하늘전자제품공장을 찾아서 2 우리의 힘과 기술이 제일입니다mp4_000592844
    Source: KCTV, 2016/06/18

    「このような絶壁に囲まれた不利な条件でも、我々の数字式信号変換器を使えば、このような鮮明な画面を見ることができます」と説明する女性「部員」。確かに、デジタル放送ならばゴーストが発生しないので、一定レベル以上の信号強度が確保されれば、「鮮明な画面」にはなる。
    푸른하늘전자제품공장을 찾아서 2 우리의 힘과 기술이 제일입니다mp4_000610766
    Source: KCTV, 2016/06/18

    過去記事で見たように、電源ケーブル、アナログ出力、アンテナケーブルが接続されている。「C001」というのが「朝鮮中央TV」であろうか。
    푸른하늘전자제품공장을 찾아서 2 우리의 힘과 기술이 제일입니다mp4_000624555
    Source: KCTV, 2016/06/18

    実は、この番組の冒頭で「新兵器」をちらっと見せる。何かなと思って見ていたら、ここで紹介している。ボールペン型のUSBメモリで、「ボールペンとしても利用できるし、スマホ画面のタッチペンとしても使える」と女性「部員」。
    푸른하늘전자제품공장을 찾아서 2 우리의 힘과 기술이 제일입니다mp4_000643475
    Source: KCTV, 2016/06/18

    スマホタッチペン
    푸른하늘전자제품공장을 찾아서 2 우리의 힘과 기술이 제일입니다mp4_000655776
    Source: KCTV, 2016/06/18

    蓋の部分にUSBメモリが収納されている。
    푸른하늘전자제품공장을 찾아서 2 우리의 힘과 기술이 제일입니다mp4_000661683
    Source: KCTV, 2016/06/18

    中国でいくらでも売っていそうな製品だが、ダイソーで300円商品としてぐらいなら販売できそうだ。これに録音・録画機能、さらには殺傷能力があるレーザー照射装置でも組み込めば北朝鮮工作員の標準装備になるどころか、ジェームス・ボンドも欲しがるかもしれない。
    푸른하늘전자제품공장을 찾아서 2 우리의 힘과 기술이 제일입니다mp4_000664016
    Source: KCTV, 2016/06/18

    そしてまとめは、「足は自分の地に着け、目は世界を見ろ」であった。「青い空電子製品工場」の社訓のようだ。
    푸른하늘전자제품공장을 찾아서 2 우리의 힘과 기술이 제일입니다mp4_000719222
    Source: KCTV, 2016/06/18

    『20時報道』:6月17日は「将軍様」が「大同江ビール工場」を「現地指導」した記念日、平壌市内に160以上の「大同江ビール・バー」 (2016年6月17日 「朝鮮中央TV」)

    17日、「朝鮮中央TV」の『20時報道』の中で、「大同江ビール工場」が紹介された。(2002年)6月17日は、「将軍様」が同工場を「現地指導」した記念日だという。

    「大同江ビール工場」の前に設置された「モザイク壁画」。「将軍様」がビール瓶を持って嬉しそうな顔をしている。
    2016061720시 보도mp4_000261593
    Source: KCTV, 2016/06/18

    ビールカウンターに立つ、ダンディーな「将軍様」。
    2016061720시 보도mp4_000302778
    Source: KCTV, 2016/06/18

    「将軍様」、「ビールの質を向上させる闘争をさらに力強く展開し」ろと「教示」。私が「大同江ビール」を飲んだのはその「教示」の後であるが、十分に美味しかった。

    平壌市内には、「大同江ビール屋」が160カ所以上あるという。
    2016061720시 보도mp4_000319328
    Source: KCTV, 2016/06/18

    「元帥様」はまだビール工場の「現地指導」をしていないが、ビールは嫌いなのだろうか。

    『20時報道』:「気象水門局部員」梅雨入り予想と被害防止対策を説明、新しい制服、椅子が良い (2016年6月16日 「朝鮮中央TV」)

    16日、「朝鮮中央TV」の「20時報道」の中で報じられた、「気象水門局部員」のインタビュー。「気象水門局」は「元帥様」が就任当初に「現地指導」し、天気予報を詳しく伝えるなどの改善がなされた。

    今回、「気象水門局」を見て思ったことは、「元帥様」が「現地指導」した時と比べ、随分設備が充実したことや部員の制服ができたことだ。制服も人民服や工場労働者が着ている作業服と違った、なかなかそれらしいデザインになっている。

    また、「部員」が座っている椅子の質がとてもよい。地方の党責任秘書のオフィスなどにも置かれていないような(大体は木製のボロい椅子が多い)、立派な椅子が並んでいるのにも驚いた。そして、北朝鮮のこの種の報道で「仕事をしていますよ」と言わんばかりに必ず写す電話が見られず、デスクには会議室にあるようなマイクが設置されている。

    残るは、日本の気象観測衛星「ひまわり」が撮影した雲の写真ではなく、地球観測衛星「光明星」が撮影した雲の写真が使えるようになれば、完璧ということになるのだろうが、軌道を周回しているところまでは国際機関により確認された衛星から、写真は送られてきていないようだ。

    「気象水門局部員」のインタビューに日本語字幕を付けてアップロードしておいた。

    Source: KCTV, 2016/06/16

    「North Korean Leader Kim Jong-un Dead After Apparent Suicide Attack」:悪い冗談、韓国軍が否定コメント、中国当局は放置するのか (2016年6月16日 「East Asia Tribune」)

    16日、East Asia Tribuneが、「元帥様」が「平壌で女性による爆弾自爆テロで暗殺された」と報じた。質の悪い冗談にもほどがある。

    この記事は書き出しからデタラメで、「北朝鮮国営メディアが今日(筆者注:16日)報じた」と書いているが、16日の北朝鮮メディアではそのようなことは一切報じていないどころか、「元帥様」の「平壌穀物加工工場」の現地指導の様子を伝えている。

    メガネをかけたり外したりしているところはおもしろいが、ご無事なご様子。
    MM00244112.jpg
    Source: KCNA , 2016/06/16

    MM00244119.jpg
    Source: KCNA , 2016/06/16

    ************
    A report filed by North Korean state media earlier today announced that Kim Jong-un, chairman of the Worker’s Party of Korea and supreme leader of the DPRK, was killed in an explosion in Pyongyang which was believed to have been carried out by a female suicide bomber.

    East Asia Tribune, North Korean Leader Kim Jong-un Dead After Apparent Suicide Attack, http://www.eastasiatribune.com/north-asia/north-korean-leader-kim-jong-un-dead-after-apparent-suicide-attack/
    ************

    そして、「朝鮮中央TVで下記の事実(筆者注:自爆テロ)が伝えられた」としているが、昨日の同TVではそのような事実は一切伝えられていない。

    *************
    However, at this point the following facts have been revealed by KCTV (조선중앙텔레비죤):

    East Asia Tribune, North Korean Leader Kim Jong-un Dead After Apparent Suicide Attack, http://www.eastasiatribune.com/north-asia/north-korean-leader-kim-jong-un-dead-after-apparent-suicide-attack/
    *************

    そして、同記事にはピンク色をのチマチョゴリを着た李チュンフィ放送員が「訃報」を伝えるとでも言いたいのか、連日30度近い日が続いている平壌で真冬の服を着た人々がテレビを眺める写真を掲載している。スクリーンに字幕が出ていないのがせめてもの救いだが、悪い冗談なのか、デマを拡散しようとしているのか分からないが、質が低すぎる。
    20160616 wrost joke pyongyang
    Source: East Asia Tribune, North Korean Leader Kim Jong-un Dead After Apparent Suicide Attack, http://www.eastasiatribune.com/north-asia/north-korean-leader-kim-jong-un-dead-after-apparent-suicide-attack/

    こんな笑止に値するネタであるにもかかわらず、「韓国軍当局者が17日」、「事実ではないと理解している。信ぴょう性は高くないと情報当局はみている」と語ったと『時事通信』が伝えている。

    『時事通信』、「金正恩氏死亡説を否定=韓国軍当局者」、http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160617-00000068-jij-kr

    East Asia Tribune会社、同社のHPによると上海にあるらしいが、中国当局はどのような対応をするのだろうか。

    「青い空を抱いて生きる心」:北朝鮮で地デジ放送を開始されたのか 「青い空電子製品工場(푸른하늘전자제품공장)」でデジアナコンバーター生産、ネットワークテレビも?、自動はんだ付け装置 (2016年6月16日 「朝鮮中央TV」)

    16日、「朝鮮中央TV」で放送された特集番組で「青い空電子会社」を紹介していた。その中で、「未来商店」に展示されているテレビ用デジアナコンバーターを紹介していた。日本でも地デジが導入された初期、デジタルチューナーを持たないアナログ受像器でデジタル放送を受信するために、多種多様なデジアナチューナーが販売されていたが、北朝鮮でもアナログ放送からデジタル放送への転換が進行中なのかもしれない。可能性としては、平壌でアナログとデジタルの並行放送を続け、コンバーターの普及、その後はデジタル専用受像器の普及を目指しているのかもしれない。

    <追記>
    「統一通り」にある、「青い空電子製品工場」。「開業して僅か1年」とナレーション。
    mp4_000332393.jpg
    Source: KCTV, 2016/06/16

    「青い空電子製品工場」で生産されている製品。

    ディスプレーにマザボが組み込まれた一体型PC。
    mp4_000142754.jpg
    Source: KCTV, 2016/06/16

    キーボード分離型「ノート型コンピューター」。タブレットは「板型コンピューター」と呼んでいるので、これはノートPC。
    mp4_000145597.jpg
    Source: KCTV, 2016/06/16

    プロジェクター
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    Source: KCTV, 2016/06/16

    プロジェクターの画面
    mp4_000791620.jpg
    Source: KCTV, 2016/06/16

    「プラズマテレビ」。「LED TV」とは区別している。
    mp4_000226869.jpg
    Source: KCTV, 2016/06/16

    テレビの画面下の反射を見ると、「LED TV」というコーナーは別途ある。
    mp4_000153353.jpg
    Source: KCTV, 2016/06/16

    そして、これが「数字式テレビ信号変換器」、すなわちデジアナ・コンバーター。USBに保存(あるいは、USBからの読み込みが)できるようになっているので、もしかするとデジアナ・コンバーターとボックスTV(インターネットテレビを見る装置)の両機能を持っているのかもしれない。北朝鮮が「朝鮮中央TV」をインターネットで国内配信している、あるいは予定しているなら興味深い。海外向けにしっかりと配信してくれれば、我々も高画質でのサービスを受けられることになる。
    mp4_000244748.jpg
    Source: KCTV, 2016/06/16

    下の写真を見ると、ロッドアンテナのようなものが写っている。北朝鮮のテレビ放送はVHF帯で行われてきたが、日本同様、デジタル化しながらUHFに移行するためのUHF用アンテナなのかもしれない。
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    Source: KCTV, 2016/06/16

    「数字式テレビ信号変換器」の背面が見える場面はこれしかないが、左からオーディオと映像のアナログ出力を出すRCAソケット、中央の平たいものはHDMIソケットか?、その横のソケットが何か分からないがこれがLANならばTV BOX機能も持ち合わせていることになる。そして右の2つのいずれかか両方がアンテナケーブルを接続するF型コネクタだと思われる。(顔の部分がボケているのは、ポップアップ画面が出た瞬間で、ぼかしではない)
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    Source: KCTV, 2016/06/16

    さらに、「数字式テレビ信号変換器」のテスト画面「一体式コンピューター監視及び登録プログラム」を見ると、検査項目が分かる。緑の矢印が「カメラ合格」、「画面合格」など、合格した項目。ブルーの矢印が「音声検査」、「マイク検査」、「網(ネット)検査」、「鍵盤(リモコン)検査」などとなっている。「網(ネット)」というのが、ネットワークへの接続検査であるなら、TV BOX機能を有することを示しているのか、日本のデジタルTV化で実現されたような双方向機能を有しているのかもしれない。気になるのは、電波受信に関するテスト項目がないことである。別画面になっているのか、そうでないとするとこの装置がデジアナ・コンバーター(デジタル放送変換装置)ではない可能性もある。
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    Source: KCTV, 2016/06/16

    さらに、この番組を見ていていおもしろかったのは、製造工程である。これまで、北朝鮮の電子製品は、分解した「リョンホン」タブレットからも分かったとおり、中国製品をパッケージ化しているだけだと思っていた。ところが、この番組では「我々式のプログラムによる生産工程」を見せている。電子製品工場を見学したことがないので分からないが、自動はんだ付け装置のようなものを見せている。「我々の技術で作った設備」ではなく、「我々式のプログラム」と言っているので、装置は輸入品なのだと思う。
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    Source: KCTV, 2016/06/16

    自動はんだ付け装置と思われる映像。レーザー光で位置を確認しながら、はんだのようなものがノズルから吹き出ている。
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    Source: KCTV, 2016/06/16

    『<テレビ連続劇>赤い鳳仙花(붉은 봉선화)』:大変おもしろいスパイドラマ (2016年5月15日 「朝鮮中央TV」)

    「朝鮮中央TV」で、『赤い鳳仙花』という「テレビ連続劇」を2日前から放送し、今夜がその第3回だった。今、ちょうど番組が終わったところだが、とてもおもしろいスパイドラマである。舞台は、人民軍が占領しているソウル。人民軍「内務軍」が「米帝」と繋がった「南朝鮮反動一味」、しかも「土地調査委員会」や北朝鮮の「政権機関」にまで浸透した「反逆者」と戦うサスペンスに溢れるスパイドラマ。

    今夜は、「今日の番組順序」で「朝鮮芸術映画」を放送すると予告しており、何らかの都合で「テレビ連続ドラマ」が中断されることになったとガッカリしていたのだが、「朝鮮中央TV」を見ていたら、予定を変更して第3回を放送した。韓国・統一部DBによると、2005年12月に初回放送され、直近では2013年7月に再放送されているが、この時は見られなかったばかりか、uriminzokkiriやYouTube等にもアップロードされていないようである。

    明日も楽しみだ。

    uriminzokkiri(우리 민족끼리)HPのデザイン変更 (2016年6月15日 「uriminzokkiri」)

    15日朝6時頃、uriminzokkiri HPを見たら、下の写真のようにフレームがおかしくなっていた。

    20160615uriminzokkiri morning strange

    北朝鮮が韓国に対してサイバー攻撃を加えたという韓国報道があったので、韓国側が報復としてuriminzokkiriを攻撃したのかとも思ったのだが、フレームが崩れているだけで、書き換えなどは見られなかった。

    ところが、7時頃になると下のようにフレームが復活し、デザインが一新されていた。どうやら「6.15南北共同宣言」記念日を契機にデザインを変更したようだ。内容的には大きな変更は見られないが、全体として写真などが大きくなり見やすくなった。

    20160615 uriminzokkiri changed design


    8時現在、私がよく使う「朝鮮語大辞典」は、リンクが切れている。トップバナーの横に「朝鮮語大辞典」のボタンを追加するなどしているので、調整中なのであろう。

    「朝鮮中央TV」は、2006年頃まで遡れるようにはなっているが、項目があるだけで動画は見られない。ざっと調べた感じでは、2015年5月までは動画が見られるようになっているようである。さらに、更新前は1日経過すると、YOUKUに掲載された動画しか見られない仕様になっていたが、今回の変更でuriminzokkiriサーバーから直接ダウンロードできるように戻された。また、サーバーとても軽くなっており、動画のダウンロードが快適にできる。591MBの『朝鮮芸術映画 ウォルミド』をダウンロードしてみたが、3分ほどでできた。

    以前の状態を忘れてしまったが、右上にある「白頭山絶世偉人達」のボタンをクリックすると、「大元帥様達」や「お母様」を差し置いて、「元帥様」から表示される。「元帥様」のボタンは依然として一番右側(順番的に最後)にあるが、デフォルトで「元帥様」を出すようにしたのであれば、権威の向上を示すものであろう。記憶が正しければ、以前は順当に「首領様」の「太陽像」が表示されたはずである。

    「我が党と人民の最高領導者金正恩同志」
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    Source: uriminzokkiri

    「<児童放送時間>私達の言葉常識手帳」:「機械」と「機台」、南北間の語彙の違いの一例 (2016年6月8日 「朝鮮中央TV」)

    8日、「朝鮮中央TV」の「児童放送時間」帯に放送された「私たちの言葉常識手帳」。この番組については、拙ブログで既に3回紹介している。最近は、検索エンジンが過去記事を拾ってくれているので、ブログ内検索をするよりも検索エンジン(私が使っているのはYahoo!)に「dprknow」と探したい検索語、今回の場合は「言葉常識手帳」と入れると直ぐに見つけてくれるので大変助かる。
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    Source: KCTV, 2016/06/08

    今回は、北朝鮮の映画やドラマによく登場する「機台(기대)」と「機械(기계)」の違いについて解説している。私もこれまでは「機台」はあまり深く考えずに「機械」と訳してきたが、北朝鮮では意味の違いがあるようだ。
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    Source: KCTV, 2016/06/08

    女の子が「私の母」というテーマで作文を書く。
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    Source: KCTV, 2016/06/08

    女の子は作文に「私の母には、本当の娘の私の他に愛するもう一人の子供がいます。それは母が肉親のように大切にしている担当機械です。」と書く。
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    Source: KCTV, 2016/06/08

    兄と思われる男の子が現れ、「機台」と「機械」の違いをイメージで説明する。
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    Source: KCTV, 2016/06/08

    続けてナレーターが、次のように説明する。
    機台:機台というのは、ある物品を生産する工程で一つの単位として使われる設備。
    機械:機械というのは、一定の運動をしながら、意味のある仕事ができるようお互いに統一的に連結され作用する機具と部品で校正された装置の意味。
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    Source: KCTV, 2016/06/08

    これでは分かりにくいので、共通点と違いにについて、
    共通点:「機台」と「機械」は一定の装置という点
    違い:「機台」は一つ一つの個別的な設備、「機械」は機具と部品が集まってできた装置
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    Source: KCTV, 2016/06/08

    これでもよく分からないが、工場に設置されている、例えば旋盤のようなものは「機台」と呼ぶようである。そして、少年が示している写真を見ると、工場内に並んでいる「機台」の集体が「機械」であり、部品が集まってできあがっていると言う意味からは「機台」は「機械」ということになるという使い分けのようだ。

    北朝鮮の映画やドラマでは、確かに工場などに置かれている装置は「機台」と呼んでいる。

    さて、「機台」と「機械」についてuriminzokkiriの「朝鮮語大辞典」で調べると、上記とほぼ同じ説明が出ている。一方、韓国の「Naver国語辞典」を調べても「機台」という語彙は出てこない。過去記事にも書いたように、同辞典には、北朝鮮語彙も多く収録されており使い勝手がよいのであるが、この「機台」については収録されていないようである。

    web上の日本語辞典を調べた限りでは、「機台」という用語は出てこないし、中国語なのだろうか。

    ともあれ、韓国で「機械」のことを「機台」と言えば、直ぐには通じないであろう。南北分断後70年以上経つが、語彙レベルでは通じないものがたくさん出てきているのかもしれない。

    「敬愛する金正恩同志が少年団代表と共に公演を観覧された」:気温30度でムンス・ウォーターパーク屋外プールオープン、「元帥様」減煙中か、「少年団66周年慶祝銀河水音楽会」やはり張成沢の態度は悪かった? (2016年6月8日 「朝鮮中央TV」)

    8日、「朝鮮中央TV」で、「元帥様」が「少年団代表」と記念写真を撮影し、「公演を観覧」したという「録画報道」があった。

    別の記事にも書いたが、このところ、暑いからか半袖を着ている。昨日夜に放送された「天気予報」では、9日、平壌の最高気温は30度と予想している。7日夜の「20時報道」では、「ムンス・ウォーターパーク」の屋外プールがオープンしたと伝えていたが、この気温なら大丈夫なのだろう。同パークの案内員は「水の温度も適切に調整している」と言っていたが、屋外プールの水温調節機能があるとすれば、これはなかなかの施設ということになる。

    「ムンス・ウォーターパーク」の案内員。いつの間にかこのような制服ができたようだ。水をあしらったプール案内員らしい制服だ。
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    Source: KCTV, 2016/06/07

    話を「元帥様」に戻すと、バッチ未着用の白シャツに黒い革の時計。もしかすると、透明に見えた時計のベルトはフラッシュの反射でそう見えただけなのかもしれない。「少年団代表」と記念撮影をする「元帥様」。
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    Source: KCTV, 2016/06/08

    また、公演では例によって「元帥様」の前にテーブルは置かれているが、いつもある灰皿がない。4日に報道された「少年団野営所」の「現地指導」後、喫煙姿はないので、禁煙に至る前の減煙中なのかもしれない。ともあれ、子供たちと一緒に見る公演での喫煙は、さすがに憚られるので止めた可能性もある。
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    Source: KCTV, 2016/06/08

    一応、2012年の「少年団創立66周年慶祝銀河水音楽会」の時の映像を確認してみた。この時は、テーブルは置かれておらず、したがって灰皿もない。
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    Source: KCTV, 2012/06/10頃

    上の写真、よく見ると右端に張成沢らしき人物がいる。さらに、「元帥様」入場シーンを見ていると、「元帥様」を取り囲む一団、そしてそれに続く一団に続き張成沢が1人ぽつんと歩いてくる。この公演には金敬姫も同行しているが、張成沢とは別々に行動している。この公演の約6ヶ月後に彼は処刑されるのだが、やはりこの頃から態度が悪かったのであろうか。「朝鮮中央TV」のウォーターマークから右側に少し離れたところを歩いているのが張成沢。
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    Source: KCTV, 2012/06/10頃

    金敬姫はこのように大きく写るが、張成沢はほとんど見られない。これは、処刑後に放送された動画ではないので、処刑に伴う削除処理が施されたものではない。
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    Source: KCTV, 2012/06/10頃

    「IAEA北朝鮮がプルトニウム再処理再開の可能性」:米国務省報道官「北朝鮮が痛いと感じるところで実行」、中国外務省報道官「六者会談の早期再開を」 (2016年6月8日 「米国務省定例記者会見」)

    8日(現地時間)の米国務省定例記者会見で、米国務省報道官が北朝鮮がプルトニウム再処理を始めたようだというIAEAの報告に関する質問に答える中で、「米中戦略経済対話の中でその問題についても話し合われた」とした上で、「我々に強く叩く制裁(hard-hitting sanctions)が残っており」、それを「(北朝鮮が)痛く感じるところで実行する(the implementation where the sting is felt)」と言っている。「強く叩く制裁」が財務省の「調査結果」として発表された制裁案(「米国愛国法第311条」適用)の最終実施なのか、あるいは軍事オプションも含んだその他の制裁を意味しているのかは分からないが、「彼らがいたく感じるところ」と言っていることからして、「米国愛国法第311条」を適用した金融制裁のことではないかと思う。

    U.S. Department of State, Daily Press Briefing, http://www.state.gov/r/pa/prs/dpb/2016/06/258228.htm#NORTHKOREA

    一方、同日の中国外務相の定例記者会見でも同じ問題について質問が出されたが、中国外務相報道官は「中国側は六者会談の早期再開を求める」とだけ述べた。

    Ministry of Foreign Affairs of the People's Republic of China, Foreign Ministry Spokesperson Hong Lei's Regular Press Conference on June 8, 2016, http://www.fmprc.gov.cn/mfa_eng/xwfw_665399/s2510_665401/2511_665403/t1370729.shtml

    「朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議招集に関する公示」:6月29日 (2016年6月9日 「朝鮮中央通信」)

    9日、「朝鮮中央通信」が「最高人民会議第13期第4回会議」を「6月29日」に開催すると伝えた。「第7回党大会」で決まった案件の法制化と人事が行われるものとみられる。

    「労働党第1秘書」と「労働党委員長」の関係、新たに設置された「政務委員会」などがどのように扱われるのかが注目される。

    <追記>
    もう一つ注目すべき点があるとすれば、スーツ着用会議となるのか、人民服着用の会議となるのか。「元帥様」は、「第7回党大会」後、トラクターや工作機械の展示場視察の際にスーツを着用しただけで、その後は人民服か半袖白シャツを着用している。このところ、再びバッジを付けていない点も注目しておく必要がある。

    「50年前の6.6節の話」:何を隠したいのか? (2016年6月6日 「朝鮮中央TV」)

    6日、「朝鮮中央TV」で、50年前の6.6節(少年団創設日)を振り返る番組を放送した。番組の内容は、ピョンウォン郡で子供たちが演じた仮面劇が「全国学生青年芸術祝典で1位」になったり、ピョンウォン郡を訪れた「大元帥様達」が仮面劇を見て、「高く評価」した話を回顧するよくある番組である。

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    Source: KCTV, 2016/06/06

    ピョンウォン郡全景。典型的な地方の町のように見える。
    50년전 6 6절이야기mp4_000043794
    Source: KCTV, 2016/06/06

    仮面劇。「ピョンちゃん(ウサギ)とヒヨコ(깡충이와 병아리)」
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    Source: KCTV, 2016/06/06

    番組では、この仮面劇を50年前に演じた老人達にインタビューをする。インタビューシーンの一部にはぼかしが入っており、何かを隠そうとしているのだが、何なのかよく分からない。初めは、回想を強調するための演出かと思ったのだが、他のシーンではボカシが使われていないので、やはり何か見せたくないものが写ってしまったのであろう。下の写真の3枚を見ると、いずれも背景に建物が写っており、どうやらこの建物に「まずい」ものがあるようだが、何が「まずい」のかよく分からない。窓の当たりが怪しいのだが。隠したいのは右か左かどちらかだと思うが、あからさまに隠しと思われないよう、両側にぼかしを入れてあるのだと思う。しかし、よく見ると、少しずつ建物の位置がずれて結局、大体全てが見えているので、建物ではないのかもしれない。

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    Source: KCTV, 2016/06/06

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    Source: KCTV, 2016/06/06

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    Source: KCTV, 2016/06/06

    同じ女性であっても角度が違うとぼかしがない。別の女性の2ショットも同様。
    50년전 6 6절이야기mp4_000310365
    Source: KCTV, 2016/06/06

    左の女性の左肩辺りに民家の門があるが、そこに子供と思われる人が2人おり、中から1人出てきている。過去に紹介した禁煙キャンペーン番組でも、背後を歩く人が見えないようにぼかしを入れてある例があったが、その時は、タバコを吸いながら歩く人が通ったのではないかと思った。
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    Source: KCTV, 2016/06/06

    下手にぼかしを入れなければ素通りするような番組であったが、こういう小細工をやると記事のネタになってしまう。

    『<TV芸術映画>小学校の小さな運動場』:眼科とサッカー、「無心」に見た、どこかで見た女優だったが (2016年6月6日 「朝鮮中央TV」)

    <追記>
    コメントも頂いたので、写真を掲載し追記しておく。

    「ソンヒャン先生」(カン・イルシム)がウォルミドチームの選手だった頃(映画の中での設定で)。「美術家先生」(手前の男性)、彼女をモデルにした小説(か漫画)を書きたくて、主人公になって欲しいと頼んでいる。ストーリー的に少なからず「下心」、否、「恋心」は感じるのだが、この演出から朝鮮人民もそれを感じ取るのか。あるいは、「崇高な道徳心」に基づいた単純な「美術家」的熱意だけを感じ取るのか。その後、この男性は、怪我を理由にウォルミド・チームを退団した「ソンヒャン先生」をサッカーを捨てた変節者と考えたが、偶然、故郷に戻ったとき、故郷の小学校でサッカー監督をする「ソンヒャン先生」と再会し、感銘を受け『小学校の小さな運動場』という本を創作する。

    20160606 小学校の小さな運動場1mp4_002040578
    Source: KCTV, 2016/06/06

    『小学校の小さな運動場』
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    Source: KCTV, 2016/06/06

    海岸でトレーニングをする「ソンヒャン先生」。赤いユニフォームはこの小学校のカラー。
    20160606 小学校の小さい運動場2mp4_001964898
    Source: KCTV, 2016/06/06

    この映画の助演の子供。この子は近視なので眼鏡を掛けている。「ソンヒャン先生」は、サッカーがやりたいというこの子の熱意に打たれ、眼科に連れて行く。そこで作ってもらったサッカー用スペシャル眼鏡。日本のスポーツ界にもこういうメガネがあるのだろうか。スキーゴーグルのように、ゴムバンドで固定できるようになっている。
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    Source: KCTV, 2016/06/06

    眼科で、「ソンヒャン先生」は近視を治療するためのマッサージの仕方を学ぶ。そして、毎日、この子に学校でマッサージを施してやる。下は、医師からマッサージの仕方を学ぶ「ソンヒャン先生」
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    Source: KCTV, 2016/06/06

    学校では、視力検査表を使って視力の向上をチェックしている。「元帥様」が建設中の眼科病院を「現地指導」したとき、壁面に描かれたのは、この大型判であろう。縁の切れ目で調べるのは日本と同じ。左側の朝鮮文字は、意味がなく並んでいる。純粋な検査用であろう。
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    Source: KCTV, 2016/06/06

    小学校で子供たちを教えるときに着ているトレーニング服を着た「ソンヒャン先生」。
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    Source: KCTV, 2016/06/06

    「東海の名勝を訪ねて5」で進行役を務めたカン・イルシム。
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    KCTV: 2016/03/08

    「東海の名勝を訪ねて5」のクレジット。「朝鮮芸術映画撮影所俳優」と出ている。
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    一方、2014年頃に制作されたと思われるこちらの映画では名前のみ出ている。この映画は「平壌演劇映画大学」と「青少年映画創作団」の共作となっているので、この頃、カン・イルシムはまだ学生だったのかもしれない。
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    Source: KCTV, 2016/06/06

    ***************************************

    6日、「朝鮮少年団創建日」を記念して、子供サッカーを主題にした「TV芸術映画」が放送された。この映画は、2014年に2回、2015年に1回、そして今回で3回目の放送である。3部構成となっており、2015年と今回は同日に1から3部全て放送している。

    これだけ放送された映画にもかかわらず、拙ブログでは記事にしていない。過去に、女子サッカーチームを題材にした映画について書いたとき、この映画に関するコメントを頂いているにもかかわらずである。見たつもりになっていただけなのか、「無心に」見ていたのか分からないが、記事にしてもよいとてもよくできた映画である。

    今、2部まで見たところであるが、その間に気がついたことを先に書いておく。

    この映画が6日に放送された理由は、「朝鮮少年団創建日」にちなんでであるが、それ以外にも実にタイムリーな内容となっている。というのは、少年サッカーチームのメンバーに近眼の子供がいて、メガネをかけている。小学校のサッカー監督の先生(ウォルミド女性サッカーチームを辞めた選手という役柄)は、その子のサッカー能力が高いにもかかわらず、メガネをかけていては試合に支障があるということで、眼科病院に連れて行き、目の治療をする。

    「眼科病院」まさに、先週、「元帥様」が建設現場を「現地指導」した「眼科」である。2部までの話では、子供の目は回復に向かっているということになっている。この映画を作った時点で、今回の新「眼科病院」建設は予定させていなかったはずであるが、何ともタイムリーな感じがする。

    もう一つは、サッカーの先生を演じる主演女優をどこかで見た、より正確には、この女優の声とアクセントが耳に残っていたことだ。クレジットに出てくる名前は、カン・イルシム。過去に字幕を付けてYouTubeにアップロードしておいた「連続紀行 東海の名勝を訪ねて」の進行役をやっていた女性であった。字幕を付けていると、顔よりも声に集中するからなのか、この人の声を聞いてすぐにピンときたのだが、どこで聞いたのかしばらく思い出せなかった。

    追って、写真などを追加しようと思う。

    「南朝鮮軍部好戦狂共、西海NLL付近水域で再び無謀な侵犯行為を行う」:中国船の違法操業が発端、軍事ホットラインの回復、さらにはNLL専用の朝韓中ホットラインの設置を (2016年6月6日 「朝鮮中央TV」)

    6日、「朝鮮中央TV」が「朝鮮中央通信」の報道を引用しながら、NLL付近で韓国漁船が集団でNLL北側水域に侵入したと伝えた。興味深いのは、この「報道」の出所が明らかにされていない点である。通常、この種の報道は、国防委員会、人民軍最高司令部、人民軍総参謀部、担当地域部隊総司令部など軍関連組織か祖国平和統一委員会など南北関係を扱う組織から出され、北朝鮮メディアは出された公式文書をそのまま掲載するか読み上げる形をとっている。

    しかし今回は、「出所」については明らかにされず、通常の「報道」のように報じられている。「朝鮮中央通信」は文書体で書かれているので違和感はないのだが、「朝鮮中央TV」の「録画報道」の方は、通常の「ニュース」のように「です・ます体」で伝えているので、通常のこの種の報道と違いがあり、聞いていて耳を疑ってしまった(放送員が読み間違えているのかと思ったほどである)。

    なぜ、「出所」不明の形にしたのかは不明であるが、考えられるのは、北朝鮮側は韓国軍艦艇の発砲事件の際、既に強い警告を出してあるにもかかわらず、警告の内容を実施しなかったこと、あるいは「NLL北側水域を侵犯したのが漁船」であったからのどちらかであろう。しかし、後者については「漁船に侵犯」させたのは「軍部好戦狂」だといっているので、それ自体は「軍部好戦狂」による「挑発」行為ということになり、「0.001mm侵犯した場合の対応」の対象となるはずである。

    韓国側の報道を見ると、韓国漁船がNLL「付近」に行ったのは事実のようで、「NLLから南に560m」地点にいた中国漁船団を拿捕することが目的だったとしている。その際、中国漁船が「逃げた」としているので、可能性としては北側水域に逃げ、それを追跡した韓国の漁船団が越境してしまったというのが現状だと思う。

    『朝鮮日報』、「延坪島漁民ら、違法操業の中国漁船2隻拿捕」、http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/06/06/2016060600751.html

    北朝鮮側の報道では、中国漁船については一切触れていないが、中国に対する配慮なのか、「軍部好戦狂」の仕業にでっち上げるためなのかは不明。

    今回は、北も南も冷静な対応をしたので事なきを得たが、南北間で緊張した水域に中国漁船まで入り込んで違法操業しているという状況は、極めて危険である。この問題について、関係3国できちんと協議をし非常時のホットラインを設置しておくような対応が必要だと思うが、遮断された南北間の軍事ホットライン回復から始めなければならないであろう。

    남조선군부호전광들 서해열점수역에서 또다시 무모한 침범행위 감행

    『人民共和国宣布の歌(인민공화국선포의 노래)』 「青峰楽団」のシングルビデオ・クリップ (2016年6月5日「朝鮮中央TV」)

    5日、「朝鮮中央TV」で、「青峰楽団」のまた別のシングルビデオ・クリップが流れた。これもいずれかの公演で演奏した楽曲かもしれないが、「モランボン楽団」も演奏していたはず。それを敢えて「青峰楽団」で流しているのは、やはり同楽団を盛り上げようという意図があるのではないかと思う。

    日本語字幕を付けてアップロードしておいた。

    Source: KCTV, 2016/06/05

    「<朝鮮記録映画>朝鮮のために学ぼう」:今の「元帥様」ではできない「記録映画」 (2016年6月5日 「朝鮮中央TV」)

    5日、「朝鮮のために学ぼう」という1999年に制作された「朝鮮記録映画」を放送している。韓国統一部のDBにると、2007年6月5日に初放送があり、2014年9月、2015年3月、2015年6月、2016年3月と放送されてきた。3月の放送は何を受けての放送なのか分からないが、6月は6月6日の「朝鮮少年団創設日」との関連である。

    この『記録映画』では、「将軍様」の少年時代に遡り、「首領様」を支える行動をしたり、作曲・作詞をしたり、他の少年をリードしたりと、「首領様」に忠実な革命家に成長する過程とその「天才」ぶりを紹介している。

    この映画を見ながら思ったことは、現状の「元帥様」では、こうした映画はできそうもないということだ。まず、少年時代に遡るためには「お母さん問題」をクリアしなければならず、仮にそれをクリアしたとして、子供の「将軍様」が活躍したとされる中学・高校時代は、米国亡命中の「お母さん」の姉か妹の証言によれば、スイスで過ごしたことになる。それはそれで、「卓越した国際感覚を身につけ」と宣伝することはできるかもしれないが、基本は「足は地に着け」なので、北朝鮮的にはよろしくない。ましてや「我が国の優越した教育制度」の中で学んでいないことになる。

    「将軍様」のユーラ時代は、もっと幼かったので端っこを切ってしまえばよいが、「元帥様」は中間なので切ることできない。それこそ「将軍様」を支えて「天才的」な革命活動をしなければならなかった時期に海外にいたのは、たいへんまずい。

    この辺り、「偉人」としてはいつかは説明しなければならないと思うのだが、真実を伝えるのか、それともストーリーを作るのか。ストーリーを作るとして、どのようなストーリーになるのか楽しみだ。

    <追記>
    書いたついでに、「朝鮮記録映画」を参照しながら、「将軍様」の少年時代を紹介しておく。

    「平壌第4人民学校」に通っていた「将軍様」
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    Source: KCTV, 2016/06/05

    ナレーションでは触れられないが、横に立っている女の子は金敬姫だと思う。
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    Source: KCTV, 2016/06/05

    少年時代のエピソードを紹介するには、こういう絵も必要になるが、今の「元帥様」では出せない。
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    Source: KCTV, 2016/06/05

    「党創建5年目に幼い妹と共に2本の松を植えられた将軍様」とナレーション。再び金敬姫が出ている。
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    Source: KCTV, 2016/06/05

    「将軍様が創作された不朽の古典的名作『祖国の懐』」とその一節を紹介する場面。大人の「将軍様」の作品ではなく、子供の「将軍様」というところがポイントである。
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    Source: KCTV, 2016/06/05

    「1954年夏」、「朝鮮のために学ぼう」という名言を残した「将軍様」。
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    Source: KCTV, 2016/06/05

    1954年4月15日の「将軍様」、「首領様」、金敬姫(金敬姫を紹介するナレーションはない)
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    Source: KCTV, 2016/06/05

    1954年9月1日、「平壌第1中学校」に入学した「将軍様」
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    Source: KCTV, 2016/06/05

    1956年6月5日、「革命戦跡地踏査団を引率して」出発した「将軍様」。周りの学生たちは、同行した学生だと思われる。この中に写っている女の子と結婚しておけば、「元帥様」の「お母様問題」もなかったはずだが。
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    Source: KCTV, 2016/06/05

    1958年から60年「高級中学校」時代の「将軍様」
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    Source: KCTV, 2016/06/05

    計算尺を使って勉強する「将軍様」
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    Source: KCTV, 2016/06/05

    「高級中学校」を卒業する頃の「将軍様」
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    Source: KCTV, 2016/06/05

    「将軍様」が「高級中学校」を卒業するとき、皆に頼まれて歌った歌『私の母』。「元帥様」の時代にも「母」の歌はたくさんあるが、全てはっきりと「母=党」ということが分かる歌詞になっている。しかし、この金文字で書かれた部分がその歌詞の全てだとすれば、「将軍様」がこの歌で金正淑(「お母様」)のことを歌っているのか労働党を歌っているのか分からない。
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    Source: KCTV, 2016/06/05

    「敬愛する金正恩同志が新たに改築された万景台青年団野営所を現地指導された」:「元帥様」禁煙断念か、腕時計は未着用、<追記2>腕時計のベルトは短すぎか? (2016年6月4日 「労働新聞」)

    4日の『労働新聞』(pdf版)に「元帥様」が喫煙している写真が掲載された。禁煙努力挫折を告げる「一大事変」なのか、そもそも禁煙などしていなかったのか。朝鮮人民は、「元帥様」の健康を再び気遣うことになった。ましてや、禁煙キャンペーン番組の恐ろしい画像を見せられた後なのだから。

    20160604 kju smoking again
    Source: 『労働新聞』、「경애하는 김정은동지께서 새로 개건된 만경대소년단야영소를 현지지도하시였다」

    <追記>
    『労働新聞』HP版で写真が配信された。喫煙シーンは1枚だけであり、室内での喫煙シーンはない。よく見ると、数日前の記事で紹介した新腕時計も黒い皮バンドの旧腕時計もしていない。李夫人と「ペア・ウォッチ」を巡り揉めたのか。その方が、人間らしい「元帥様」ということになり、人民に愛される。

    2016-6-04-2-06.jpg
    Source: 『労働新聞』HP、2016/06/04

    競うように「元帥様」と写真を撮りたがっていることが分かる。
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    Source: 『労働新聞』HP、2016/06/04

    <追記2>
    5日に放送された、「新しく出た朝鮮記録映画」を見ていて気付いたのだが、5月30日に報道された「保健酸素工場現地指導」でも、腕時計を着用していなかった。その前後に観戦したと思われる中国対北朝鮮のバスケットボール試合の時は黒革の腕時計を付けているので、付けたり外したりしているだけなのかもしれない。以前、「元帥様」の足の調子が悪くなったとき、「腕が剥くんでベルトが短すぎるようになった」云々という観察が流れたが、それこそ、今回、色の違うベルトの腕時計を着用したり、外したり付けたりしていることからすると、腕が太くなりすぎたのかもしれない。ダイエットしていると思ったのだが・・・

    「保健酸素工場現地指導」
    MM00243430.jpg
    Source: KCNA, 2016/5/30

    北朝鮮対中国ナショナルチームのバスケットボール試合観戦。確かにベルトがピチピチの感じはする。
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    Source: KCNA, 2016/5/30

    透明のように見えるベルトは伸縮性のあるウレタンのような素材なのかもしれない。「元帥様」用としてはチープすぎるが。
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    Source: 『労働新聞』
    プロフィール

    川口智彦

    Author:川口智彦
    「크는 아바이(成長するオッサン)」

    ブログの基本用語:
    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「政治局員候補」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)、2018年2月11日から「第1副部長同志」とも
    「白頭の血統」=金一族
    「大元帥様達」=「首領様」と「将軍様」
    「女史」=李雪主夫人(2018.07.26より「同志」に)

    우 그림은 충정 담아 아이가 그린 경애하는 김정은원수님이십니다.


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