金正恩さんが空軍部隊を視察したという、写真ニュースである。
http://www.uriminzokkiri.com/php_tmp/download.php?categ1=12&no=8233
世界の北朝鮮ワッチャーはやはり金正恩さんの動向に寄せているようで、AP通信も金正恩さんの軍部隊視察の詳細を伝えている。AP通信は、今年初めに平壌のオフィスを拡張しており、西側の通信社としては最大規模ではないかと思われる。ただ、常駐のアメリカ人記者はいないようで、朝鮮人民のカメラマンと記者がいるとのことである。取材に関しては、朝鮮人民であっても「AP通信基準」で行うことができるとのことであるが、「AP通信基準」は北朝鮮では北朝鮮のルールに相当に準じているはずなので、完全にオープンということではない。とはいえ、西側の通信社が平壌にオフィスを開設し、APのCEO(多分)が言っているように、北朝鮮情報を「正しく」伝えてくれるということは、よいことである。朝鮮中央通信のサイトにAP支社開設時の動画が何本かアップロードされているので、参照されたい。北朝鮮の記者と思わしき女性が、APのCEOに英語でインタビューしている様子も興味深かった(一瞬であるが)。
http://hosted.ap.org/dynamic/stories/A/AS_NKOREA_LEADERS_VISITS?SITE=ILMOL&SECTION=HOME&TEMPLATE=DEFAULT
さて、話を朝鮮中央TVの動画に戻すが、例によって金正恩さんは空軍兵士や訓練を「指導」した後に、軍部隊の食堂や寝室を視察している。AP通信の記事では、金正恩さんが「their bean paste」の味見をしたと書かれているが、bean pasteは「テンジャン」、日本語に敢えて訳せば「味噌」である。私の聞き間違いや見落としかもしれないが、金正恩さんが味見したのは「テンジャン」ではなくて「醤油」(カンジャン)であったはず。味見をすることに意義があるので、どちらでも良い話だが、APの記事を読んだときに引っかかった。
今回の軍部隊視察で特記すべきことは、視察後に師団長の自宅まで足を運んでいることである。私が朝鮮中央TVの動画を確認するようになってから、金正日さんがこういうパフォーマンスを演じることはなかったが、おじいさん(金日成さん)も含めてそういうことがあったのであろうか。写真に出た師団長の家は決して立派な家ではなかったが、金正恩さんは師団長の奥さんに「他の空軍軍人の奥さんにも旦那さんを支えるようよろしく伝えてくれ」と言ったとのこと。金正恩さんが靴を脱いで師団長の家のオンドル部屋にいる写真も流れていた。
このようなパフォーマンスが何を意識したものかは即断できないが、威厳よりも親近感を強調しているのであろうか。そんなことを考えていたら、フィリピンの政治家を思い出した。大々的には、地方に行くとどこそこの道路はアロヨ大統領が作ってくれたというような大きな看板が出ている(現大統領が登場する看板はまだ目にしたことがない。そういうことはやめたのか?)。金正日さんがどこそこの軍部隊に行き、何かを贈呈してくれたという話と似ている。また、フィリピンの政治家は「人々への施し」をしばしば行う。その施しがテレビで報じられたり(放送局の株主はこうした政治家であるので、操作も容易ではあろうが)、噂になったりして政治家の評価が決まる側面がある。今まで、フィリピンと北朝鮮はつながらなかったのだが、何か共通点があるような気がしてきた。
他の途上国ではどうなのだろうか。
金正日さんの死去に関する総集編のような映像を朝鮮中央通信が配信した。
http://www.kcna.kp/userAction.do?action=videoindex&lang=kor&newsyear=2012&newsno=198517
金日成さんの時もそうであったが、金正日さんの死去に際して他の朝鮮人民の悲しみようや涙について、やらせだの涙を流さなければ強制収容所送りだのという報道が流れた。その事実関係については、確認するすべもないが、金日成さんと金正日さんは朝鮮人民にとって、全く別の存在であるような気がする。適切な表現かどうかは別として、金日成さんは「神様」、金正日さんは「神の言葉を伝える者」(預言者)とでも言えば良いのか。言葉を換えれば、金日成さんの主体思想は「神の言葉」、そして金正日さんの「先軍政治」はその解釈のようなものである。
だから、朝鮮人民にとっては、神様である金日成さんに対する尊敬の念は至高であろうし、その死は本当に悲しいものであったであろう。一方、「預言者」である金正日さんは、神様ほどではないにしろ「神の言葉」を伝授する者の死としてそれなりの重さを持って受け止められたであろう。
当然その差は、動画に映し出される涙にも反映されているはずである。残念ながら、金日成さん死去当時は、北朝鮮によるインターネット配信はなく、私は日本のテレビ局が編集した映像しか見ることができなかった。したがって、今回との直接的な比較はできないが、「泣きよう」は明らかに程度が低いと思う。金日成さん死去の時にも指摘されているが、南北問わず、朝鮮人民は葬儀(あるいは人の死)に際しての感情表現(具体的には、泣き悲しむ様子)が日本人とは比較にならぬほど派手なので、こと北朝鮮だけの映像を見せられる日本人には異様に写るかもしれない。また、「泣くべき場面」が終わるとけろっと泣き止んでしまうのも特徴的である。だから、朝鮮人民が「泣くべき場面」で思い切り泣くのを北朝鮮の異常性と捉えるべきではない。
金正日さんの死去後、金正日さんの偉業を称える地方音楽公演が行われ、その動画が朝鮮中央TVなどで多く配信されているが、こちらでも「カメラに写る」朝鮮人民は泣いている。これが「泣くべき場面」なのか、「泣かなければならない」のか、「泣かされているのか」分からないが、いずれにせよ音楽公演自体が泣くよう演出になっているのだから、単なる「感涙」なのかもしれない。
別に言いたいことがあったのだが、ここまで書いて、何が言いたいのか忘れてしまった。上のつながりで言えば、金正恩さんは、どのような「神の言葉を伝える者」になっていくつもりであろうか。二代目と「全く同じ」であるという権威だけでは、長持ちしないであろう。
そういえば、この配信はおもしろいことがある。単なる編集上の都合、あるいはエラーなのか意図的な演出なのか分からないが、バックミュージックが初めは左だけ(あるいは右は極端に小さい)から、その左右から流れるがレベルが低い、そして平壌市民が金正日さんの葬儀の車列が通過する道路の雪かきをしている辺りからきれいなステレオで流れる。これも演出なのか?
朝日国交正常化交渉担当大使の宋日昊さんはやり手だと思っていましたが、言われてしまいましたね。日本が「金正恩体制を見極める」と言っていることの逆手を取られました。解散総選挙の話まで出ている昨今、反論することもできません。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120128-00000046-mai-int
「労働新聞」が前駐韓国米国大使のドナルド・グレッグさんが、「天安号事件」について疑義を呈したことを韓国のインターネット新聞「オーマイニュース」を引用しながら紹介している。
http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2012-01-28-0027
「オーマイニュース」サイトで該当記事を探してみたのだが、検索努力の不足もあり、見つけることができなかった。なので、グレッグさんが「ザ・ニューヨークタイムス」に寄稿した原文を読んでみた。ただこれ、かなり古い記事で昨年8月31日付である。
http://www.nytimes.com/2010/09/01/opinion/01iht-edgregg.html
グレッグさんは、非公開のロシアの調査結果を引用しながら、米韓チームの調査結果に「一定」の疑問を呈している。私は、この事件をロシアチームの調査結果のような「偶発的事故」と考えている。それは、このタイミングで北朝鮮が韓国の軍艦を攻撃する合理的な理由が見つからないからだ。金正恩さんの国内向け実績作りならば、ヨンピョン島砲撃のように「南朝鮮の挑発に対する報復」と内にも外にも大々的に宣伝すれば良い。ミャンマーでの大統領一行爆殺事件や大韓航空機爆破事件などの前例を出し、「北朝鮮は対話と攻撃を同時にする」という説もあるが、そうだとしても「攻撃する理由」はあった。ところが、今回の事件ではそれが見つからない。
ヨンピョン島砲撃事件は、やったやらないという話ではないので、南北双方がその気になれば、比較的簡単に片を付けることができるであろう。ただ、天安号事件に関しては、ここまで来ると南の面子もあるだろうし、落としどころが見えない。米国は、北朝鮮に対して米朝接触に先んじ南北対話をするよう要求しているが、「天安号」はどうさせようとしているのか。核…ミサイルというより重要な課題を抱えながら、天安号で足踏みをするのは得策ではないと考えるが。
同様の内容のニュースは、数日前に写真で紹介するものがあったが、今回は動画であった。若くて健康だからか、金正恩さんに関しては、敢えて動画で紹介するケースが増えているような気がする。
http://www.uriminzokkiri.com/php_tmp/download.php?categ1=12&no=8183
金正日さんは、大体サングラスをかけていたので、あまり顔の表情は分からなかったが、金正恩さんは眼鏡をかけていないので、顔の表情がよく分かる。動画に登場する場面では、大体笑顔で説明を聞いたり指示を出したりしている様子が映し出される。しかし、周囲にいる人々と比べて、どう見ても金正恩さんは若すぎる。いくら「白頭山の血統」が偉大でも、儒教的年齢秩序を超越するのは、とても大変な気がする。
以前、外国訪問から帰国したお父さんを出迎える金正恩さんの写真が公開されたが、この時、金正恩さんはお父さんと片手で握手をしていた。朝鮮(古き良き韓国も)では、目上の人間とは両手で握手をするのが礼儀である。お父さんだから気を抜いたのか、無事の帰国が嬉しかったのか、はたまたスイスで学んだ西洋式の握手をしたのか、それは分からない。
それよりも気になるのは、この動画の最終場面で、金正恩さんが「子どもたちの面倒をよろしく頼む」と革命学院の幹部に言いながら帰っていく場面があるのだが、どうも一人目の幹部が金正恩さんと片手で握手をしているように見えて仕方がないことである。実際、カメラのアングルの関係でもう片方の手が添えられているのかどうかは確認できないのだが、その老齢の幹部が片手で握手をしているとすれば、最高司令官であるにもかかわらず若いからなのか。ちなみに、二人目の幹部は典型的な両手を添える「礼儀正しい」握手をしている。
「若い」から「いい」と朝鮮人民は見ているのか。「若い」から「だめ」と朝鮮人民は見ているのか。とても気になる。
朝鮮中央TVが、異例の早さで、EUによる対イラン制裁に反対する中国外務省の批判とロシア外相の北方領土に関する発言を伝えている。日本における報道でも、中国外務省による批判は26日、ロシア外相発言に至っては27日のニュースであるが、朝鮮中央TVが即日海外のニュースを流すのは珍しい。核開発問題で制裁を受けるイランを擁護する北朝鮮の立場は分かるにしても、北方領土についてはどんな意図があるのだろうか。ニュースの中で「日本は歴史を歪曲せずに」というようなことを言っていたので、歴史問題に結びつけての報道か。
http://www.uriminzokkiri.com/php_tmp/download.php?ptype=movie2&no=8193
普通は、子供向け番組はパスするのであるが、「척척」(チョクチョク)という音が、金正恩さんを称える歌「足音」の中で繰り返し使われているので、もしやと思ってダウンロードしてみた。
http://www.uriminzokkiri.com/index.php?ptype=movie2#
結論からいえば、金正恩さんの足音とは無関係で、どんな質問にでも「「척척:てきぱき」と答えてくれる博士というような感じである。内容は、星座の話、星の動きなどから地球の公転と自転を教えるものである。講師は、金日成総合大学の講座長(学部長?学科長?)で副教授の李先生である。いつも思うことであるが、朝鮮中央TVに登場する先生方は、皆、副教授である。学部長や学科長であれば、教授でも良い気がするし、ましてやテレビに登場するような立派な先生であればなおさらである。朝鮮の大学には教授がいないのであろうか。他に登場するのは、アナウンサーと中学生数人である。朝鮮で中学生を見る機会はなかったが、詰め襟の黒い制服を着ている。私が中学生時代に来ていたものと同じで、違いと言えば朝鮮の中学生が着ているのは、ボタンが黒いことぐらいである。女子中学生もセーラー服ではないが、日本にもありそうな制服を着ている。
録画取りをした場所は、三大革命展示館の「宇宙館」(名前が違うかもしれないが、失念した)である。実は、ここは訪問したことがあるのだが、フーコーの振り子やロケットの模型、プラネタリウムなどがあった。ロケット模型は、光明星1号、光明星2号、それと計画中の光明星3号、そしてそれらに搭載された人工衛星、銀河1号、銀河2号、計画中の銀河3号が展示されていた。「光明星3号はいつ打ち上げるのか」という愚問を発してみたが、三大革命展示館の案内員ドンム(ガイドさん)は「分からない」と言っていた。朝鮮国際旅行社日本語担当の男性の案内員ドンム2名が同行していたが、私は朝鮮語を解するので、展示館の女性案内員ドンムとは直接朝鮮語で話をした。とても聡明な女性でフランス語と英語が話せると言っていた。万景峰号の模型の前で突然「日本はどうしてこの船を行かせなくしたのですか」と質問されて答えに窮したのを今でも覚えている。
その後、プラネタリウムを見たが、厚木の子ども科学館で見るような内容であった。私にとっては、朝鮮語で星座をどう呼ぶか勉強になった。おもしろかったのは、プラネタリウム上映最後の部分で、銀河衛星が軌跡を残りながら天空を通過する演出であった。発射された「飛翔体」が宇宙ロケットであれミサイルであれ、人工衛星を軌道に乗せるのに失敗したのは明らかなので、少し気の毒な気がした。そういえば、銀河衛星展示の前で宇宙から流されたという「金日成将軍の歌」が流れていた。
話がそれたが、冒頭にも書いたとおり、足音と金正恩さんを結びつけるのは深読みで、単なる科学番組であった。番組最後で「皆さんも一生勉強して、国に貢献するような人になりましょうね」とは言っていたが。
我らが首相も演説をしたのを失念していた。オバマさんの演説は生放送を昼飯のおかずにしたのだが、こちらは首相官邸提供の録画を見た。
http://www.kantei.go.jp/jp/noda/statement/201201/24siseihousin.html
北朝鮮関連部分では、金正日さんの死去を受けて「情勢変化を冷静に見極め、関係各国と緊密に連携しつつ、情報収集を強化し、不測の事態に備えて、引き続き万全の態勢で臨」むと言っている。それでよいであろう。
それにしても、北朝鮮は「不測の事態」という周辺国の憂慮にとてもピリピリしている。昨日は、朝鮮中央通信(朝鮮語版)が「政治小国メディアが演じた妨害-朝鮮中央通信社論評」という記事を配信し、その中で「朝日新聞」が「万一の事態(に)・・・中国軍が平壌に侵入することも可能(朝鮮中央通信の文言をそのまま抜粋翻訳)」と書いたことに対して怒っている。その理由は「朝中関係に釘を刺し」て「朝鮮を孤立させ」ようとしているからということである。日本人としてはそういう意図はこの報道にはないと思うが、怒りの発端は金正日さんの死去に際して「哀悼の意」を表さなかった日本政府の「無礼」にあるようだ。
野田演説は続けて、「拉致問題は、我が国の主権に関わる重大な問題」であるから「政府一丸となって取り組」む。「日朝関係については、引き続き日朝平壌宣言に則って、核、ミサイルを含めた諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、国交正常化を図るべく努力してい」くと述べている。この部分は、昨年9月の「所信表明演説」と基本的に同じである。
それにしても、本当に「包括的に解決」するような努力をしているのであろうか。どうも国内向けのリップサービスのために「拉致問題解決」のために頑張っていますというメッセージしか伝わってこない。「けしからんから、制裁をする」。もちろんそれもやり方の一つであろうが、そろそろその効果を見極める時期に来ていると思う。私の判断では、事実上、制裁は拉致問題の解決に全くつながっていない。ついでに言えば、核・ミサイルの開発阻止にも全くつながっていない。「包括的」という言葉の意味、「日朝平壌宣言」の「精神」に立ち返り、金正恩さんの後継体制の動向を見極めつつ、新たなアクションプランを策定しておく必要があろう。
朝鮮大学校より回答をいただいた。
http://dprknow.blog.fc2.com/blog-entry-8.html
の追記参照。
朝鮮人民の旧正月の様子を紹介している。
http://www.uriminzokkiri.com/index.php?ptype=movie2#
やはり、金日成さんの銅像や金正日さんの肖像画(「太陽像」)への挨拶は欠かせないようである。北朝鮮に建立されている銅像は、「白頭山三大将軍」、つまり金日成さん、その奥さんの金正淑さん、そして金正日さんであるが、銅像が建立されているのは、金日成さんと金正淑さんだけである。また、金正日さんの肖像画がなぜ「太陽像」なのかも今一つ分からない。というのは、「人民の太陽」は金日成さん、金正日さんは「光明星」であるはずなのだが。
しかし、2012年1月12日に発表された「朝鮮労働党中央委員会特別報道」で、金正日さんの銅像を建立すること発表した。
http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2012-01-12-0001&chAction=S
金正日さんの死去に際し、朝鮮人民は金日成さんの銅像に献花・黙祷していたが、何か変である。場合によっては、金正日さんの大型肖像画を別途準備してそこに献花・黙祷するケースもあった。とはいえ、銅像と違い、臨時的な設置であるので、長期的に「参拝」することになれば、銅像を建立した方が合理的である。北朝鮮メディアの写真や動画で見る限りでは、金日成さんと金正淑さんの銅像は並び立っているわけではなく、独立して建立されているようである。また、金正淑さんの銅像はごく限られた場所にしかないようでもある。そうなると、金正日さんの銅像はどのように建立されるのであろうか。「首領様」と「将軍様」が立ち並ぶ形になるのであろうか。朝鮮人民にとっては、両人同時に「参拝」できるので、都合が良いことになろう。
それと関連して、2012年1月18日に「偉大な金日成同志を高くいただくことは、我が党と人民の最も崇高な道徳・義理である-朝鮮労働党責任者と(金正日さんが)交わした談話 1999年10月27日」という記事が「労働新聞」に掲載された。
http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2012-01-18-0001&chAction=S
その中で、金正日さんは次のように述べている。
「생일 60돐을 계기로 나의 동상을 세우겠다는것은 우리 인민들의 마음속에 자리잡은 신념에도 맞지 않습니다.지금 우리 인민들은 나를 보고 수령님그대로인 장군님이시라고 하며 시인들도 수령님은 곧 장군님이시고 장군님은 곧 수령님이시라고 노래하고있습니다.이런 조건에서 인민들이 수령님의 동상을 보면 나를 보는것과 같이 생각하게 하고 수령님의 동상에 꽃다발을 드리고 인사를 올리면 그것이 곧 나에게도 축원의 마음을 표시하는것으로 생각하게 하여야지 그렇게 하지 않고 나의 동상을 따로 세워 인민들의 마음속에서 수령님과 나를 갈라놓는것처럼 할 필요는 없습니다.」
(誕生60年を契機に私の銅像を建てようということは、朝鮮人民の心中にある信念に合致しない。今、朝鮮人民は私を見て首領様そのままである将軍様といい、詩人も首領様はまさに将軍様であり、将軍様はまさに首領様であると詠っている。このような条件の下で人民が首領様の銅像を見れば、私を見るのと同じに考えるようにさせ、首領様の銅像に花束を差し上げて挨拶をすることが、つまり私にも祝賀の気持ちを表すものであると考えさせなければならない。そうせずして、私の銅像を別途建て人民の心中で首領様と私を分けるようなことはする必要がない。)
金正日さん死去後に朝鮮人民の反応を伝える朝鮮中央TVの報道の中で、朝鮮人民が「将軍様は人民に全てを捧げながらも、『自分の銅像は建てるな』といっていた」と言っていた。それも含めて、金正日さんのこの発言をこのタイミングで流した意図はなんであろうか。金正日さんの人徳を賞賛するためか、金日成=金正日=金正恩は「同じ」ということを言いたいのか、党中央委員会の決定を(銅像建立資金確保などの理由から)遅延させるものなのか。その後の北朝鮮メディアの報道を見ていると、「銅像建立」の方向のものがあるので、恐らく三番目の理由ではないであろうが、解釈に悩む。
朝鮮中央TVが報じた旧正月の過ごし方に話を戻すと、次は公演鑑賞である。なぜか、旧正月の公演として紹介されているのは、全て少年学生によるものがほとんどである。例年そうなのかどうか私は知らないが、ご存じの方、是非その理由と共にご教授いただきたい。
次に、旧正月のショッピングの様子が紹介されている。興味深いのは、「光復地区商業中心」(光復地区商業センター)の映像で朝鮮語表記の下に中国語簡体字で同じことが書かれている。記憶は定かではないが、平壌のショッピングセンターが中国企業と合弁で設立されたという記事をyahoo newsで読んだことがある。それがこれだったのか?それにしても、動画で紹介されるショッピングセンターの商品や配置は、何となく中国で私が行ったスーパーの雰囲気がある。
最後に、ブルコギ食堂や「ミルサム」(韓国にはなかったと思うが、外見上はクレープに見える。多分、お好み焼きのより薄い小麦粉で作った皮の中に何かが入っているのであろう<実は、これに似た食べ物は日本にもよくあるのだが、名前を思い出せない。>)、そして焼き芋屋に人民が買いに来る映像が紹介されている。購入に際して、何か紙を渡しているのだが、紙幣なのか交換券なのか分からない。
焼き芋屋にはサツマイモとその横に小さなジャガイモのようなものが置いてあった。北朝鮮で食べたジャガイモは、皆小さかったが、それだったのか。焼き芋を買う列には小学生ぐらいの子供たちも並んでいたが、ともかくも、その子たちも旧正月を楽しんでくれればと思う。
昼食を食べながら、オバマ大統領の一般教書演説の生中継を見ていた。外交・軍事問題は、イランの核問題、アフガニスタンからの米軍撤退などを除いてなく、演説の大部分は、国内問題、特に経済・雇用問題であった。北朝鮮についての直接的な言及は一切なかった。
金正恩さんもこの演説を見ていたことであろう。毎日新聞でスクープされたあの「写真」が本当に金正恩さんであれば、スイスでの経験を生かして英語で聞いていたのかもしれない。
韓米FTA関連で、北朝鮮メディアは「南朝鮮人民は韓米FTAに反対している」と「李明博逆徒」を攻撃しているが、金正恩さんは「近いうちにGMの車がソウルの街を走り回るであろう」というオバマさんの言葉をどう受け止めたのであろうか。
それにしても、オバマさんの演説の節々で立ち上がって拍手をする人々、話題により立ち上がる人が多かったり少なかったり。演説後に全員が総立ちの北朝鮮と違うところが、米国式民主主義なのか。オバマ演説でも「強いアメリカ」や「ナンバーワンのアメリカ」という部分では総立ちのように見えたが。
こんな公演の動画が「ウリミンジョクキリ」に掲載された。「朝鮮中央TV」で最近放映されたものだと思うが、ともかく約1時間15分のファイルなのでダウンロードにとても時間がかかった(途中でサーバーから切断され、何回か再ダウンロードをしなければならなかった)。
http://www.uriminzokkiri.com/index.php?ptype=movie2&categ3=&search_char=&pagenum=2#
この動画に注目したのは、「最高司令官」という言葉が入っていたからである。公演の目的は、金正恩さんへの権力継承を順調に進めるためであろう。それは、金正日さんの功績をたたえるだけの目的ならば、「将軍様」とすればよいのに、「最高司令官」としていることからもそう想像される。ともかく長い公演なので、飛ばしながら鑑賞した。
公演の冒頭部分であの「英雄的朝鮮人民軍将兵に栄光あれ!」という金正日さんの肉声が流れるが、「現地指導」に立ち会った朝鮮人民以外は、やはりこの肉声以外に金正日さんの肉声を聞く機会がなかったのであろうか。その後、陸空海(こういう順序であったと思う)3軍が、最高司令官に忠誠を誓う歌や踊りが披露された。涙ながらに歌唱する人民軍兵士(多分、公演主体が何なのか分からない)も大写しにされた。
1月初頭に金正恩さんに陸海空3軍が忠誠を誓う大会の様子が収録された動画も配信されたが、この時も「陸空海」の順だったと記憶している。抗日パルチザンの系譜からしても「陸」が最初に来る理由は分かるとして、「空海」となっている理由は何であろうか。単純に兵員数によるのか、創設時期の順なのか、朝鮮戦争での貢献度なのか。調べてみる必要がある。
クライマックスである最後の約15分は飛ばさず鑑賞した。まず、「朝鮮よ語ってみよ」という詩の朗読が朝鮮語字幕付きであった。詩は長いが、「食料(米)はなくても何とか生きられるが、武力がなければ国は滅びる。金正日将軍は民族と国を救う『正義の核』を持たせてくれた。だから、白頭山の血筋を守っていかなければならい。」というところがポイントであろう。
「핵」とはあの「核」なのかと、一瞬目と耳を疑ったが、背景に「光明星」の発射シーンが映されていたので、やはりあの「核」なのであろう。そのすぐ後に「銀河通信衛星」らしき映像が続くが、「核」とのセットを連想させる構成は、発射されたロケットが人工衛星運搬ロケットであると主張する北朝鮮の演出としては、少しまずいと思った。朝鮮人民には「ミサイルにも使える」という認識があるのであろうか。
そして、「わが党の無敵必勝の銃隊列の上に永遠なる最高司令部がある。そして偉大な金正恩将軍が立っている。」で詩の朗読は終わり、金正恩さんに従おうという歌「パルコルム(足音)」の合唱、「金正恩将軍を体で死守しよう」という合唱が字幕付きで続く(公演冒頭の歌には字幕が出ないので、新しく作られた歌を朝鮮人民に覚えてもらうためであろう)。興味深いのは、金正恩さんが2010年に公式デビューする前から歌われていたという「パルコルム」では、依然として金正恩さんを「金大将」と称しているが、1月初頭に最高司令官就任後に作られたと思われる「金正恩将軍を体で死守しよう」では「司令部」、「最高司令官」を称えつつ、「金正恩将軍」と歌っている。そもそも「将軍」は金正日さん(「首領」との区分けが明確になる前は、金日成さんにもしばしば使われたが)にだけ使われた敬称であったが、それが金正恩さんにも使われている。一方で、「最高司令官」も強調されているが、さて、金正恩さんの「愛称」は「将軍」で行くのか「最高司令官」でいくのか。
冗談ではなく、国防委員長との兼職である最高司令官を国防委員長どころか、国防委員になることもなく継承した金正恩さんにとっては、このあたりの調整をどのように進めていくのかというのは、悩ましいところであろう。「首領様」、「将軍様」ときて、次は「最高司令官」で行くのか。お父さんやおじいさんのイメージと重ね合わせる作業の進め方と共に注目すべき点であろう。
余談ではあるが、公演では金正日さん、金正恩さん共に乗馬風景が背景に流れた。イメージ重複作業の一環ではあろうが、馬が走る向きが逆である。これ、そういうフィルムしかないからであろうが、金正恩体制の流れが逆転するというのは深読みしすぎであろうか。
こんな記事が写真入りで報道された。
(記事へのリンクの張り方が、今一つ分からない)
その中にある「창광원」という言葉の意味が分からないので、朝鮮大学校HPにある「問い合わせ」窓口にメールを出してみた。政治とは関係ない「用語」だと思うので、回答を得られると良いのだが。以下、そのメールの主な内容である。
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1月24日平壌発の記事として朝鮮中央通信(朝鮮語版)に「早い速度で進む창광 원式(公衆)浴場建設」という記事が出ていました。その中で「창광원」とは何 か分かりません。「창」(窓)、「광원」(光源)と考え、外部光を取り入れて浴場を明るくしたり、場合によってはお湯を温めるという意味なのかもしれませんが、いかがでしょうか。なお、日本語版と英語版への本記事の翻訳は出ていませんでした。
なお、本問い合わせの趣旨は、純粋に朝鮮研究の素材とする目的です。
*********************
2012年1月26日追記
上記のメールに対して、朝鮮大学校の担当者より回答をいただいた。それによると、「창광원」は「蒼光院」という既存の公衆浴場(ヘルスセンター)であるとのこと。したがって、記事でいいたいことは、「蒼光院のような形式の公衆浴場が建設中」ということである。確かに「蒼光院」で検索をすると、写真付きの紹介が出てくる。思えば、そんな話を何かの本で読んだことがあるようだが、全く結びつかなかった。
謎が解けたこともさることながら、問い合わせに対して迅速かつ真摯に回答してくれる窓口が朝鮮大学校にあるということが分かったのは、大きな収穫である。回答を下さった方に感謝する。
これと類似した記事はしばしば掲載されるので、読んでもあまりおもしろいことはないと思ったが、一応目を通した。今日は、旧正月だからか、朝鮮中央TVでも歌番組が多いのだろうか。「20時報道」がない。
この記事の冒頭では、AP通信、CNN、ワシントンポスト、日本経済新聞の記事が引用されている。
AP通信「그 모습이 김일성주석과 김정일국방위원장의 모습과 신통히도 같았다.」
(<金正恩さんの>その姿が金日成主席と金正日国防委員長の姿と不思議なほど同じである。)
CNN「김정은 새 최고령도자가 군부대에 대한 첫 공식시찰을 진행한것 같다.이것은 김정일령도자의 선군정치를 계속해나갈것이라는 시사로 된다.」
(金正恩、新最高指導者が軍部隊に対する最初の公式視察を行ったようだ。これは金正日指導者の先軍政治を継続していくということを示唆している。)
日本経新聞「첫 시찰지로 이 사단이 선택된 배경에는 선군로선계승을 강조하자는 목적이 있는것 같다.」
(初視察としてこの師団を選んだ背景には、先軍路線継承を強調しようとする目的があるようだ。)
「AP通信」の元記事を読んでみたところ、金日成さんや金正日さんを意識しながら、意図的に金正恩さんがたち振る舞っていたというようなことが書いてあった。親子だから、自然と似てくるところも当然あるのだろうが、果たしてどこからが「意図的」なのだろうか。最近の「視察」や「現地指導」の写真や動画を見ると、金正恩さんが左手をポケットに入れているものが多くあるが、これなどはかなり意図的であろう。というのは、古い金正日さんの「現地指導」の写真を見ると、特に左手だけをポケットに入れているということはない。左手をポケットに入れるようになったのは、2008年の脳卒中の後遺症で、左手が不自由になったからである。金正恩さんは、若くて元気なのだから、両手を出していた方がよいのではないか。
CNNと「日本経済新聞」の記事引用の意図は、「先軍政治を継承することを資本主義圏も認めている」ということを朝鮮人民にアピールするのが目的か。もちろん、CNNや「日本経済新聞」の記事は、むしろ「先軍政治」が継承されることへの危機感を示しているものであるが、「労働新聞」での扱いは逆である。しかし、この手の意図的な引用は、北朝鮮報道の引用に関してだけ見ていても、「西側」も少なからずやっているので、「労働新聞」だけを責めるわけにはいかない。
残りの部分には、金正日さんが死去したときに、「敵対勢力」が「北朝鮮の体制が不安定になるのでは」と「騒いだ」ことに対する不満が書かれている。
冒頭に「しばしば掲載される記事」と書いたが、結局は、お祖父さんやお父さんと「全く同じ」金正恩さんが、安定的に先軍政治を継承するという内容の記事であった。
http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2012-01-24-0033
こんな記事が「時事通信」で配信された。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120123-00000121-jij-int
金正日さん死去の少し前に李春姫アナウンサーが登場しなくなったという記事が流れ、一部新聞では、あたかも粛正されたかのような書き方をされた。北朝鮮とはいえ、お年寄りなんだから、引退するとか体調を崩したのだけではないのかと私は思っていたが、案の定、金正日さん死去という重大ニュースは李春姫さんが半泣き(のような声)で読み上げていた。
李春姫さんのいう「若くてきれいな同僚」かどうかは分からないが、朝鮮中央TVを見ていると、時々、確かに「若くてきれいな女性」が登場し、(韓国KBSのようにとはいわないまでも)淡々とニュースを読み上げている。
とはいえ、私には、嬉しいときには嬉しそうに、悲しいときには悲しそうにニュース原稿を読み上げるアナウンサーの方が、北朝鮮が言いたいことがストレートに伝わってくるような気がする。
北朝鮮はこのところひどく李明博さんに対して怒っている。その原因は、金正日さんの死去に際して韓国政府が哀悼の意を示さないばかりか、哀悼の意を示そうとした韓国の人々を「弾圧」したということである。対内的には朝鮮人民が「血の涙」を流しながら悲しみ、世界の「進歩的人民が」哀悼の意を示している中、南朝鮮政府が哀悼の意も示さず、南朝鮮人民を弾圧しているのがけしからんということであろうが、儒教的な観念からして、敵であろうが見方であろうが死に対しては敬虔に向き合うべきと言いたいのかもしれないという気がしないでもない。その根拠として、北朝鮮は金大中さんや盧武鉉さんの死去に際して弔意を表しているとしているが、この2人は太陽政策の推進者で、北朝鮮にとっては「敵」ではなかったはずである。実は、歴代韓国大統領で、李承晩さんを除いて自然死したのは金大中さんと(自殺ではあるが)盧武鉉さんだけである。さて、北朝鮮は宿敵の全斗煥さんや盧泰愚さんの死去に際しては、どう対応するのであろうか。
このブログは「北朝鮮外務省 軍縮および平和研究所 研究報告書(2012年1月22日「労働新聞」)」について書こうと思ったのだが、話題がずれてしまったので、こちらについては明日にでも書くことにする。
http://www.uriminzokkiri.com/php_tmp/download.php?ptype=movie2&no=8128
金正恩さんが機械工場を視察したという記事が「労働新聞」トップに掲載された。断るのを忘れていたが、、このブログで「労働新聞」といっているのは、すべてウェブ版である。
http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2012-01-23-0001
金正恩さんは、1月1日に戦車部隊を「視察」した後、かなりハイペースで軍部隊を「視察」してきたが、公式メディアに登場する企業の「現地指導」は今回が初めてだと思う。これまで「現地指導」という用語は、金日成さんと金正日さんにしか使われなかったが、金正恩さんにも初めて使われたとすれば、少なくとも外面的には後継体制固めは順調に進んでいるようにも見える。
社会主義朝鮮では、正月は新暦でやるものとばかり思っていたが、中国や韓国と同様に旧暦でお祝いしているようである。というのも、同記事の中にこんな一文がある。
래일은 설명절인데 로동자들에게 무엇을 공급해주는가,종업원은 몇명인가를 물어주시고 공장로동계급이 만든 현대적인 새 기계제품을 만족하게 보았는데 그냥 가자니 발길이 떨어지지 않는다고 하시면서 물고기 500t을 보내주겠으니 명절을 맞는 종업원들에게 공급해주라고 뜨겁게 말씀하시였다.
(明日は旧正月だから、労働者に何を供給してやるのか、従業員は何人いるのかを尋ね、工場の労働階級が作った現代的な新しい機械製品を満足しながら見たのだから、そのまま立ち去るのも気が引けると言いながら、魚500トンを送ってやるから、正月を迎える労働者に供給するようにと熱く語った。)
文中の「明日」が1月23日だとすると、このブログを書いている「今日」となるので、かなり早い段階での記事紹介となる。この点、報道を意図的に遅らせ、「現地指導」の日時が不明確であった金正日さんとは違うスタイルなのだろうか。それとも偶然「言ってしまった」のだろうか。で、500トンの魚を何人で分けるのか気になる。
少し古い話だが、おもしろかったので記しておく。時々、ウェブで配信される朝鮮中央TVの最終部分で「国際ニュース」が報道される。大体、「災害」、「環境」、「資本主義圏で起こった事件・事故」などである。報道の趣旨は、「わが共和国だけではなく、海外でも自然災害は起こっており、資本主義圏には深刻な問題がある」ということを朝鮮人民に知らしめる目的であろう。そのなかに、12月4日発生した日本で発生した中国自動車道における高級車ばかりを巻き込んだ交通事故のニュースがあった。
http://www.uriminzokkiri.com/index.php?ptype=movie2&categ3=&search_char=&pagenum=55#
日本では、この交通事故がフェラーリや偶然対向車線から走ってきたベンツを巻き込んだ高級車ばかりの交通事故ということで大々的に報道されたが、朝鮮人民には動画に出てくる車が高級車であるという自体理解できないであろう。「日本のような先進国でも、大事故が起きて大変なんだよ」ということが伝えたかったのだろうか。それとも、金正日さんがとても驚いたのであろうか。
北朝鮮では「有機農法」を推進している。これは、日本における健康志向の有機農法ではなく、化学肥料不足を補うための有機農法である。そんな記事が「労働新聞」に掲載された。
http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2012-01-22-0011&chAction=S
우리 식의 유기농법은 화학비료와 화학농약을 쓰지 않거나 적게 쓰면서 미생물비료와 유기질비료,생물농약,여러가지 천연광물질을 주로 리용하여 환경오염을 줄이고 논밭의 지력을 계통적으로 높이면서 지속적이면서도 높고 안전한 소출을 보장하는 농법이다.
(ウリ式有機農法は、化学肥料と化学農薬を使わないか、少量使用して微生物肥料と有機質肥料、生物農薬、さまざまな天然溝物質を主に利用し、環境汚染を減らし、田畑の地力を系統的に高めながら持続的に安定した高い収穫を保障する農法である。)
北朝鮮では、人民や軍が農村に「거름」を提供する運動を展開している。「거름」とは平たく訳せば「肥料」であるが、北朝鮮では有機肥料の一種という扱いである。実は、私はこの「거름」の正体がよく分からないのであるが、どなたかお分かりの方がいれば是非ご教授願いたい(そのうちに、ウリミンジョクキリの掲示板に質問を出してみようと思うが、以前別の質問をしたら、それすら掲載されなかったので回答は期待できないが)。ただ、朝鮮中央TVの映像を見ていると、「堆肥」に近いものではないかと思われる。しかし、映像では、あちこちで地面を掘り返し、トラックに積んで農村に運んでいるように見えるので、その実は上記の通り不明である。
この記事の中で興味深いのは、「우렝이」(音訳:ウレンイ)を利用した有機農法である。私の朝鮮語力では、「우렝이」の意味が分からなかったので、検索してみたらウリミンジョクキリがyoutubeにアップロードした動画があった。
http://www.youtube.com/watch?v=8ZjCfgLyvR8
動画をご覧いただければ一目瞭然であるが、タニシの一種である。この「生物兵器」を使えば、除草剤を使わずとも草取りができるということである。youtubeの映像では、確かにこのタニシは水草をよく食べる。解説では、苗がある程度育ってからタニシを入れないと苗が食べられてしまうと言っているが、気になるのは翌年どうするのかということである。この動画には後編があるようで、「ウレンイの農業における具体的メリット」を紹介すると言っているが、まだアップロードされていない。
ウリミンジョクキリさん、楽しみにしているので早くアップロードをお願いします。
<追記:2012年2月24日>
金魚鉢に入れてある苔取り「生物兵器」、タニシについて検索していたら、「ジャンボタニシ」に行き当たった。なんと、この記事に書いた「ウレンイ」こそが、ジャンボタニシことスクミリンゴガイであることが分かった。元々、食用に南米から日本に持ち込まれたものが野生化し、稲作農業などで食害をもたらしているとのこと。ただ、一方では北朝鮮が行おうとしているような除草用「生物兵器」的な使い方をしている農家もあるようだ。関連ページをざっと読むと、どうやら両刃の剣でうまく活用できるかどうかが鍵のようだ。北朝鮮報道で入っていないが、日本には食用として持ち込まれているので、食糧事情が「緊張した」北朝鮮では、生物兵器として活躍してもらった後に、収穫して食べてしまうという二重の使い方もある。危険な寄生虫が付くこともあるらしいが、味自体はそれなりに美味であるとのこと。この、ウレンイについては最近も盛んに北朝鮮のニュースでその養殖について報道されている。ジャンボタニシ君、いかなる形にせよ、朝鮮人民の胃袋にプラスになるように活躍してもらいたいものである。
ジャンボタニシについて「九州沖縄農業研究センター」HP:
http://ss.knaes.affrc.go.jp/topics/g_seitai/hmpgsctn.html
こんな記事がYahooニュースで配信された。ポイントは、北朝鮮が金正恩さんの権威付けのために、「軍の長老」を驚かしたり、ミサイル発射や核実験の現地指導を行ったという話だと思う。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120120-00000140-jij-int
それで、元記事(ウリミンジョクキリ)には何と書いてあるのか探してみた。確かに、北朝鮮の意図は時事報道のとおりであるが、少し下を読んでいくと詩のようなものが書かれている。北朝鮮のウェブでは、しばしば詩を掲載しているので、この詩も掲載済みなのかもしれないが、まだ確認していない。その中に、次のような一文がある。
누구나 장군이 젊다 한다
그렇다, 장군은 젊다,
翻訳すると「皆、将軍が若いという。そうだ、将軍は若い」となる。北朝鮮は、韓国以上に儒教的な社会秩序が支配的である(古き良き韓国を知る私は、昨今の韓国における儒教的社会秩序の瓦解を嘆き悲しんでいるのであるが)。そうだとすれば、金正恩さんの「若さ」は彼の権威付けに絶対的な障害となるはずだ。「白頭の血統」でも「若さ」を超越するのは大変であろう。詩には、その「若さ」を受けるような文はないので、どうやら「若いから良いのだ」ということを言いたいのであろう。
ウリミンジョクキリは、主たるターゲットが在外朝鮮人なのだが、このような詩が「労働新聞」や「朝鮮中央TV」で流されているのか気になるところだ。
http://www.uriminzokkiri.com/index.php?ptype=gisa1&no=47591&pagenum=2