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    北朝鮮、ミサイル発射、高度550km、飛距離2700km、北海道上空通過し太平洋に落下、Jアラート(2017年8月29日 「聯合ニュース」)

    29日、「5時57分、スナンより北朝鮮がミサイルを発射、ミサイルは高度550kmに達し、2700km飛行、北海道上空を通過し、太平洋に落下」と『聯合ニュース』などが報じた。

    『聯合ニュース』、「北, 평양일대서 탄도미사일 발사…日상공 통과 북태평양 낙하(종합)」、http://www.yonhapnews.co.kr/politics/2017/08/29/0505000000AKR20170829010754014.HTML?template=2085

    日本では、Jアラートが6時02分に出されたとも。

    『ねとらぼ』、「北朝鮮ミサイル発射でJアラート発令 不審物を見かけた際には絶対に近寄らないで」、https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170829-00000022-it_nlab-life.view-000

    今回発射されたのが「火星-12」型と想定し、過去記事に書いたSavelsberg先生からいただいたシミュレーションのグラフで確認すると、15分後に落下することが分かる。今回の発射では、「6時12分頃に落下」と報じられているので、15分というこの数字と同じである。

    Google Earthで見ると、北海道までの距離は約1500kmであり、単純に割り算をすると、約8分後には北海道上空を通過したことになる。するとJアラートは、ミサイルが上空を通過する3分前か、まさに通過中に出されたものと思われる。
    20170829 ggm1
    Source: Google Earth

    発射方向にもよるが、高い確率で北方領土上空も通過しており、ロシアとの関係にも影響を与える可能性がある。

    北朝鮮のラジオ放送は、今のところ何も報じていないようだ。いつも聞いている周波数では、この時間、北京放送の日本語放送が行われているので、北朝鮮の朝鮮語放送は聞こえなくなっている。

    <追記: 2017/08/29 0830>
    9650KHzで放送されている「朝鮮の声放送」と同じ周波数で放送されている、平壌放送で「金正恩将軍賛歌」を流していたので、その後、何かアナウンスがあったかも知れないが、「朝鮮の声放送」日本語放送で、聞こえなくなってしまった。「敬愛する最高領導者・・・」と言っているのだが。

    <追記2: 2017/08/29 0921>
    日本首相安倍は、「「発射直後から北朝鮮ミサイルの動きは完全に把握していた。国民の生命と安全を守る万全な態勢を取っている」と述べたそうだが、本当だろうか。北海道にPAC-3が配備されているのだろうか。できることとできないことをきちんと国民に説明するのが、首相の責務。

    『毎日新聞』、「<北朝鮮ミサイル>安倍首相「発射直後から完全に把握」、https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170829-00000014-mai-pol

    <追記3: 2017/08/29 0946>
    拙宅の近くには軍用空港があるのだが、気のせいかも知れないが、今朝からジェット戦闘機の音がかなり頻繁に聞こえている。今も、北方向に戦闘機が1機飛んでいった。

    <追記4: 2017/08/29 0953>
    戦闘機の音はずっと聞こえている。11680KHzで「朝鮮中央放送」がかなりクリアに聞こえるようになったが、今のところ音楽を流している。

    <追記5: 2017/08/29 1010>
    日本外相河野が、北朝鮮が北海道方向にミサイルを発射したことについて、「北朝鮮、少しひるんだか」と発言。この発言、裏を返せば、「どうせ発射するなら、グアム方向に発射してみろ」と言っているようなもの。北朝鮮が、仮にもグアム方向に向けて発射すれば、どういう事態が想定されるか分かって言っているのであろうか。とても一国の外相とは思えぬ、ネトウヨレベルの戯言。

    『朝日新聞デジタル』、「北海道周辺に発射『北朝鮮、少しひるんだか』」、https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170829-00000019-asahi-pol

    <追記6: 2017/08/29 1025>
    『労働新聞』HPの記事が29日のものに更新された。米国を非難する記事では「我々の力と意志を正しく見なければならない (우리의 힘과 의지를 똑바로 보아야 한다)」という記事があるが、ミサイル発射に関連する直接的な言及はない。

    『労働新聞』、「우리의 힘과 의지를 똑바로 보아야 한다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2017-08-29-0030

    <追記7: 2017/08/29 1029>
    「朝鮮中央放送」、平壌時間10時の報道。トップは普通のニュース。

    <追記8: 2017/08/29 1049>
    『聯合ニュース』、韓国空軍が「有事に敵指導部を焦土化する空軍の対応能力を再度確認した ( "유사시 적 지도부를 초토화하는 공군의 대응 능력을 재차 확인했다")」と、9時30分に江原道で「北朝鮮指導部撃滅訓練」をしたと発表。北朝鮮を刺激すること必至。

    『聯合ニュース』、「공군, 北미사일 발사대응 '적지휘부 격멸' 실무장 폭격훈련」、http://www.yonhapnews.co.kr/politics/2017/08/29/0505000000AKR20170829072500014.HTML?template=2087

    <追記9: 2017/08/29 1130>
    「襟裳岬沖1180km」とのことなので、襟裳岬から半径1180kmの円を描いてみた(黄色い円)。そして、平壌から北海道最北端付近と最南端付近を通過する直線を引いた(赤線)。この範囲で襟裳岬を通過する緑の線と黄色い円周の接点付近が落下地点だと思われる。だとすると、北朝鮮は、巧みにロシア領空通過を避けるようにミサイルを発射しており、さらに通過コースのすぐ南には、三沢飛行場がある。米軍と日本をまとめて威嚇しつつ、ロシアを避けるコースだと言えよう。また、このコースだとすると、人口密集地の函館上空を発射後7分30秒(上記算出根拠による)ぐらいで通過していることになる。

    さらに、北朝鮮が三沢か函館を目標に射程1000kmで発射したと過程すると、発射後7分~8分で着弾していることになる(上記、Savelsberg先生のシミュレーションから算出)。Jアラートが6時2分に鳴ったとして、3~4分で何ができるというのか。

    20170829 erimo1
    Source: Google Earth

    <追記10: 2017/08/29 1230>
    「朝鮮中央放送」、平壌時間12時にも通常ニュース。

    <追記11: 2017/08/29 1650>
    Savelsberg先生よりメールが来て、「高度550kmというのは、火星ー12だとすると、飛行距離からすれば低すぎる気がする」と。

    <追記12: 2017/08/29 1703>
    再びSavelsberg先生よりメール。「火星ー12だとすると、相当に重いペイロードでの発射で、実際の核弾頭に近い重量のペイロードでの実験をしたと主張する人も出てくるだろう」と。しかし「逆にムスダン(火星ー10)のペイロードを減らせば、このような軌道もあり得る」とも。「元帥様」が「国防研究院」を「現地指導」し、炭素繊維を見ていたので、炭素繊維を使ってムスダンを軽量化した可能性について、同先生に質問しておいた。

    <追記13: 2017/08/29 2005>
    Savelsberg先生よりメールの返信。炭素素材を使った発射については否定的。特に、液体燃料を使ったミサイルでは、「(自分は化学者ではないが)UDMHは浸食製が強いので、炭素素材を溶かす可能性がある」と。もし、炭素素材を使ったならば、固形燃料を使うミサイルであったはずだと。

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    「金正恩将軍の歌」新しく出たのですか?

    Re: タイトルなし

    ご指摘ありがとうございます。「金正恩将軍賛歌」でした。修正しておきます。

    > 「金正恩将軍の歌」新しく出たのですか?
    プロフィール

    川口智彦

    Author:川口智彦
    「크는 아바이(成長するオッサン)」

    ブログの基本用語:
    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「政治局員候補」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)、2018年2月11日から「第1副部長同志」とも
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