放送中!
ドラム同志がよい
<追記>
この同志、指揮もしながらドラムもやるというすばらしいリーダー。
楽器類の輝きがないようだが、軍楽隊なのでつや消しにしてあるのだろうか。
やはり、金正恩スペシャルがよい。
曲目に日本語字幕付き。
Source: KCTV, 2016/10/30
ニコニコしながらシンバルを叩くお姉さんもよい。
「パルコルム」で足音を出している楽器の名前求む。
<追記>
動画に日本語字幕をつけておいた。
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29日、uriminzokkiri-TVが、バン国連事務総長が「スパイだ」と非難する動画に英語字幕を付けてアップロードした。過去記事でも紹介したように、uriminzokkiri-TVは、いくつかの動画に英、中、日の字幕を付けて公開しているが、この動画も数ヶ月前に字幕無しでアップロードされたものである。その時、日本語字幕を付けて紹介しようと思ったが、放置してしまった。
銃弾で倒れることこそなさそうだが、韓国大統領は「かけっこ」が現実になってきた。それどころか、「かけっこ」に出てくる「2017年10月26日」を待つことなく、墓穴にこそ入らずとも、大統領職を辞さなければならないような雰囲気になっている。ソウルで大規模なデモが発生したと韓国メディアは伝えているが、今のところ北朝鮮は静観している。北朝鮮としては、このタイミングで下手に「北風」を吹かせて、保守勢力に逆手にとられるよりも、このまま放置しておけば朴政権は崩壊すると読んでいるのであろう。その意味では、韓国の対北警戒世論を刺激するような行動は、当面、控えるのではないだろうか。
「かけっこ」もそうであるが、「愛のストーリー」に登場している「牧師」の娘(日本には住んでいないが)が、今回の事態の引き金になっている。北朝鮮も韓国情勢を見ながらこうした動画を作っているはずではあるが、これほどはまっているのも珍しい。
バン事務総長は、本当に次期韓国大統領を狙っているのであろうか。日本語字幕付き。オリジナル英語字幕付き。
Source: uriminzokkiri-TV, 2016/10/29
28日、「朝鮮中央TV」で放送されたドキュメンタリー番組。朝鮮語の優秀さについて、金日成総合大学で朝鮮語学を研究する先生が、自分の生涯と関連させながら話しをする。
この先生、朝鮮語の歴史を調べる過程で、「新羅末期起源説」に基づいて著書を書いていたが、1960年、当時、「金日成総合大学で革命活動を展開してた将軍様」の「教示」により、この考えを捨て、「高句麗起源説」に基づく『朝鮮言語発展歴史研究』という著書をゼロから書き直したという。しかし、当時の「将軍様」は、番組の中にも絵が出てくるように、たかが大学生。映画のシナリオに手を入れたような紙切れで研究者の研究を否定してしまう「教示」など、どれだけ「偉人」でもできるはずがない。
もちろん、その背景には「首領様」がいたからであるが、やはり南朝鮮、しかも当時から南朝鮮の政治権力を握っていた慶尚道地域(新羅地域)を朝鮮語の起源とするのは、どうしても抵抗があったのであろう。
番組でも「高句麗の言語に基づいて研究せよ」という「将軍様」の「教示」を受けたにもかかわらず、高句麗のどの地域の方言を基本とするのかに悩んだと、この先生の言葉で語っている。
そこで、「首領様」が登場、「平壌文化語を基準にせよ」と「教示」。理由は、平壌は高句麗の首都だったから。まあ、確かにそうではあるが、そんな単純なことならば、大学生の「将軍様」でも言えたはず。深くは追求しないが、はじめからそういう設定になっていたのかもしれない。
この先生、北南離散家族交流でソウルに行ったとき、「看板が外来語だらけだった」と述べているが、過去記事に書いた北朝鮮の大学の先生の「弁当(べんとう)」発言からも分かるように、どうやら南朝鮮以上に「日帝時代」の言葉が残っているようだ。それについては、過去、北朝鮮のドラマや芸術映画の中でいくつも発見し、記事にした。
色々書いたが、先入観なく見て頂きたい。日本語字幕付き。
Source: KCTV, 2016/10/27
28日、uriminzokkiri-TVに掲載された報道によると、韓国で「北人権国際映画祭」なるものが開催されたという。

Source: WIKITREE, http://www.wikitree.co.kr/main/news_view.php?id=277659
上のポスターは、下の動画の中でも一部にボカシを入れて使っている。
uriminzokkiri-TVのニュースより、関連部分抽出。日本語字幕付き。
Source: uriminzokkiri-TV, 2016/10/28
ここでは、15本の「反共和国謀略映画」が上映され、中でも「最悪」なのが『太陽の下(태양 야래)』だとuriminzokkiri-TVは言っている。
「最悪」と言われれば、当然見たくなるが、どうやら日本国内では販売されていないようだ。しかし、米国amazonでは「Under the Sun」という英語タイトルで販売しているようで、日本にも配送可。早速注文しておいた。
おもしろいのは、「主演:金正恩」と書かれているところ。ドキュメンタリーのように、「朝鮮中央TV」などで放送された「元帥様」が出る場面を繋ぎ合わせただけのような気もするが、ともかく、来てからのお楽しみだ。送料込みで4000円ほどであるが、どこぞの「モランボン楽団DVD」よりも「自作」の部分が多く含まれていることを願っている。朝鮮語タイトルがないので、全く違う映画の可能性もあるが、リリースが2016年9月20日とされているので、新しい映画であることは間違いない。
https://www.amazon.com/Under-Sun-Kim-Jong/dp/B01IQK0JCO/ref=pd_rhf_eetyp_p_img_1?ie=UTF8&psc=1&refRID=RNWBWGTWZ1YBKR16MYFA
27日、国連における核兵器禁止条約の交渉開始を求める決議案に日本が反対した。「核なき世界」などとオバマが軽口を叩いたときは、「唯一の被爆国」と拍手を送っておきながら、象徴的な反核国連決議に「米国の核の傘」などともっともらしい理由を付けて反対票を投じるなど、やはり「追従勢力」らしい為体ぶりを露呈している。
以下、決議に反対した国と棄権した国のリストである。
反対:
アルバニア、アンドラ、オーストラリア、ベルギー、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブルガリア、カナダ、クロアチア、チェコ、デンマーク、エストニア、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイスランド、イスラエル、イタリア、日本、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルグ、マイクロネシア、モナコ、モンテネグロ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、韓国、ルーマニア、ロシア、セルビア、スロバキア、スロベニア、スペイン、トルコ、英国、米国
棄権:
アルメニア、ベラルーシ、中国、フィンランド、ギニア、インド、キリギスタン、マリ、モロッコ、オランダ、ニカラグア、パキスタン、スーダン、スイス、ウズベキスタン、バヌアツ
賛成:
北朝鮮を含む123カ国
Source: ican, http://www.icanw.org/campaign-news/results/
北朝鮮は、核開発を進めていながら、賛成票を投じている。「並進路線」からすれば矛盾しているが、一方で米国が「共和国敵対視政策」を止めれば、「核も不要になる」と言っているので、それを見越して核禁止決議に賛成しているのであろう。
「追従勢力」だとしても、せめても「棄権」にしておけばよいのに、「反対」とは情けない限りである。もう、「唯一の被爆国」などという看板は下ろした方がよいのかもしれない。
28日、「朝鮮の今日」にアップロードされた動画。「青峰楽団」の『世界よ、羨ましがれ』に合わせて、静止画や動画を見せている。これといったことはない動画であるが、一応、紹介しておく。
日本語字幕付き。
Source: 「朝鮮の今日」、2016/10/28
26日の米国務省定例記者会見は、なかなかおもしろい。
まず、記者が韓国貿易協会(KITA)のデータを引用しながら、「中国の対北朝鮮ジェット燃料輸出が対前年比で9月に400パーセント増加し、970万ドルに達している。・・・赤ん坊がジェット燃料を飲むはずはないので、人道援助とは言えないのではないか」と質問している。
これに対し米国務省報道官は、「中国の官僚は、制裁決議2270を履行する意志を表明している」と応じているが、記者は「それだけではない。中国の北朝鮮からの石炭輸入も増加している」とたたみかけている。
これに対して報道官はついに次のような本音を吐いている。
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歴史的にある国(複数)の安保理決議履行に関する問題がある。そして、私はこの場で公に、これまで中国は完全に履行していないと述べた。私は、その履行に関する憂慮を表明することを躊躇しない。我々は、中国とこれまでの決議履行とその履行義務に関する話し合いを続ける。
There’s been a historic issue with the – with some nations meeting all their obligations under UNSCR resolutions, and I’ve talked about it here publicly, that in the past we’ve not seen China completely comply. And when we have concerns about compliance, we’re not going to be bashful about expressing them. We continue to have discussions with the Chinese about their obligations and their commitments under this particular resolution and every other one before it. And we’re going – and we’ll continue to have those conversations.
***************
続けて記者は、「輸出収入が(北朝鮮で)人民生活に使われる石炭輸出は許されているのか?」と質問し、報道官は「私はそう理解している」と答えている。確かに、安保理決議2270にはそう書かれ記されているが、米国務省報道官が前提条件を付けることなく、このように答えいることには注目しておくべきであろう(報道官は、自分は「特定のる専門家ではないので、特定の取引については分からないが」と述べているが)。
記者は、再び「中国による対北朝鮮ジェット燃料輸出はどうなのか?」と元の質問を繰り返すと、報道官は「確認はしてみるが、今は分からない」と述べるに留まっている。
記者は、「米国は中国と北朝鮮間にある貿易の通路(回廊、corridor)を監視すると言っていたではないか」とたたみかけると、報道官は「そのような要請があったとは認識していない」と応じている。
話しがしばらくパキスタン問題になり、再び北朝鮮問題に戻る。
記者は、米情報長官のクリッパーと米国務省の北朝鮮核問題への対応認識の齟齬を指摘しながら「同じ政権内で、1人が北朝鮮の核問題解決に望みがないといい、その数分後には別の人が我々は核問題解決に取り組むと言っているが、国民はどちらを信じればよいのか」と冗談交じりの質問をする。
報道官は「国際社会は北朝鮮に対する圧力をかけ続ける」とした上で、「だから米国は朝鮮半島における強力な軍事的プレゼンスを堅持しており、同盟国韓国と地域の安全を担保している。そして、必要となれば軍事的な対応にも出ることは可能である」と「軍事的な対応」をちらつかせている。
And what’s why we continue to work inside the international community to put more pressure – to apply more pressure on the North. And that’s why we’re having an active conversation in the UN about the possibility for additional sanctions. And that’s why we maintain a robust military presence on the peninsula, because we have real security commitments to our South Korean allies and to the region to be able to respond militarily if that’s required.
さらに報道官は、「我々は共に北朝鮮の核問題を憂慮しており、それに至急対応しなければならないことについては、情報長官と我々間に深い溝はない。その上で、「北朝鮮の非核化を諦めるのかであるが、それはない。これは米国務省の考えでもなく、ある一つの米政府機関の考えでもない。これは、米国政府総体としての考えであり、政策は同じである。我々は、朝鮮半島の確認可能な非核化を目指している」と答えている。
So I think everybody has – everybody shares the same sense of urgency here. I didn’t see a big gulf between what the director said and what we’ve been saying all along. The question that was posed to me was: Is that U.S. policy, that we’re just – that we’re going to give up on trying to achieve a verifiable denuclearization of the peninsula. And the answer is very simple: No, it’s not. And that’s not just the State Department, it’s not just one agency; it’s the entire U.S. Government. Our policy is the same. We want to see a verifiable denuclearization on the peninsula.
そして続けて、「各人がその達成可能性について異なる見解を持つことは驚きに値しない。しかしそれは、我々が追求するゴールではない。最善の方法は、六者会談を再開することである。我々にはその準備ができている。しかし、北朝鮮側のコートにボールがあるにもかかわらず、彼らは非核化に向けた努力をする能力と意思を未だに示していない」と述べている。
Now, it is – I don’t think it should come as a shock to anybody that people may have different views about the odds of achieving that, but that is the goal, and that’s what we’re after. And the best way to do that is a return to the Six-Party Talk process. And we’ve said all along we’re ready to do that. The onus is on the North to prove that they’re able and willing, and thus far they have not proven willing to do that.
それでも記者は、米次期政権と関連させながら、「一方は北朝鮮の非核化は不可能だと言い、あなたは非核化の努力を続けると言っている。普通は、そのような意見の不一致は公にしないものではないのか?」と質問する。
これに対し報道官は、「この問題について実際に大きな違いがある」と認めた上で、「北朝鮮問題への対応は、米国の政治日程に左右されるものではないが・・・米国の新大統領は北朝鮮問題に関する決定をすることになるであろう」とした上で、「しかしながら、北朝鮮の非核化こそが、米国はさておき、南北両方の朝鮮半島の人々、地域の人々にとって最善の利益だと考える」と答えている。
Well, again, I take issue with the fact that there’s some big disagreement here. But let’s put that aside for a second.
I – the concerns about what’s going on in North Korea are not set by, established by, affected by the political calendar here in the United States. I’m well aware we have an election coming up, and I think we’re all well aware that in January we’re going to have a new president. And that new president will have to make decisions about where things are going with respect to North Korea.
But what we’re focused on is what has been, not just on this Administration but administrations past, is a consistent policy of applying pressure to the North and trying to achieve a verifiable, complete denuclearization of the peninsula, which we think is in the best interest not only of the people who live on the peninsula, North and South, but everybody in the region, if not here in the United States.
話題は日韓関係に移り、「日韓がGSOMIA締結を巡る話し合いをしているようだが」という記者の質問に対し「我々は、北東アジアの最も近い2つの同盟国がGSOMIA締結で合意することは、北朝鮮による脅威が高まる中、協力を強化することに繋がる。米国は、こうした協議が行われていることを歓迎する」と答えている。「北朝鮮の脅威」云々は、昨日、「追従勢力」筆頭首相も言っていた。
We believe that this potential agreement would strengthen cooperation between our two closest allies in Northeast Asia, particularly in light of the growing threat posed by North Korea. So we welcome the fact that they’re having those discussions.
US Department of State, Daily Press Briefing, http://www.state.gov/r/pa/prs/dpb/2016/10/263730.htm#CHINA
28日、YouTubeからチャンネル登録のメールが来た。「Donald Trumpがdprknow2のチャンネル登録をした」と。もちろん、何者かが彼の名を語っているだけであるが、著名人を名乗る人にチャンネル登録をされて光栄の極みである。
以前、フィリピン大統領のドゥテルテさんがKCTVのニュースで取り上げたれたことを記事にしたが、彼はやり手だと思う。一見、無茶苦茶な発言をし、無茶苦茶な行動をしているように見えるが、ツボはしっかりと押さえている。中国と日本を連続で訪問し、米国「追従」筆頭の安倍さんをしっかりと丸め込んだ。加えて、日本の皇室に対する礼儀もしっかりとわきまえている。
その系では、大したことをしそうにもないクリントン候補よりも、トランプ候補の方が米国大統領に相応しいような気もしている。
<追記>
この「律動体操」、体操自体は以前からあったようだ。コメントにあるYouTubeの動画を参照されたい。これからすると、一連の「律動体操」は、全て以前からあり、映像のみ作り替えている可能性がある。
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27日、「朝鮮中央TV」の「児童放送時間」に放送された、新しい律動体操。これまで、乳幼児、幼児、幼稚園児向けの律動体操を紹介してきたが、27日には「少年律動体操」が放送された。この体操も「朝鮮中央TV」ではこれまで見たことないので、新しく作られた律動体操なのであろう。
「律動体操」を色々と作っているのは、「体育強国」建設に向けた取り組みの一環かもしれない。
日本語字幕付き。
Source: KCTV, 2016/10/27
25日、uriminzokkiri-TVがアップロードした動画。10月26日は、朴正煕がKCIA部長の金載圭に暗殺された日である。ここ数日紹介している朴槿恵攻撃動画シリーズもこれと関連している。「朝鮮中央TV」でも、座談会番組の中で「逆徒親子」の罪悪についてあれこれと語っているが、このuriminzokkiri-TVの動画は、それを分かりやすくコンパクトにまとめている。解説者のオジサンは、「朝鮮中央TV」の「座談会」や「時事解説」にもしばしば登場する、解説者としては有名なオジサンである(名前は失念)。
「サクラ、高木正雄」から「日本軍性奴隷犯罪を水に流す」に至るまでの期間の出来事を北朝鮮の視点から振り返るには、分かりやすい番組である。日本語字幕付き。
Source: uriminzokkiri-TV, 2016/10/25
26日、「uriminzokkiri-TV」に昨日紹介した「かけっこ」に続く、朴槿恵攻撃動画が掲載された。「かけっこ」は曲的には素晴らしかったが、今回の『愛のストーリー』は、かなりエグい。私のPCで「せいがだい」と入力すると「性が代」と変換されるが、まさに「青瓦台」よりも「性が代」の方が合うようなストーリーである。
中でもおもしろかったのは、「朴氏」が20代の頃、「愛を分かち合った」男との間に隠し子がおり、その隠し子は「日本で暮らしている」と言っている点である。またまた、日本が使われているが、「サクラ、高木正雄」の関係では、米国よりも日本としておいた方が説明しやすいのであろう。
一応、この作品の作者は、朝鮮系ロシア人のように装ってあるが、北朝鮮の公式見解では「朴氏」は「子供を産んだことがない、母性がない女」ということになっている。隠し子であれ何であれ、出産経験があるのならば、北朝鮮のこの見解は崩れてしまうことになる。
いずれにせよ、uriminzokkiri-TV、朝っぱらから笑わせてくれる。「朴氏」にはお気の毒であるが。
日本語字幕付き。
Source: uriminzokkiri-TV, 2016/10/26
<追記2>
「朴氏」のせいで、k-popに目覚めてしまった。
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25日、uriminzokkiri-TVにアップロードされた動画。韓国の朴親子の終末を描く動画。BGMの歌は、韓国の歌なのかもしれない。
日本語字幕付き。
Source: uriminzokkiri-TV, 2016/10/25
<追記>
同じタイトルの原曲が韓国にあった。
Source: YouTube
いろいろな人がカバーしているようだ。
Source: YouTube
uriminzokkiri-TVが使った「屋上の月光」はこれ。
Source: YouTube
「屋上の月光」のファンになってしまった。
まだまだある。この人は、最後の部分で「It's good enough for me, bye bye, bye bye」と歌っている。uriminzokkiri-TVには、この歌詞は使って欲しかった。
Source: YouTube
この人は、bye bye の後で「頑張ってね」と歌っている。
Source: YouTube
現代自動車提供バージョン。このバージョンには、英語字幕が付いているが、意訳というか、本来のこの歌の歌詞の中身なのか分からないが、「朴氏」を応援するような内容となっている。
Source: YouTube
KBS k-pop 提供バージョン
Source: YouTube
「元帥様」がこの曲のファンなのかというほどたくさんある。
Source: YouTube
歌詞付き
Source: YouTube
「クレヨンしんちゃん」バージョン
Source: YouTube
24日ぐらいから、朝米間で興味深い動きが見られている。
クアラルンプールで、朝米間のトラック2接触があった。トラック2とはいえ、北朝鮮側からはハン・ソンヨル外務省局長とチャン・イルウン国連次席大使が出席し、米国側からはガルーチ元大使(朝鮮半島核問題担当)、レオン・シーガル(北朝鮮専門家)、ジョセフ・デトラニ(元北朝鮮特別担当)が参加している。北朝鮮からは現職官僚、米国側からは次期大統領になるかもしれないクリントン候補の夫時代の北朝鮮担当者が接触しているということからして、クアラルンプール会合が単純な民間人による「トラック2」レベルではないことを伺わせている。今回の米大統領選挙では、秘書と破廉恥な行為をした元大統領が夫人の人気に影響を与えないよう、あまり前面に出てきていないが(自らも破廉恥なトランプ候補は、もちろんその破廉恥行為を攻撃しているが)、当選後を見据えた外交政策などについては、夫人としっかりと話し合っているものと思われる。
UPI, U.S., North Korea diplomats meet in Malaysia for informal talks, http://www.upi.com/Top_News/World-News/2016/10/24/US-North-Korea-diplomats-meet-in-Malaysia-for-informal-talks/9001477316072/
米国務省報道官は、24日の定例記者会見で、クアラルンプールでの会合は民間人による「トラック2」会合であり、米国政府が関与するものではないと、その重要性を認めていないが、それは北朝鮮問題は何も解決できずに政権を終結しようとしているオバマ政権にとっての話しであり、北朝鮮は既にオバマ政権を切り捨て、米新政権を見据えて動き出しているようだ。
US Department of State, Daily Press Conference, http://www.state.gov/r/pa/prs/dpb/2016/10/263482.htm#NORTHKOREA
中国外交部スポークスマンも、韓国報道を引用する形で間接的ながらも米朝の「トラック2」接触について言及し、「米朝がいかなる形であれ、朝鮮半島問題を解決するために接触することを我々は奨励する」と述べている。北朝鮮のハン・ソンヨル外務省局長は北京経由でクアラルンプールに向かっており、米側との接触前に北京で中国側と何らかの打ち合わせを行った可能性は充分にある。その結果について、中国外交部が肯定的なコメントを出しているということは、中国にとっても望ましい話し合いが米朝間で行われたことを示しているといえよう。
Ministry of Foreign Affairs of the PRC, Regular Press Conference, http://www.fmprc.gov.cn/mfa_eng/xwfw_665399/s2510_665401/2511_665403/t1408253.shtml
それだけではない。中国外交部スポークスマンも10月25日の定例記者会見で述べているが、「朝鮮中央通信」も「朝中国境共同委員会第3回会議開催」という記事を配信している。記事によると北朝鮮側からは、朴ヨングッ外務省副相が中国側からはリュ・ジンミン外交部副部長が参加したとしている。会議では「第2回会議以後、国境関係事業で提起された問題と今後、新たな国境橋を建設し、新たな国境通過地点を設定する問題などが討議された」としている。形式的には「国境共同委員会」ではあるが、タイミングからすると、それ以上の内容が話し合われた可能性もある。
延吉レポートには書かなかったが、圏河口岸では、中国側が建設した新たな橋の開通式が10月1日に行われ、北朝鮮側の税関の建物も大変立派になっていた。バスが停止することなく通過してしまったので、写真を撮ることはできなかったが、北朝鮮側の税関の建物には、巨大な共和国旗が描かれていた。この橋と北朝鮮側新税関建物の完成で、羅先-吉林省間のモノや人の流れは、インフラ的には飛躍的に拡大する可能性がもたらされたといえる。
朝米関係に話を戻すと、米国家情報長官のジェームス・クリッパーが、米シンクタンクの会議で興味深い発言をしている。クリッパーは、「北朝鮮に核を放棄させることができる見込みはほとんどない(probably a lost cause)」とし、その理由は「核が北朝鮮が生き残るための切り札(ticket)」であるからだとしている。その上で、今、米国がやるべきことは、北朝鮮に核を放棄させることではなく、核開発に「キャップをかぶせる」こと、つまりこれ以上核開発を進めさせないことであるとしている。実に現実的な見解だと思う。この発言について質問された米国務省報道官は「米国が北朝鮮に核を放棄させる政策に揺るぎはない」と強調していたが、それもオバマ末期政権の話し(報道官も暗示しているが)であり、新政権では政策変更される可能性がある。興味深いことは、その国務省報道官ですら、「六者会談」という言葉を盛んに言い出していることである。少し前までは、「六者会談」という言葉さえあまり口にしなかった彼であるが、やはり状況の変化を感じているのかもしれない。
クリッパーはまた、「米国は北朝鮮に対する兵器として、北朝鮮を資本主義化させるための情報を使わなかった」と米国情報長官らしいことも言っている。「思想強国」を自称する北朝鮮に対し、「情報兵器」がどれほど有効であるかは米国の腕次第であろうが、北朝鮮におけるネットの普及なども考慮すれば、北朝鮮に対するサイバー攻撃というか、サイバー思想浸透も可能な状況になってきているのではないかと思う。「斬首作戦」などという、戦争を引き起こすような野蛮で愚かな手段ではなく、「元帥様」を困らせるのであれば、「スマート・パワー」を活用して欲しいものである。
REUTERS, Getting North Korea to give up nuclear bomb probably 'lost cause': U.S. spy chief, http://www.reuters.com/article/us-northkorea-nuclear-clapper-idUSKCN12P2L7
さて、北朝鮮問題に関する「米追従勢力」筆頭の安倍政権は、拉致問題も含めてそろそろ新米政権への対応もきちんと考えておいた方がよいと思う。「断じて許せない!」と眉間にしわを寄せて叫んでいるだけでは、何も解決できないのだから。
<追記3>
YouTubeにuriminzokkiriがアップロードした動画は見られなくなっているが、uriminzokkiriサイト上で視聴可能。
http://www.uriminzokkiri.com/index.php?ptype=centertv&no=31467
****************
25日、21時40分頃から録画放送中。uriminzokkiriがYouTubeにアップロードしても、FIFAの著作権問題でブロックされてしまう。
「日本0対朝鮮1」と一瞬、間違ったキャプションが出たような。
<追記2>
出ていたのは、「2015年アジアサッカー連盟16歳未満女子選手権大会決勝 日本0:1朝鮮」という去年の成績であった。

Source: KCTV, 2016/10/25
<追記>
試合を見ていて、圧倒的に日本が優位だったと思う。北朝鮮のナレーションも「我々チームの徹底した防御で日本チームがボールを回している」と言っていたが、北朝鮮の防御が固かったことも事実であるが、一方でほぼ終始一貫日本チームが攻撃を仕掛けていた。きちんと数えてはいないが、ゴールの可能性が高いシュートも圧倒的に日本に多かった。
PK戦で負けたとはいえ、試合の内容としては、日本チームが上であったと言えると思う。
今、「今日の報道の中から」で、北朝鮮女子チームの帰国風景を紹介するニュースを放送している。空港には、「元帥様」も「国家体育指導委員会」の委員長も出てこなかった。一応、平壌市民が歓迎する中、戦勝パレードはやっている。
「元帥様」も、出てきて褒めてやればよいのだが。曲だけ「金正恩将軍賛歌」では、しょうもない。
凱旋パレードをする女子サッカーチームの選手達

Source: KCTV, 2016/10/25
帰国の様子を伝える「今日の報道の中から」。日本語字幕付き。
Source: KCTV, 2016/10/25
24日、「朝鮮中央TV」の「20時報道」で、「朝鮮職業総同盟第7回参加者」が「科学技術殿堂」を参観した様子を報じた。その中に、「銀河-3」号の模型が置かれた「中央ホール」の様子が出てくるのだが、機体にあった「銀河-3」というペイントが消されているように見える。

Source: KCTV, 2016/10/24
下の写真は、2016年2月4日に「uriminzokkiri-TV」にアップロードされた動画であるが、背景に見える階段の位置からして反対側から撮影していて、機体に記された文字が見えないだけの可能性もある。ディスプレーとしては、両面に文字を入れた方がかっこいいと思うのだが、実物の片面にしか文字が入っていなかったとすれば、それを忠実に再現した可能性もある。

Source: uriminzokkiri-TV, 2016/02/04
「大成功」した運搬ロケットの機体名を消す理由は考えられないので、撮影方向だけの問題である可能性が高いが、「新型エンジン」との関係からすると、「光明星5」の準備のためという気がしないでもない。
23日、uriminzokkiri-TVに掲載された「詩」。北朝鮮メディアがこれまで公開してこなかった水に流される家、被災地の様子、そして新たに建設された住宅などの写真を見ることができる。
日本語字幕付き。
Source: uriminzokkiri-TV, 2016/10/23
23日、元山港から「咸鏡北道北部被害復旧戦闘」地域への「物流輸送戦闘」の様子を紹介する動画が「朝鮮の今日」に掲載された。過去記事でも紹介したように、「朝鮮中央TV」で見られる「復旧戦闘」などで使われているパワーシャベルやクレーン車などの製造会社名には、かなり几帳面にぼかしが入れられている。
しかし、「朝鮮の今日」はチェックが甘いのか、一瞬、クレーン車の製造会社名が写ってしまっている。

Source: 「朝鮮の今日」、2016/10/23
上の写真に見られるようにSANYというメーカーのクレーン車であることが分かるが、ネットで検索すると、中国・上海のクレーン車製造メーカーのようである。
Oriemac Industry Mchinary & Equipmentが製造する75トンのクレーン車、STC750。

Source: made-in-china.com, http://jp.made-in-china.com/co_oriemac/image_75-Ton-Sany-Mobile-Crane-Stc750_eeuungiug_yNZToYqMMjkl.html
元山港で使われている車両については、アームの部分しか写らないが、ペイントやクレーン操縦席のライトの形状などからすると、2016年8月25日に北朝鮮メディアで放送されたSLBM「試験発射大成功」の際に、ミサイルをつり上げて潜水艦に搭載するために使われていたクレーン車もSANY製ではないかと思われる。

Source: KCTV, 2016/08/25
元山港と潜水艦基地で使われた車両が同一かどうかは分からないが、いずれにせよ、同じ中国の会社のクレーン車が片や人道目的、片や軍事目的で使われていることになる。安保理決議でも「人道目的」は制裁対象から除外されているが、このようなケースからしても、明確な目的区分は現実的に困難であることが分かる。中国が頭を痛めるのもここであろう。
北朝鮮が一生懸命ぼかしを入れるのも、こうした問題があるからではないだろうか。
23日、「朝鮮の今日」にアップロードされた動画。欧州のピアノ・ジュニア・コンクールで多くの賞を取った、北朝鮮のマ・シンアを紹介する動画。
職場のゼミナールでマ・シンアを紹介する文を読んでいるところなので、この動画も学生たちに訳出させようと思っている。そのため、字幕はそれが終わってから出す予定。学生たちに字幕をつけさせるのもおもしろいかもしれない。
<追記>
字幕付け作業を授業でやった。
日本語字幕付き(ゼミナール学生共同制作)。曲はよい。マ・シンアの演奏かどうかは不明ながら。
Souce: 「朝鮮の今日」、2016/10/23
12日、「朝鮮中央TV」で放送された朝ソ合作映画。清津付近にある日本軍の秘密基地に731部隊からペスト細菌兵器が運び込まれている。日本軍は、敗戦を目前に朝鮮半島と満州一帯にペスト菌をばらまく「サクラ作戦」を企てている。それを阻止するために、ソ連軍の女性兵士と朝鮮の若者(その後、パルチザンに入隊する)が、協力しながら日本軍の「サクラ作戦」を粉砕する。
日本軍兵士の日本語がバックで聞こえるが、なかなかまともに話している。若干、朝鮮語の吹き替えと異なるが、字幕は、吹き替えられた朝鮮語を基準としている。例えば、日本語音声では「ロスケ女」とそれらしい表現を使っているが、朝鮮語にはそれを翻訳した適切な語彙がないため、「ロシア女」(「女」を若干卑下する表現を使っているが)と訳している。
ソ連軍女性兵士と朝鮮の若者の愛情が、「同志愛」を越えた「人間愛」にまで至っているところがよい。
途中、日本軍兵士が「少佐殿」に物申す部分があるのだが、今一つ、何を言いたいのかよく分からない。
日本語字幕付き。
Source: KCTV, 2016/10/12
<追記>
ロシア系の方よりYouTubeの方にコメントを頂き、この映画の制作年が1988年だと判明した。韓国で発行された北朝鮮映画に関する論文には「1989年」と書かれていたので、YouTubeの紹介文は1989年としておいたが、1988年に訂正した。また、ロシア語バージョンの映画のタイトルは、「Утомленное Солнце」、この人が書いたこのロシア語の英訳をさらに和訳すると「太陽で疲れ(疲弊し)」となる。北朝鮮のつけた「春から夏まで」は非常に分かりやすいが、ロシア語の方のタイトルは映画の内容と結びつけにくい。
「太陽」は、北朝鮮では指導者、当時でいえば「金日成将軍」ということになるが、まさか、「金日成将軍」に疲れさせられたということはなかろう。
すると、「太陽」は、日章旗の「太陽」ということになり、日の丸に象徴される「日帝」が朝鮮を侵略して「疲弊させた」ということを意味しているのかもしれない。
22日、「朝鮮中央TV」の「今日の報道の中から」で、北朝鮮女子サッカーチームが、日本とのPK戦の末、5対4で優勝したと報じた。日本が負けたのはいささか残念であるが、まあ、その対戦相手が北朝鮮女子チームであるということからすれば、私にとってはどちらが勝っても嬉しい結果である。
女子選手達、帰国すれば「元帥様」に出迎えてもらえるのかもしれないが、とにかくよく頑張った。
日本語字幕付き。
Source: KCTV, 2016/10/22
<追記2>
この人、「土人が差別用語だとは知らなかった」と言い訳。それなら、あの場で何で使ったのか。
平成XX年度大阪府警警察官採用試験予想問題
問1:次の語彙の中から人々に対する呼称として最も不適切なものを選びなさい。
①住民 ②地元民 ③土人 ④市民
<追記>
大阪府知事、「職務を一生懸命遂行しているから」と発言。「職務」は「公務」であるということを全く理解していない愚かな発言。本当に「一生懸命」、どれだけ罵倒されても、「公務」を遂行するために自らの感情をコントロールしている警察官を愚弄するような発言をするというのは、信じ難い。
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19日、『琉球新報』など、沖縄のメディアが伝えている機動隊員の暴言。酷すぎる。
この人たち、非番の時、私服で街をたむろしながら沖縄県民や中国人を卑下する発言をするのは自由だが、警官の制服を着て、公務執行中にこのような発言をするというのは、全く受け入れられない。「公務執行妨害」で、人々を逮捕できる「公務」であるという認識があるのだろうか。
Source: YouTube
沖縄県警は、こうした発言があったことをやっと認めて謝罪したようだが、当初は「県警としてそのような発言は確認されていない」と嘯いていた。
「黙れシナ人」発言はこちら。
Source: YouTube
19日、「朝鮮中央TV」で放送された、「血の海歌劇団」による「実話舞踊」。米国人神父が、幸せに暮らす朝鮮人民を騙してキリスト教徒にする。子供が落ちたリンゴを拾って食べようとすると、米帝の神父がやって来て、子供を捕まえる。そして、子供の額にナイフで「泥棒」という文字を刻み込む。
北朝鮮の人であれば、誰でも知っているであろうエピソード。
日本語字幕付き。
Source: KCTV, 2016/10/19
20日、「時事通信」などのメディアが、「北朝鮮は日本時間20日午前7時ごろ、北西部の亀城付近から弾道ミサイル1発を発射したが、直後に失敗した」と報じた。
『時事通信』、「『ムスダン』また発射失敗=米大統領選討論会にらむ-北朝鮮、http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161020-00000054-jij-kr
15日に続く2度目の失敗ということであるが、そもそも今回と前回、発射したミサイルが「ムスダン」と言えるのかどうかも疑問である。SLBM発射が「完全成功」に至る過程でも、何回か失敗を繰り返しているが、結果は失敗であったとしても、15日と20日に発射しているミサイルのエンジンは、拙ブログでも少し前に紹介した新型エンジンではないのかと思う。その意味では、そもそも北朝鮮は成功を期待していなか、場合によっては、敢えて失敗のような形で実験を終えさせている可能性もある。
「米大統領選討論会をにらむ」とあるが、間接的にはそのような意図はあっても、あまり関係ないと思う。本当の意図は、「200日戦闘」が終了する「将軍様」の命日を追悼する、新型エンジンを搭載したロケットかミサイルの発射を目指しているのではないだろうか。
「咸鏡北道被害復旧戦闘」に建設軍人や突撃隊を集中させるために、リョミョン通りの建設も中断しているので、やはり「将軍様」の命日には、何かしら「祝砲」を上げなければならないのだと思う。
14日、「朝鮮中央TV」で放送された「朝鮮労働党創建71周年慶祝功勲国家合唱団公演」。「功勲国家合唱団」というと、眉毛が濃いオジサンが思い出されるが、今回は、男声合唱団の規模は小さく、女声コーラスをかなり使っている。さすがに「モランボン楽団」や「青峰楽団」のような「歌舞」はないが、軽いステップは見られる。28分辺りからの「栄光を捧げます。朝鮮労働党よ」にて。この中では、本来ワルツではない楽曲をワルツに編曲して演奏している。今までもあったかもしれないが、なかなか新鮮な感じがした。
「我ら万里馬騎手」の「功勲国家合唱団」バージョンもなかなかよい。
「永遠に一路を進もう」は、前回の「モランボン楽団」との合同公演とは異なるアレンジがされているように聞こえる。並べて聞いていないので違うかもしれないが、やはりこの曲には相当力を入れて演奏していることが分かる。
曲目のみ日本語字幕付き。
Source: KCTV, 2016/10/14
12日、「朝鮮中央TV」で放送された「ネコヒャン合作会社」を紹介する番組。
日本語字幕付き。
Source: KCTV, 2016/10/12
<追記>
いろいろと加筆しているので、関心があればお読みいただきたい。
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少し前、延吉より戻ってきた。北京経由で行くと、やはり移動に丸一日要する。
参加したのは、延辺大学で開催された図們江フォーラムという会議であるが、、今回も金日成総合大学(総合大)からの参加者がおり、数的には去年を上回っているように見えた。
昨年との大きな違いは、総合大の先生の自由度が各段高まっているように見えたことである。去年の場合は、とにかく全員が一緒に固まっていて、その輪の中に入り込むのはとても難しい状況であった。例えば、朝食時も歓迎式典の時も、全員がしっかりと固まっており、話しかければ答えてはくれたものの、輪の中に入ることはできなかった。しかし今回は、さすがに単独行動はほとんど見られなかったが、全員一緒にいることよりも、2人とか3人で一緒に歩いているケースが多かった。特に驚いたのは、朝食時、ほぼ全員勝手気ままな時間に降りてきて、2人ぐらいのグループで食べていた。恐らく、総合大の先生は1部屋を2人でシェアしているので、そのようなことになったのではないかと思うが、去年とは全く様相が違った。そんなこともあり、朝食タイムは総合大の先生方と話しをする最高の機会であった。
私は、2日間の会議の中で、初日は自分も報告した経済関連の分科会、2日目は文学の分科会に参加した。2日目に文学に参加したのは、3名の報告者のうち、1名が韓国人、2名が総合大の先生で、全て朝鮮語・韓国語で分科会が進行されたためだ(通訳が入らないので、深い議論ができ、時間が有効に使える)。加えて、全員が「日帝」絡みの報告で、韓国の先生は親日派作家の話し、北朝鮮の先生(女性)は「日帝時代」も含む北朝鮮の「過去の」男尊女卑の話し、北朝鮮の男性の先生は、日帝時代の「反日文学」の話しであった。同フォーラムへの日本人参加者がそれほど多くなかったということもあるが、この「日帝」文学分科会にいた「日帝」の末裔は、なぜか私1人だった。
歓迎会の席上では、総合大の先生は比較的固まってはいたが、韓国人の先生や私が混ざり込んで、酒を酌み交わしながら話をしていた。経済分科会にいた李先生とは白酒で何回か乾杯をした。李先生は、経済分科会では、四面楚歌に近い状況に置かれていた。周りは中国人、韓国人、モンゴル人、ロシア人、日本人、そして親善的日本人民の私。この会議では、ルールとして「南朝鮮」や「北韓」という用語は使わない。相手国の指導者を非難しない。核・ミサイル問題を扱わないなどの、非公然のルールがあると主催者から聞いていた。よって、韓国からの参加者は朝鮮のことを「北側」と呼ぶことになっていたが、口についてしまっているのか、司会をしていた韓国の先生は何回か「北韓」と発言し、横にいた別の韓国の先生に「北側」と注意されていた。そんなこともあったので、私が参加していたときは、李先生は「北韓」発言に対する抗議はしなかった。しかし、私が文学分科会にいた時の経済分科会報告で、韓国側の参加者がパワポに「北韓」と書いてしまったので、ついに李先生の抗議があったそうである。
失礼千万だったのは、会議中、私の後ろ辺りに座っていた韓国人2人が、「北韓は小国のくせに、強盛大国といって威張っている」というようなことを話していたことである。私にははっきり聞こえたので、ロシア人を挟んでその隣にいた李先生にも聞こえていたはずである。李先生の爆発を心配したが、李先生の方が大人で、ルール違反・マナー違反の「人間のゴミ」は相手にしなかった。会議中は、さすがに直接的な核・ミサイル発言はなかったが、韓国や中国の参加者からはそれを暗示させる発言があった。李先生も最後の方ではさすがにエキサイトしてきており、「あなた方のように、米国(米帝とは言わなかった)の常態的な核威嚇の中で生活してない方々には理解できないだろうが」とはじめ、『労働新聞』などで報じられている、北朝鮮の公式的見解をほぼ一字一句間違いなく述べていた。親善的日本人民は、去年の経験から、そうなることは目に見えていたので、このような場で核問題を取り出して朝鮮からの参加者を責めたところで、非生産的でこそあれ、生産的なことは何もないことは知っていた。
親善的日本人民は、「北朝鮮の外国人観光」に関する話をした。会議に提出した論文(朝鮮文)は、朝鮮からの参加者を想定し、総合大学の紀要に則って、「元帥様」の「お言葉」の引用から入った。さすがに、「敬愛する」や「お言葉」という表現はやめておいたが、「金正恩委員長は、このように述べた」とした上で、彼がどこかでしゃべった「国際観光開発をもっとしなければならない」という言葉を引用しておいた(総合大の紀要からの再引用ではあるが)。論文と報告の中では、国名は「朝鮮」で通しておいた。おもしろかったのは、司会の韓国人の先生が数回、それにつられて「北側」と言わず、「朝鮮」と言っていたことである。言葉とはそんなものなのだろうが、親善的日本人民から李先生へのささやかなプレゼントとなった。少し驚いたのは、朝鮮が設定した観光特区(拙ブログでも過去記事でいくつか紹介した)の開発が、「国際情勢の影響を受けて、朝鮮が想定したように進んでいない」と李先生が正直に話していたことである。公式な場でこのような発言をしたところからすると、設定はしたもののなかなか投資を呼び込むことができず、苦労しているようである。
北朝鮮の人とは、案内員ドンムや運転手ドンムとは乾杯したことがあるが、総合大の先生と杯を空けたのは初めてで、李先生がサッカーをやっていて足を痛めた話や音楽の話をしていた。同先生、「モランボン楽団」の曲はあまり知らなかった。同先生の言葉によると、「モランボン楽団は若い人に人気がある」とのことで、ご自身は「若い人」ではないので、よく知らないということだった。
2日目の夜は、主催者側が用意した夕食をスキップし、某同志と「第27探索隊」を組織して、ホテルから徒歩10分の千年白雪会館という朝鮮食堂に行ってきた。実は、去年、このフォーラムに参加した際、この「食堂」には行き、拙ブログにもそこでの話しのレポートを書いたはずである。
去年は知らなかったのだが、千年白雪会館は、3階建ての建物で、2階が食堂、3回がビアホールになっている。今回は、2階の食堂に足を踏み入れたら、接待員ドンムに3階に行くよう指示された。3階の雰囲気は、少し前に行った上海の「モランボン音楽会館」と少し似ており、食堂というよりもクラブかパブという雰囲気であった。「第27探索隊」が到着したときには、中国人(朝鮮語を交ぜて話していたので、恐らく朝鮮族)の1グループがいただけで、ほぼガラガラであった。
「第27探索隊」のテーブルに来たのは、やたらとよくしゃべる、接待員ドンムであった。開口一番言われたのは、「あなたの朝鮮語は田舎くさいです。朝鮮族の言葉でもないし、平壌言葉でもないし、南朝鮮の言葉でもないし、どこから来たのですか」と。何年も朝鮮語を話してきたが、「田舎くさい」と言われたのは初めてである。一応、言い訳を書いておけば、今朝、総合大の先生と食事をしながら話していて、「いつ平壌で朝鮮語を習ったのか」と言われた。「いえ、ソウルです」と答えると、「でも、その言葉は・・・」と。ま、後は、「朝鮮中央テレビを見ていまして・・・」と正直な話をしておいたのだが、それなのに「田舎くさい」とは、少しひどい。ソウルの人が、北朝鮮の人の言葉を「田舎くさい」と笑っているのを何回も見ているので、その系ではないかと思う。
この接待員ドンム、至った結論からすると、どうやら北朝鮮から来た女性ではなく、いわゆる「在中同胞」か、そうでなければ朝鮮族だと思う。上に、「やたらとよくしゃべる」と書いたが、明らかに同店の接待員ドンムとは様子が違っていた。上海の朝鮮食堂にはオバサン朝鮮族がいたが、こちらはそのヤング・バージョンではないかと思う。詳細な比較はしていないが、このドンムはネックレスやイヤリングを着用しており、2号探索隊員が「どこで買ったのか」と質問をしていた。それと、この朝鮮パブの特色は、すべての女性がチマ・チョゴリを着ていることである。これまで行ったところでは、公演をするときだけチマ・チョゴリに着替えたり、入り口に立って呼び込みをしている数人がチマ・チョゴリを着ているだけだったが、ここは終始一貫、全員がチマ・チョゴリだった。
この店に入ったときは、例によって古い朝鮮の歌のカラオケが流れていた。「モランボン楽団に変えてくれ」とリクエストをすると、変えてくれたのはよいのだが、なんとYOUKUからダウンロードしたか、接続して流している映像であった。光明星4号打ち上げ成功の科学者宴会(多分)で同楽団に演奏をさせたときにテレビで放送された動画をそのまま流していたので、「元帥様」もしばしば写っていた。このような動画を流す朝鮮食堂もここが初めてであった。
「千年白雪会館」にも大同江ビールがあった。「いつから置いているのか」と聞いたら、よくしゃべるドンムは「開店当時から」と言っていたが、メニューには同ビールは書いてなかったし、去年2階のレストランに行ったときは置いていなかった。しかしこのドンム、「ビールは何番か」との質問には、しっかりと「2番」と答えられた。敵もやるものである。しかし、この店で明らかになったのは、大同江ビールは「高い!!!!」ということである。例によって、何本飲んだのかは覚えていないが、ビール代だけで360元取られた。2号探索隊員はほとんど飲まない人なので、1号探索隊員の私がほとんど飲んだとして、6~8本頼んだのであろうか。そんなことからすると、1本50元ぐらいの感じである。ローカルビールなど、メニューに書かれたその他のビールの値段をきちんとチェックしなかったが、延吉の物価からして、50元のビールというのは、やはり高いと思う。一応、我らに続く、探索隊の同志には注意を促しておくことにする。メニューには酒とおつまみしか出ていないが、言えば、2階のメニューを持ってきてくれる。酒以外の食べ物は、少し高い程度、加えて辛さは朝鮮的であった。2号探索隊員は、鍛錬が不足していたのか、辛さにやられていた。
しかし、千年白雪会館のパブが凄いのは、公演の頻繁にあるということである。他の食堂(千年白雪会館の2階も含む)では、1日1公演、あるいは2公演であるが、ここは、随時、連発という感じで公演があった。雰囲気的には、新しい客のグループが来る度に公演を演じていたようで、我が探索隊が着いたときには「20時半から」と言っていたにもかかわらず、20時には公演が始まっていた。使用する楽器は、電子バイオリンやベース、アコスティックベースを使うなど、「モランボン楽団」を意識した構成になっていたが、残念ながら、曲目は古いものがほとんどだった。これは、主要な客層である中国朝鮮族が新しい曲をあまり知らないからだと思う。彼らは、朝鮮語ができることもあり、朝鮮の歌を歌っていたが、とにかく、古い歌であった。まあ、「金日成将軍の歌」では、1号隊員は盛り上がっていたが、それでも古かった。なので、公演も彼らの時代に合わせた歌を歌っているような気がした。
写真撮影については、特段の注意書きはなかったようだが、朝鮮族も含めて誰も写真を撮っている人はいなかった。2号探索隊員が、スマホを出していじってはいたが、それについては注意されなかった。
例によって、リッチな中国の方々は、100元札をどんどんチップで飛ばしながら、カラオケを歌っていた。資本主義化が中国東北地区より進展している上海の朝鮮食堂では、1曲いくらとはっきり書かれていたが、こちらは、見渡した限りそのような表示はなかったようだった。ただ、リッチな方々がピンク色のお札を飛ばすので、工作資金に乏しい「第27探索隊」は、辛い立場に立たされた。
それでも、1号隊員は、頑張って「元帥様時代」の名曲、「行こう、白頭山へ」を朝鮮から来た「俳優」と一緒に歌うことができた。やはり、「俳優」の声は素晴らしい。一応、歌が終わる頃には、1号探索隊員の前には造花の花束が置かれており、そこに、ピンクのお札を1枚差し込んで席に戻った。上海の相場からすると、1曲ブルーのお札(50元)なのだろうが、リッチな方々がいると、探索隊も苦労する。
ここでは、過去記事でも紹介したパッド型のカラオケシステムを使っていた。PAやミキサーは別にあるが、基本音源はパッド型のカラオケシステムであった。我ら「第27探索隊」は、このカラオケシステムを戦取する闘争を展開した。「あれが欲しいのだがいくらか」との問いに対して、朝鮮族らしきドンムは「2800元(2400元だったかも記憶曖昧)」と答えた。「欲しいのだが」というと、下に降りていき「在庫」を探しているようであった。戻ってきて、「今はない」というので、「あれ(店で使っているも)でいいから売ってくれ」と言ったところ、「あれを売ってしまうと、営業ができない」と答えた。よくしゃべるドンムが朝鮮族だと思ったのは、ここで「営業」という言葉を使ったこともある。「朝鮮語大辞典」には、もちろん「営業」という言葉は出ているが、雰囲気的に朝鮮人民であれば「奉仕ができなくなる」と言いそうな気がしている。
ところが、このドンム、「今、前金を払ってくれれば、次に来るまでに準備しておく」という。「次に来るのは、早くても来年だ」と言うと、「それでよい」と。こういう商売っ気は、朝鮮からやって来たドンムであれば、出せないはずである。そして、工作資金に乏しい「第27探索隊」は、この時点でカラオケマシン戦取作戦を放棄することとなった。いや、「戦略的後退」と言っておくことにする。
カラオケマシンの戦取には失敗したものの、2号探索隊員が、音楽系DVDを数多く戦取していた。1号探索隊員は、大同江ビールの蓋と店のティッシュ袋を戦取するに留まった。
蓋を持ち帰ったのは、何でもありの中国なので、もしかすると大同江ビールさえ偽物が流通しているのではないかという疑念がわいたからである。1号探索隊員のようなアホが行って、50元のビールを馬鹿飲みしてくれれば、確かに儲かる。ちなみに、ローカルビールの氷川ビールを超市で買うと、昨年の価格で5元もしなかったと思う。今年は超市でビールを買わなかったが、北京空港で買った哈爾浜ビールが4.5元であった。北京空港の物価もぼったくり価格である。
総合大の先生に聞こうと思って忘れていた質問をドンムにしてみた。拙ブログでも答えが出ていない、「元帥様」の黒い服を朝鮮語で何と呼ぶのかという問題である。ドンムは「洋服」と答えていた。もちろん、完全に納得のいかない答えである。ということで、今朝、総合大の先生に同じ質問をぶつけてみた。正しい答えを得るために、「敬愛する金正恩元帥様がいつもお召しの黒い服は、朝鮮語で何というのですか?」と「思想・精神的」に正しいワーディングで質問したところ、やはり答えは「洋服」であった。今一つ納得できなったので、「では、第7回党大会で元帥様がお召しの服との違いを朝鮮語でどうやって表すのですか?」とたたみかけると、意味は伝わったものの、答えに窮しているようであった。その場には、上記の文学分科会におられた先生が集まっていたのだが、女性の先生が、それは「閉める洋服(닫긴 양복)」だと教えてくれた。「閉める」というのは、詰め襟の部分を指すとのこと。全員それには同意していたが、男性の先生が「人民服ともいうかな・・・」と。北朝鮮の先生の間で多少議論になり、結論は、「人民服ともいう」ということに落ち着いた。理由は、「将軍様」が「党幹部が人民の中に入り事業をするには、洋服(いわゆる、ネクタイとスーツ)ではなく、人民と同じ服がよいと仰った」ということであった。念のために、「しかし、将軍様の服は野戦服ですよね」とたたみかけると、「野戦服はジッパーで閉めるようなスタイルのものだ」というようなことであった。よくしゃべるドンムは「先軍服」というようなことも言っていたが、「先軍服」という言葉は聞いたことがない(ということで、朝鮮族疑惑が一層高まった)。
その後、ある筋から入った情報では、「南朝鮮傀儡国情院チンピラ」に拉致された12人の女性従業員は、拉致された食堂に移る前にはこの食堂で働いていたらしい、また、その話を聞いてやって来た韓国の放送局のカメラマンが店内を撮影し、軟禁されたという、一応、いわくつきの店のようである。
今日は、サマリーだけ書いて寝ようかと思ったのだが、忘れる前にもう少し書いておく。これも朝食時の話しであるが、総合大の授業スケジュールである。総合大では、午前8時から12時まで10分の休憩を挟んで3つの授業があり、午後は1時から6時まで授業があるという。講義は午前に集中しており、午後は講義は少なく、実験や自己学習の時間だという。そもそも、この話は、「私は朝ご飯はコーヒーしか飲みません」というところから、展開していったのだが、総合大の学生は「国家が供給するパン(サンドイッチ)を昼食として食べ」、それでお腹がふくれない学生は自分で「弁当(べんとう)」(ママ)を持ってくると言っていた。「べんとう」という日本語も朝鮮で生きているようで、言語民族主義的に正しい私が「トシラク(도시락)」とうっかり言ったら、総合大の先生は「トシラク」と言い換えていた。
文学分科会では、女性の先生が「過ぎ去った日」の「男尊女卑」の話しをした。「嫁いだ先の暮らし」で、お舅とさんとの関係、男が妾を作る関係、女性の役割が固定されていることなど、「過ぎ去った日」の女性の置かれた状況について書かれた文学作品を紹介していた。そして、この分科会で最高におもしろかったのは、討論者となっていたやはり北朝鮮の男性の先生が、「嫁いだ先の苦しい生活と言うが、恋愛もあったのだろうし、好きで結婚したのだろう」と質問をしたことである。一応、女性の先生は「新朝鮮」成立前の封建時代の話をしていたのであるが、この男性の先生はどう聞いても「新朝鮮」の男性としての質問であった。女性の先生、多少困りながら、「これからは、そのような文学も研究・紹介するようにします」と答えていた。会終了後、女性の先生に、「新朝鮮で、そのような家庭の問題を描いた文学作品はないのか」と質問したところ、きっぱり「ない」と。話しの中でも、「封建的」な要素は、「首領様の教示」により「なくなった」と何回か言っていたので、想定内の答えではあったが、少しガッカリした。「朝鮮中央TV」で放送されるドラマなどでも、それ自体ではない、「嫁いだ先での生活」についての題材は時々使われており、話しをそこに展開したかったのだが、会の合間と言うこともあり、残念ながら議論を深めることはできなかった。しかしなんというか、日帝の末裔よりも韓国の先生が北朝鮮の事情に疎いというのは、何か間違っているような気がする。
そろそろ限界なので、今日はここまで。
13日の0127JST頃、「人民の声放送」で流された新替え歌「我々は万里馬騎手」。北朝鮮が盛んに流している曲だからなのか、替え歌を作るのも早かった。同放送では、「才談」でも「替え歌が流行っている」と言いながら、「万里馬速度」を揶揄している。
日本語字幕付き。
Source: 「人民の声放送」、2016/10/13, 0127JST, 3.480MHz
中国の休日があり随分時間がかかったが、SDR-dongleの代替品が今日やっと来た。その間に、同軸切り替え機なども仕入れておいたので、それに繋いで、セットしてみた。まあ、2回目に受け取ったものと同じような動作をしている感じである。一応、アンテナのアース対策をしたので、これでRFアンプ用のチップがやられなければよいのだが。使わないときは、コネクターを外しておくのがベストだと開発者。手が届く範囲に切り替え機を取り付けたので、寝るときに同軸を外しておく方がよいのだろうが、少し面倒ではある。
イスラエルからアンテナのスプラッターも入手したのだが、これを入れると減衰がある。測定器がないので正確なデータはとれないが、Sメーターの読みで2つぐらい落ちる。ノイズベッドも同時に落ちるので、結果としてあまり変わっていないのかもしれないが、スプラッターを使わずにT型コネクタを組み合わせて単純な分配をしてみたところ、メーター上の読みは落ちなかった。しかし、一部の周波数帯域では、干渉をするようでビートが発生する。また、TS-440はトランシーバーなので、誤って送信ボタンを押すと、SDRはもちろん、アンテナも、さらには下手をするとPCも壊れかねないので注意しなければならない。送信ボタンの配線を外してしまおうと思っているが、まだこの改造はやっていない。
T型コネクタで分配したので、TS-440とSDR-Dongleで同時受信が可能になった。同じ局を受信すると、SDR-dongleの音声はsamplingに要する時間分だけ遅れて聞こえ、エコーがかかったような感じになる。Sメーターの読みでも、聞こえ方でも両者大きな差はないが、SDR-dongleは苦手な周波数帯があるようで、特に20MHzを越える辺りからは、強力な局のオバケがたくさん聞こえる。バンドパス・フィルターでも入れれば解決するのだろうが、TS-440とダブル体制なので、あまり気にしないことにした。
何となく、3メガ付近を聞いていたら、電信が聞こえた。アマチュア無線の電信以外に、これまでも韓国、上海などの海岸局はしばしば受信していた。韓国の海岸局は、交信をするでもなく存在感を主張するように電波を出している感じがあるが、上海の海岸局は気象情報を送信していた。キーイングからは、エレキ-ではなく縦振り電鍵かバグキーのように聞こえたが、しばらく感動しながら聞いていた。
しかし今日受信したのは、どうやら海岸局ではないようで、3.2MHz付近に複数の局が集まって、交信をしていた。いろいろなコールサインがあったが、Jで始まる局も複数あり、日本の業務局なのかと思った。いくつかあったコールサインをネットでサーチしながら聞いていたが、JJT88というコールサインでヒットがあった。ヒットした資料によると、集まって交信をしていたのは、中国軍だったようだ。乱数を送信をするわけでもなく、各局が定時連絡をしているような雰囲気だった。交信の終え方もアマチュア無線同様「VA(SK)」で終わるなど、軍事機密がプンプンという感じではなかった。
JJT88グループの交信終了後、3メガ付近を聞いていたら、酷いドラフト(キーイングの度に周波数動く)電信が聞こえた。かつて、ソ連のアマチュア局によくあった「あの」電信であるが、その音でこちらは、乱数らしき数字の羅列を凄い速度で送信していた。数字の送信が終わると速度を落として、「VVV CP CP DE HMA」と送信していた。上のJJT88もそうであるように、軍事通信等では、コールサインの国際割当とは無関係に勝手にコールサインを作っているようなので何とも言えないが、HMは北朝鮮に割り当てられているコールサインなので、気になってしまう。
モールスコードの解読字幕付き。(そして、最後はドラマチックな展開が・・・)
Source: 2016/10/12, 1910JST頃、3.154MHz
JJT88の謎が解けたサイトには、色々な軍事通信などの録音ファイルが置かれている。聞いているだけでワクワクしてくる。かつて、「変な音だな」と思って聞いていた信号にも解説が付けられているのでおもしろい。北朝鮮の通信もいくつか収録されており、ARQによる外交通信もある(ARQの音がやたらと懐かしい)。いずれも、解読はされていないはずだから、「恐らく」ということなのだと思う。また、うるさいWoodpeckerが収録されているファイルもあり、うるさかったWoodpeckerも今聞けば、懐かしい音である。
Numbers & Oddities, http://www.numbersoddities.nl/index.html
<追記>
2.850MHzの「朝鮮中央放送」を聞いているが、20KHzのワイドフィルターを使って受信すると音が素晴らしい。この周波数帯は、混信がないので、このフィルターで充分。何というか、ドラムやベースの低音がすごくのびる。アンテナが悪いので、若干の雑音とフェージングがあるが、もっとよいアンテナで受信すれば、凄くよい音で楽しむことができるのだと思う。先ほど、「モランボン楽団」の楽曲メドレーを流しており、羅ユミの『告白』もその中にあったが、ぶっ飛びそうな素晴らしい音で彼女の声が聞けた。理由は分からないが、YouTubeなどにアップロードされている動画よりも音の広がりがあるような気がする。
11日、「uriminzokkiri」に、中国の北朝鮮レストランから韓国に渡った12人の女性従業員が「脱北」であったのか、「誘拐」であったのかを検証する、日テレの番組がまるまる掲載された。この番組は、9月29日、「news every」の中で放送された特集である。私はこの番組は見ていないが、掲載されたものを見る限りでは、特集のはじめから終わりまでまるまるコピーし、字幕を付けて掲載しているようである。北朝鮮は、しばしば、韓国も含む西側の番組に一部字幕を付けて見せることがあるが、このように特集全てをそのまま流すことは極めて珍しい。少なくとも私が知る限りではなかった。
番組で流れている日本語と字幕が同じかどうかについて、付けられた朝鮮語字幕の日本語字幕を付けてYouTubeに掲載したいところであるが、さすがに日本の放送局の番組をそのまま掲載するのは気が引けるので、実際に話していることと大きな違いがある部分があれば、追って、拙ブログ上で文字で紹介することにする。
番組の始まりの部分。「特集です。この写真を見て下さい」と字幕。左下には、わざわざ残してあるのか、HDDレコーダーの録画中のマークが出ている。

Source: 悩むが、一応YouTubeのURLを書いておく。https://www.youtube.com/watch?v=7E35JIoUP_Y
いずれせよ、内容が北朝鮮の主張と一致しているので、全コピー掲載をしたのだと思う。
日テレはこうした無断使用に形式的にでも抗議するのだろうか。それとも、無断使用ではなかったのだろうか。
<追記>
今、番組を見終わった。朝鮮語字幕については、下記を除いては、実に忠実に付けられている。それもそのはずで、内容は、拙ブログでも取り上げてYouTubeで紹介してきた、北朝鮮側の主張をほぼそのまま伝えるものとなっているからである。番組は、北朝鮮で韓国に行った食道従業員の元同僚や家族も取材しているが、彼らが話すことは、北朝鮮が制作した番組と同じである(事実であるから同じだという説明もあり得るが)。興味深いのは、食道の近所の店で「脱北」直前に従業員女性が買ったというリュックサックを番組が取材の過程で見つけ出したり、中国側の出資者が資金を横領されたと証言する部分などである。資金横領については、直接の証言を流していなかったものの、北朝鮮の番組の中でも言われていた(鞄についてはあったような気もするが、失念)。
日本語と字幕の違いは、下記の言葉が翻訳されていない。
オリジナル日本語:「北朝鮮国内で語っていることを考えると、どこまで本音なのかも判断が難しいところですよね。」
これだけである。
<追記2>
下に同番組のオリジナルがある。これをダウンロードして使ったのかとも思ったが、ここに掲載されている動画ファイルにはNNNのウォーターマークが左上に入っているので、テレビで放送されたものをそのまま録画したのであろう。
日本テレビ、http://www.ntv.co.jp/every/sixteen/743194.html
<追記3>
上記の日テレサイトに掲載されている番組と比較すると、数カ所、北朝鮮に都合の悪い映像や音声が削除されていることが分かった。
「首領様」と「将軍様」の銅像の映像。「最高尊厳」を軽々と使うなということであろう。

Source: 日本テレビ、http://www.ntv.co.jp/every/sixteen/743194.html
下記の場面で
ナレーション:「取材規制の厳しい北朝鮮では異例の対応です。」
の音声が削除されている。撮影した際に収録された音声は残っているので、HDD録画から削除したとすると、どのような方法を使ったのだろうか。北朝鮮側も録画か録音をしていれば、タイムラインで音声の入れ替えは可能であるが。

Source: 日本テレビ、http://www.ntv.co.jp/every/sixteen/743194.html
また、アムネスティー関係者を紹介する場面(音声と映像)が削除されている。
ナレーション:「国際人権団体のアムネスティーは、北朝鮮の人権問題を厳しく批判する一方、」

Source: 日本テレビ、http://www.ntv.co.jp/every/sixteen/743194.html
news everyの放送版では、左上に天気予報などが出ている。web掲載版にはないので、各地の放送局が放送する際にこのキャプションを入れているのだと思う。北朝鮮が使っている映像には関東地方の天気予報が出ている。総連本部の関係者が録画して北朝鮮に提供したのだろうか。
<追記4>
思えば、中国・瀋陽にあると言われるuriminzokkiriは、中国国内からはYouTubeにアクセスできないはずである。もちろん、プロキシ・サーバーなどを使えば可能なのかもしれないが、YouTubeへの動画アップロードはどのようにやっているのだろうか。YOUKUへのアップロードは以前からずっとやっているが、YouTubeへのアップロード率(uriminzokkiriに掲載される動画中、YouTubeにもアップロードされる動画の数)が高まったのは、最近である。北朝鮮国内からのアクセスなのか、それとも第三国からのアクセスなのか。北朝鮮国内からのアップロードだとすると「ベルヌ条約は、外交関係がない北朝鮮には適用されない」という日本の最高裁判決が逆適用されて、北朝鮮を提訴することができないが、第三国からのアップロードだとすると、それは可能になる。また、日本国内の組織が関与しているのであれば、日本の法律で対処できる。動画に関しては、一方的にYouTubeに通告し、削除させることも可能であろう。日テレはどうするのか。タレントが出ているわけでもないので、そのまま残しておいた方が局の宣伝にはなると思うのだが。
裁判所HP、最高裁判決文、www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/813/081813_hanrei.pdf
10日、「朝鮮中央TV」で流れた「新しく出た歌」。モランボンと功勲国家の合同。「あなたがいなければ我々もいない」と曲調が似ている。苦しいときにはこういう曲調になるとすると、咸鏡北道北部での第二の「苦難の行軍」が心配になる。
日本語字幕付き。
Source: KCTV, 2016/10/10