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    南北将軍級軍事会談開催 (2018年6月14日 「聯合ニュースTV」)

    14日、板門店で南北将軍級軍事会談が開催され、「東・西海地区の軍通信線を完全に復旧することで合意」し、「西海海上衝突防止を明示した2004年6.4合意の履行でも考えを同じく」したと『聯合ニュースTV』が報じた。

    北朝鮮代表は、2007年に盧武鉉が平壌に植えた松の写真を示し、「松精神で、会談速度は万里馬速度で、会談原則はお互いがお互いに配慮する。『立場を逆にして考える』原則で行おうという意見です」と述べている。

    「万里馬速度」、表面的意味は通じただろうが、深い意味が韓国軍人に通じたかどうか。

    会談は長時間に及び、会談の終わりでは北朝鮮側代表が、「再び、このような会談はしないようにしましょう。事実、模範戦闘について、一度少し処理しようと言ったのですが、実に残念なことになりました」と言っている。「模範戦闘」なるものが、何を示しているのか今ひとつ分からない。

    取材している朝鮮の女性記者(後ろ左)の衣服がおもしろい。
    20180615 blak women suit
    Source: 『聯合ニュースTV』、2018/06/14

    トランプ、ツイート (2018年6月15日)

    15日、トランプがツイート。

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    下:
    大きな数字を示すための共和党大会が間もなく開催される。人々は、何がなされたのかを見ることになる。結果は大きな声で発表される。北朝鮮、そして我々かつてなかった最も偉大な経済は、しかるべき道を進んでいる。

    上:
    北朝鮮について素晴らしい結果を出したシンガポールから私は今戻ってきた。思考のプロセスは、悲しいかな、魔女狩りに戻らなければならず、捏造された犯罪の妨害、共謀もないことをいつも認識している。

    20180615 trump tweet
    Source: Twitter, 2018/06/15
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    共和党大会で、シンガポール会談に関するさらなる成果報告があるのかどうか。

    元帥様 朝米会談 動画放送中 (2018年6月14日 「朝鮮中央TV」)

    日本語字幕付き。

    Source: KCTV, 2018/06/14

    14日、放送中。

    金スギル、崔龍海に留守番をしっかり頼む元帥様。

    BGMに外国曲を使用!中国曲を混ぜることはあったが、これは異例!!!!!
    というか、初!

    ポールモーリアの曲、曲名を思い出せない。

    演奏は、三池淵管弦楽団か

    しかも、ずっと使っている

    曲が変わった、聞き慣れない曲、シンガポールの曲かも

    再び、ポールモーリアの楽曲

    おお!!!!米国の古い曲も、曲名を思い出せない

    元帥様に手をふる人民も

    第1副部長同志は、普通の服装だった。

    クラシック曲のポップ編曲

    6月12日

    朝鮮曲

    やはりボルトンはメモをしている

    元帥様、通訳なしで話すシーンあり

    さて、字幕をつけることにする

    歌「統一切符は6.15宣言」 (2018年6月14日 「朝鮮の今日」)

    14日、「6.15宣言」を前にアップロードされた動画。

    日本語字幕付き。

    Source: 「朝鮮の今日」、2018/06/14

    「安倍政権の首を絞める縄-不正醜聞事件」 (2018年6月14日 「労働新聞」)

    14日、『労働新聞』紙面pdf版6面に以下。

    **************
    安倍政権の首を占める縄-不正醜聞事件
    아베정권의 목을 조이는 올가미―부정추문사건

    少し前、日本国会で党首討論が行われた。日本社会を騒がせている森友学園及び加計学園問題などが討論の焦点となった。
    얼마전 일본국회에서 당수토론이 진행되였다.일본사회를 떠들썩하게 하고있는 모리또모학원 및 가께학원문제 등이 토론의 중점으로 되였다.

    立憲民主党代表、国民民主党共同代表、日本維新の会共同代表などが安倍に質問をぶつけた。首相としての安倍の運命を危なくしている鋭敏な問題が提起された。
    립헌민주당 대표, 국민민주당 공동대표, 일본유신회 공동대표 등이 아베에게 질문을 들이대였다.수상으로서의 아베의 운명을 위협하는 예민한 문제들이 제기되였다.

    昨年2月、安倍は、自分の家族が森友学園問題に関与した事実が明らかになれば、首相の座から辞任すると言った。
    지난해 2월 아베는 자기 가족이 모리또모학원문제에 관여한 사실이 밝혀지면 수상자리에서 사임하겠다고 말한바 있다.

    しかし、昨年5月に行われた国会参議院予算委員会集中審議で、安倍は不正という言葉は賄賂を受け渡しすることを意味していると言いながら、「そのような脈絡からすると、私は全く関与しなかったと言える」と意味不明のことを言った。これは、贈賄行為がなければ、関与しなかったというのと同じであり、辞任する必要が無いというこじつけの主張である。
    그런데 지난 5월에 진행된 국회참의원 예산위원회 집중심의에서 아베는 부정이란 말은 뢰물을 주고받는것을 의미한다고 하면서 《그러한 맥락에서 볼 때 나는 전혀 관여하지 않았다고 말할수 있다.》고 모호한 소리를 하였다.이것은 뢰물행위가 없다면 관여하지 않은것과 같으며 따라서 사임할 필요가 없다는 억지주장이다.

    立憲民主党代表は、こうした事実を取り上げながら、安倍を攻撃した。
    립헌민주당 대표는 이러한 사실들을 거론하며 아베를 공격하였다.

    彼は「関係したことが事実であれば、辞任すると言ったのことを前提に今まで議論してきた。今になって突然、金品や贈賄行為のようなことを言い出すのは、卑怯な行為だ」と刃を突きつけた。
    그는 《관계한것이 사실이라면 사임하겠다고 말한것을 전제로 지금까지 론의해왔다.지금에 와서 갑자기 금품이나 뢰물행위와 같은 소리를 꺼내는것은 비겁한 행위이다.》고 날을 세웠다.

    慌てふためいた安倍は、昨年3月にも自分が集中審議で言った言葉と同じ答えをしたことがないと言いながら、新たに言った言葉ではなかったと汲汲としながら弁明した。
    바빠난 아베는 지난해 3월에도 자기가 집중심의에서 한 말과 같은 대답을 한적이 있다고 하면서 새롭게 한 말이 아니였다고 구구히 변명하였다.

    現在、安倍政権が森友及び加計学園問題に介入した事実資料が次々と明らかになっている。
    현재 아베정권이 모리또모학원 및 가께학원문제에 개입한 사실자료들이 계속 드러나고있다.

    暴露されたところによると、安倍の妻は、森友学園の名誉校長をしていたとき、この学園が大阪府の国有地の一部を安価で買えるようにしてやり、安倍は自分の友人が経営する加計学園獣医学部新設のために隠密に権力を発動した。
    폭로된데 의하면 아베의 처는 모리또모학원의 명예교장으로 있을 때 이 학원이 오사까부의 국유지일부를 눅거리로 사들이도록 해주었고 아베는 자기 친구가 경영하는 가께학원의 수의학부신설을 위해 은밀히 권력을 발동하였다.

    選挙が行われると直ぐ、日本各界は安倍政権を非難しながら、彼の行いを最後まで暴くことを要求した。数多くの資料があちこちで公開された。
    사건이 터지자 일본 각계는 아베정권을 비난하면서 그 행적을 끝까지 파헤칠것을 요구하였다.수많은 자료들이 곳곳에서 공개되였다.

    結果、財務省が森友学園問題に関与したということが完全に明らかになった。
    결과 재무성이 모리또모학원문제에 관여했다는것이 완전히 드러났다.

    日本財務省は、森友学園の土地売却問題に自己の機関の当該部署と各官吏達が関与したことを既に認めた。副首相兼財務相麻生が、ある記者会見で森友学園の土地売却問題と関連した交渉記録を持って、財務省が手管を下したことについて認めて謝罪した。
    일본재무성은 모리또모학원의 토지매각문제에 자기 기관의 해당 부서와 여러 관리들이 관여했다는것을 이미 인정하였다.부수상 겸 재무상 아소가 어느 한 기자회견에서 모리또모학원의 토지매각문제와 관련한 교섭기록을 가지고 재무성이 롱간을 부린 사실에 대해 인정하고 사죄하였다.

    これにより、財務省は、事態収拾をするために奔走している。
    이에 따라 재무성은 사태수습을 하느라고 분주탕을 피워대고있다.

    決裁文書捏造に関与したことを認めた当時の財務省理財局長であった佐川をはじめとした各人物が処分された。
    결재문서조작에 관여했다는것을 인정한 당시 재무성의 재산관리국장이였던 사가와를 비롯한 여러 인물들이 처분되였다.

    こうした状態で安倍が不正醜聞事件に連座したことを認めれば、権力の座から追い出されることになる。そのため、安倍は全てを否定しながら、責任転嫁、隠蔽行為に執拗にしがみついている。
    이런 상태에서 아베가 부정추문사건들에 련루되여있다는것을 인정하면 권력의 자리에서 밀려날수 있다.때문에 아베는 모든것을 부정하며 책임전가놀음, 은페행위에 집요하게 매여달리고있다.

    安倍は、加計学園の理事長と会って面談をしたという資料を否定している。愛媛県の文書には2015年2月25日に安倍が理事長と会ったことが記録されているという。しかし安倍は、自分の日程が記録されている「首相動静資料」というものを振り回しながら、頑として譲らない。
    아베는 가께학원의 리사장을 만나 면담을 하였다고 하는 자료를 부정하고있다.에히메현의 문서에는 2015년 2월 25일에 아베가 리사장과 만난것으로 기록되여있다고 한다.하지만 아베는 자기의 일정이 기록되여있는 《수상동정자료》라는것을 내흔들며 뻗대고있다.

    これと共に機会がある度に、自分はこの事件について全く知らなかった、それは部下達の行いという式に責任を押しつけた。
    이와 함께 여러 계기때마다 자기는 이 사건에 대해 전혀 모르고있었으며 그것은 부하들의 소행이라는 식으로 책임을 떠밀군 하였다.

    昨年5月末に行われた国会参議院予算委員会でも、安倍は森友学園問題と関連し、首相としての責任を痛切に感じている、膿を徹底して除去すると茶番を行いながら、人々を欺瞞した。
    지난 5월말에 진행된 국회참의원 예산위원회에서도 아베는 모리또모학원문제와 관련하여 수상으로서의 책임을 통절히 느끼고있다, 악페를 철저히 제거하겠다고 연극을 놀며 사람들을 기만하였다.

    安倍政権の不正醜聞事件を覆い隠そうという動きも現れている。
    아베정권의 부정추문사건을 덮어버리려는 움직임도 나타나고있다.

    最近、大阪地方検察庁特捜部は、森友学園問題と関連し、容疑者を起訴しないことを明らかにした。8億円以上も引き下がられ、土地が売却されたにもかかわらず、警察庁(「検察庁」のエラーと思われる)が佐川などを起訴しないことにしたことは、社会に大きな疑問と激憤を巻き起こしている。
    최근 오사까지방검찰청 특별수사부는 모리또모학원문제와 관련하여 혐의자들을 기소하지 않을것이라고 밝혔다.8억¥이상이나 인하되여 토지가 매각되였음에도 불구하고 경찰청이 사가와 등을 기소하지 않기로 결정한것은 사회계의 커다란 의문과 격분을 자아내고있다.

    もし、大阪地方検察庁特捜部の決定がそのまま履行されれば、森友学園問題と関連した捜査は打ち切られることになる。
    만약 오사까지방검찰청 특별수사부의 결정이 그대로 리행되는 경우 모리또모학원문제와 관련한 수사는 마무리되게 된다고 한다.

    弁護士側は、これと関連し、大阪地方検察庁特捜部の行為を検察審議会に提起する強硬な立場を示している。
    변호사측은 이와 관련하여 오사까지방검찰청 특별수사부의 행위를 검찰심사회에 제기할 강경립장을 보이고있다.

    安倍が、こんかい党首討論で再び図々しい発言により国民を欺瞞し、愚弄したことだけを見ても、彼が政権維持のためにどれほど必死になっているのかがよく分かる。
    아베가 이번 당수토론에서 또다시 뻔뻔스러운 발언으로 국민을 기만하고 우롱한것만 보아도 그가 집권유지를 위해 얼마나 발악하고있는가를 잘 알수 있다.

    日本の民心は、権力を悪用しながら不正腐敗を行っている安倍政権に背を向けている。
    일본의 민심은 권력을 악용하면서 부정부패를 일삼는 아베정권에 등을 돌려대고있다.

    本社記者 金スンゴル
    본사기자 김승걸

    20180614 rodong6
    Source: 『労働新聞』紙面pdf版6面、2018/06/14
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    安倍の不正腐敗を紹介する記事は、これまでも多く紹介してきた。この記事では、安倍の不正腐敗事実だけを紹介しながら、「国民の目をそらすために、北朝鮮の脅威を煽っている」という主張をしていない点は注目しておく必要がある。もちろん、そのような主張に繋げていない記事はこれが初めてというわけではないが、朝米首脳会談後、初の記事としては重要である。

    さて、北朝鮮は「安倍の人気取りのために手を貸すよ」と出てくる可能性はある。だから、「を国内政治に利用しようなどという姑息な考えは捨てて臨まなければならない」と2つ前の記事に書いたのであるが、そんなことをすれば、短期的には良くても長期的には失敗する。だから、一方で事務方による北朝鮮との接触を慎重に進めながら、安倍は総裁選の結果を待ってから「元帥様」と会談するようにしなければならない。北朝鮮との事前交渉、米国と北朝鮮との関係の見極めなども勘案すれば、9月というのは決して遅すぎない。次期総裁が安倍であれ、他の誰かであれ、事務方が変な忖度をせず、「日本の国益」だけを考えながら北朝鮮と事前交渉を進めれば、おかしなことにはならないはずである。もちろん、安倍の「拉致被害者帰国」という個人的な熱意は、次の首相にも引き継がれるであろうから、安倍への忖度があるのならば、その部分だけで良い。

    それにしても、「(不正を)全てを否定しながら、責任転嫁、隠蔽行為」と近いことをした人は北朝鮮にもいた。こんなことで「お友達」になっても仕方ないと思うのだが。

    「労働新聞」紙面pdf、記事が13日に戻ってしまった (2018年6月14日 「労働新聞」)

    14日、『労働新聞』紙面pdf版のトップ記事で「元帥様」の帰国が伝えられているのは、既に書いた。

    ところが、今見たら、14日の紙面pdfが削除され、13日のものに戻っている。一つ下に書いた記事との関係で、6面に出ていた安倍批判の訳出記事を書こうと思って、再読み込みしたら「労働新聞」サイトからエラーメッセージが出て、そして1面を読み込んでみたら13日になっていた。

    単なる調整なのかは不明ながら、「労働新聞」サイトからのエラーメッセージには何回か遭遇したものの、前日の記事に戻ってしまう現象に私が遭遇したのはこれが初めてである。

    <追記:2018/06/14 1006>
    「労働新聞」HP乗のweb記事については、14日のものに少し前に更新された。

    日朝会談へ本格調整 正恩氏「首相と会ってもよい」 (2018年6月14日 「産経新聞」)

    14日、『産経新聞』に以下。

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    米朝首脳会談で、トランプ氏は「完全な非核化を実現すれば経済制裁は解くが、本格的な経済支援を受けたいならば日本と協議するしかない」との旨を金氏に説明。その上で「安倍首相は拉致問題を解決しない限り、支援には応じない」と述べたとされる。

    Source: 『産経新聞』、「日朝会談へ本格調整 正恩氏『首相と会ってもよい』」、https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180614-00000062-san-pol
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    拙ブログで予想していたとおりの展開と自慢したいところであるが、合理的にはこの方法しかない。ついでに先に書いておくが、「共同声明」に「拉致問題が書かれなかった」と悲観している向きがあるが、書かれないのは当然であり、悲観する必要など全くない。これも前々から書いているが、トランプにとって拉致問題のプライオリティーは低く、さらに言えば、彼は拉致問題を米朝間の問題と全く考えていない。あるとすれば、「人権問題」の一環としての「拉致問題」となるが、これも前から書いているとおり、今回の会談で人権を大きく取り上げれば、非核化に向けたトラックは確実に挫折したであろう。その系からしても、拉致問題が「共同声明」に盛り込まれないのは不思議なことでも、悲観することでもない。

    しかし、これも過去記事に書いたが、日本首相安倍が朝米会談直前にトランプに長々と拉致問題についての自分の、安倍個人としての思いを語ったのは有効であった。トランプが冷酷な政治家であれば、安倍の個人的な熱い気持ちなど、それほど深刻に受け入れることはなかったであろう。しかし、トランプは純粋な政治家ではなく、どちらかというと市井の成金不動産屋のオッサンである。だからこそ、安倍個人の気持ちをストレートに受け入れ、「元帥様」に拉致問題について伝えたのだと思う。

    だから、2つ前の記事に書いた事前協議の関連文書の中には、拉致問題など一言も書かれていないはずだし、トランプが口にしなければ、話題にすらならなかったはずである。トランプにそれを言わせたのは、安倍の熱意に他ならない。どのタイミングでトランプがそれを口にしたのかは分からないが、流れとしては米軍遺骨収集問題の繋がりかも知れない。今回の会談の中で「人権的」な部分が唯一それだからであるが、もしかすると「明るい未来」の部分で日本、韓国、中国の「経済支援」について述べながら、「安倍は、拉致問題が解決しなければ金は出さないといっている」という話をした可能性もある(拙ブログでは、米軍遺骨収集問題が盛り込まれることを全く想定していなかったので、こちらの可能性を強調してきた)。

    安倍「一味」の口からは、「最大限の圧力」がいつのまにか出なくなった。そもそも蚊帳の外なのだから、米国の流れに合わせて調整していくしかなく、やむを得ない。そして、「拉致問題解決」のためには、そうすることが正しい選択でもある。

    トランプがここまでレールを敷いてくれた。これから後は、「安倍の腕の見せ所」(とも、過去記事に書いたが)となるわけだが、焦りも禁物である。まさに、これからが安倍が念仏を唱えるように主張している「日米共調」の重要なポイントとなり、トランプが北朝鮮との間で非核化に向けたどのようなロードマップを描き、その中でどの時点で支援を決めていくのか、これをしっかりと見極め、そして繰り返すが「日米共調」しながら進んでいかなければならない。

    同記事には、「会談中に北朝鮮側は「拉致問題は解決済み」という従来の見解は一度も示さなかったという」とも書かれている。これも当たり前のことだ。日本首相に北朝鮮と対話する気がなく、「最大限の圧力」ラッパを吹き鳴らしているときであれば、「ありもしない拉致問題」と彼らはいう。しかし、日本側に対話の意思があるとトランプから伝えられた席で、「それは解決済み」などというのは愚の骨頂である。北朝鮮の「明るい未来」のためには、「過去の清算」は絶対に必要であるし、国際社会も日本は「過去の清算」をする必要があると考えている。その入口が、「拉致問題解決」となるのだから、否定などできようもない。

    「北朝鮮が完全な非核化をするまで」という建前は良いが、それは日本に決められないことである。繰り返すが、日本は蚊帳の外なのだし、それはトランプに任せておけば良い。そして、それは現実的にトランプにしかできない。

    上で「米国との共調」と書いたので若干矛盾するかもしれないが、日本には日本の「拉致問題解決」を含む国益があるのだから、「共調」しつつも、日本独自の外交を展開しなければならない。「どうしろというのか」と問われれば、一発回答はできないが、米国の歩調に合わせて「段階的」に進めていけるようなスタートラインに立っておく必要はある。今の日本は、それができていない。

    その系では、安倍が「元帥様」と会うのもよい。しかし、繰り返すが焦りは禁物である。日本と北朝鮮の間の水面下のパイプは分からないが、少なくとも米国がやって来たように、複数のルートで北朝鮮との交渉を積み重ねてから、トランプのように「元帥様」と「対面と会談」をすべきである。ここは、安倍個人の「拉致被害者帰国」という熱い気持ちをコントロールしつつ、ましてやそれを国内政治に利用しようなどという姑息な考えは捨てて臨まなければならない。森友・加計の「罪」は消えないにしても、国民は本当の成果を出せば、絶対に安倍を評価するはずである。

    頑張ってもらいたい。

    「金正恩同志、シンガポール共和国で開催された朝米首脳対面と会談を成功裏に終えられ祖国に戻ってこられた」 (2018年6月14日 「労働新聞」)

    14日、『労働新聞』紙面pdf版1面に以下。

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    朝鮮労働党委員長であられ、朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員長であられ、朝鮮人民軍最高司令官であられる、我が党と国家、軍隊の最高領導者金正恩同志は、シンガポール共和国で開催された歴史的な朝米首脳対面と会談を成功裏に終えられ、13日、平壌に到着された。

    史上類例のない世紀的な会談に対する人類の期待と関心と興奮が全地球を覆う中、シンガポール朝米首脳会談を成功裏に終えらた敬愛する最高領導者同志は、12日夜、宿所を出られ帰国の途につかれた。

    敬愛する最高領導者同志を歓送するために、シンガポール共和国外務相ビビアン・バラクリスィナン、教育相オン・イ・カンがシンガポール・チャンイ国際空港に来た。

    彼らは、歴史的な朝米首脳会談で成果を挙げられた敬愛する最高領導者同志に祝賀の挨拶を申し上げた。

    敬愛する最高領導者同志は、シンガポール共和国政府が朝米首脳会談を成功裏に保障するために多くの努力と誠意を傾注したことについてもう一度謝意を示された。

    敬愛する最高領導者同志は、歓送に来たシンガポール政府幹部達と温かい惜別の挨拶を交わされ、専用機に乗られた。

    敬愛する最高領導者同志が乗られた中国専用機は、13日朝7時、平壌国際空港に着陸した。

    遠い外国訪問の途におられる敬愛する最高領導者同志を想いながら、ご無事でお帰りになる日だけを指折り数えていた全国の人民民の熱火のような気持ちが熱くうねっている平壌国際空港では、最高領導者同志を迎える儀式が行われた。

    敬愛する最高領導者同志を党と政府指導幹部が熱く迎えた。

    迎接に来た幹部達は、精力的な対外活動で朝鮮半島政治情勢の流れを主導されながら、朝米関係の新たな局面を切り開かれた敬愛する最高領導者同志に全国人民の一致した気持ちを込め、最も熱烈で熱い祝賀の挨拶を謹んで申し上げた。

    敬愛する最高領導者同志は、党と政府指導幹部達と一人一人握手を交わされ、愛する全ての祖国人民に温かい帰国の挨拶を送られた。

    20180614 rodong1
    Source: 『労働新聞』紙面pdf版1面、2018/06/14
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    トランプ、ツイート:荒れ地にトランプ・金正恩タワーが建てられるのかが重要 (2018年6月13日)

    13日、トランプがツイート、古い順。

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    下:
    着陸したところだ。長い旅だったが、私が大統領になった日以来、誰もが今は遙かに安全だと感じている。北朝鮮からの核の脅威はもはやない。金正恩との会談は、とても興味深く前向きな経験だった。北朝鮮は、未来に向けた偉大な潜在力がある!

    中:
    私が大統領になる前、人々は北朝鮮と戦争になると想定していた。オバマ大統領は、北朝鮮は我々の最大で、最も危険な問題だと言った。もうそのようなことはない-今夜は、ぐっすり寝てくれ!

    上:
    双方が、誠実な交渉を続けている限り、戦争ゲームをする必要がないので、多くの富を節約できる。

    20180613 trump tweet
    Source: Twitter, 2018/06/13

    フェイク・ニュース、とりわけNBCとCNNは見ていると滑稽だ。彼らは、必死で北朝鮮との取引を貶めようとしている。500日前、彼らは、戦争が起こるといいながら、この取引を「請い求めて」いた。我が国の最大の敵は、愚か者によって容易に拡散されるフェイク・ニュースだ!

    20180613 trupmp343480498093242
    Source: Twitter, 2018/06/13
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    「交渉をしている限り、戦争の危険はない」、これは、誰かが38 Northに投稿し、それを拙ブログで紹介したことがある記事に書かれていた。まさに事実であるし、その時も今もそれには賛同する。

    しかし、トランプが彼が言うように「過去とは違う」ことをするというのであれば、これからが問題となる。過去の政権でもここまではもたらすことができた。今後、北朝鮮を「できるだけ」非核化し、何よりも戦争の脅威をどのように引き下げていくのか。そして、その状態をどれほどの期間続けられるのかが大変重要である。

    「恒久的な非核化」などあり得ない。韓国にも、そして唯一の被爆国である日本にすら、核武装論は根強くある。北朝鮮に「核再武装論」が台頭することは不思議ではないし、そうならないという保証など誰もできない。

    問題は、取りあえず、現在ある脅威をできる限り取り除き、その状態をどのように維持していくかである。Cが重なってしまうが、「完全な」CVIDは、敗戦国日本のように、米軍に占領され、徹底的に武装解除されるような状態に置かれなければ不可能である。北朝鮮は「尊厳高い主権国家」なので、そのようなことを受け入れるはずは絶対にない。

    であるとすれば、北朝鮮の信用こそが全てであり、その信用をどのように確保し、確認していくのかである。北朝鮮は、米国との戦争で敗戦したわけではない。「尊厳高い主権国家」であることを認めつつ、信用を確保しつつ、「最大限」完全な非核化をし、その状態を維持していくこと、それが今後、トランプ政権継続期間に可能になれば、恐らく、政権が変わっても、戦争の脅威が低い状態は継続するであろう。

    今回の合意の裏には、何百ページ、もしかすると何千ページにも及ぶ関連文書や記録文書が存在するはずである。たかが「いい土地ですから進めて下さい」の「安倍晋三記念小学校」ですら、あれほどの膨大な文書が存在するのだから、それとは比較することすら不適切な非核化に向けた交渉なのだから、それがあっても不思議ではない。

    トランプと「元帥様」が署名したのは、彼らのいうとおり、それらが要約された「包括的」な部分であると考えるべきである。

    それがどこまで煮詰められているのかは見えていないが、これからが、「ディーラー・トランプ」の腕の見せ所である。今は、やっと荒れ地を確保したところである。そこに、「トランプ・金正恩タワー」を建設できるのかどうかが重要である。

    昨日紹介した挑発的な「ある機会のストーリー」動画の最後も「主演、ドナルド・トランプ、金正恩」と締めくくっているではないか。

    「元帥様」帰国報道、放送中 (2018年6月13日 「朝鮮中央TV」)

    13日、19時にアナウンスのみの報道。

    シンガポール外相が見送り。
    「中国専用機」13日7時に平壌到着と。

    「元帥様」帰国便 (2018年6月12日)

    12日のCA062(B2447)と「オオタカ1号機」のデータを取得できた。

    CA062 (日本時間13日0時21分発)
    20180612 ca62 to fnj1
    Source: Flightrader24, 2018/06/13, 1545JST

    20180613 ca62 data2
    Source: Flightrader24, 2018/06/13, 1545JST

    オオタカ1号(日本時間13日3時24分発)
    20180612 otaka to fnj
    Source: Flightrader24, 2018/06/13, 1545JST

    20180612 otaka data2
    Source: Flightrader24, 2018/06/13, 1545JST

    貨物機のデータは、今のところ見つけられていない。

    「元帥様」は、帰国便も中国機を利用したと思われる。

    朝米首脳会談 「朝鮮中央TV」1回目アナウンスのみ (2018年6月13日 「朝鮮中央TV」)

    13日、15時15分頃の1回目報道はアナウンスのみ。動画制作中か。

    17時報道もアナウンスのみ

    20時報道もアナウンスのみ

    朝米会談後、トランプ単独記者会見前にスクリーンで流された動画「ある機会のストーリー」 (2018年6月12日)

    12日、朝米会談後のトランプの単独記者会見に先だち会場のスクリーンで上映された動画。トランプは、この動画をipadで「元帥様」らに見せたと言っている。「元帥様」を侮辱しないように作られてはいるが、「元帥様」が選択を誤れば、核爆弾が炸裂する場面も収録されており、かなり挑発的でもある。「元帥様」もその場では外交儀礼上ニコニコしながら見ていたのだろうが、気分は良くなかったと思う。

    日本語字幕付き。

    Source: White House, YouTube, 2018/06/12

    朝米首脳会談写真 (2018年6月13日 「労働新聞」)

    13日の『労働新聞』に掲載された写真を見ながら。

    「元帥様」のハイヒール・シューズは映像の中で既にメディアに暴露されているが、やはり握手のシーンでお互いが向き合ってという演出上、やむを得ないことであったのだと思う。トランプが「元帥様」を見下ろし、「元帥様」がトランプを見上げるという構図は、とても『労働新聞』に掲載できる写真にならない。また、「元帥様」の眼鏡効果で、眼鏡の枠分、「元帥様」の視線は上にあるように見せられる。

    昨日見ていた動画では、「元帥様」の衣装はストライプなしように見えたが、この写真を見ると、いつものストライプ入りのようにも見える。

    ズボンのしわのお手入れに関しては、「元帥様」の圧勝。トランプ、もしかするとG7からずっとズボンにアイロンを掛けていないのかも知れない。

    20180613 trumpkim first222
    Source: 『労働新聞』紙面pdf版1面、2018/06/13

    『労働新聞』に掲載された中では、ヒールの高さがそこそこ見える写真。
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    Source: 『労働新聞』紙面pdf版1面、2018/06/13

    午餐のシーン、ボルトンだけが一生懸命メモを取っているように見える写真。ボルトンは要注意人物ということなのか、下っ端ということなのか。
    20180613 memo bolton
    Source: 『労働新聞』紙面pdf版2面、2018/06/13

    トランプの話を聞く「元帥様」。随行員との握手で関係の親密さを表している。ポムペオはフレンド、ケリーは普通、ボルトンは今一つ。2人の距離で分かる。
    20180613 shaking hands peopled342624
    Source: 『労働新聞』紙面pdf版2面、2018/06/13

    僅かな時間で合ったにもか変わらず、2人で歩く写真を4枚も使っている。やはり、板門店での「徒歩橋」以降、この首脳単独シーンが持つ意味の大きさを「元帥様」が認識したようだ。朝鮮人民も通訳無しでトランプと談笑する「元帥様」の言語的「偉人」さを感じ取ることであろう。できることなら、「4カ国語に精通された敬愛する最高領導者同志は」とやりたいところなのだろうが、あまりやり過ぎると、国内では公に言われていないスイス留学を言わなければならなくなる可能性もある。
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    Source: 『労働新聞』紙面pdf版3面、2018/06/13

    「朝鮮中央TV」では、どのような動画報道がされるのか、楽しみだ。

    「金正恩朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員長とドナルド・J・トランプ米合衆国大統領間のシンガポール首脳改題共同声明」 (2018年6月13日 「労働新聞」)

    13日、『労働新聞』紙面pdf版4面。

    ***************
    金正恩朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員長とドナルド・J・トランプ米合衆国大統領は、2018年6月12日、シンガポールで初の歴史的な首脳会談を行った。

    金正恩委員長とトランプ大統領は、新たな朝米関係樹立と朝鮮半島での恒久的で強固な平和体制構築に関する諸問題について包括的で深く意見交換を行った。

    トランプ大統領は朝鮮民主主義人民共和国に安全保障を提供することを確言し、金正恩委員長は朝鮮半島の完全な非核化に対する確固不動な意志を再確認した。

    金正恩委員長とトランプ大統領は、新たな朝米関係樹立が朝鮮半島と世界の平和と繁栄に貢献するであろう子とを確信しながら、相互信頼構築が朝鮮半島の非核化を推し進めることができるということを認めながら、次のように声明する。

    1.朝鮮民主主義人民共和国と米合衆国は、平和と繁栄を願う両国人民の念願に合わせ、新たな朝米関係を樹立していくことにした。
    2.朝鮮民主主義人民共和国と米合衆国は、朝鮮半島で恒久的で強固な平和体制を構築するために共同で努力する。
    3.朝鮮民主主義人民共和国は、2018年4月27日に採択された板門店宣言を再確認しながら、朝鮮半島の完全な非核化に向かい努力することを確約した。
    4.朝鮮民主主義人民共和国と米合衆国は、戦争捕虜及び行方不明者の遺骨発掘を行いながら、既に発掘された遺骨を即時、送還することを確約した。

    金正恩委員長とトランプ大統領は、歴史上初めてとなる朝米首脳会談が、両国間に数十年間持続してきた緊張状態と敵対関係を解消し、新たな未来を切り開いていくことにおいて大きな意義を持つ画期的な事変であるということについて認めながら、共同声明の条項を完全で迅速に履行することにした。

    朝鮮民主主義人民共和国と米合衆国は、朝米首脳会談の結果を履行するために、可能な限り早い時期にマイク・ポムペオ米合衆国国務長官と朝鮮民主主義人民共和億当該高位人士間の後続協議を行うことにした。

    金正恩朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員長とドナルド・J・トランプ米合衆国大統領は、新たな朝米関係発展と世界の平和と繁栄、安全を推し進めるために協力することとした。

    2018年6月12日 シンガポール セントーサ島
    朝鮮民主主義人民共和国 国務委員会委員長 金正恩
    米合衆国大統領 ドナルド・J・トランプ

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    Source: 『労働新聞』紙面pdf版4面、2018/06/13
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    「朝米関係の新たな関市を開拓した世紀的出会い、歴史上初の朝米首脳対面と会談開催、金正恩同志が米合衆国大統領と共同声明採択」 (2018年6月13日 「労働新聞」)

    13日、『労働新聞』各紙面に以下。

    ******************
    ・・・・金正恩同志が、米合衆国大統領ドナルド・J・トランプと2018年6月12日、シンガポールのセントーサ島で朝米両国の歴史上初めてとなる首脳対面と会談を開催された。

    地球上で最も長い歳月、尖鋭に対立し、持続されてきた朝米間の極端な敵対関係を終わらせ、両国人民の利益と世界の平和と安全のための新たな未来を切り開いていこうという両首脳の確固たる決断と意志により、今世紀最初の朝鮮民主主義人民共和国と米合衆国首脳会談が開催されることになる。

    20180613 rodong11111
    Source: 『労働新聞』紙面pdf版1面、2018/06/13
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    全世界がこの日かこの日かと待っていた世紀的な出会いがなされるシンガポールのあちこちには、数千人の内外新記者と数多い群衆が雲集し、歴史に末永く残るこの日の瞬間瞬間を注視していた。

    敬愛する最高領導者同志は、現地時間で午前8時10分、宿所を出発され、会談場であるシンガポールセントーサ島のカペラホテルに到着された。

    朝米首脳分が初対面をされることになる会談場ロビーには、朝鮮民主主義人民共和国国国旗と米合衆国国旗が並んで掲げられていた。

    現地時間で午前9時、我が党と国家、軍隊の最高領導者、金正恩同志が、米合衆国大統領ドナルド・J・トランプと対面され、初の握手を交わされた。

    朝鮮半島が2つに分けられ、対立と反目の歴史が流れてきた70年で初めて朝米両首脳が和解に向けた第一歩を踏み出し、対話の場に向かい合って立つことになった。

    敬愛する最高領導者同志は、トランプ大統領と記念撮影をされた後、談笑を交わされながら、会談室に向かわれた。

    敬愛する最高領導者同志とトランプ大統領間の単独会談が行われた。

    敬愛する最高領導者同志は、今日、ここまで来たという過程が決して容易ではなかったと言われながら、過去の歴史が我々の足首を掴み、間違った偏見と諸慣行が我々の目と耳を覆うこともあったが、その全てのことを果敢に踏みしだき、このようにこの場まで来ており、新たな出発点に立つことになったという意義深いお言葉を述べられた。

    朝米両首脳は、数十年間持続してきた敵対的な朝米関係に終止符を打ち、朝鮮半島に平和と安定が根付くようにすることで重要な意義を持つ実践的諸問題について正直な意見を交換された。

    朝米両首脳の単独会談に続き、拡大会談が行われた。

    拡大会談には、我々の側から朝鮮労働党中央委員会副委員長である、金ヨンチョル同志、李スヨン同志、外務相、李ヨンホ同志が参加した。

    相手側からは、米合衆国国務長官マイク・ポムペオ、米合衆国大統領酷寒前担当補佐官ジョン・ボルトン、ホワイトハウス飛車室長ジョン・ケリーが参加した。

    会談では、新たな朝米関係樹立と朝鮮半島での恒久的で強固な平和体制構築に関する諸問題に関する包括的で深度のある論議が行われた。

    敬愛する最高領導者同志は、トランプ大統領をはじめとした米国側代表団とこのような場所を共にしたことを嬉しく思うと言われながら、敵対的過去を不問にし、対話と協力を通して現実的な方法で問題を解決しようという大統領の意志と熱望を高く評価された。

    米合衆国トランプ大統領は、今回の首脳会談が、朝米関係改善に繋がるはずだという確信を表明しながら、敬愛する最高領導者同志が、今年初めから取られた主導的で平和愛好的な措置によりわずか数ヶ月間だけでも、軍事的衝突の危険が極度に達していた朝鮮半島と地域の平和と安定の雰囲気が渡来するようになったと評価した。

    敬愛する最高領導者同志は、両国間に存在している根深い不信と敵対感から多くの問題が生じたと言われながら、朝鮮半島の平和と安定を達成し、非核化を実現するためには、両国がお互いに対する理解心を持ち、敵対視していないというこを約束し、これを保障する法的、制度的措置を取っていかなければならないと言われた。

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    Source: 『労働新聞』紙面pdf版2面、2018/06/13

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    敬愛する最高領導者同志は、朝米双方が早い時期に今回の会談で討議された諸問題と共同声明を履行していくための実践的措置を積極的に取っていくことについて述べられた。

    敬愛する最高領導者同志は、トランプ大統領が提起した米軍遺骨発掘及び送還問題を即座に受諾され、それをすみやかに解決するための対策を立てることについて支持された。

    敬愛する最高領導者同志は、朝鮮半島で恒久的で強固な平和体制を樹立することが、地域と世界平和と安全保障に重大な意義を持つと言われながら、当面、相手方を刺激し、敵対視する軍事行動を中止する英断から下さなければならないと言われた。

    米合衆国大統領は、これに理解を示しながら、朝米間に善意の対話が行われている間、朝鮮側が挑発と見なす米国-南朝鮮合同軍事演習を中止し、朝鮮民主主義人民共和国に対する安全保障を提供し、対話と交渉を通した関係改善が進捗するのにしたがい、対朝鮮制裁を解決できるという意向を表明した。(ボールド筆者)

    敬愛する最高領導者同志は、米国側が朝米関係改善のための真の信頼構築措置を取っていくならば、我々のそれに相応して継続して次の段階の追加的な善意の措置(複数)を取っていくことができるという立場を明らかにされた。(ボールド筆者)

    朝米両首脳は、朝鮮半島の平和と安定、朝鮮半島の非核化を達成していく過程で、段階別、同時行動原則を遵守することが重要だということについて認識を同じにされた。(ボールド筆者)

    この日、朝米両首脳と双方会談メンバーが参加する午餐があった。

    午餐では、朝米会談の成果を強固にし、朝米関係を画期的に発展させていくため、双方間に意思疎通と接触往来をより活性化して行くことに関する意見が交換された。

    朝米両首脳は、午餐が終わった後、一緒に散策されながら親交を厚くされた。

    朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員長金正恩同志と米合衆国ドナルド・J・トランプ大統領は、歴史的なシンガポール首脳会談共同声明に署名された。

    敬愛する最高領導者同志は、今日、過去を覆い、新たな出発を知らせる歴史的な共同声明に諸目宇することになると言われながら、世界は重大な変化を目撃することになると言われた。

    敬愛する最高領導者同志は、トランプ大統領と歴史的な分権を採択した記念として意義深い写真を撮られ、惜別の挨拶を交わされた。

    敬愛する最高領導者同志とトランプ大統領は、敵対と不信、憎悪の中で生きててきた両国が、不幸な過去を覆い、お互いに利益となる素晴らしく誇らしい未来に向かい、力強く前進しながら、また一つの新たな時代、朝米協力の時代が展開されることになるという期待と確信を述べられた。

    敬愛する最高領導者同志は、トランプ大統領が都合の良い時期に平壌を訪問するよう招請され、トランプ大統領も金正恩国務委員長が米国を訪問して下さることを招請した。

    朝米両首脳は、こうした招請が朝米関係改善のためのまた一つの重要な契機となると確信しながら、それを快く受諾された。

    全世界の熱狂的な支持と歓迎の中で成功裏に開催されたシンガポール朝米首脳会談は、朝鮮半島と地域に渡来している和解と平和、安定と繁栄のための歴史的流れをより推し進め、最も敵対的であった朝米両国間の関係を時代発展の要求に合うよう、画期的に転換させていくことにおいて重大な意義を持つ巨大な事変となる。

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    Source: 『労働新聞』紙面pdf版3面、 2018/06/13
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    ボールドにした部分は、大変重要。「米韓軍事演習中止」については、トランプも単独記者会見で言っていたが、『労働新聞』にトランプの言葉として書かれていることからして、記者会見で質問に答えるような軽い問題ではないことは分かる。また、トランプが言葉を濁らせていた「科学的にも機械的にも時間がかかる」という意味は、「段階別、同時行動」という北朝鮮が主張してきたものとなっている。北朝鮮側の一方的な解釈でなければ、米国側の現実的な大きな歩み寄りとなる。

    この流れがずっと続いていけば、かなりのレベルでCVIDが可能になろうが、米側が北朝鮮が裏切ったと判断したときは、トランプが言う「300個以上の追加制裁」どころか、「怒りと炎」が北朝鮮にもたらされる可能性が非情に高い。トランプは、昨日の会談で、「怒りと炎」が行われた場合の甚大な被害について述べていたが、あれは「そうなるからやりたくない」という脈絡での発言ではあったが、ことが上手くいかなければ、そのような結果になってもやむを得ないという意味合いも込めた発言だったのであろう。

    追って、朝鮮語版「共同声明文」を訳出する。

    中国機もオオタカも見えない (2018年6月13日)

    「元帥様」のオオタカは、日本時間の12日22時にはシンガポールを発つと言われていたが、Flightrader24で、機体番号から検索しても見られない。同様に、中国機も12日にシンガポール入りはしているようであるが、その後の足取りは見えない。

    攻撃の危険性が高い、夜間飛行なので、ビーコンを停止している可能性がある。

    トランプが考えるCVID (2018年6月12日)

    12日、署名後のトランプ単独記者会見を英語で聞いている。某局では通訳入りで聞かざるを得なかったのだが、やはり通訳を通すと細かな情報が脱落してしまうようだ。


    Source: YouTube

    トランプに対しては、CVIDに関する質問が多く出されている。トランプは、「科学的にも機械的にも時間がかかる」ということで答えているが、トランプの言葉を聞いていると、どうやら「科学的にも機械的にも」証明されるCVIDではなく、信頼造成でのCVIDを言っているような気がしてきた。

    つまり、北朝鮮のように限りなく実用性がある核兵器と運搬手段を確保した国におけるCVIDは極めて困難であると言うことを認識しており、場合によっては、現実的に不可能と思っているのかも知れない。つまり、米国と同盟関係にある日本が、核武装をしようと思えば、技術と原料、運搬手段も全て持っている。日本が核武装で犠牲にする物があるとすれば、米国との同盟関係や国際的な立場、とりわけ唯一の被爆国という立場であろう。恐らく、韓国も技術と原料については同じことがいえるだろうし、他にも同じことが可能な国は多くあろう。

    しかし、日本の韓国も、そして米国と敵対関係にない国々は、当面、核武装する意思はない(北朝鮮の核を口実に核武装することはあり得るにしても)。

    だとすると、北朝鮮を「非核化」したとして、米国との敵対関係が続けば再び核武装を試みることは可能であろうし(その系では、Iはとても難しい)、その必要が無ければ、日本や韓国のように能力はあっても核武装はしない。

    トランプは、北朝鮮の現存の核攻撃能力(核とミサイル)を取りあえずそぎ落とし、当面の攻撃能力もそぎ落とし、それが一定のポイントから後戻りしないよう、信頼造成措置を取ろうとしているような気がしてきた。いわば、CVIDという空想に近いゴールから、現実的かつ現実世界でアプライされているレベルでの妥結を図ろうとしているような気がする。

    そのためには、元帥様との信頼関係を築く、そのスタートとなったのが、今日の朝米首脳会談の本当の意義と考えているのかも知れない。記者会見のトランプ発言を聞いていると、元帥様にとても気を使っている。例えば、記者が提起した人権問題については、北朝鮮の人権状況が良くないことは認めつつも、「北朝鮮だけの話ではない」と言っている。人権状況が悪い国が北朝鮮だけではないことは事実であるし、とにかく、信頼関係を構築していくためには、北朝鮮という国と体制を否定したら何も始まらない。

    トランプは、「元帥様」や随行員にipadで会見前にスクリーンで流されていた動画を見せたという。この動画も、いずれどこからかダウンロードできるようになると思うが、間接的に見ていたあの動画は、北朝鮮を否定することなく、北朝鮮の明るい未来を見せる内容となっていた。元帥様は何回も登場し、普通の朝鮮人民もたくさん出ていた。決して、韓国科した北朝鮮でも米国化した北朝鮮でもなかった。今の北朝鮮体制の中で、豊かになっていく北朝鮮の姿が描かれており、だからこそ、トランプの言っていることが事実であれば、「元帥様」以下、北朝鮮の参加者は、あの動画に自分たちも含む北朝鮮の明るい未来を見たのであろう。

    まだ、20分ぐらい動画は残っているが、この記事を投稿してから見ようと思う。

    <追記: 2018/06/12 2343>
    就寝前のビールを飲みながらあと少し書いておく。

    結局、北朝鮮が「良い」と評価した、「トランプ・モデル」なるものは明確にされなかった。上に書いたことが「トランプ・モデル」なのかもしれないし、全くの的外れなのかも知れない。ただ、「リビア・モデル」ではないことは確かだと思う。だとすると、友好的な関係を築きつつ、できる限りの非核化をさせ、その関係を維持する。その障害となるのは、もちろん韓国である。文在寅政権がいつまでも続くとは限らない。だからこそ、「板門店宣言」という言葉を北朝鮮との宣言文に盛り込み、韓国に保守政権が誕生しても、米国は「板門店宣言」の精神を尊重するというある種の楔を打ち込んだ可能性がある。一方、韓国とも米国とも良好な関係にある限りにおいて、北朝鮮には米国に対する「核攻撃能力」は保有させない。

    原理主義的人権や原理主義的民主主義的な考えを放棄すれば、案外、現実的な方途のような気がしている。

    トランプは、「今日の会談での勝者は、(抑圧されている)朝鮮の何千万の人々だ」と言っている。

    「元帥様」シンガポール諸対象参観、写真を使わず、不適切な写真があったのか (2018年6月12日 「朝鮮中央TV」)

    12日、「朝鮮中央TV」の「20時報道」の前で流された「革命活動報道」では、アナウンスだけで写真を使わなかった。『労働新聞』で写真を公開しておきながら、テレビ報道で使わないことはあまりなく、普通であれば、より多くの写真を見せる。

    何か、不適切な写真でも入っているのであろうか。

    「元帥様」会談場に向けて出発 (2018年6月12日 「聯合ニュースTV」)

    12日、0855JST頃、「元帥様」とトランプが出発したと『聯合ニュースTV』。

    ノ・グァンチョル、軍服で同行。

    トランプ、車内から関係ないツイート。余裕を誇示。
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    Source: Twitter, 2018/06/12 0905

    トランプ記者会見、午後5時予定。

    0913 第1副部長同志、礼服でホテルから出てくる。元帥様は見えず。衣服は分からず。

    0916 トランプ、会談場のホテル到着。

    0917 国務委員長旗と共和国旗を掲げた車両で移動中

    トランプは、明後日誕生日と、良いプレゼントとなるかどうか。

    0927 元帥様、会談場ホテルの橋に到着

    0933 元帥様、ホテル到着

    11時から、拡大会談、その後、実務ランチ

    0943 朝鮮中央TVのカメラマンがホテルの前でうろうろしている。

    0953 元帥様、人民服 社会主義朝鮮をアピール

    通訳は男!

    元帥様、ファイルを持っている。

    人民服は、ストライプのない真っ黒タイプ、これは、最近あまり見ないと思うが。公式ムードを高めるためか。

    0959 トランプも到着

    約23分前、関係ないツイートしていた
    20180612 trump kankeinai2
    Source: twitter, 2018/06/12 0935頃

    トランプ、赤いネクタイ。

    1004 元帥様、歩いてくる。握手。トランプが元帥様の腕に2回手を出して、何か言っている。背の高さは違うが、正面を向き合って握手。

    1005 一緒に笑顔で歩いて行く。同行しているのは、北朝鮮と米国の通訳。

    1007 トランプに通訳を通して何かを話している、握手の場面では通訳無し。

    1008
    トランプ、「会えて嬉しい、素晴らしい関係にあり、これからも良い関係となるだろう」
    元帥様、「ここまでの道は楽ではなかった、我々の足首をつかむ過去があったが、全てを勝ち抜いて、ここまで来た。」
    トランプ、「そうだ!」
    (以上、聞き取れた限り)

    1010~ 45分間の単独会談中

    トランプは、「駄目なら1分で椅子を蹴る」と言っていたが、まだ出てこないことからすると、話はうまくいっているようだ。

    20180612 yonhap 1029 shaking hands
    Source: 『聯合ニュース』、「북미정상 '역사적 대면'…인공기·성조기 앞에서 첫 악수」、http://www.yonhapnews.co.kr/pictorial/index.html?issue_id=IC20181634&issue_div=all&template=undefined 2018/06/12

    トランプ-元帥様発言の放送局通訳無しの動画を探しているが、現時点では見つからない。ストリーミングばかり。上に書いたこと以外にも、双方、何かを言っていたようなので、しっかりと聞きたい。

    元帥様も14時に帰国せず、17時にトランプと共同記者会見をするのかも知れない。

    1050 会談場から2人、出てくる。話をしている。

    1054 拡大会談始まる。

    元帥様、「共に解決しよう」のようなことをトランプに言っていた。

    ボルトン、ケリー、ポムペオ、
    金ヨンチョル、李スヨン、李ヨンホ が拡大会談に出席

    「第1副部長同志」おらず。

    トランプ、「とえも、とても、よかった・・・素晴らしい関係だ」「共に協力しながら解決していくこと」「金正恩と大きな問題、大きなジレンマをを解決する」と会談後に発言(『聯合ニュースTV』字幕より)。

    会談前の2人の発言。
    元帥様 「ここまで来る道は、それほど容易な道ではなかった。我々には我々の足首を掴む過去があり、また間違った偏見と慣行(複数)が我々の目と耳を覆っているが、我々は、全てのことに勝ち抜き、この場まで来た」

    トランプ 「気分が本当に良い。とても良い対話となるであろうし、とてつもない成功になると思う。本当に成功すると思っている。私の栄光だ。我々は、とても素晴らしい関係を結ぶであろう。疑いの余地がない」

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    Source: 『聯合ニュース』、http://www.yonhapnews.co.kr/photos/1991000000.html?cid=GYH20180612000200044&template=7384

    拡大会談場。

    Source: Yonhap, Youtube, 2018/06/12 1130頃発見

    シャッター音がうるさいが、聞き取れる限り

    トランプ 「委員長閣下(Mr. Chairman)、お目にかかれて栄光です。我々が共に協力すれば、必ず成功すると信じています・・(この後、「協力」何とか言っているが聞き取れない)」

    元帥様 「Nice to meet you, Mr. President」と英語で
    元帥様 「(元帥様の言葉は聞き取れないが、通訳は、『今後、第2回会談、第3回会談も・私は成功すると信じている』というようなことをいっている」
    元帥様 「他の人は考えられなかったような・・・次を始める決心はできています」と言っているように聞こえるが。この、英語通訳の話を聞くポムペオの顔は微笑んでいる。かなり意味がある「決心」を元帥様が述べたのであろう。

    トランプ 「我々は共に解決する。我々は成功する。私はあなたとここにいることを名誉に思う」

    1235 拡大会談 終わった模様

    ワーキング・ランチには、ノ・グァンチョルも

    ホワイトハウス、「発表に値する、進展あり」と

    トランプ、拡大会議、良く進展した
    ポムペオ CVID着手時に前例内安全保障


    元帥様とトランプ、2人だけでしばらく歩く。シンガポール版、「徒歩橋」設定か。

    1400頃 トランプ 「誰が考えていたよりも素晴らしい会談になった。何らかの署名をする」

    1415 署名式を待っている 何に関する署名なのかは不明

    トランプ、元帥様に専用車のドアを開けて招き入れるようなそぶり、元帥様が乗ることはなかった(録画の可能性あり)。しかし、極秘車両の中身を元帥様(依然として敵)に見せてしまうというのは、友好的な関係にあることの誇示。

    1440 第1副部長同志出てくる ポムペオらも出てくる

    包括的な文書と トランプ

    歴史的な新たな出発の文書に署名 世の中は重大な変化を見る 努力してくれたトランプ大統領に感謝と 元帥様

    トランプの記者会見は15時半からと

    署名文書交換、握手

    トランプ、ツイート (2018年6月12日)

    トランプがツイート。

    *************
    (北朝鮮側の)スタッフ、代表との会談は、順調かつ速く終わったが、最終的にはそれは問題ではない。我々は、過去とは異なる本当のディールが実現するのかどうかを間もなく知ることになる。

    20180612 trump tweet
    Source: Twitter, 2018/06/12 0600JST頃
    ***************

    「元帥様」は、夜間市内ツアーで「ベッチャン(度胸)」を示し、トランプはツイートで自信を示している。そのベクトルの向きが合っていれば、「ビッグ・ディール」は成立することになるはずだ。「スタッフ、代表」がそのベクトルあわせで昨日まで苦労していたようだが、その成果が出ることに期待したい。

    「敬愛する最高領導者金正恩同志が、シンガポール共和国の諸対象を参観された」:万里馬速度で海外からの送稿 (2018年6月12日 「労働新聞」)

    12日、『労働新聞』紙面pdf版1面に以下。昨夜書いた記事の「市内ツアー」のことと思われるが、これから訳出。そうだとすれば、海外発の「万里馬速度」記事となり(現地からインターネットでの写真電送か)、「歴史的事変」には相応しい『労働新聞』紙面となる。

    *******************************
    ・・・金正恩同志は、6月11日、シンガポール共和国に在留されながら市内の諸対象を参観された。

    朝鮮労働党中央委員会副委員長である、金ヨンチョル同志、李スヨン同志、外務相、李ヨンホ同志、人民武力相、ノ・グァンチョル同志、朝鮮労働党中央委員会第1副部長、金ヨジョン同志が同行した。

    敬愛する最高領導者同志をシンガポール共和国外務相、ビビアン・バラクリスィナン、教育相、サン・オン・イカンがご案内差し上げた。

    敬愛する最高領導者同志は、シンガポールの自慢として指折り数えられる大花草園と世界的にも名声が高い「マリーナ・ベイサンズ」建物の柱の上に位置した「スカイ・パーク」公園、シンガポール港を視察されながら、シンガポール共和国の社会経済発展実態について了解された。

    敬愛する最高領導者同志は、「マリーナ・ベイサンズ」建物の展望台に上られ、市内の夜景を俯瞰されながら、シンガポールが聞いたとおり清潔で美しく、建物事に特色がある、今後、様々な分野で貴国の素晴らしい知識と経験を多く学ぼうと思うと言われた。

    敬愛する最高領導者同志は、シンガポール港へ向かわれる道に「ジュビリー」橋の上からシンガポールの都市形象展望計画とドリアン劇場についての解説を聞かれた。

    敬愛する最高領導者同志は、今日の参観を通して、シンガポールの経済的潜在力と発展像がよく分かった、貴国に対する素晴らしい印象を持つことになったと言われた。

    敬愛する最高領導者同志は、シンガポールの政府幹部達が夜遅くまで同行してくれ、親切に案内し、紹介してくれたことについて謝意を示された。

    20180612 rodong1 singarwerwe
    Source: 『労働新聞』紙面pdf版1面、2018/06/12
    *************************************

    自国での夜の視察は時々あるが、初めての海外で夜の視察を、しかも「夜遅く」(昨夜、『聯合ニュースTV』に速報が流れ、記事にしたのは日本時間の21時55分頃)視察するというのは、これまた異例。シンガポール関係者が同行しているので、前日のシンガポール首相との会談で首相から持ちかけられた可能性が高いが、それでも給仕立てであった可能性が高いので、シンガポール側の警護も大変だったであろう。昨日、シンガポールを観光していれば、「元帥様」を近くで見ることができたのに。「元帥様」に乾杯する人々。

    20180612 rodong1 people
    Source: KCNA, 2018/06/12

    また、「第1副部長同志」らしき女性が、完全に南国バケーションの衣装で同行している。
    20180612 dai1fukubu
    Source: 『労働新聞』紙面pdf版1面、2018/06/12

    それにしても、これほど気軽に外出してしまう「元帥様」かなりうの「ベッチャン」を披露したことになる。シンガポールという場所柄もあるのか、「元帥様」に対する直接的な恨みを持つ人も少なく、彼の来訪を心から歓迎する人々が大部分だという事情もあるのかも知れない。リー・クァンユー時代は「(開発)独裁」体制で、統制も厳しかったので、コントロールは容易であったはずだが、現在のシンガポールはどうなのだろうか。

    もうまもなく、歴史的な会談が始まる。

    ポムペオ、記者会見 (2018年6月11日)

    11日、詳細を書く余裕はないが、事前交渉で両者の妥協が成立し、明日の首脳会談は形式的なものに終わり、両首脳は、昼食会程度で帰国。その後、再び、ワシントンか平壌で首脳会談が開催されるという感想。

    また、これまで行われた朝米交渉と、その後のプロセスは異なると。


    Source: White House, Youtube, 2018/06/11

    「元帥様」、ホテルを出たと (2018年6月11日 「聯合ニュースTV」)

    11日、2155頃、『聯合ニュースTV』で。行き先は分からず。

    2208
    「元帥様」、「第1副部長同志」とヒョン・ソンウォルを連れて、「市内ツアー」に。

    トランプ、ツイート (2018年6月11日)

    11日、トランプが複数のツイートをしているが、G7での貿易交渉絡みの内容が多く、北朝鮮絡みは現在のところ1つだけ(しかも、間接的)。

    ********************
    シンガポールに来たのは素晴らしい、空気に興奮を覚える!

    20180611 trump tweet
    Source: Twitter, 2018/06/11 1100頃
    ********************

    北朝鮮にいないことを公開した「元帥様」、自信感と信頼、CIA がクーデターを画策? (2018年6月11日)

    11日、いつもコメントをくださる方への返信。話が面白くなったので、記事に転載しておく。

    *****************
    名誉儀仗隊については、完全にスルーしていました。「戦略軍」は「核」主に扱う部隊ですから、米国を刺激しないようにという配慮でしょうね。「特殊作戦軍」は対南ではあるものの、その中には当然米軍も含まれるという話でしょうか。そこまで米国が気にするのかは分かりませんが、向こうの専門家も分析結果をトランプに報告するでしょうから、「元帥様」の「気持ち」は伝わるのではないかと思います。ないとは思いますが、「新たな戦略的路線」の採択で「戦略軍」が解散したとか。

    国内にいないことを公開したこともそうですが、使える「白頭の血統」連れてきてしまったことです。「女史」は血統ではないですし、血統の子供たちも幼すぎます。ジョンチョルは残していますが、ジョンチョルについては、絶対変なことをしでかさないという自信があるのだと思います。

    後は、軍部や党の不満分子ですが、奇妙なことに、あまり変なことをやりそうではない金永南を同じタイミングでロシアに出しています。もしかすると、金己男解任絡みで若干の心配があったのかもしれません。残してきたメンバーでいうと、崔龍海と朴ポンジュ、そして軍部は金スギル総政治局長を相当に信頼しているのではないかと思います。

    CIAが北朝鮮でのクーデターを画策するのであれば、絶妙のタイミングだと思うのですが、それもないという自信があったのでしょうね。

    しかし、明日の会談が決裂した途端に、CIAが仕組んだクーデターが起きるという可能性もゼロとは言えませんね。

    書いていたら、面白い話になったので、記事に転載しておきます。


    > 平壌国際飛行場での儀式で
    > 名誉衛兵隊が3つの隊しかおらず
    > 戦略軍と特殊作戦軍がいなくなっていました
    > 首脳会談を前に相手を刺激しないような配慮ですかね?
    >
    > 報道で驚いたのが最高領導者同志が自国内にいない状態になっているのを公表してしまったことです。
    > 軍の強硬派がクーデター起こすんじゃないかという見方もある中流石のペッチャンを示しました。
    > 人民武力相が交代していましたが総参謀長はそのままのようですね。
    ****************

    ヒョン・ソンウォルも同行 (2018年6月11日)

    11日の『労働新聞』には明記されていないが、「国務委員会メンバー」に属するのか微妙なところであるが、ヒョン・ソンウォルが同行していることが動画などで確認されている。「宣伝扇動部副部長」資格という説もあるが、米国で「三池淵管弦楽団」公演の話を「元帥様」が出す可能性が高い。

    PYH2018061011240001300_P4.jpg
    Source: 『聯合ニュース』、「[북미회담 D-2] 싱가포르 도착 김정은, 삼엄 경비속 '초특급 의전'(종합2보)」、http://www.yonhapnews.co.kr/bulletin/2018/06/10/0200000000AKR20180610047452014.HTML?from=search

    「金正恩同志が、米合衆国大統領との歴史的な初対面と会談のために平壌を出発された」,「金正恩同志がシンガポールに到着された」、「金正恩同志がシンガポール首相を接見された」 (2018年6月11日 「労働新聞」)

    日本語字幕付き「シンガポール首相を接見」

    Source: KCTV, 2018/06/11

    日本語字幕付き、「シンガポール到着」

    Source: KCTV, 2018/06/11

    日本語字幕付き、「平壌出発」

    Source: KCTV, 2018/06/11

    11日、『労働新聞』紙面pdf版1面、2面に以下。

    **************
    ・・・金正恩同志が、朝米首脳対面と会談が開催されるシンガポール共和国を訪問されるために、10日午前、中国専用機で平壌を出発された。

    敬愛する最高領導者同志とドナルド・J・トランプ米合衆国大統領間の歴史的な初対面と会談が、6月12日午前、シンガポール共和国で開催される。

    敬愛する最高領導者同志を朝鮮労働党中央委員会政治局委員であり党中央委員会副部長である、金ヨンチョル同志、李スヨン同志、朝鮮労働党中央委員会政治局委員であり外務相である李ヨンホ同志、朝鮮労働党中央委員会政治局候補委員であり人民武力相であるノ・グァンチョル同志、朝鮮労働党中央委員会政治局候補委員であり、党中央委員会第1副部長である金ヨジョン同志、外務省副相、崔ソンフィ同志と党中央員会、朝鮮民主主義人民共和国国務委員会メンバーが随行している。

    敬愛する最高領導者同志を歓送する儀式が平壌国際空港で行われた。

    歴史的な外国訪問の道に向かわれる敬愛する最高領導者同志を朝鮮労働党中央委員会政治局常務委員会委員である、金永南同志、崔龍海同志、朴奉珠同志と朝鮮労働党中央委員会政治局常任委員である楊亨燮同志、李明洙同志、金スギル同志、李ヨンギル同志、朴クァンホ同志、金ピョンテ同志、安ジョンス同志、朴テソン同志、崔ブイル同志、盧斗哲同志、崔フィ同志、朴テドク同志が歓送した。

    敬愛する最高領導者同志は、歓送に出てきた党中央及び政府指導幹部と挨拶をされ、中国専用機に搭乗された。

    党中央及び政府指導幹部たちは、敬愛する最高領導者同志が、朝米両国間の初首脳対面と会談で素晴らしい成果を出され、必ずやご無事で戻られることを心から祝願した。

    全世界の非情な関心と期待の中で歴史上初めて行われる朝米首脳会談では、変化した時代的要求に合わせて、新たな朝米関係を樹立し、朝鮮半島の恒久的で強固な平和体制を構築するための問題、朝鮮半島非核化を実現するための問題をはじめとした、共同の関心事となる問題について幅広く、深さのある意見交換が行われる。

    20180611 rodong1444
    Source: 『労働新聞』紙面pdf版1面、2018/06/11

    +++++++++++++++++++++
    ・・・金正恩同志が、6月10日午後、シンガポール共和国に到着された。

    敬愛する最高領導者同志を迎接するために、シンガポール共和国外務相、ビビアン・バラクリスィナン、教育相、オン・イカン、外務相常任秘書、チ・ウィコン、外務相東北アジア総局長、エリック・テオが空港にやって来た。

    現地時間で午後3時、敬愛する最高領導者同志が乗られた中国専用機がシンガポールのチャンイ国際空港に着陸した。

    敬愛する最高領導者同志は、専用機から降りられ、迎接に来たシンガポール政府幹部と暖かな挨拶を交わされ、宿所であるセイント・レジスホテルへ向かわれた。

    +++++++++++++++++
    ・・・金正恩同志は、6月10日、シンガポール共和国を訪問され、大統領宮殿で、リ・シエン・ルン首相を接見された。

    朝鮮労働党中央委員会副部長である、金ヨンチョル同志、李スヨン同志、人民武力相、ノ・グァンチョル同志が共に参加した。

    相手側からは、シンガポール共和国外務相、ビビアン・バラクリスィナン、教育相、オン・イン・カン、外務及び国防担当高位国務相、マリキ・ビン・オスマン、分科、共同体、青年及び貿易工業担当高位国務相、サム・エンイが参加した。

    敬愛する最高領導者同志は、シンガポール共和国首相と温かな挨拶を交わされ、芳名録に親筆サインをされた後、親善的な談話をされた。

    敬愛する最高領導者同志は、素晴らしく、美しいシンガポール共和国を訪問することになったことをとても嬉しく思うと言われながら、朝鮮民主主義人民共和国政府と朝鮮人民を代表し、シンガポール政府と人民に心より挨拶と素晴らしい祝願を伝えられた。

    敬愛する最高領導者同志は、歴史的な朝米首脳対面と会談のために全ての条件とあらゆる便宜を提供してくれた、シンガポール政府の誠意ある協力に深い謝意を示された。

    シンガポール首相は、朝鮮民主主義人民共和国が、自国を朝米首脳会談場所として選定してくれたことについてありがたく思うと言いながら、歴史的な今回の朝米首脳会談が、朝鮮半島での平和と安定を達成することにおいて、重要な契機となるだろうという期待を表明した。

    席上では、両国間の素晴らしい関係を維持し、親交を深めながら、幅広い交流と協力を活性化し、双務関係を他方面的に発展させて行くための問題が言及された。

    談話は、和気に溢れる友好的な雰囲気の中で行われた。

    20180611 rodong2mendsfd
    Source: 『労働新聞』紙面pdf版2面、2018/06/11
    ***********************

    シンガポール人の名は音訳。

    朝鮮側送迎式で、「ご無事で戻られること」というのは異例。中国に行くときは使っていなかったはず。「敵」との会談であるということと、遠くに行くことから出た表現か。

    「変化した時代的要求に合わせて、新たな朝米関係を樹立し、朝鮮半島の恒久的で強固な平和体制を構築するための問題、朝鮮半島非核化を実現するための問題」は、今日から話し合いが始まるのかどうか。

    トランプ、到着 (2018年6月10日 「聯合ニュースTV」)

    10日、21時22分頃着陸。専用車でホテルへ。空港へは、シンガポール外相が。

    「元帥様、第1副部長同志と共にホテルを出る」シンガポール首相表敬訪問へか (2018年6月10日 「聯合ニュースTV」)

    10日、19時30分頃、『聯合ニュースTV』で「元帥様」が「第1副部長同志」と車でホテルを出たと字幕。シンガポール首相表敬訪問に向かったものと思われる。

    会談の動画は、シンガポール首相のFacebookにて。
    https://www.facebook.com/leehsienloong/videos/1894279293968101/

    「元帥様」、シンガポール首相に大体次のようなことを言っている(聞き取れる限り)。

    「朝米首脳会談のために、素晴らしい条件を提供して下さり、何の不便もなく会談を開ける、ありがとう」
    「歴史的な会談のために、シンガポール政府が自分の家のことのように尽力して下さったことに感謝し、もし会談が成功すれば、シンガポール会談とシンガポール政府の努力が歴史に永遠に記録されると思います」

    通訳は男!!

    「第1副部長同志」と思われる女性。直ぐに引っ込んでしまう。(追記:11日『労働新聞』記事には名前がないので、シンガポール側の女性かも知れない)
    20180610 kyj at presidensti
    Source: Facebook, PM of Singapore, 2018/06/10, 2000

    軍服を着て表敬訪問をする新人民軍総政治局長の金スギルノ・グァンチョル人民武力相。朝米会談のために任命したのかも知れない。トランプに大使軍部の非核化を保障することを示すために連れてきたのか。
    20180610 kimsugiru7546465
    Source: Facebook, PM of Singapore, 2018/06/10, 2000

    プロフィール

    川口智彦

    Author:川口智彦
    「크는 아바이(成長するオッサン)」

    ブログの基本用語:
    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「政治局員候補」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)、2018年2月11日から「第1副部長同志」とも
    「白頭の血統」=金一族
    「大元帥様達」=「首領様」と「将軍様」
    「女史」=李雪主夫人(2018.07.26より「同志」に)

    우 그림은 충정 담아 아이가 그린 경애하는 김정은원수님이십니다.


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