五味洋治著 『朝鮮戦争はなぜ終わらないのか』(創元社、2017):今読むべき本 (2018年4月2日)
今年の1月頃だっただろうか、『東京新聞』の五味記者より著書を頂戴した。

Source: 創元社HP、https://www.sogensha.co.jp/productlist/detail?id=3831
五味記者とはどのぐらいお付き合いさせていただいているのだろうか。記憶を辿れば、五味記者が金正男とのメール交換を本にして出版された頃からかもしれないが、はっきりとは覚えていない。そして、そうしばしばお目にかかってお話を伺っているわけでもない。直近では、昨年6月だったはずだが、私の職場の大学で五味記者においでいただき、金正男暗殺事件や北朝鮮の政治状況についてご講演を頂いたのが最後だ。
その後、この本をお書きになり、有難くもお送り頂いた。頂戴して直ぐに読み始めたのだが、実は最後の20ページほどが読めていない。読み始めれば直ぐなのだろうが、ずっとそこで止まったまま今日に至ってしまった。
拙ブログをお読み頂いている方であれば、「朝鮮戦争が終わっていない」という事実をご存じない方はおられないと思うが、では、「休戦」だの「停戦」だのと言われているが、実態はどうなっているのか、そして本書のタイトルにもあるとおり「なぜ終わらないのか」という問に的確に答えられる方はそれほど多くないと思う。
確たる私も、五味記者の本を読むまで、「なぜ米国は北朝鮮との平和協定締結をそれほど拒み続けるのか」という問に対する答えを持ち合わせていなかったし、五味記者から本書を頂戴して直ぐにお送りしたお礼のメールには「その答えが書かれていることに期待をして、拝読させて頂きます」と書いた。
それで、読んでみてどうだったかというと、「かなりよく分かった」。「かなり」というのは、五味記者に失礼であるが、最後まで読み切っていないのでという程度にご理解頂きたい。少なくとも、私が知らなかった様々な事実が、この本には書かれており、大変、勉強になったことは間違いない。また、五味記者が、米国を中心とした多くの資料を読みこなし、本書を書かれたことに感服している。
本来であれば、ここまでの話は、1月中旬には書ける状態にあった。それにもかかわらず、今日まで放置してしまったのは、私の怠慢さもさることながら、「元帥様」が活発に活躍なさっているからである、と言い訳しておく。
しかし、南北首脳会談が今月末に迫り、朝米首脳会談も5月までに予定されている現時点で本書を読むことは、非常に意義があると思い、大同江ビールならずともハートランドビールを飲みながら、この記事を書いている。
非核化の先には、必ず平和協定締結がある。昨日の記事にも書いたように、「同歩」を北朝鮮が求めるのであれば、ことの展開次第では非核化と平和協定締結が同時に行われることも理論的にはあり得る。しかし、ことはそう簡単ではない。なぜか、その答えは本書の中に書かれている。
本書は、決して学者が読むような本ではない。上記をお読み頂ければお分かりいただけると思うが、学問的なレベルが低いという意味では決してない。その理由は分かりやすいに尽きる。本書の形式は、それぞれの項目に対する答えというような感じになっており、通読した方が良いが、必要な部分だけ読むという読み方にも対応している。その系で、最後の20ページを残しつつも、私は五味記者の本の紹介らしきものが書けるのである。
もう一度書いておくが、南北首脳会談、朝米首脳会談でどのような結果が出ようが、その結果について考える際、本書を一読しておくことは非常に意義のあることである。
いつも親しくして頂いている著者の五味記者のためということではなく、お勧めしたい一冊である。

Source: 創元社HP、https://www.sogensha.co.jp/productlist/detail?id=3831
五味記者とはどのぐらいお付き合いさせていただいているのだろうか。記憶を辿れば、五味記者が金正男とのメール交換を本にして出版された頃からかもしれないが、はっきりとは覚えていない。そして、そうしばしばお目にかかってお話を伺っているわけでもない。直近では、昨年6月だったはずだが、私の職場の大学で五味記者においでいただき、金正男暗殺事件や北朝鮮の政治状況についてご講演を頂いたのが最後だ。
その後、この本をお書きになり、有難くもお送り頂いた。頂戴して直ぐに読み始めたのだが、実は最後の20ページほどが読めていない。読み始めれば直ぐなのだろうが、ずっとそこで止まったまま今日に至ってしまった。
拙ブログをお読み頂いている方であれば、「朝鮮戦争が終わっていない」という事実をご存じない方はおられないと思うが、では、「休戦」だの「停戦」だのと言われているが、実態はどうなっているのか、そして本書のタイトルにもあるとおり「なぜ終わらないのか」という問に的確に答えられる方はそれほど多くないと思う。
確たる私も、五味記者の本を読むまで、「なぜ米国は北朝鮮との平和協定締結をそれほど拒み続けるのか」という問に対する答えを持ち合わせていなかったし、五味記者から本書を頂戴して直ぐにお送りしたお礼のメールには「その答えが書かれていることに期待をして、拝読させて頂きます」と書いた。
それで、読んでみてどうだったかというと、「かなりよく分かった」。「かなり」というのは、五味記者に失礼であるが、最後まで読み切っていないのでという程度にご理解頂きたい。少なくとも、私が知らなかった様々な事実が、この本には書かれており、大変、勉強になったことは間違いない。また、五味記者が、米国を中心とした多くの資料を読みこなし、本書を書かれたことに感服している。
本来であれば、ここまでの話は、1月中旬には書ける状態にあった。それにもかかわらず、今日まで放置してしまったのは、私の怠慢さもさることながら、「元帥様」が活発に活躍なさっているからである、と言い訳しておく。
しかし、南北首脳会談が今月末に迫り、朝米首脳会談も5月までに予定されている現時点で本書を読むことは、非常に意義があると思い、大同江ビールならずともハートランドビールを飲みながら、この記事を書いている。
非核化の先には、必ず平和協定締結がある。昨日の記事にも書いたように、「同歩」を北朝鮮が求めるのであれば、ことの展開次第では非核化と平和協定締結が同時に行われることも理論的にはあり得る。しかし、ことはそう簡単ではない。なぜか、その答えは本書の中に書かれている。
本書は、決して学者が読むような本ではない。上記をお読み頂ければお分かりいただけると思うが、学問的なレベルが低いという意味では決してない。その理由は分かりやすいに尽きる。本書の形式は、それぞれの項目に対する答えというような感じになっており、通読した方が良いが、必要な部分だけ読むという読み方にも対応している。その系で、最後の20ページを残しつつも、私は五味記者の本の紹介らしきものが書けるのである。
もう一度書いておくが、南北首脳会談、朝米首脳会談でどのような結果が出ようが、その結果について考える際、本書を一読しておくことは非常に意義のあることである。
いつも親しくして頂いている著者の五味記者のためということではなく、お勧めしたい一冊である。