Google Earthで見る咸鏡北道北部水害被害地域、大規模な土石流があちこちで発生 (2017年3月26日)
Google Earthを見ていたら、咸鏡北道北部地域の写真が、2016年9月、水害が発生した直後の写真に更新されていた。北朝鮮では、「元帥様」が「リョミョン通り」などの建設を中断し、「咸鏡北道北部被害復旧戦闘」を指示し、寒くなる前に被災者のための住宅などが建設され、この水害は「復旧」したということになっているが、復旧後の写真はGoogle Earthに掲載されるまで少し待つとしても、被害は想像以上に大きかったことがGoogle Earthの写真から確認できる。
北朝鮮報道などを読んで想像していた被害は、集中豪雨で豆満江の水が増水し、沿岸の住宅が流されたということであったが、そのような被害に加えて、Google Earthの写真からは、あちこちで大規模な土石流が四方八方に向かって発生し、それにより豆満江から離れた地域でも大きな被害が出ていることが分かる。
しばしばいわれることであるが、北朝鮮では山の木を伐採し、無理矢理に農地にしてしまっているので、ひとたび豪雨が降ると、こうした大規模な土石流が発生するのだろう。北朝鮮では「史上最悪の被害」と言っているが、写真を見ると納得する。今年も、3月初旬の「植樹節」頃に、「元帥様」と李雪主同志が象徴的な植樹をしていたが、異常気象の影響でこれからもしばしば豪雨が予想されている状況では、今年の夏に再びこうした被害が発生しないとも限らない。日本のように山林管理や治水が計画的に行われている国でさえ、想定外の集中豪雨で大きな被害が出る状況になっているので、そうしたことがきちんと行われていない北朝鮮では、状況がより深刻である。
被災者のための住宅建設に「建設軍人」や資材を集中させたという「元帥様」の判断は評価できるが、それで終わるのではなく、継続的に山林管理や治水をきちんと行わなければ、こうした被害は再び発生する。
過去記事にも書いた通り、オバマ政権末期(政権交代数日前)に、北朝鮮メディアが「米合衆国政府が咸鏡北道被災地に人道支援をした」と伝えたが、これもまた英断であったといえる。北朝鮮メディアが報じないだけかもしれないが、その時、周辺国、特に韓国は何をしていたのであろうか。
以下、被害の一部を before and after で見ていくことにする。
豪雨前の茂山市

Source: Google Earth, 2015/10/7
豪雨直後の茂山市同じ場所。湾曲した部分の住宅がほぼ完全に流されている。

Source: Google Earth, 2016/09/15
上の写真を拡大、茂山市の住宅、豪雨前。

Source: Google Earth, 2015/10/07
拡大した上の写真と同じ場所

Source: Google Earth, 2016/09/15
茂山市、豪雨前の橋と道路。

Source: Google Earth, 2015/10/07
同じ場所。道路は流され、橋も崩れているように見える。中国は、この豪雨による自国の被害を報じているのか確認していないが、中国側の道路も洪水で流されてなくなっている地点が複数ある(この写真では見られないが)。

Source: Google Earth, 2016/09/15
上の写真の橋の部分を拡大すると多くの「建設軍人」らしき人々が見える。また、左の方では、パワーシャベルが投入され復旧作業をしている。「元帥様」の命令が迅速だっただけあり、早い時期から復旧工事が開始されたことが分かる。

Source: Google Earth, 2016/09/15
では、土石流の被害を見ていく。下の写真は、茂山市の北に位置するセゴル里の被害前の様子である。Google Earthには、異なるタイムスタンプが表示されるが、2015年10月7日が正しいと思われる。

Source: Google Earth, 2015/10/07
山の頂上付近から、3方向に土石流が発生していることが分かる。この土石流により、川とは反対側の村も被害を受けている。

Source: Google Earth, 2016/09/15
土石流の被害を確認するために拡大すると、被災前。

Source: Google Earth, 2015/10/07
被災後。

Source: Google Earth, 2016/09/15
これらの写真は、ほんの一部で、茂山郡内だけでも、大小の被災地を多く確認することができる。
同じ咸鏡北道内にある核実験施設「豊渓里(プンゲリ)」に金を使うよりも、こちらに使う方が朝鮮人民は幸せだと思う。「堂々たる核保有国」ならば、これ以上の実験は少し休んでだ。(次の実験準備完了という報道もあるが)
北朝鮮報道などを読んで想像していた被害は、集中豪雨で豆満江の水が増水し、沿岸の住宅が流されたということであったが、そのような被害に加えて、Google Earthの写真からは、あちこちで大規模な土石流が四方八方に向かって発生し、それにより豆満江から離れた地域でも大きな被害が出ていることが分かる。
しばしばいわれることであるが、北朝鮮では山の木を伐採し、無理矢理に農地にしてしまっているので、ひとたび豪雨が降ると、こうした大規模な土石流が発生するのだろう。北朝鮮では「史上最悪の被害」と言っているが、写真を見ると納得する。今年も、3月初旬の「植樹節」頃に、「元帥様」と李雪主同志が象徴的な植樹をしていたが、異常気象の影響でこれからもしばしば豪雨が予想されている状況では、今年の夏に再びこうした被害が発生しないとも限らない。日本のように山林管理や治水が計画的に行われている国でさえ、想定外の集中豪雨で大きな被害が出る状況になっているので、そうしたことがきちんと行われていない北朝鮮では、状況がより深刻である。
被災者のための住宅建設に「建設軍人」や資材を集中させたという「元帥様」の判断は評価できるが、それで終わるのではなく、継続的に山林管理や治水をきちんと行わなければ、こうした被害は再び発生する。
過去記事にも書いた通り、オバマ政権末期(政権交代数日前)に、北朝鮮メディアが「米合衆国政府が咸鏡北道被災地に人道支援をした」と伝えたが、これもまた英断であったといえる。北朝鮮メディアが報じないだけかもしれないが、その時、周辺国、特に韓国は何をしていたのであろうか。
以下、被害の一部を before and after で見ていくことにする。
豪雨前の茂山市

Source: Google Earth, 2015/10/7
豪雨直後の茂山市同じ場所。湾曲した部分の住宅がほぼ完全に流されている。

Source: Google Earth, 2016/09/15
上の写真を拡大、茂山市の住宅、豪雨前。

Source: Google Earth, 2015/10/07
拡大した上の写真と同じ場所

Source: Google Earth, 2016/09/15
茂山市、豪雨前の橋と道路。

Source: Google Earth, 2015/10/07
同じ場所。道路は流され、橋も崩れているように見える。中国は、この豪雨による自国の被害を報じているのか確認していないが、中国側の道路も洪水で流されてなくなっている地点が複数ある(この写真では見られないが)。

Source: Google Earth, 2016/09/15
上の写真の橋の部分を拡大すると多くの「建設軍人」らしき人々が見える。また、左の方では、パワーシャベルが投入され復旧作業をしている。「元帥様」の命令が迅速だっただけあり、早い時期から復旧工事が開始されたことが分かる。

Source: Google Earth, 2016/09/15
では、土石流の被害を見ていく。下の写真は、茂山市の北に位置するセゴル里の被害前の様子である。Google Earthには、異なるタイムスタンプが表示されるが、2015年10月7日が正しいと思われる。

Source: Google Earth, 2015/10/07
山の頂上付近から、3方向に土石流が発生していることが分かる。この土石流により、川とは反対側の村も被害を受けている。

Source: Google Earth, 2016/09/15
土石流の被害を確認するために拡大すると、被災前。

Source: Google Earth, 2015/10/07
被災後。

Source: Google Earth, 2016/09/15
これらの写真は、ほんの一部で、茂山郡内だけでも、大小の被災地を多く確認することができる。
同じ咸鏡北道内にある核実験施設「豊渓里(プンゲリ)」に金を使うよりも、こちらに使う方が朝鮮人民は幸せだと思う。「堂々たる核保有国」ならば、これ以上の実験は少し休んでだ。(次の実験準備完了という報道もあるが)