「5千年民族史の特大事変 『光明星3-2』号機発射場面(1)」(2012年12月13日 「朝鮮中央TV」)
北朝鮮からは、引き続きロケット発射関連の情報、金正恩さんの動向、発射を喜ぶ朝鮮人民の様子が各メディアで伝えてられている。
12月13日の「20時報道」(http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2012-12-13-22.flv)では、ロシアの「イタルタス通信」の記事に掲載されたロシアの宇宙開発専門家の言葉を引用しながら「北朝鮮が衛星を発射した後、米軍部が地球軌道に新たな物体が現れたことを確認した」とし、「重量が数百キロに達する有効搭載量を軌道に進入させたということは、北朝鮮が地球上のどの地点にも核弾頭を運搬することができるレベルに完全に近づいたことを意味する」と述べている(この報道は「朝鮮中央通信」でも配信)。この「イタルタス通信」記事のソースは当たっていないが、恐らくオリジナルソースでは「憂慮」として扱っているのであろう。北朝鮮はそれを「成果」としてとらえ、核弾頭搭載能力と関連させながら「20時報道」で朝鮮人民に伝えたことは注意しておく必要がある。
「朝鮮中央TV」は、管制センターの分割画面ではなく、ロケット発射台の横に設置されたカメラで直接撮影した発射場面を放映した。
発射台に設置された「銀河-3」号 12月12日9時49分46秒
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2012-12-13-23.flv
発射された瞬間
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2012-12-13-23.flv
飛び上がった「銀河-3」ロケット
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2012-12-13-23.flv
2段目ロケットに設置されたカメラから見た地上
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2012-12-13-23.flv
空に消えていくロケット
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2012-12-13-23.flv
こんな静止画を見るよりも、小さなファイルなので動画をダウンロードすれば、爆音と共に発射される「銀河-3」ロケット発射の様子が味わえる。未確認であるが、YouTubeにも既にuriminzokkiriによりこの動画はアップロードされているかもしれない。この番組は「(1)」となっているので、今夜にでも後半がuriminzokkiriにアップロードされるであろう。
『労働新聞』は「敬愛する金正恩元帥様が衛星管制総合指揮所に訪れられ、人工地球衛星『光明星-3』号2号機の発射過程を観察された」という記事を配信した。この記事では、金正恩さんによる「発射命令書」と「指揮所」の様子の写真が掲載された。
「人工地球衛星発射準備を終えた状況と「対」策的意見 朝鮮宇宙空間技術委員会 2012年12月12日」(「」内は一部文字が隠れているので推測している)
「党中央は衛星発射を承認する。2012年12月12日 午前10時に発射せよ! 金正恩 2012年12月12日」
Source: 『労働新聞』、http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2012-12-14-0001
発射承認は、平和目的を強調するためか「人民軍最高司令官」ではなく「党中央」から出されている。もちろん、金正恩署名なので兼職であることは間違いないが、労働党の最高権威者としての立場である。4月の発射失敗時には、金正恩さんの権威を失墜させないためにこうした命令書や管制センターを訪れたことは報道されなかった。当然、最終的には彼の命令であったはずだが、今回も失敗していれば4月と同じ扱いになったであろう。
ところで、北朝鮮メディアが伝えている「衛星総合指揮所」なるものが本物なのかダミーなのかが非常に気になっていた。諸外国の管制センターの写真と比べても非常にシンプルであるし、設置されているコンピューター類の数も少ない。しかし、金正恩さんは少なくとも公式的にはこの場所で発射の様子を見ている(オン・タイムという証拠は何もないが)。
たばこを吸いながらロケットの軌道を見る金正恩
Source: KCNA, http://www.kcna.kp/goHome.do?lang=kor
「朝鮮中央通信」の記事によると、この「観察」には張成沢さんは同行しているが、崔龍海さんは同行していない。最近の金正日現地指導に彼が同行していたのかきちんと確認はしていないが、これほどの「事変」に彼が同行していないのはおかしい。突如の解任から体調不良まで、様々なことは考えられるが、もしかすると「総合指揮所」というのは、実はプレスセンター的な機能をしており、実際にロケットや衛星を管制している場所は他にあり、金正恩さんの命を受けて、事実上の人民軍内順位ナンバー2の崔龍海が本当の管制センターで指揮に当たった可能性がある。そもそも、最高軍事機密中の最高機密である人工衛星打ち上げロケット兼弾道ミサイルの管制センターをテレビに大写しにして海外に配信するようなことを北朝鮮がするとは考えにくい。上に「オンタイムという証拠はない」と書いたのは、金正恩さんが写っている公開されている画像は事後に撮影された画像であり、発射時には本当に管制センターに行っていた可能性も考えられるからである。
国連安保理をはじめとし米国や中国の反応も日々公表されているが、なかなかそれらを整理して記事にする時間がない。
12月13日の「20時報道」(http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2012-12-13-22.flv)では、ロシアの「イタルタス通信」の記事に掲載されたロシアの宇宙開発専門家の言葉を引用しながら「北朝鮮が衛星を発射した後、米軍部が地球軌道に新たな物体が現れたことを確認した」とし、「重量が数百キロに達する有効搭載量を軌道に進入させたということは、北朝鮮が地球上のどの地点にも核弾頭を運搬することができるレベルに完全に近づいたことを意味する」と述べている(この報道は「朝鮮中央通信」でも配信)。この「イタルタス通信」記事のソースは当たっていないが、恐らくオリジナルソースでは「憂慮」として扱っているのであろう。北朝鮮はそれを「成果」としてとらえ、核弾頭搭載能力と関連させながら「20時報道」で朝鮮人民に伝えたことは注意しておく必要がある。
「朝鮮中央TV」は、管制センターの分割画面ではなく、ロケット発射台の横に設置されたカメラで直接撮影した発射場面を放映した。
発射台に設置された「銀河-3」号 12月12日9時49分46秒
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2012-12-13-23.flv
発射された瞬間
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2012-12-13-23.flv
飛び上がった「銀河-3」ロケット
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2012-12-13-23.flv
2段目ロケットに設置されたカメラから見た地上
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2012-12-13-23.flv
空に消えていくロケット
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2012-12-13-23.flv
こんな静止画を見るよりも、小さなファイルなので動画をダウンロードすれば、爆音と共に発射される「銀河-3」ロケット発射の様子が味わえる。未確認であるが、YouTubeにも既にuriminzokkiriによりこの動画はアップロードされているかもしれない。この番組は「(1)」となっているので、今夜にでも後半がuriminzokkiriにアップロードされるであろう。
『労働新聞』は「敬愛する金正恩元帥様が衛星管制総合指揮所に訪れられ、人工地球衛星『光明星-3』号2号機の発射過程を観察された」という記事を配信した。この記事では、金正恩さんによる「発射命令書」と「指揮所」の様子の写真が掲載された。
「人工地球衛星発射準備を終えた状況と「対」策的意見 朝鮮宇宙空間技術委員会 2012年12月12日」(「」内は一部文字が隠れているので推測している)
「党中央は衛星発射を承認する。2012年12月12日 午前10時に発射せよ! 金正恩 2012年12月12日」
Source: 『労働新聞』、http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2012-12-14-0001
発射承認は、平和目的を強調するためか「人民軍最高司令官」ではなく「党中央」から出されている。もちろん、金正恩署名なので兼職であることは間違いないが、労働党の最高権威者としての立場である。4月の発射失敗時には、金正恩さんの権威を失墜させないためにこうした命令書や管制センターを訪れたことは報道されなかった。当然、最終的には彼の命令であったはずだが、今回も失敗していれば4月と同じ扱いになったであろう。
ところで、北朝鮮メディアが伝えている「衛星総合指揮所」なるものが本物なのかダミーなのかが非常に気になっていた。諸外国の管制センターの写真と比べても非常にシンプルであるし、設置されているコンピューター類の数も少ない。しかし、金正恩さんは少なくとも公式的にはこの場所で発射の様子を見ている(オン・タイムという証拠は何もないが)。
たばこを吸いながらロケットの軌道を見る金正恩
Source: KCNA, http://www.kcna.kp/goHome.do?lang=kor
「朝鮮中央通信」の記事によると、この「観察」には張成沢さんは同行しているが、崔龍海さんは同行していない。最近の金正日現地指導に彼が同行していたのかきちんと確認はしていないが、これほどの「事変」に彼が同行していないのはおかしい。突如の解任から体調不良まで、様々なことは考えられるが、もしかすると「総合指揮所」というのは、実はプレスセンター的な機能をしており、実際にロケットや衛星を管制している場所は他にあり、金正恩さんの命を受けて、事実上の人民軍内順位ナンバー2の崔龍海が本当の管制センターで指揮に当たった可能性がある。そもそも、最高軍事機密中の最高機密である人工衛星打ち上げロケット兼弾道ミサイルの管制センターをテレビに大写しにして海外に配信するようなことを北朝鮮がするとは考えにくい。上に「オンタイムという証拠はない」と書いたのは、金正恩さんが写っている公開されている画像は事後に撮影された画像であり、発射時には本当に管制センターに行っていた可能性も考えられるからである。
国連安保理をはじめとし米国や中国の反応も日々公表されているが、なかなかそれらを整理して記事にする時間がない。