「Remarks to the Media With Asia Bureau Director General Shinsuke Sugiyama」(2012年2月26日「U.S. Department of State」
デービス大使の東京での談話が米国務省HPに出ていたので読んだ。
http://www.state.gov/p/eap/rls/rm/2012/02/184661.htm
北朝鮮との協議の内容については、「朝鮮日報」の記事を引用しながら拙記事に書いたとおりであるが、「ボール」については「北朝鮮側コートと米国側コートとの間で蹴り合」って、結果として「ボールは双方のコートにある」ということのようだ。やはり、メディアのレポートではなくて、当人の話というのは分かりやすい。今回の協議では、結果として「双方のコートにある」というよりも北朝鮮と「ボールを蹴り合った」ということの方に意義がある。これは、決して「物別れ」に終わったわけでも、どちらかが席を蹴ったというわけでもない。
日本のマスコミでは、拉致問題について「デービス大使は北朝鮮側に伝えたが、特段の反応はなかった」ということが伝えられている。それは、本人の話を読んでもそのとおりである。ただ、読み続けていくと、デービスさんの個人的考えなのか、それとも米国の考えなのか、ま、大使としての発言なので後者なのだろうが、「これは外交問題なので、拉致問題は『You(あなた方=日本)』が機会がある毎に北朝鮮に訴えていかねばならず、北朝鮮と外部世界の関係正常化の中で解決されるべき問題である」と言っている。これは、実に重要な発言で、日本に対して拉致問題を解決したいのであれば、米国に頼らずにもっと自ら動きなさいよというメッセージではないのか。そして、その動く方向の少なくとも一つの選択肢として、「関係改善」も考えなければならず、それがなければ拉致問題は解決しませんよという米国のメッセージではないだろうか。
別の項目に使用可と思ったのだが、米国務省つながりなのでこちらに書いておく。2月27日の米国務省における定例ブリーフィングで、国務省のヌーランド報道官は「核問題と栄養援助はリンクさせない」と明言している。
http://www.state.gov/r/pa/prs/dpb/2012/02/184768.htm
しかし、「聯合ニュース」が配信した「北核開発中断が食糧支援の前提=米太平洋軍司令官」という記事では、「米太平洋軍のロバート・ウィラード司令官は28日、米上院軍事委員会の公聴会に出席し、北朝鮮が食糧支援交渉を進めるための前提条件として、核開発計画と弾道ミサイル試験の中断と、国際原子力機関(IAEA)の査察受け入れが必要」であると報じている。この発言のソースはまだ確認していないが、そうであるとすると国務省と軍部の見解が異なるということになる。この問題は、「人道」を掲げる米国を常に悩ませてきたが、今回もそのようである。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120229-00000012-yonh-kr
「栄養」にせよ「食料」にせよ、いったん北朝鮮の手に渡った後の流れを追跡するのは非常に困難である。ただ、WFPなど援助機関のレポートを読むと、北朝鮮側も「朝鮮語を解する援助要員」の参加を認めたり、調査ができる地域を拡大するなど、協力的な姿勢を見せているようである。ともかくも、必要なところに必要な食料(栄養)が迅速に届けられるよう、米朝だけではなく国際社会は迅速に取り組むべきである。
http://www.state.gov/p/eap/rls/rm/2012/02/184661.htm
北朝鮮との協議の内容については、「朝鮮日報」の記事を引用しながら拙記事に書いたとおりであるが、「ボール」については「北朝鮮側コートと米国側コートとの間で蹴り合」って、結果として「ボールは双方のコートにある」ということのようだ。やはり、メディアのレポートではなくて、当人の話というのは分かりやすい。今回の協議では、結果として「双方のコートにある」というよりも北朝鮮と「ボールを蹴り合った」ということの方に意義がある。これは、決して「物別れ」に終わったわけでも、どちらかが席を蹴ったというわけでもない。
日本のマスコミでは、拉致問題について「デービス大使は北朝鮮側に伝えたが、特段の反応はなかった」ということが伝えられている。それは、本人の話を読んでもそのとおりである。ただ、読み続けていくと、デービスさんの個人的考えなのか、それとも米国の考えなのか、ま、大使としての発言なので後者なのだろうが、「これは外交問題なので、拉致問題は『You(あなた方=日本)』が機会がある毎に北朝鮮に訴えていかねばならず、北朝鮮と外部世界の関係正常化の中で解決されるべき問題である」と言っている。これは、実に重要な発言で、日本に対して拉致問題を解決したいのであれば、米国に頼らずにもっと自ら動きなさいよというメッセージではないのか。そして、その動く方向の少なくとも一つの選択肢として、「関係改善」も考えなければならず、それがなければ拉致問題は解決しませんよという米国のメッセージではないだろうか。
別の項目に使用可と思ったのだが、米国務省つながりなのでこちらに書いておく。2月27日の米国務省における定例ブリーフィングで、国務省のヌーランド報道官は「核問題と栄養援助はリンクさせない」と明言している。
http://www.state.gov/r/pa/prs/dpb/2012/02/184768.htm
しかし、「聯合ニュース」が配信した「北核開発中断が食糧支援の前提=米太平洋軍司令官」という記事では、「米太平洋軍のロバート・ウィラード司令官は28日、米上院軍事委員会の公聴会に出席し、北朝鮮が食糧支援交渉を進めるための前提条件として、核開発計画と弾道ミサイル試験の中断と、国際原子力機関(IAEA)の査察受け入れが必要」であると報じている。この発言のソースはまだ確認していないが、そうであるとすると国務省と軍部の見解が異なるということになる。この問題は、「人道」を掲げる米国を常に悩ませてきたが、今回もそのようである。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120229-00000012-yonh-kr
「栄養」にせよ「食料」にせよ、いったん北朝鮮の手に渡った後の流れを追跡するのは非常に困難である。ただ、WFPなど援助機関のレポートを読むと、北朝鮮側も「朝鮮語を解する援助要員」の参加を認めたり、調査ができる地域を拡大するなど、協力的な姿勢を見せているようである。ともかくも、必要なところに必要な食料(栄養)が迅速に届けられるよう、米朝だけではなく国際社会は迅速に取り組むべきである。