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    「<TV連続劇>旺載山 第13~16部」:「花子」の出自と結末 (2015年3月22日 「朝鮮中央TV」)

    『旺載山』の第15部と16部が22日夜に連続放送され、ドラマは終わった。この記事は、

    *****
    3月20日、「旺載山 第13部」が放映された。今回は、「花子」の出自と「シム・チョルソン」の工作の進捗がテーマとなっている。
    *****

    と、20日の第13部が終わったところで書き出したものであるが、下書きのまま放置しておいたら、ドラマが終わってしまった。なので、途中までは第13部の話し、途中からは14部~16部の話となる。

    *******以下、13部終了時に書いた部分********
    「石田」の家に「松井」がやって来て話をしている。
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    Source: KCTV, 2015/30/20放送

    「石田」は花子に対して疑いの念を抱き始めている。「松井」と偽パルチザン謀略の話をするために、「花子」にお茶を入れさせる。「花子」は、偽パルチザンについては、全く知らなかった。

    「花子」が朝鮮人だからという設定ならば実に凝っているのだが、「花子」は急須を使いながらもお茶の入れ方を知らない。まず、湯飲みにお湯を入れ、その次に粉状のものを湯飲みに入れいている。インスタントコーヒーを作る要領と大体同じだ。ドラマ制作者の日本研究不足に起因するものであろう。
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    Source: KCTV, 2015/30/20放送

    偽パルチザンについての話を立ち聞きする「花子」。謀略だと知ってショックを受ける。下の字幕は、「ゴビ砂漠と中国の内モンゴル地域で発生した黄砂は、今日夜から明日の午後の間に西海岸の一部地域に弱い影響を及ぼすものと予想されます。」という黄砂予報。昨日は、黄砂の発生原因や健康被害予防策などを紹介する番組も放送していた。
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    Source: KCTV, 2015/30/20放送

    ドラマでは、日本人同士の会話や朝鮮人を卑下する場面では、基本的に「チョウセン人」と日本語を使用している。上の場面でも「松井」が「石田」に、「花子をあまり信じるな。花子はどうせチョウセン人なんだから」と言っている。

    「花子」と「シム・チョルソン」が馬を連れて歩いている。第13部から、「花子」の「チョルソン」に対する語調が全く変わった。「花子」の朝鮮人としての自覚、「チョルソン」に対する好意を表現しているのであろうが、豹変しすぎである。
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    Source: KCTV, 2015/30/20放送

    上の場面では、「チョルソン」が「ある女性」ということで、彼が調べた「花子」の出自について話をする。「花子」は、済州島の漁師と海女の夫婦の子供で、名前は「ウンヒ(ウニ)」。

    「ウンヒ」(「花子」)の母。海女の衣装がおもしろい。
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    Source: KCTV, 2015/30/20放送

    倒れて泣いている少女が「ウンヒ」、つまり「花子」。「ウンヒ」は警官に足蹴にされる。警官と一緒にいるのは、「地主」。「ウンヒ」の両親が「子供になんて酷いことを」と警官に詰め寄ると、銃を持った男(恐らく地主の子供)が両親をライフルで撃ち殺す。

    「花子」が両親共々日本に渡る高英姫ストーリーを想定したのだが、そうではなかった。「ウンヒ」(「花子」)は、その後、済州島の牧場主のところにいるが、日本から来た「少尉」が牧場主から「ウンヒ」を買ったという。その「少尉」が「石田」であろう。
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    Source: KCTV, 2015/30/20放送

    「花子」は、このころから「チョルソン」に協力的になる。悪徳地主(朝鮮人、杖を持った男)が農民を虐めている。その様子を村人がどうすることもできずに眺めている。仲裁に入る村人もいるが、悪徳地主に頑強に対抗することはできない。
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    Source: KCTV, 2015/30/20放送

    そこに「花子」がやって来て、悪徳地主を馬の鞭で打ち、蹴飛ばす。村人は「花子」に逆らうことができない悪徳地主をあざ笑う。
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    Source: KCTV, 2015/30/20放送

    「花子」が地主を鞭で打ったことが「石田」に伝わり、「花子」は言い訳をするが、「お前は、私の妹である前に、大日本帝国の軍人であることを肝に銘じろ」と叱られる。
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    Source: KCTV, 2015/30/20放送

    ****************ここまでが、第13部の話し************

    第14話では、「花子」が「シム・チョルソン」からもらった雑誌を読むシーンがある。「チョルソン」は、「花子、これは最近東京で発刊された雑誌だ。ここには、日本の有名な詩人マキムラヒロシ(ママ)書いた『間島パルチザンの歌』がある。一度読んでみろ」と渡した。「花子」は心の中で、『間島パルチザンの歌』を読み始める。彼女が読むのは、この詩冒頭の以下の部分の朝鮮語訳である。(  )内は私が聞き取った朝鮮語なので、間違っているかもしれない。

     間島パルチザンの歌 槇村浩

    「思い出はおれを故郷へ運ぶ (이추억은 나를 고향으로 이끄나니 )
    白頭の嶺を越え、落葉(から)松の林を越え(백투 련봉을 넘어 락옆 솔 슾속을 지나)
    蘆の根の黒く凍る沼のかなた(갈뿌리도 식 거맣게 얼어든다는 등 넘어 )
    赭ちゃけた地肌に黝(くろ)ずんだ小舎の続くところ(검붉은 흙토우에 거밋한 움악살이들이 엉기정이 들어않은 곳)
    高麗雉子が谷に啼く咸鏡の村よ (고려까치 울지는 함경의 마을이여)」

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    Source: KCTV, 2015/30/21放送

    槇村浩というプロレタリア詩人については、ほとんど知らない。いずれ、詩集でも買って読んでみようと思う。なお、名前の読みは「ひろし」ではなく「こう」が正しいということだ。

    第15部でも、「花子」は朝鮮民族としての覚醒、「シム・チョルソン」に対する憧憬と愛情が入り交じった感情にさいなまれる。「石田」は、「愛情など任務の邪魔になるだけだ」と「スミエ」を東京に送り返してしまっている。「シム・チョルソン」の抗日武装闘争の組織化は順調に進み、農民の地主に対する「生存権闘争」は豆満江沿岸地域に拡散していく。また、金日成も朝鮮入りを目指して、豆満江の近くにまで進軍してきている。「石田」と「松井」は、金日成の朝鮮入りを阻止するべく、大規模な抗日パルチザン討伐作戦を計画している。抗日パルチザン討伐には軍馬が必要なので、「石田」の牧場で育てた軍馬を豆満江地域に連れて行くよう「松井」が「石田」に命じる。一方、「シム・チョルソン」は、軍馬が金日成討伐作戦に使われるのを阻止し、さらに抗日パルチザンに塩などの支援物資を送ることを画策する。

    そして、第16部を迎える。「シム・チョルソン」は、危険を冒して牧場に保管してる塩を奪いに来る。ところが、それを察知して潜んでいた「日帝」の私服警官に捕まってしまう。「花子」は、その知らせを付いて「チョルソン」が捕まった現場に駆けつけ、私服警官を倒して「チョルソン」を救う。
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    Source: KCTV, 2015/30/22放送

    さて、花子の運命は・・・
    「花子」の日本酒一気飲み、ベートーベンの『運命』のBGM、「石田」の運命、「花子」の銃撃戦、「花子」から「ウンヒ」へなど、見所満載の20分。上に書いた「チョルソン」救出場面以降を日本語字幕を付けてYouTubeにアップロードしておいた。

    YouTube:
    https://youtu.be/dVg5uMVY7pk

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    川口智彦

    Author:川口智彦
    「크는 아바이(成長するオッサン)」

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    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「政治局員候補」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)、2018年2月11日から「第1副部長同志」とも
    「白頭の血統」=金一族
    「大元帥様達」=「首領様」と「将軍様」
    「女史」=李雪主夫人(2018.07.26より「同志」に)

    우 그림은 충정 담아 아이가 그린 경애하는 김정은원수님이십니다.


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