<社説>「朝鮮労働党代表者会を高い政治的熱意と輝かしい労力的成果で迎えよう」(2012年2月29日「労働新聞」)
「労働新聞」の社説である。
http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2012-02-29-0001
4月中旬に招集されている党代表会についての記事なので、しっかり読んでみた。記事ではまず、「今回の代表者会を契機に思想と指導の唯一性が確固たるものとなり、先軍革命の強力な政治的参謀部として威厳のある我々の党の地位と役割がさらに高められるであろう」としている。「思想と指導の唯一性が確固たるものとなり」としているところから、やはり金正恩さんの総秘書推戴を計画しているのであろう。
次に「代表者会は、党の指導に従い社会主義強盛国家建設偉業を勝利的に前進させることにおいて、画期的転換の契機となる」、「強盛国家建設において必ずや決定的転換を達成しようとする千万軍民の革命的熱意をいっそう培うことになるであろう」としている。「画期的転換」とは何を指しているのであろうか。金正恩「総秘書」が新たな政治指針を出すということなのか。そして「強盛国家建設」が一段落付いたということで、「革命的熱意をいっそう培う」次の何かを出すのであろうか。
ともあれ、その「政治指針」あるいは「何か」は、「将軍様の思想と業績を1mmの偏差もなく・・・具現していかなければならない」としているので、「先軍政治」から大きく離脱することはないであろう。現実的に金正恩さんの実力では「できない」といった方が良いかもしれないが、できるとすれば理念的に「先軍政治」と言っておきながら、「実利」部分を強化していくことだろうか。「実利」であれば、金正日さんの考えと1mmの偏差もないはずである。
そして、最後の方で「敬愛する金正恩同志を首班とする党中央委員会の周りに固く団結し」といっている。金正恩さんは、現在、「党中央委員会の首班」でないことは、過日の拙記事で「朝鮮労働党規則」を読んだ限りでも明らかである。「党中央軍事委員会副委員長」である。確認のためにもう一度書いておけば、「22.朝鮮労働党総秘書は、党の首班である」とあるように、総秘書(労働党書記局総書記)になって初めて首班となる。これも金正恩総秘書推戴を予告する記述である。
さて、代表者会では「2012年に人民生活向上において決定的転換を引き起こす雄大な構想を展開し、生涯の最後の瞬間まで超強度強行軍の道を歩まれた」将軍様の「雄大な構想」をどのように評価し、「新たな100年」に向かっていくのであろうか。
それにしても、「労働新聞」はこちらが欲しい情報の何十倍もの文字が入っている。朝鮮人民はこの文字の洪水の中から必要な情報を読み出す能力に長けている、いやそうなるように訓練されているのであろうか。あるいは、「必要な情報」は実は「必要な情報」ではなく、「偉大さ」などだけが必要なメッセージなのであろうか。
http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2012-02-29-0001
4月中旬に招集されている党代表会についての記事なので、しっかり読んでみた。記事ではまず、「今回の代表者会を契機に思想と指導の唯一性が確固たるものとなり、先軍革命の強力な政治的参謀部として威厳のある我々の党の地位と役割がさらに高められるであろう」としている。「思想と指導の唯一性が確固たるものとなり」としているところから、やはり金正恩さんの総秘書推戴を計画しているのであろう。
次に「代表者会は、党の指導に従い社会主義強盛国家建設偉業を勝利的に前進させることにおいて、画期的転換の契機となる」、「強盛国家建設において必ずや決定的転換を達成しようとする千万軍民の革命的熱意をいっそう培うことになるであろう」としている。「画期的転換」とは何を指しているのであろうか。金正恩「総秘書」が新たな政治指針を出すということなのか。そして「強盛国家建設」が一段落付いたということで、「革命的熱意をいっそう培う」次の何かを出すのであろうか。
ともあれ、その「政治指針」あるいは「何か」は、「将軍様の思想と業績を1mmの偏差もなく・・・具現していかなければならない」としているので、「先軍政治」から大きく離脱することはないであろう。現実的に金正恩さんの実力では「できない」といった方が良いかもしれないが、できるとすれば理念的に「先軍政治」と言っておきながら、「実利」部分を強化していくことだろうか。「実利」であれば、金正日さんの考えと1mmの偏差もないはずである。
そして、最後の方で「敬愛する金正恩同志を首班とする党中央委員会の周りに固く団結し」といっている。金正恩さんは、現在、「党中央委員会の首班」でないことは、過日の拙記事で「朝鮮労働党規則」を読んだ限りでも明らかである。「党中央軍事委員会副委員長」である。確認のためにもう一度書いておけば、「22.朝鮮労働党総秘書は、党の首班である」とあるように、総秘書(労働党書記局総書記)になって初めて首班となる。これも金正恩総秘書推戴を予告する記述である。
さて、代表者会では「2012年に人民生活向上において決定的転換を引き起こす雄大な構想を展開し、生涯の最後の瞬間まで超強度強行軍の道を歩まれた」将軍様の「雄大な構想」をどのように評価し、「新たな100年」に向かっていくのであろうか。
それにしても、「労働新聞」はこちらが欲しい情報の何十倍もの文字が入っている。朝鮮人民はこの文字の洪水の中から必要な情報を読み出す能力に長けている、いやそうなるように訓練されているのであろうか。あるいは、「必要な情報」は実は「必要な情報」ではなく、「偉大さ」などだけが必要なメッセージなのであろうか。