FC2ブログ

    「<TV連続劇>旺載山 第11部」:ソウル言葉、特務訓練機関、「スミエ」の不倫、朝鮮蔑視(自嘲?)、朝鮮語 (2015年3月18日 「朝鮮中央TV」)

    過去記事にも少し書いた「旺載山」であるが、昨夜第10部と11部が放映された。非常におもしろいドラマなのに、なぜ2007年に放映されてから、これまで放映されなかったのか分からない(ただし、韓国統一部の情報が正確であれば)。

    「旺載山 第10部」。左から「シム・チョルソン」、「花子」、牧場で働くソウルから来た老人
    2015-03-17-18flv_000100188.jpg
    Source: KCTV, 2015/03/17放送

    牧場で働く老人は、ソウルの王宮で馬の世話係として働いていたが、閔妃暗殺と共に日本人に恋人の宮女を殺され宮殿を離れ、朝鮮北部の牧場で働くようになった。下の写真にあるように、この老人は口を押さえて笑うなど「女性っぽい」。それだけではなく、言葉も「요」で終わるソウル方言を使い、非常にソフトな口調である。牧場で働く同僚からは、「宦官じゃないのか」とからかわれる(しかしこの老人は、馬の世話係なので宦官ではないという)。思えば、羅先の「市場」で、アジュミ(おばさん)たちに「요」言葉を使って笑われた。きっと、私が使った「요」言葉が彼女らには女々しく聞こえたのであろう。

    2015-03-17-18flv_000138451.jpg
    Source: KCTV, 2015/03/17放送

    第1部では、花子の過去を見せる場面がある。「シム・チョルソン」が「花子はどこで馬について学んだのですか。大卒のように見えるのですが」と質問し次の場面になる。

    特務訓練期間で拳銃の練習をする「花子」。はちまきがカワイイ。
    2015-03-17-18flv_000254328.jpg
    Source: KCTV, 2015/03/17放送

    訓練修了書を授与される「花子」。男はなぜか上半身裸である。
    2015-03-17-18flv_000289900.jpg
    Source: KCTV, 2015/03/17放送

    「松井君が来る時は料理ができなかったのに、今日は凄いなあ」と「石田」。「スミエ(石田夫人)」は、「シム・チョルソン」に一目惚れしており、この日も「シム・チョルソン」が夕食を食べに来ると思い料理をした。「スミエ」は日本の資本家の娘で、「石田」とは政略結婚させられた。「石田」は、「スミエ」の「シム・チョルソン」に対する好感を全く気にしないどころか、それを特務遂行のために利用しようとする。
    2015-03-17-18flv_000316201.jpg
    Source: KCTV, 2015/03/17放送

    「シム・チョルソン」は、村人に牧場の馬を貸してくれと頼まれる。村人は朝鮮人の悪徳地主から高利で金を借りたので、その返済のために馬を使って金を稼ぎ、借金を返したいということだ。「シム・チョルソン」は、「一晩考えさせてくれ」と村人を帰す。
    2015-03-17-18flv_001046758.jpg
    Source: KCTV, 2015/03/17放送

    翌日、「シム・チョルソン」は、「花子」に馬を借りたいと頼む。ここからの「花子」と「シム・チョルスン」の会話がおもしろい。
    2015-03-17-18flv_001142595.jpg
    Source: KCTV, 2015/03/17放送

    花子:「チョルソンさん、なぜあなたはあんなに惨めな人たちまで心配してやるのですか」
    チョルソン:「花子、彼らも私と同じ朝鮮人です」
    花子:「朝鮮人?ふん、私は朝鮮を軽蔑している女です」
    チョルソン:「なぜ?」
    花子:「朝鮮民族は弱く、創造力がない民族です」
    チョルソン:「決めつけるな」(少し怒った顔で)
    チョルソン:「我々の民族は世界で初めての金属製活字と鉄甲船を作った民族です」
    花子:「それなのに元や日本の奴隷になったのですか?」
    花子:「後ろばかり振り返っている人は前に進めないように、歴史ばかり自慢する民族は、遅れて当然です」
    花子:「歴史は避妊を知りません。生まれることしか知りません。朝鮮を見なさい。精神も肉体も日本に強姦され、李ウァンヨンや朴ソギュンのような私生児を産んだり、文じいさんやソプンのような間抜けを生んだんでしょ。私生児を産む前に、強くて創造することを知っている高等な人間を妊ることができなかったからです」

    上の「花子」の言葉は、日本人の口を借りて朝鮮人の気持ちを代弁させているとも取れる。「シム・チョルソン」は、雇い人という立場だからと言う理由だけではなく、その言葉にある真実を見いだして反駁することができない。「花子」は馬を貸し出すことは考えておくと言い残して、その場を去ってしまう。

    「花子」は「石田」に相談し、雑馬を貸し出すことにする。しかし、「シム・チョルソン」は、俊馬を貸しだしてしまう。

    その日、牧場から馬が盗まれ、「花子」も消えてしまう。「シム・チョルソン」が「花子」を救出に向かうと、そこには「抗日パルチザン」らしき人々がおり、花子を袋に入れてどこかに拉致しようとしている。「シム・チョルソン」を「ドンム」と呼び、「荷物になるだけだから、この日本女を処刑してしまえ」と「花子」を殺そうとするが、「シム・チョルソン」が機転を利かせて「抗日パルチザン」を撃退、花子を助け出す。実は、この「抗日パルチザン」は偽物で、「石田」が「シム・チョルソン」の正体を暴くための罠であった。
    2015-03-17-18flv_002119931.jpg
    Source: KCTV, 2015/03/17放送

    その日の夕方、「花子」が牧場で横になっているところに「シム・チョルソン」がやってくる。ここでまたおもしろい会話がある。
    花子:「(馬に一人で乗ることができないので)助けて下さい」
    チョルソンは花子を馬に乗せてやる。
    花子:「一度、走ってみましょうか」
    チョルソン:「そうだ、花子、ずっと尋ねてみたかったのだが、「花子」はいつからそんなに朝鮮語が上手いんだ。朝鮮人の娘みたいです」
    「花子」はムッとして、
    花子:「この花子が朝鮮女性みたいに見えるって、ありがたいですわ。だけど、私は朝鮮女性として生まれなかったのを幸いだと思っています」
    「花子」は、そういって、馬を走らせて行ってしまう。この場面は、非常にロマンチックな情景で展開されるが、「花子」の最後のリアクションで台無しになるという設定である。それにしても「チョルソン」の「いつからそんなに朝鮮語が上手いんだ」という質問はおもしろい。このドラマでは、「~さん」、「~くん」、「もしもし」、「はあ!」など日本人らしさを表すための日本語句は使われているが、日本人同士の会話も含めて全て朝鮮語である。朝鮮を軽蔑する「花子」がなぜ敢えて朝鮮語を使っていたのであろうか。

    2015-03-17-18flv_002288065.jpg
    Source: KCTV, 2015/03/17放送

    もしかすると、「花子」の出生の秘密がこれから出てくるのかもしれない。
    2015-03-17-18flv_002328968.jpg
    Source: KCTV, 2015/03/17放送

    ここで第10部は終わる。

    コメントの投稿

    非公開コメント

    プロフィール

    川口智彦

    Author:川口智彦
    「크는 아바이(成長するオッサン)」

    ブログの基本用語:
    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「政治局員候補」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)、2018年2月11日から「第1副部長同志」とも
    「白頭の血統」=金一族
    「大元帥様達」=「首領様」と「将軍様」
    「女史」=李雪主夫人(2018.07.26より「同志」に)

    우 그림은 충정 담아 아이가 그린 경애하는 김정은원수님이십니다.


    YouTube dprknow

    最新記事
    最新コメント
    最新トラックバック
    月別アーカイブ
    カテゴリ
    Visitors
    検索フォーム
    RSSリンクの表示
    リンク
    QRコード
    QR