「<TV連続劇>旺載山」:「日帝時代」の国境地帯を描く抗日革命ドラマ (2015年3月11日 「朝鮮中央TV」)
『旺載山』という「TV連続劇」を3月11日から「朝鮮中央TV」で再放送している。韓国統一部のデータによると、初回放送は2007年11月で、その後放送されたことはないので、今回が2回目のシリーズ放送となる。初日には第1・2部、昨日は第3部と放送されている。上記の2007年データからすると第16部まであるようで、しばらく楽しめそうだ。YouTubeにアップロードされているのかもしれないが、この「TV連続劇」をこれまで見るすべがなかったので、私には初めての視聴となる。

Source: KCTV, 2015/03/11放送
このドラマの背景はドラマ冒頭のナレーションで以下のように説明されている。
「歴史はいつも、今日だけではなく、明日のためにより必要となる。旺載山(ワンジェサン)、この山の峠には、愛で始まり、愛で前進してきた朝鮮革命の血で染まった地に、民族団結の不変のスローガンが色濃く刻み込まれている。しかし、我々の革命の黎明期に偉大な首領様の民族への大きな愛、大団結路線を高く頂き戦った、国内初の党組織メンバーの名前と曲折が多い闘争は、まだ世に知られていない。知っているか人々よ!厳しい抗日決戦の雪嵐の中で、愛の春の日をもたらした首領様と名もない烈士についての不滅の話を。」
このナレーションからも分かるように、満州にいた金日成が朝鮮に「抗日革命」の「党組織」結成し始めた頃の話ということになっている。
「去る4月25日、英明なる金日成将軍様が抗日遊撃隊を創建した」というポスター。1932年4月25日、「建軍節」である。

Source: KCTV, 2015/03/11放送
この人物がこのドラマの主人公「シム・チョルソン」である。「間島(満州)から金を稼ぐためにやって来た」と自称しているが、本当は金日成が朝鮮半島で抗日革命運動を組織化するために送り込んだ密使である。

Source: KCTV, 2015/03/11放送
中央の人物が「石田君」、まだ第3回までしか見ていないので分からないが、このドラマの悪役の頭目と目される。表向きは朝鮮で馬牧場を経営しているが、抗日革命運動を抹殺するための工作員でもある。左にいるのが「石田君」の妹「花子」である。花子も表向きはお嬢様であるが、兄同様、日本の工作員養成学校を最優秀の成績で卒業した工作員である。右は日本からやって来た朝鮮支配の陰の実力者「松井君」。「松井君」は「花子」を「警備局長」に任命する。

Source: KCTV, 2015/03/11放送
おもしろいのは、日本人の男同士は相手を君付けで呼んでいるが、女は「花子」と呼び捨てにしている点である。今のところ名前が分かる日本人女性は「花子」しか出てきていない。年下だからということで呼び捨てにされているのかもしれない。朝鮮人は「花子」を「花子アガシ(お嬢様)」と、「石田君」の夫人を「オクサマ(奥様)」と呼んでいる。
<追記>第3部で「~さん」と呼ぶ場面もあった。
また、朝鮮人学生同士も「君は(군은)」と呼び合っている場面がある。今の北朝鮮であれば「ドンムは(동무는)」とでも言うべき場面であるが、当時は「君」という言葉が、このように使われていたのかもしれない。日本でも目上の者が目下の者を「君は」と呼ぶことはまだあるが、同輩同士、例えば学生同士で「君は」と呼び合っている場面は見なくなった。
右にいるのが「オクサマ」、真ん中がその子の「セイイチロウ」。「オクサマ」の馬車が暴走していたところを金日成の工作員シム・チョルソンが助けた。

Source: KCTV, 2015/03/11放送
シム・チョルソンは、鉄道工事現場での仕事を得ようと日本人が経営する建設会社の事務所にやってくる。真ん中にいるのが「主任」。後ろの壁には神棚がある。「主任」は、シム・チョルソンが満州からやってきたという理由で雇おうとしない。

Source: KCTV, 2015/03/11放送
シム・チョルソンが困っていると、鉄道工事現場で働く朝鮮人労働者が賃金引き上げなど、労働条件向上を「主任」に要求するためにやってくる。右から2場面の2人目の太った男が労働者の親分。「ヒョンニム(兄貴)」と呼ばれている。腕っ節の強さからボスになったようだ。

Source: KCTV, 2015/03/11放送
彼らはストライキをちらつかせ、「主任」を脅して賃金引き上げを約束させる。また、シム・チョルソンを自分の「くみ(組)」で働かせることも要求し、承認させる。おもしろいのは、多くのシーンで「チョ(組の朝鮮音)」ではなく、「くみ(ぐみ)」と言っている点である。しばらくの間、何を言っているのか分からなかったが、下のシーンを見て理解できた。タンクには「スムンアンぐみ」、「チュンゲぐみ」と書かれている。どうやら、朝鮮人を頭目にした「くみ」がいくつかあり、寝食を共にしながら労働や生活していたようだ。

Source: KCTV, 2015/03/11放送
<追記>第4部では、このように寝食を共にする場所を「はんば(飯場)」と呼んでいる。朝鮮半島に土木関連の日本語が残っている背景がよく分かる。
まだまだ、先は長いドラマであるが、フィクションとノンフィクションが入り交じって当時の満州国境北朝鮮地域の様子が見られておもしろいドラマである。さらに何かあれば、追記することにする。

Source: KCTV, 2015/03/11放送
このドラマの背景はドラマ冒頭のナレーションで以下のように説明されている。
「歴史はいつも、今日だけではなく、明日のためにより必要となる。旺載山(ワンジェサン)、この山の峠には、愛で始まり、愛で前進してきた朝鮮革命の血で染まった地に、民族団結の不変のスローガンが色濃く刻み込まれている。しかし、我々の革命の黎明期に偉大な首領様の民族への大きな愛、大団結路線を高く頂き戦った、国内初の党組織メンバーの名前と曲折が多い闘争は、まだ世に知られていない。知っているか人々よ!厳しい抗日決戦の雪嵐の中で、愛の春の日をもたらした首領様と名もない烈士についての不滅の話を。」
このナレーションからも分かるように、満州にいた金日成が朝鮮に「抗日革命」の「党組織」結成し始めた頃の話ということになっている。
「去る4月25日、英明なる金日成将軍様が抗日遊撃隊を創建した」というポスター。1932年4月25日、「建軍節」である。

Source: KCTV, 2015/03/11放送
この人物がこのドラマの主人公「シム・チョルソン」である。「間島(満州)から金を稼ぐためにやって来た」と自称しているが、本当は金日成が朝鮮半島で抗日革命運動を組織化するために送り込んだ密使である。

Source: KCTV, 2015/03/11放送
中央の人物が「石田君」、まだ第3回までしか見ていないので分からないが、このドラマの悪役の頭目と目される。表向きは朝鮮で馬牧場を経営しているが、抗日革命運動を抹殺するための工作員でもある。左にいるのが「石田君」の妹「花子」である。花子も表向きはお嬢様であるが、兄同様、日本の工作員養成学校を最優秀の成績で卒業した工作員である。右は日本からやって来た朝鮮支配の陰の実力者「松井君」。「松井君」は「花子」を「警備局長」に任命する。

Source: KCTV, 2015/03/11放送
おもしろいのは、日本人の男同士は相手を君付けで呼んでいるが、女は「花子」と呼び捨てにしている点である。今のところ名前が分かる日本人女性は「花子」しか出てきていない。年下だからということで呼び捨てにされているのかもしれない。朝鮮人は「花子」を「花子アガシ(お嬢様)」と、「石田君」の夫人を「オクサマ(奥様)」と呼んでいる。
<追記>第3部で「~さん」と呼ぶ場面もあった。
また、朝鮮人学生同士も「君は(군은)」と呼び合っている場面がある。今の北朝鮮であれば「ドンムは(동무는)」とでも言うべき場面であるが、当時は「君」という言葉が、このように使われていたのかもしれない。日本でも目上の者が目下の者を「君は」と呼ぶことはまだあるが、同輩同士、例えば学生同士で「君は」と呼び合っている場面は見なくなった。
右にいるのが「オクサマ」、真ん中がその子の「セイイチロウ」。「オクサマ」の馬車が暴走していたところを金日成の工作員シム・チョルソンが助けた。

Source: KCTV, 2015/03/11放送
シム・チョルソンは、鉄道工事現場での仕事を得ようと日本人が経営する建設会社の事務所にやってくる。真ん中にいるのが「主任」。後ろの壁には神棚がある。「主任」は、シム・チョルソンが満州からやってきたという理由で雇おうとしない。

Source: KCTV, 2015/03/11放送
シム・チョルソンが困っていると、鉄道工事現場で働く朝鮮人労働者が賃金引き上げなど、労働条件向上を「主任」に要求するためにやってくる。右から2場面の2人目の太った男が労働者の親分。「ヒョンニム(兄貴)」と呼ばれている。腕っ節の強さからボスになったようだ。

Source: KCTV, 2015/03/11放送
彼らはストライキをちらつかせ、「主任」を脅して賃金引き上げを約束させる。また、シム・チョルソンを自分の「くみ(組)」で働かせることも要求し、承認させる。おもしろいのは、多くのシーンで「チョ(組の朝鮮音)」ではなく、「くみ(ぐみ)」と言っている点である。しばらくの間、何を言っているのか分からなかったが、下のシーンを見て理解できた。タンクには「スムンアンぐみ」、「チュンゲぐみ」と書かれている。どうやら、朝鮮人を頭目にした「くみ」がいくつかあり、寝食を共にしながら労働や生活していたようだ。

Source: KCTV, 2015/03/11放送
<追記>第4部では、このように寝食を共にする場所を「はんば(飯場)」と呼んでいる。朝鮮半島に土木関連の日本語が残っている背景がよく分かる。
まだまだ、先は長いドラマであるが、フィクションとノンフィクションが入り交じって当時の満州国境北朝鮮地域の様子が見られておもしろいドラマである。さらに何かあれば、追記することにする。