「敬愛する金正恩元帥様が諸部門事業を現地で指導 2015.2」:銀河水化粧品の香りをチェック、元山の12年制一貫教育施設建設、「8建設局」、「専用機」大公開、傾いた建物?、「科学技術殿堂」建設 (2015年3月11日 「朝鮮中央TV」)
金正恩の経済部門に対する2015年2月の「現地指導」を紹介する「朝鮮記録映画」が11日公開された。

Source: KCTV, 2015/03/11放送
まず、「平壌化粧品工場」の「現地指導」の様子を紹介している。「将軍様」の「現地指導」の様子が記された「標識碑」の前で「将軍様」の遺訓について教示する「元帥様」。「党中央委員会副部長同志」も真剣にメモを取っている(左端)。

Source: KCTV, 2015/03/11放送
「化粧品の質をさらに高め、我々の自民が外国製ではなく、銀河水商標の我々の化粧品を選ぶようにし、さらには、銀河水化粧品が世界市場でも評判になるようにしなければならない」と「元帥様」。

Source: KCTV, 2015/03/11放送
化粧品の香りをチェックする「元帥様」

Source: KCTV, 2015/03/11放送
「元帥様」が香りをチェックした化粧品。何とか「クリーム」と書いてある。手前の白い箱が「ひげそりクリーム」。

Source: KCTV, 2015/03/11放送
工場に付設された労働者用厚生施設「銀河水院」の浴場更衣室に置かれたシャンプーの香りもチェックする「元帥様」。

Source: KCTV, 2015/03/11放送
「どの工場を訪れても、生産実態を尋ねる前に、勤労者の生活条件に気を遣って下さる敬愛する元帥様」とナレーション。シャンプーの香りも「生活条件」の一つなのであろう。シャンプーの香りなど、「党中央委員会副部長同志」の方が敏感だと思うのだが、その後、兄貴に意見を求められたのだろうか。
自社製のシャンプーやリンスが置かれている。

Source: KCTV, 2015/03/11放送
続いて、元山市の「育児院、愛育院、初等学院、中等学院の建設場を現地指導」。

Source: KCTV, 2015/03/11放送
「育児院、愛育院、初等学院、中等学院が一緒に建築されているが、園児のための保育及び教育施設をこのように建設すれば、何の不自由もなく託児所から中学校全課程を終えることができるだろう」と「元帥様」。「12年制義務教育」に合わせた施設のようだ。

Source: KCTV, 2015/03/11放送
「敬愛する最高司令官同志が下された戦闘命令執行日までは、あと65日残った!」とスローガン。この「育児院と愛育院」は、「太陽節」までの完成を目指しているという。

Source: KCTV, 2015/03/11放送
この「現地指導」で興味深いところは、建設に従事する兵士の姿が一切見えないことだ。そう思っていたら、次のようなナレーションがあった。「敬愛する元帥様は、朝鮮人民軍海軍第863軍部隊の戦闘員が新たな命令貫徹のための訓練をしており、会うことができないのはとても残念だと仰り、最高司令官が建設場を視察し、大変喜び、戦闘的挨拶を送ると伝達してくれと依頼された」。「最高司令官同志」が「とても残念」以上に、「戦闘員」たちは記念写真も撮れなかったことに失望したことであろう。「命令貫徹の訓練」と言ってはいるが、何か特別な事情でもあったのだろうか。下で紹介する「未来科学者通り」の建設現場にも兵士はいないが、こちらについては説明がない。
次は「8建設局」の建設者との記念撮影である。「8建設局」ということは、1~7また9以上の「建設局」もあるのかもしれない。こちらは、しっかりと記念撮影をしている。

Source: KCTV, 2015/03/11放送
さて、ここからがこの「朝鮮記録映画」のメインシーンである。少し前の報道から「専用機」という用語をくり返し使うようになったが、今回はそのお披露目と言わんばかりに色々な角度から「専用機」を紹介している。やはり、これに乗ってモスクワまで行くつもりなのかもしれない。
昨日の「朝鮮中央通信」は、「朝鮮とロシア、今年を両国間親善の年と宣布」という記事の中で、「朝鮮民主主義人民共和国とロシア連邦は、双方の合意により、政治、経済をはじめとした様々な分野で両国間の関係を新たな高い段階に発展させるという目的で、朝鮮での祖国解放70周年とロシアでの偉大な祖国戦争勝利70周年を迎える2015年を朝鮮民主主義人民共和国とロシア連邦間の親善の年とすることを決定した」と報じている。「新たな高い段階に発展」は、「元帥様」の訪ロで達成されるということなのだろうか。クリミア問題を発端としたロシアと欧米の対立の機会を失することなく、ロシアへの接近を試み、中ロを天秤に掛けながら米国と対峙するというお爺さんの外交手腕を「元帥様」が再現できるのかどうか。
「専用機」を待つ「元帥様」

Source: KCTV, 2015/03/11放送
タービン音を鳴り響かせながらタクシーする「専用機」

Source: KCTV, 2015/03/11放送
正面左からのカット

Source: KCTV, 2015/03/11放送
「専用機」内部で幹部と打ち合わせ。このシートのテーブルには灰皿が置かれている。

Source: KCTV, 2015/03/11放送
ゴールドのクッションにも人民軍章が入っているところがシブイ。

Source: KCTV, 2015/03/11放送
そして離陸

Source: KCTV, 2015/03/11放送
平壌空港を飛び立つ「専用機」

Source: KCTV, 2015/03/11放送
平壌市上空を飛ぶ「専用機」

Source: KCTV, 2015/03/11放送
飛行中の「専用機」アップ

Source: KCTV, 2015/03/11放送
飛行中のシート。このシートのテーブルには灰皿は置かれていないようだ。

Source: KCTV, 2015/03/11放送
大同江上空を低空で旋回する「専用機」

Source: KCTV, 2015/03/11放送
着陸する「専用機」。ここでもタービンの音をしっかりと聞かせている。

Source: KCTV, 2015/03/11放送
着陸後、タクシー状態の「専用機」。右前方からのカット

Source: KCTV, 2015/03/11放送
着陸後、幹部と話をする「元帥様」。「専用機」は正面からのカット

Source: KCTV, 2015/03/11放送
その後、「元帥様」は「未来科学者通り」建設現場に向かい、「77号棟」内部を視察する。ズームレンズの歪みなのかもしれないが、「77号棟」は傾いているように見えて仕方がない。

Source: KCTV, 2015/03/11放送
最後は、「科学技術殿堂」の建設現場の「現地指導」である。この「記録映画」を見るまで、「科学技術殿堂」なるものが建設中であることは知らなかった。恐らく、どこかで報道はされていたのだろうが、見落としていた。北朝鮮の科学者や技術者が科学技術に関する資料を参照する時、主に「人民大学習堂」の図書館を利用しているようだ。「元帥様」は科学技術を発展させるには同図書館では力不足なので、科学技術専門の資料センターを建設しているのかもしれない。もしかすると、同センターを中心にネットワークを通じて科学技術資料を閲覧できるようなシステム導入も計画されているのかもしれない。ハード面では色々とできるであろうが、ソフト面でどれだけの資料を集めることができるのか。そして、科学技術資料とはいえ、それをどこまで朝鮮人民に公開することができるのか、こうした点が問題となってくるのであろう。
「科学技術殿堂」の側面図

Source: KCTV, 2015/03/11放送

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まず、「平壌化粧品工場」の「現地指導」の様子を紹介している。「将軍様」の「現地指導」の様子が記された「標識碑」の前で「将軍様」の遺訓について教示する「元帥様」。「党中央委員会副部長同志」も真剣にメモを取っている(左端)。

Source: KCTV, 2015/03/11放送
「化粧品の質をさらに高め、我々の自民が外国製ではなく、銀河水商標の我々の化粧品を選ぶようにし、さらには、銀河水化粧品が世界市場でも評判になるようにしなければならない」と「元帥様」。

Source: KCTV, 2015/03/11放送
化粧品の香りをチェックする「元帥様」

Source: KCTV, 2015/03/11放送
「元帥様」が香りをチェックした化粧品。何とか「クリーム」と書いてある。手前の白い箱が「ひげそりクリーム」。

Source: KCTV, 2015/03/11放送
工場に付設された労働者用厚生施設「銀河水院」の浴場更衣室に置かれたシャンプーの香りもチェックする「元帥様」。

Source: KCTV, 2015/03/11放送
「どの工場を訪れても、生産実態を尋ねる前に、勤労者の生活条件に気を遣って下さる敬愛する元帥様」とナレーション。シャンプーの香りも「生活条件」の一つなのであろう。シャンプーの香りなど、「党中央委員会副部長同志」の方が敏感だと思うのだが、その後、兄貴に意見を求められたのだろうか。
自社製のシャンプーやリンスが置かれている。

Source: KCTV, 2015/03/11放送
続いて、元山市の「育児院、愛育院、初等学院、中等学院の建設場を現地指導」。

Source: KCTV, 2015/03/11放送
「育児院、愛育院、初等学院、中等学院が一緒に建築されているが、園児のための保育及び教育施設をこのように建設すれば、何の不自由もなく託児所から中学校全課程を終えることができるだろう」と「元帥様」。「12年制義務教育」に合わせた施設のようだ。

Source: KCTV, 2015/03/11放送
「敬愛する最高司令官同志が下された戦闘命令執行日までは、あと65日残った!」とスローガン。この「育児院と愛育院」は、「太陽節」までの完成を目指しているという。

Source: KCTV, 2015/03/11放送
この「現地指導」で興味深いところは、建設に従事する兵士の姿が一切見えないことだ。そう思っていたら、次のようなナレーションがあった。「敬愛する元帥様は、朝鮮人民軍海軍第863軍部隊の戦闘員が新たな命令貫徹のための訓練をしており、会うことができないのはとても残念だと仰り、最高司令官が建設場を視察し、大変喜び、戦闘的挨拶を送ると伝達してくれと依頼された」。「最高司令官同志」が「とても残念」以上に、「戦闘員」たちは記念写真も撮れなかったことに失望したことであろう。「命令貫徹の訓練」と言ってはいるが、何か特別な事情でもあったのだろうか。下で紹介する「未来科学者通り」の建設現場にも兵士はいないが、こちらについては説明がない。
次は「8建設局」の建設者との記念撮影である。「8建設局」ということは、1~7また9以上の「建設局」もあるのかもしれない。こちらは、しっかりと記念撮影をしている。

Source: KCTV, 2015/03/11放送
さて、ここからがこの「朝鮮記録映画」のメインシーンである。少し前の報道から「専用機」という用語をくり返し使うようになったが、今回はそのお披露目と言わんばかりに色々な角度から「専用機」を紹介している。やはり、これに乗ってモスクワまで行くつもりなのかもしれない。
昨日の「朝鮮中央通信」は、「朝鮮とロシア、今年を両国間親善の年と宣布」という記事の中で、「朝鮮民主主義人民共和国とロシア連邦は、双方の合意により、政治、経済をはじめとした様々な分野で両国間の関係を新たな高い段階に発展させるという目的で、朝鮮での祖国解放70周年とロシアでの偉大な祖国戦争勝利70周年を迎える2015年を朝鮮民主主義人民共和国とロシア連邦間の親善の年とすることを決定した」と報じている。「新たな高い段階に発展」は、「元帥様」の訪ロで達成されるということなのだろうか。クリミア問題を発端としたロシアと欧米の対立の機会を失することなく、ロシアへの接近を試み、中ロを天秤に掛けながら米国と対峙するというお爺さんの外交手腕を「元帥様」が再現できるのかどうか。
「専用機」を待つ「元帥様」

Source: KCTV, 2015/03/11放送
タービン音を鳴り響かせながらタクシーする「専用機」

Source: KCTV, 2015/03/11放送
正面左からのカット

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「専用機」内部で幹部と打ち合わせ。このシートのテーブルには灰皿が置かれている。

Source: KCTV, 2015/03/11放送
ゴールドのクッションにも人民軍章が入っているところがシブイ。

Source: KCTV, 2015/03/11放送
そして離陸

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平壌空港を飛び立つ「専用機」

Source: KCTV, 2015/03/11放送
平壌市上空を飛ぶ「専用機」

Source: KCTV, 2015/03/11放送
飛行中の「専用機」アップ

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飛行中のシート。このシートのテーブルには灰皿は置かれていないようだ。

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大同江上空を低空で旋回する「専用機」

Source: KCTV, 2015/03/11放送
着陸する「専用機」。ここでもタービンの音をしっかりと聞かせている。

Source: KCTV, 2015/03/11放送
着陸後、タクシー状態の「専用機」。右前方からのカット

Source: KCTV, 2015/03/11放送
着陸後、幹部と話をする「元帥様」。「専用機」は正面からのカット

Source: KCTV, 2015/03/11放送
その後、「元帥様」は「未来科学者通り」建設現場に向かい、「77号棟」内部を視察する。ズームレンズの歪みなのかもしれないが、「77号棟」は傾いているように見えて仕方がない。

Source: KCTV, 2015/03/11放送
最後は、「科学技術殿堂」の建設現場の「現地指導」である。この「記録映画」を見るまで、「科学技術殿堂」なるものが建設中であることは知らなかった。恐らく、どこかで報道はされていたのだろうが、見落としていた。北朝鮮の科学者や技術者が科学技術に関する資料を参照する時、主に「人民大学習堂」の図書館を利用しているようだ。「元帥様」は科学技術を発展させるには同図書館では力不足なので、科学技術専門の資料センターを建設しているのかもしれない。もしかすると、同センターを中心にネットワークを通じて科学技術資料を閲覧できるようなシステム導入も計画されているのかもしれない。ハード面では色々とできるであろうが、ソフト面でどれだけの資料を集めることができるのか。そして、科学技術資料とはいえ、それをどこまで朝鮮人民に公開することができるのか、こうした点が問題となってくるのであろう。
「科学技術殿堂」の側面図

Source: KCTV, 2015/03/11放送