<朝鮮映画>「初めての道(旅)」<後編>(2012年2月26日「朝鮮中央TV」)
今日は、「ウリミンジョクキリ」のサーバーが軽く、1時間そこそこで500MBのファイルがダウンロードできた。昨日見た「超行みち」の後編である。タイトルであるが、「超行みち」は考えすぎのようだった。最近、北朝鮮が金正日さんの現地視察を「超強度行軍」としばしば形容しているので、それと結びつけてしまったのだが、「初めての道(旅)」の方が適切かもしれない。後で、前編の方も修正しておく。
http://www.uriminzokkiri.com/php_tmp/download.php?categ1=12&no=8581
さて、「副委員長」は死ななかった。思えば、主人公がここで死んでしまったら、話が終わってしまう。副委員長は、「日帝」の銃弾を10発も受けたということで、それが体調不良の原因のようである。副委員長は、体調不良を押して激務続ける。前編に書かなかったが、元資本家の靴下工場の社長が出てくる。この社長は「人民に柄がある靴下をはかせよ」という副委員長の命を受け、資材・設備不足など困難な状況の中で良い靴下を生産した。副委員長は、それを見て大喜びし、すぐに将軍様(金日成さん)に見せに行くと将軍様の執務室に向かった。この社長の工場の名前は「テソン靴下工場」で、最近の「朝鮮中央TV」の経済ニュースにもしばしば出てくる。
副委員長は、将軍様から「我が国の技術で機関銃を作れ」という新たな命令を受けていた。そして、前編の中である工場で見つけてきた技術も指導力もある労働者を「将軍様の信認」により、銃器工場の社長に任命する。この銃器工場の社長は苦労して試作品を作り上げるが、スプリングに使う金属に質的問題があり、失敗する。スプリングの質的問題、つまりここでまた鉄の問題に話が戻っていく。
さて、ソウルに送った技術者であるが、実は日本人の下で働いたということで解放後にソウルに逃げた友人を連れ戻すためである。その友人は、ソウルで貧しい暮らしをしていた。ソウルの街や人々は一切登場しない。友人は、「将軍様が呼んでいる」という話を聞き、家族と共に北に戻ることを決意する。ちなみに、ソウルにいるこの技術者のフィアンセについては、「もう別の道を歩んでいた」という程度で会うこともなくさらっと流してしまう。
映画には、兵器副局長なる人物が悪役として登場する。この人物は、「ソ連派」のようで、抗日戦線当時はソ連にいたような設定になっている。そして、何でもかんでも「先進国の技術を使え」という主張をして副委員長と衝突する。問題のスプリングについても、「先進国(ソ連?)から輸入する取り決めをした」と銃器工場で自慢げに副委員長に書類を見せる。副委員長は激怒し、その書類をその場で破く。そして「将軍様は、我が国の技術で機関銃を作れと命令しているのに、その心臓部に外国の部品を使うとは何事か」といい、「お前の机の上には解任状が置かれるだろう」と兵器副局長を追い出す。自力更生と金日成さんの権力闘争における「ソ連派」粛正を象徴しているかのようにである。
さて、ソウルから連れ戻した技術者と一度は放棄しかけた製鉄工場の副局長の努力で鉄鋼生産問題が解決し、スプリングもできた。副委員長が試射を行うが、標的のど真ん中を射貫く。どこかで聞いたような話だが、これは少し前の拙記事に書いた金日成さんが北朝鮮で初めて作った機関銃を試射した「史跡」工場の話である。もちろん、映画には金日成さんは出てこない。電話の声だけである。
映画は、金日成さんが温情で新聞広告を出してくれたおかげで、生き別れになっていた息子と副委員長が再会し、そのお礼をするために金日成さんの執務室への階段を上るところで終わる。
で、「初めての道」というのは、自力更生で何でも独自の力でやってみようと「初めての道」を歩むというところから来ているのであろうか。
映画としてはおもしろいと思う。
http://www.uriminzokkiri.com/php_tmp/download.php?categ1=12&no=8581
さて、「副委員長」は死ななかった。思えば、主人公がここで死んでしまったら、話が終わってしまう。副委員長は、「日帝」の銃弾を10発も受けたということで、それが体調不良の原因のようである。副委員長は、体調不良を押して激務続ける。前編に書かなかったが、元資本家の靴下工場の社長が出てくる。この社長は「人民に柄がある靴下をはかせよ」という副委員長の命を受け、資材・設備不足など困難な状況の中で良い靴下を生産した。副委員長は、それを見て大喜びし、すぐに将軍様(金日成さん)に見せに行くと将軍様の執務室に向かった。この社長の工場の名前は「テソン靴下工場」で、最近の「朝鮮中央TV」の経済ニュースにもしばしば出てくる。
副委員長は、将軍様から「我が国の技術で機関銃を作れ」という新たな命令を受けていた。そして、前編の中である工場で見つけてきた技術も指導力もある労働者を「将軍様の信認」により、銃器工場の社長に任命する。この銃器工場の社長は苦労して試作品を作り上げるが、スプリングに使う金属に質的問題があり、失敗する。スプリングの質的問題、つまりここでまた鉄の問題に話が戻っていく。
さて、ソウルに送った技術者であるが、実は日本人の下で働いたということで解放後にソウルに逃げた友人を連れ戻すためである。その友人は、ソウルで貧しい暮らしをしていた。ソウルの街や人々は一切登場しない。友人は、「将軍様が呼んでいる」という話を聞き、家族と共に北に戻ることを決意する。ちなみに、ソウルにいるこの技術者のフィアンセについては、「もう別の道を歩んでいた」という程度で会うこともなくさらっと流してしまう。
映画には、兵器副局長なる人物が悪役として登場する。この人物は、「ソ連派」のようで、抗日戦線当時はソ連にいたような設定になっている。そして、何でもかんでも「先進国の技術を使え」という主張をして副委員長と衝突する。問題のスプリングについても、「先進国(ソ連?)から輸入する取り決めをした」と銃器工場で自慢げに副委員長に書類を見せる。副委員長は激怒し、その書類をその場で破く。そして「将軍様は、我が国の技術で機関銃を作れと命令しているのに、その心臓部に外国の部品を使うとは何事か」といい、「お前の机の上には解任状が置かれるだろう」と兵器副局長を追い出す。自力更生と金日成さんの権力闘争における「ソ連派」粛正を象徴しているかのようにである。
さて、ソウルから連れ戻した技術者と一度は放棄しかけた製鉄工場の副局長の努力で鉄鋼生産問題が解決し、スプリングもできた。副委員長が試射を行うが、標的のど真ん中を射貫く。どこかで聞いたような話だが、これは少し前の拙記事に書いた金日成さんが北朝鮮で初めて作った機関銃を試射した「史跡」工場の話である。もちろん、映画には金日成さんは出てこない。電話の声だけである。
映画は、金日成さんが温情で新聞広告を出してくれたおかげで、生き別れになっていた息子と副委員長が再会し、そのお礼をするために金日成さんの執務室への階段を上るところで終わる。
で、「初めての道」というのは、自力更生で何でも独自の力でやってみようと「初めての道」を歩むというところから来ているのであろうか。
映画としてはおもしろいと思う。