「独島は我が民族の神聖な領土(1) -日本の独島強奪野望-」:「独島」に関する座談会番組 (2015年2月21日 「朝鮮中央TV」)
2月21日付けの『労働新聞』には、金正恩が「島火力打撃及び占領のための演習を組織指導した」という報道がなされている。その前日の20日、「朝鮮中央TV」で「独島は我が民族の神聖な領土(1) -日本の独島強奪野望-」と題する座談会形式の番組が報道された。この番組を生放送で見ていたので、「島火力打撃及び占領」と「独島」の関連が直ぐに頭をよぎったのだが、記事を読むとそれとは関係ないようで、NLL周辺の韓国の島を想定した訓練だったようだ。
<追記>記事を書いていたら、「朝鮮中央TV」でこの訓練に関する「録画報道」があった。「対艦船ロケット」の発射シーンを何枚も見せているところからすると、1週間ほど前に海上から実験的に発射された「対艦船ロケット」が実戦配備されたことを見せたいのだろうか。形などの比較はしていないが、少なくとも2種類の「ロケット」が発射されたようだ。

Source: 『労働新聞』、「조선인민군 최고사령관 김정은동지께서 섬화력타격 및 점령을 위한 연습을 조직지도하시였다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_06_01&iPageType=2
この番組が、再放送か否かは韓国統一部が旧正月休みに入ってしまっているので確認はできないが、映像から判断すると新たに制作された番組のようだ。総連本部ビルの継続使用が事実上可能になり、「拉致問題調査委員会委員長」と同名の人物を「中将」に昇格され、そして「独島」問題を放送することからは、日本に対する何らかのメッセージ性が感じられる。
この番組はシリーズとなっており、第1回では「地理的、歴史的」側面から「独島」の領有権に関する説明がなされた。第2回では、「言語・法律的」側面から説明をするということであるが、それは本日放送される予定である。
本記事は、「独島」の領有権に関する議論を目的とするものではない。北朝鮮が「独島」についてどのように考えており、それをどうしたいのかということを見いだすのがこの記事の目的である。そのため、当該島の名称も括弧を付けて「独島」と記すことにする。
「独島は我が民族の神聖な領土(1) -日本の独島強奪野望-」

Source: KCTV, 2015/02/20放送
司会者は冒頭で「前世紀から今世紀まで、我が国の固有の領土である独島強奪しようとする悪辣な策動が執拗に続いていますね」と述べる。司会者は右側の男性で、「朝鮮中央TV」か『労働新聞』の「解説委員」だったはずである。座談会番組や解説番組にしばしば登場する。

Source: KCTV, 2015/02/20放送
「独島に関する理解をきちんとするために独島の自然地理的環境について」説明をする「金日成総合大学地球環境科学部 教員 副教授 李ホ」。「金日成総合大学」に「地球環境科学部」などという現代的な学部があるのには驚いた。

Source: KCTV, 2015/02/20放送
李副教授は次のように説明をする。
「独島は、よく知られているように我が国の最も東に位置しています。」(赤丸が「独島」)

Source: KCTV, 2015/02/20放送
「独島は陸地(慶尚北道ウルチン郡チュクポン里)から約218Km、鬱陵島からは87.4Km離れています。」

Source: KCTV, 2015/02/20放送
「行政区域としては、慶尚北道ウルロン郡ウルロンウプ、独島里に属しています。」

Source: KCTV, 2015/02/20放送
「独島は、東島と西島をはじめとした、89個の島で構成されています。そのため、独島周辺水域は多島海を彷彿されます」(北朝鮮がこんな映像を撮影できるはずはないので、韓国が撮影した映像を使っているのであろう。)

Source: KCTV, 2015/02/20放送
続けて、「独島」の形について「金日成総合大学指導教員 金日成賞を授与された 教授 博士 金ソンギュ」が説明する。

Source: KCTV, 2015/02/20放送
「独島の形については、海洋地質専門家によって解明されています。独島は、白頭火山と同じ地質時代に何回もの火山噴出により鬱陵島と共にできた火山島です。独島は海底から2000mの高さの独島海山の頂上部分です。独島海山は3つあるのですが、2つは海底に沈んでおり、1つの頂上が海上に出ているのですが、それが一対の島、つまり東島と西島と呼ばれている独島です。」

Source: KCTV, 2015/02/20放送
地理学的な説明をする「金日成総合大学文学大学(部)、研究者 ウォンサ(?) 教授 博士 金ヨンファン」

Source: KCTV, 2015/02/20放送
「独島の地理学的な特徴について特に強調しなければならないことがあります。それは、独島の位置からしても、独島は我々の神聖な領土であるということです。独島から鬱陵島までの距離は87.4Km、つまり47.2マイル程度。一方、日本の隠岐島までは157.5Km、つまり85マイルです。ですから、独島から隠岐島までの距離が鬱陵島までの距離の2倍ほどになるということです。この点からしても我々の水域に位置した島であることは明白です。」(敢えて、「マイル」に換算している点に注目)

Source: KCTV, 2015/02/20放送
「日本がなぜ独島を強奪しようとしているのか」について説明をする「金日成総合大学法律学部講座長 博士 副教授 朴フィチョル」

Source: KCTV, 2015/02/20放送
「(日本は)独島を海外膨張野望を実現するために橋頭堡にしようとしているからです。・・・そして日本本土から隠岐島、独島、鬱陵島、朝鮮北部地域を繋ぐ前戦を設置しました。」

Source: KCTV, 2015/02/20放送
<追記>記事を書いていたら、「朝鮮中央TV」でこの訓練に関する「録画報道」があった。「対艦船ロケット」の発射シーンを何枚も見せているところからすると、1週間ほど前に海上から実験的に発射された「対艦船ロケット」が実戦配備されたことを見せたいのだろうか。形などの比較はしていないが、少なくとも2種類の「ロケット」が発射されたようだ。

Source: 『労働新聞』、「조선인민군 최고사령관 김정은동지께서 섬화력타격 및 점령을 위한 연습을 조직지도하시였다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_06_01&iPageType=2
この番組が、再放送か否かは韓国統一部が旧正月休みに入ってしまっているので確認はできないが、映像から判断すると新たに制作された番組のようだ。総連本部ビルの継続使用が事実上可能になり、「拉致問題調査委員会委員長」と同名の人物を「中将」に昇格され、そして「独島」問題を放送することからは、日本に対する何らかのメッセージ性が感じられる。
この番組はシリーズとなっており、第1回では「地理的、歴史的」側面から「独島」の領有権に関する説明がなされた。第2回では、「言語・法律的」側面から説明をするということであるが、それは本日放送される予定である。
本記事は、「独島」の領有権に関する議論を目的とするものではない。北朝鮮が「独島」についてどのように考えており、それをどうしたいのかということを見いだすのがこの記事の目的である。そのため、当該島の名称も括弧を付けて「独島」と記すことにする。
「独島は我が民族の神聖な領土(1) -日本の独島強奪野望-」

Source: KCTV, 2015/02/20放送
司会者は冒頭で「前世紀から今世紀まで、我が国の固有の領土である独島強奪しようとする悪辣な策動が執拗に続いていますね」と述べる。司会者は右側の男性で、「朝鮮中央TV」か『労働新聞』の「解説委員」だったはずである。座談会番組や解説番組にしばしば登場する。

Source: KCTV, 2015/02/20放送
「独島に関する理解をきちんとするために独島の自然地理的環境について」説明をする「金日成総合大学地球環境科学部 教員 副教授 李ホ」。「金日成総合大学」に「地球環境科学部」などという現代的な学部があるのには驚いた。

Source: KCTV, 2015/02/20放送
李副教授は次のように説明をする。
「独島は、よく知られているように我が国の最も東に位置しています。」(赤丸が「独島」)

Source: KCTV, 2015/02/20放送
「独島は陸地(慶尚北道ウルチン郡チュクポン里)から約218Km、鬱陵島からは87.4Km離れています。」

Source: KCTV, 2015/02/20放送
「行政区域としては、慶尚北道ウルロン郡ウルロンウプ、独島里に属しています。」

Source: KCTV, 2015/02/20放送
「独島は、東島と西島をはじめとした、89個の島で構成されています。そのため、独島周辺水域は多島海を彷彿されます」(北朝鮮がこんな映像を撮影できるはずはないので、韓国が撮影した映像を使っているのであろう。)

Source: KCTV, 2015/02/20放送
続けて、「独島」の形について「金日成総合大学指導教員 金日成賞を授与された 教授 博士 金ソンギュ」が説明する。

Source: KCTV, 2015/02/20放送
「独島の形については、海洋地質専門家によって解明されています。独島は、白頭火山と同じ地質時代に何回もの火山噴出により鬱陵島と共にできた火山島です。独島は海底から2000mの高さの独島海山の頂上部分です。独島海山は3つあるのですが、2つは海底に沈んでおり、1つの頂上が海上に出ているのですが、それが一対の島、つまり東島と西島と呼ばれている独島です。」

Source: KCTV, 2015/02/20放送
地理学的な説明をする「金日成総合大学文学大学(部)、研究者 ウォンサ(?) 教授 博士 金ヨンファン」

Source: KCTV, 2015/02/20放送
「独島の地理学的な特徴について特に強調しなければならないことがあります。それは、独島の位置からしても、独島は我々の神聖な領土であるということです。独島から鬱陵島までの距離は87.4Km、つまり47.2マイル程度。一方、日本の隠岐島までは157.5Km、つまり85マイルです。ですから、独島から隠岐島までの距離が鬱陵島までの距離の2倍ほどになるということです。この点からしても我々の水域に位置した島であることは明白です。」(敢えて、「マイル」に換算している点に注目)

Source: KCTV, 2015/02/20放送
「日本がなぜ独島を強奪しようとしているのか」について説明をする「金日成総合大学法律学部講座長 博士 副教授 朴フィチョル」

Source: KCTV, 2015/02/20放送
「(日本は)独島を海外膨張野望を実現するために橋頭堡にしようとしているからです。・・・そして日本本土から隠岐島、独島、鬱陵島、朝鮮北部地域を繋ぐ前戦を設置しました。」

Source: KCTV, 2015/02/20放送