<朝鮮映画>「初めての道(旅)」<前編>(2012年2月26日「朝鮮中央TV」)
こんな朝鮮映画が掲載された。なお、タイトルの日本語訳は間違っているかもしれないが、映画の内容からして恐らく正しいと思う(後編の記事参照)。
http://www.uriminzokkiri.com/php_tmp/download.php?ptype=movie2&no=8580
この前編のみダウンロードして、鑑賞した。後編は今もダウンロードを試みているが、20KB/S以下の遅さで途中で中断されてしまうであろう。映画のファイルは500MB以上あるのでとてもこの速度では無理だ。私のインターネット環境だと「ウリミンジョクキリ」の動画ファイルは、調子が良ければ150~200KB/Sでダウンロードできる。しかし、今日はなぜかとてつもなく遅い。「キーリゾルブ」訓練の一環として、北朝鮮系サイトにサイバー攻撃を加えているとは思えないが、この遅さではどうにもならない。金正日さんが死去した際には、サーバーへのアクセス集中現象のためか一時的にダウンロードができなくなったり「ウリミンジョクキリ」が開けなくなったことがあったが、今はそういうこともないと思う。
で、後編は未だに見られないのだが、前編を見た。ストーリーは解放直後の製鉄所を巡る話である。何年に制作された映画か分からないが、白黒なので60~70年代であろうか。前編を見た限りでは、「副委員長」なる人が工場労働者と幹部、そして金日成さんの間に入り奮闘する様子が描かれている。「野戦列車」ではないが、列車に乗って移動する場面がとても多く登場するので、金正日さんの「野戦列車」にかぶせて古い映画を今更持ち出したことは容易に想像できる。前編がそこで終わっているので死んだのかどうかは分からなが、「副委員長」は列車の中で倒れてしまう。登場人物には、元資本家やインテリ、そしてソウルの大地主の娘と婚約をした技術者なども出てきておもしろい。これも後編を見ないと分からないのであるが、「副委員長」は、この技術者にソウルに行くことを命じている。解放直後で、38度線を自由に行き来できた時が時代設定であろう。
「日帝」が作った製鉄所をどうするかを巡り映画では議論になる。この製鉄所では、「日帝時代」に朝鮮人が酷使されていて、劣悪な労働環境(工場設備)の中で多くの朝鮮人が死んだ(感電死)ということになっている。解放直後、朝鮮の再建には鉄が必要であった。愛国的な工場労働者は、「決死隊」を組織して「日帝」の劣悪な工場設備をそのまま使いながら鉄鋼生産を続けていた。で、「副委員長」、工場長、技術者、決死隊労働者の間でこの工場をどうするかで議論が起こる。ただし、この時点で、将軍様(この当時は金日成さん)が「副委員長」に工場爆破をする考えを伝えていた。その理由は、労働者のために安全な工場を再建するということもあったが、「日帝」への怨念を晴らすということの方が重要であった。
で、長々とストーリーを書いてきたのであるが、言いたいことは、「将軍様の命令(決定)」の威力である。議論の中では、朝鮮工業復興のためには鉄が必要であること、工場再建(電気炉導入)については技術的に問題があることなど、実に合理的な理由で議論がなされている。しかし、「副委員長」が「将軍様の決定には従わなければならない」というと、一同黙ってしまう。この映画は、「唯一指導体制」が確立された後に制作されたものであるから「将軍様の決定」が全てとなってしまうのであろうが、本当の解放直後はこのような議論は活発に行われいたのであろう。
「人間は誰でも間違いを犯す」という発想がなくなると恐ろしいことになる。前に書いたかもしれないが、CSISの金正恩時代についてのシンポジウム動画の中でVictor Chaさんが「28歳は(アメリカ人だろうが朝鮮人だろうが、若造だから)間違いを犯す」と言っている。金正恩さんについていうのであれば、実に正しい。ただ、もっと一般化すれば、「28歳だろうが50歳だろうが、69歳だろうが間違いを犯す」と言うべきであろう。
後編はまだ15%しかダウンロードできていない。諦めて明日にするか。
<追記:2012/02/28 14:05>
「後編」の記事に書いたが、映画のタイトルを修正した。
http://www.uriminzokkiri.com/php_tmp/download.php?ptype=movie2&no=8580
この前編のみダウンロードして、鑑賞した。後編は今もダウンロードを試みているが、20KB/S以下の遅さで途中で中断されてしまうであろう。映画のファイルは500MB以上あるのでとてもこの速度では無理だ。私のインターネット環境だと「ウリミンジョクキリ」の動画ファイルは、調子が良ければ150~200KB/Sでダウンロードできる。しかし、今日はなぜかとてつもなく遅い。「キーリゾルブ」訓練の一環として、北朝鮮系サイトにサイバー攻撃を加えているとは思えないが、この遅さではどうにもならない。金正日さんが死去した際には、サーバーへのアクセス集中現象のためか一時的にダウンロードができなくなったり「ウリミンジョクキリ」が開けなくなったことがあったが、今はそういうこともないと思う。
で、後編は未だに見られないのだが、前編を見た。ストーリーは解放直後の製鉄所を巡る話である。何年に制作された映画か分からないが、白黒なので60~70年代であろうか。前編を見た限りでは、「副委員長」なる人が工場労働者と幹部、そして金日成さんの間に入り奮闘する様子が描かれている。「野戦列車」ではないが、列車に乗って移動する場面がとても多く登場するので、金正日さんの「野戦列車」にかぶせて古い映画を今更持ち出したことは容易に想像できる。前編がそこで終わっているので死んだのかどうかは分からなが、「副委員長」は列車の中で倒れてしまう。登場人物には、元資本家やインテリ、そしてソウルの大地主の娘と婚約をした技術者なども出てきておもしろい。これも後編を見ないと分からないのであるが、「副委員長」は、この技術者にソウルに行くことを命じている。解放直後で、38度線を自由に行き来できた時が時代設定であろう。
「日帝」が作った製鉄所をどうするかを巡り映画では議論になる。この製鉄所では、「日帝時代」に朝鮮人が酷使されていて、劣悪な労働環境(工場設備)の中で多くの朝鮮人が死んだ(感電死)ということになっている。解放直後、朝鮮の再建には鉄が必要であった。愛国的な工場労働者は、「決死隊」を組織して「日帝」の劣悪な工場設備をそのまま使いながら鉄鋼生産を続けていた。で、「副委員長」、工場長、技術者、決死隊労働者の間でこの工場をどうするかで議論が起こる。ただし、この時点で、将軍様(この当時は金日成さん)が「副委員長」に工場爆破をする考えを伝えていた。その理由は、労働者のために安全な工場を再建するということもあったが、「日帝」への怨念を晴らすということの方が重要であった。
で、長々とストーリーを書いてきたのであるが、言いたいことは、「将軍様の命令(決定)」の威力である。議論の中では、朝鮮工業復興のためには鉄が必要であること、工場再建(電気炉導入)については技術的に問題があることなど、実に合理的な理由で議論がなされている。しかし、「副委員長」が「将軍様の決定には従わなければならない」というと、一同黙ってしまう。この映画は、「唯一指導体制」が確立された後に制作されたものであるから「将軍様の決定」が全てとなってしまうのであろうが、本当の解放直後はこのような議論は活発に行われいたのであろう。
「人間は誰でも間違いを犯す」という発想がなくなると恐ろしいことになる。前に書いたかもしれないが、CSISの金正恩時代についてのシンポジウム動画の中でVictor Chaさんが「28歳は(アメリカ人だろうが朝鮮人だろうが、若造だから)間違いを犯す」と言っている。金正恩さんについていうのであれば、実に正しい。ただ、もっと一般化すれば、「28歳だろうが50歳だろうが、69歳だろうが間違いを犯す」と言うべきであろう。
後編はまだ15%しかダウンロードできていない。諦めて明日にするか。
<追記:2012/02/28 14:05>
「後編」の記事に書いたが、映画のタイトルを修正した。