FC2ブログ

    「敬愛する最高司令官金正恩同志が人民軍隊事業を現地で指導」:感涙を流す金正恩、滑走路に立つ金正恩 (2014年12月6日、「朝鮮中央TV」)

    「朝鮮中央TV」が、金正恩が杖無しで歩行を始めた後の動画を紹介する「朝鮮記録映画」を6日に放映した。このところ、2ヶ月分まとめた「朝鮮記録映画」が多かったが、10月の軍指導を紹介する「朝鮮記録映画」は出してしまったので、11月と12月と1ヶ月分で出すことにしたのかもしれない。

    20141206_kctvasf_014491682.jpg
    Source: KCTV, 2014/12/06放送

    「記録映画」の中では、「朝鮮人民軍2月20日工場現地指導」、「朝鮮人民軍第534軍部隊管下総合食料加工工場現地指導」、「朝鮮人民軍第567軍部隊管下18号水産事業所現地指導」、「朝鮮人民軍航空及び反航空軍第991軍部隊現地指導」、「朝鮮人民軍第572大連合部隊と第630大連合部隊管下部隊の連合協同訓練を組織指導」、「朝鮮人民軍航空及び反航空軍女性追撃機飛行士の飛行訓練指導」を紹介している。

    11月15日以降に『労働新聞』で紹介され、「録画報道」のいくつかは拙ブログでも紹介した。今回の動画を見ると、金正恩の足の状態は明らかに回復している。「2月20日工場視察」(11月15日報道)では、依然として足を引きずっているが、「連合協同訓練組織指導」(11月23日報道)では、多少足を引きずっているものの、歩き方はだいぶ自然になっている。こうしたことからすると、彼の足の問題はやはり外科的な問題であり、それを外科的に対処することで順調に回復したということではないだろうか。一部で内臓疾患説もいわれたが、体型にも顔の丸さ(むくみ?)にも変化は見られないので、内臓疾患によるダイエットという話ではなさそうだ。今は太ってしまったが、スイス留学時代はバスケットボールを盛んにやっていたという話もあるので、体力は十分にあるというこのなのであろう。

    さて、今回の「朝鮮記録映画」の中では、足の回復の様子に加え、「元帥様」の二つの異なる側面を見せている。一つは、人民の「大元帥様へ」の敬慕の念と、自らに対する「忠誠の情」に涙する金正恩である。

    これは、「朝鮮人民軍第567軍部隊管下18号水産事業所現地指導」で労働者の公演を見ていた時の出来事である。

    満足げに笑いながら公演を見る金正恩
    20141206_kctvasf_016135842.jpg
    Source: KCTV, 2014/12/06放送

    同行した幹部が涙を流し出し、ハンカチで目頭を拭く
    20141206_kctvasf_016173212.jpg
    Source: KCTV, 2014/12/06放送

    「一生涯、我々、軍人と人民に魚をたくさん食べさせようと献身の労苦を全て捧げた偉大な大元帥様たちに敬愛する元帥様が作って下さった大漁をご覧に入れたいという切実な心情と、首領様と将軍様への忠誠の情を併せて、元帥様の領導をさらにしっかりとお支えしていく燃える心の大切さを感じられ、目に熱いもので濡らす敬愛する元帥様」というナレーションがあり、ついに「元帥様」も泣き顔になりハンカチを取り出して目頭を拭く。
    20141206_kctvasf_016191967.jpg
    Source: KCTV, 2014/12/06放送

    「元帥様」色々な姿はこれまでも紹介されてきたが、涙を流す姿は初めてかもしれない。あったとすれば、お父さん死去の時であろうが、涙は流していたとしてもハンカチまで出していた記憶はない。ナレーション以外に公演の音声はないので、何が「元帥様」を涙させたのかは分からないが、笑いあり涙ありの非常によく演出された公演だったのであろう。演出したのも労働者なのであろうが、そのうちに平壌の劇団か映画製作所に抜擢されるのかもしれない。

    過去記事にも書いたのかもしれないが、この工場も「第18号」と、思えば意味ありげな数字が使われている。同じ水産加工工場で「1月8日工場」があるので、その名称変更かと思い調べてみたが、所属軍部隊が異なるので別の工場のようだ。

    もう一つの側面は、勇敢な「元帥様」である。勇敢な「元帥様」はこれまでも繰り返し紹介されているので、今回が初めてということはないのが、「女性追撃機飛行訓練」で「追撃機」が爆音を上げて飛び立つ滑走路に立って様子を見ている。耳栓をしているのかどうかは確認できないが、画としてはなかなかカッコイイ。

    20141206_kctvasf_016924232.jpg
    Source: KCTV, 2014/12/06放送

    過去記事で「女性飛行士」の写真を自ら撮影する様子を紹介したが、この動画を見ていると金正恩が同行カメラマンを手招きで呼び、カメラを受け取り自ら撮影するということになっている。

    コメントの投稿

    非公開コメント

    女性追撃機飛行訓練

    お世話になります。

    以前にも女性パイロットの話題が出ましたが、今回の記録映画に登場する旧式のMiG-17(中国製J-5 ?)は実際には迎撃任務に就いているのではなく、中等訓練部隊のように思います。

    というのも、離着陸の際に写る滑走路が真っ黒で、これはタイヤの跡のように思えます。
    つまり、操縦技術の基礎でもある離着陸訓練のみを延々と繰り返しているだけで、実際には迎撃任務に就いていないのではないかと。
    また、その着陸もまだ不慣れなような。

    ところで、この2人の女性飛行士に花輪が送られた理由がいまひとつわかりません。

    それにしても元帥様、寒くて着ぶくれしているだけなのかもしれませんが、また一段と太りましたね。
    また、飛行場でも構わずにタバコを吸うのはアウトです !!(笑)

    Re: 女性追撃機飛行訓練

    コメントありがとうございます。「実際には迎撃任務に就いているのではなく」は、その通りで訓練中なのだと思います。それにもかかわらず、花束を与えた理由は「(最高司令官同志は)彼女たちの飛行訓練の成果を祝賀しました。今日、初めての女性追撃機飛行士が誕生したのは、全国が祝福すべき慶事」とナレーションで言っていますので、この辺りが花束贈呈の理由になるのではないかと思います。また、「女性追撃機飛行士」は花束を贈呈された2名だけのようです。諸外国で女性が戦闘機のパイロットになっているのかは分かりませんが、もしそうではないとすると、「朝鮮女性は凄い」という自慢になるのではないでしょうか。『トップガン』も戦闘機のパイロットは男性だけであったような・・・

    > お世話になります。
    >
    > 以前にも女性パイロットの話題が出ましたが、今回の記録映画に登場する旧式のMiG-17(中国製J-5 ?)は実際には迎撃任務に就いているのではなく、中等訓練部隊のように思います。
    >
    > というのも、離着陸の際に写る滑走路が真っ黒で、これはタイヤの跡のように思えます。
    > つまり、操縦技術の基礎でもある離着陸訓練のみを延々と繰り返しているだけで、実際には迎撃任務に就いていないのではないかと。
    > また、その着陸もまだ不慣れなような。
    >
    > ところで、この2人の女性飛行士に花輪が送られた理由がいまひとつわかりません。
    >
    > それにしても元帥様、寒くて着ぶくれしているだけなのかもしれませんが、また一段と太りましたね。
    > また、飛行場でも構わずにタバコを吸うのはアウトです !!(笑)
    プロフィール

    川口智彦

    Author:川口智彦
    「크는 아바이(成長するオッサン)」

    ブログの基本用語:
    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「政治局員候補」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)、2018年2月11日から「第1副部長同志」とも
    「白頭の血統」=金一族
    「大元帥様達」=「首領様」と「将軍様」
    「女史」=李雪主夫人(2018.07.26より「同志」に)

    우 그림은 충정 담아 아이가 그린 경애하는 김정은원수님이십니다.


    YouTube dprknow

    最新記事
    最新コメント
    最新トラックバック
    月別アーカイブ
    カテゴリ
    Visitors
    検索フォーム
    RSSリンクの表示
    リンク
    QRコード
    QR