北朝鮮女子サッカーアジア大会で金メダル:「朝鮮中央テレビ」長い放送時間、李先生の解説 (2014年10月1日 「朝鮮中央TV」)
「朝鮮中央TV」がいつまでたっても終わらない。どうなっているのかと思いながら見ていたら、23時1分頃、「視聴者の皆さんにお伝えします。今日、第17回アジア競技大会女子サッカー決勝戦で我が国女子サッカーチームが日本チームを破り名誉な優勝を果たしました。しばらく後、0時より中央テレビ放送で我が国の女子サッカーチームが日本チームを破った試合の模様を録画実況でお伝えします」とアナウンスがあった。
番組を中断して繰り返しアナウンスを入れている。

Source: KCTV, 2014/10/01
やはり、北朝鮮にとって「南朝鮮」と日本を連破したのは大変嬉しいことなのであろう。日本時間の10時頃生中継は終わっているので、2時間かけて「録画実況」を編成したということのようだが、非常に早い。
日本との試合の間は、男子サッカーのイラク対北朝鮮「録画実況」を放送していた。
北朝鮮対イラク男子サッカーの「録画実況」

Source: KCTV, 2014/10/01
「元帥様」の「体調不良」があるなか、朝鮮人民にとっては明るいニュースなのであろう。
私が見た「朝鮮中央TV」放送で、0時を超したことはあってもまれ(もしかしたらなかったかも知れない)、しかも超えたとしても10分程度であったはずである。0時からハーフタイムをカットした全試合を録画で放送したとしても、ロスタイムも含めて1時間45分ぐらいになる。2時近くまで「朝鮮中央TV」が放送を続けるということは、私が見た限りでは極めて異例である。
それにしても、今は時間つぶしの番組を片っ端から流している感じである。
<追記>
北朝鮮の解説者は、日本チームを以下のように評価している(より正確な訳は下記<追記2>参照のこと)。
「アジアでも世界でも1位になった日本チームと互角に戦えるというのは、我々のチームも相当強いといえる」
「日本チームは、独特な試合方式がないく、スペインチームを参考にしているようだ。一方、我々のチームは集団力を活かした力を発揮している」
「他国のチームは、日本チームとの試合を恐れているが、我々はそうではない。どちらかというと、日本チームが我々チームとの試合を倦厭しているようだ」
<追記2>
解説は、「教授・博士、李ドンギュ先生」と紹介されている。所属はどこかは分からないが、「教授・博士」と紹介しているので、どこかの大学の体育系の学者なのであろう。李先生は、北朝鮮の女子サッカーについて、次のように解説している。
李:「我が国の女子サッカーは、1980年代に始まりました。我が国は、他国と比べて少し遅く始まったのですが、1980年代に偉大な金正日元帥様のお言葉により、急速な発展の道を歩んできたと言えます。」
「金正日元帥様」はママ。当時ではあるが、現時点では「大元帥様」と言うことが多い。編集を急いだためであろうか。日本の生中継では、「北朝鮮は1980年代から女子サッカーやっているので、歴史は『長い』」というような解説をしていたはずだ。
李:「世界的に見て、女子サッカーがオリンピック種目となり、1996年から正式種目となりました。その時から世界的な関心も高まりましたが、その間、我が国の女子サッカーは世界女子選手権大会をはじめとし、様々な試合に出場してよい成果を上げ、アジアにおける強いチームになったといえます」
李:「我々のチームは、2001年に始まったアジアカップ競技大会で1位になり、2003年と2008年にも連続して1位になりました。このように、3年連続で1位になり、アジアの強豪チームとしての位置を確実なものにしたといえます」
李:「我が国のチームは、青年の時期(19歳未満のリーグ)から日本チームを破って、上がってきたといえます」
李:「現在、日本チームは、2011年に開催された世界女子サッカー選手権大会で1位となり、2012年に開催されたアジアカップ大会でも1位になり、このように客観的な評価は、世界の1位のチーム、アジアの覇権チームという評価を受けているチームです」
李:「しかし、我々のチームは青年チームの試合でも勝ち、2001、2003、2008の競技大会でも、我々は決勝戦で日本チームを破り1位になりました」
李:「このようなことからすると、我々のチームは、事実上、世界1位のチームを破って1位になったので、けっして我が国のチームが弱いチームではなく、世界的にも高く評価される強豪として知られています」
李:「こうして、アジアサッカー連盟では、2008年に我が国の女子チームをアジア最優秀チームとして、そしてチームを率いる金グァンミン監督をアジア最優秀女子監督と評価しました」
李:「ですから、この試合は世界1位のチーム、アジアの覇権チーム同士がぶつかり、アジアの最優秀チームを決め、最強のチームを決める試合であるともいえます。我々のチームとしては、世界1位のチームにこの試合で勝ち、我々のチームもけっして世界的に弱いチームではないということを示すことが出来る重要な試合であるともいえます」
李:「(女子は年齢による区別がないので)事実上の国家代表チームです。オリンピックでも世界選手権大会でも、女子には年齢制限がありません」
李:「日本チームは、世界で1に二なり、アジアでも1位になったことがありますが、試合のやり方を見ると、専門家的な立場からは、自己の固有の試合のやり方、『我々式』といえるような独自のやり方を持っていないチームともいえます。ですから、何回も1位になったスペインのやり方を参考にして、中間地帯でボールをホールドする時間長くし、ボールを奪ったら短いパスで攻撃してくるチームといえるでしょう。」
李:「しかし、我々のチームは、党が明らかにした思想である『速度戦』に科学戦もミックスし、固有の『我々式』の試合のやり方を持っているのですが、それをきちんと貫徹しているのが我々の女子チームだといえます。高い集団力と精神力で日本チームを圧倒し、走力でも日本チームをこれまでの試合で圧倒してきました。日本チームとしては、もっとも相手にしにくいチームであると評価しています」
李:「この試合でも、我々のチームの特徴、高い集団主義に基づいた強い精神力を発揮しながら試合をし、高い走力を活かせば、日本チームの短いパスの動きを十分に制圧することができ、試合の主導権を掴み、競技の成果を達成できると思います」
李:「(北朝鮮チームには)これまでも日本と戦い勝った選手なので、他のアジアチームは日本チームと言えば、世界選手権を保有しているチームなので少したじろぐのですが、我々の選手はそうした心理的な制約は全くありません。むしろ、日本チームが『朝鮮チームとはやりたくないな』という心理が日本の選手に強いといえると思います」
李:「精神力でも、心理的にも我々のチームが日本チームを押さえているといえるでしょう」
サッカーにも「党が明らかにした思想である『速度戦』」が活かされているとは思わなかったが、北朝鮮の速攻によるゴールはみごとだったので、解説者が「速度戦」というのは理解ができる。「録画実況」なので、試合後に録画を見ながら解説しているのか、実況を見ながら解説をしているのかは分からない。10時少し前に試合が終わり、0時からの「録画実況」なので、結果を知った後、録画を見ながら解説をしている可能性は十分にあるが、年号が直ぐに出てこないなど、解説の準備が十分に出来ないまましているような場面もある。
日本の解説者は、北朝鮮が前回のワールドカップのドーピング疑惑により、次回のワールドカップに出場できないということを何回か言っていたが、北朝鮮は「ドーピング疑惑」をどのようにとらえているのであろうか。
ラ・ウンシムの「速度戦」

Source: KCTV, 2014/10/01
そして、見事なゴール

Source: KCTV, 2014/10/01
2点獲得で喜ぶ北朝鮮チーム

Source: KCTV, 2014/10/01
金グァンミン監督

Source: KCTV, 2014/10/01
北朝鮮の応援団

Source: KCTV, 2014/10/01
韓国の応援団「我々の願いは統一」という横断幕を広げて、北朝鮮チームを応援していた。会場のムードは、明らかに日本チームにとっては不利であった。

Source: KCTV, 2014/10/01
番組を中断して繰り返しアナウンスを入れている。

Source: KCTV, 2014/10/01
やはり、北朝鮮にとって「南朝鮮」と日本を連破したのは大変嬉しいことなのであろう。日本時間の10時頃生中継は終わっているので、2時間かけて「録画実況」を編成したということのようだが、非常に早い。
日本との試合の間は、男子サッカーのイラク対北朝鮮「録画実況」を放送していた。
北朝鮮対イラク男子サッカーの「録画実況」

Source: KCTV, 2014/10/01
「元帥様」の「体調不良」があるなか、朝鮮人民にとっては明るいニュースなのであろう。
私が見た「朝鮮中央TV」放送で、0時を超したことはあってもまれ(もしかしたらなかったかも知れない)、しかも超えたとしても10分程度であったはずである。0時からハーフタイムをカットした全試合を録画で放送したとしても、ロスタイムも含めて1時間45分ぐらいになる。2時近くまで「朝鮮中央TV」が放送を続けるということは、私が見た限りでは極めて異例である。
それにしても、今は時間つぶしの番組を片っ端から流している感じである。
<追記>
北朝鮮の解説者は、日本チームを以下のように評価している(より正確な訳は下記<追記2>参照のこと)。
「アジアでも世界でも1位になった日本チームと互角に戦えるというのは、我々のチームも相当強いといえる」
「日本チームは、独特な試合方式がないく、スペインチームを参考にしているようだ。一方、我々のチームは集団力を活かした力を発揮している」
「他国のチームは、日本チームとの試合を恐れているが、我々はそうではない。どちらかというと、日本チームが我々チームとの試合を倦厭しているようだ」
<追記2>
解説は、「教授・博士、李ドンギュ先生」と紹介されている。所属はどこかは分からないが、「教授・博士」と紹介しているので、どこかの大学の体育系の学者なのであろう。李先生は、北朝鮮の女子サッカーについて、次のように解説している。
李:「我が国の女子サッカーは、1980年代に始まりました。我が国は、他国と比べて少し遅く始まったのですが、1980年代に偉大な金正日元帥様のお言葉により、急速な発展の道を歩んできたと言えます。」
「金正日元帥様」はママ。当時ではあるが、現時点では「大元帥様」と言うことが多い。編集を急いだためであろうか。日本の生中継では、「北朝鮮は1980年代から女子サッカーやっているので、歴史は『長い』」というような解説をしていたはずだ。
李:「世界的に見て、女子サッカーがオリンピック種目となり、1996年から正式種目となりました。その時から世界的な関心も高まりましたが、その間、我が国の女子サッカーは世界女子選手権大会をはじめとし、様々な試合に出場してよい成果を上げ、アジアにおける強いチームになったといえます」
李:「我々のチームは、2001年に始まったアジアカップ競技大会で1位になり、2003年と2008年にも連続して1位になりました。このように、3年連続で1位になり、アジアの強豪チームとしての位置を確実なものにしたといえます」
李:「我が国のチームは、青年の時期(19歳未満のリーグ)から日本チームを破って、上がってきたといえます」
李:「現在、日本チームは、2011年に開催された世界女子サッカー選手権大会で1位となり、2012年に開催されたアジアカップ大会でも1位になり、このように客観的な評価は、世界の1位のチーム、アジアの覇権チームという評価を受けているチームです」
李:「しかし、我々のチームは青年チームの試合でも勝ち、2001、2003、2008の競技大会でも、我々は決勝戦で日本チームを破り1位になりました」
李:「このようなことからすると、我々のチームは、事実上、世界1位のチームを破って1位になったので、けっして我が国のチームが弱いチームではなく、世界的にも高く評価される強豪として知られています」
李:「こうして、アジアサッカー連盟では、2008年に我が国の女子チームをアジア最優秀チームとして、そしてチームを率いる金グァンミン監督をアジア最優秀女子監督と評価しました」
李:「ですから、この試合は世界1位のチーム、アジアの覇権チーム同士がぶつかり、アジアの最優秀チームを決め、最強のチームを決める試合であるともいえます。我々のチームとしては、世界1位のチームにこの試合で勝ち、我々のチームもけっして世界的に弱いチームではないということを示すことが出来る重要な試合であるともいえます」
李:「(女子は年齢による区別がないので)事実上の国家代表チームです。オリンピックでも世界選手権大会でも、女子には年齢制限がありません」
李:「日本チームは、世界で1に二なり、アジアでも1位になったことがありますが、試合のやり方を見ると、専門家的な立場からは、自己の固有の試合のやり方、『我々式』といえるような独自のやり方を持っていないチームともいえます。ですから、何回も1位になったスペインのやり方を参考にして、中間地帯でボールをホールドする時間長くし、ボールを奪ったら短いパスで攻撃してくるチームといえるでしょう。」
李:「しかし、我々のチームは、党が明らかにした思想である『速度戦』に科学戦もミックスし、固有の『我々式』の試合のやり方を持っているのですが、それをきちんと貫徹しているのが我々の女子チームだといえます。高い集団力と精神力で日本チームを圧倒し、走力でも日本チームをこれまでの試合で圧倒してきました。日本チームとしては、もっとも相手にしにくいチームであると評価しています」
李:「この試合でも、我々のチームの特徴、高い集団主義に基づいた強い精神力を発揮しながら試合をし、高い走力を活かせば、日本チームの短いパスの動きを十分に制圧することができ、試合の主導権を掴み、競技の成果を達成できると思います」
李:「(北朝鮮チームには)これまでも日本と戦い勝った選手なので、他のアジアチームは日本チームと言えば、世界選手権を保有しているチームなので少したじろぐのですが、我々の選手はそうした心理的な制約は全くありません。むしろ、日本チームが『朝鮮チームとはやりたくないな』という心理が日本の選手に強いといえると思います」
李:「精神力でも、心理的にも我々のチームが日本チームを押さえているといえるでしょう」
サッカーにも「党が明らかにした思想である『速度戦』」が活かされているとは思わなかったが、北朝鮮の速攻によるゴールはみごとだったので、解説者が「速度戦」というのは理解ができる。「録画実況」なので、試合後に録画を見ながら解説しているのか、実況を見ながら解説をしているのかは分からない。10時少し前に試合が終わり、0時からの「録画実況」なので、結果を知った後、録画を見ながら解説をしている可能性は十分にあるが、年号が直ぐに出てこないなど、解説の準備が十分に出来ないまましているような場面もある。
日本の解説者は、北朝鮮が前回のワールドカップのドーピング疑惑により、次回のワールドカップに出場できないということを何回か言っていたが、北朝鮮は「ドーピング疑惑」をどのようにとらえているのであろうか。
ラ・ウンシムの「速度戦」

Source: KCTV, 2014/10/01
そして、見事なゴール

Source: KCTV, 2014/10/01
2点獲得で喜ぶ北朝鮮チーム

Source: KCTV, 2014/10/01
金グァンミン監督

Source: KCTV, 2014/10/01
北朝鮮の応援団

Source: KCTV, 2014/10/01
韓国の応援団「我々の願いは統一」という横断幕を広げて、北朝鮮チームを応援していた。会場のムードは、明らかに日本チームにとっては不利であった。

Source: KCTV, 2014/10/01