「敬愛する金正恩同志がモランボン楽団の新作音楽会を観覧された」、階級章:ソヌ・ヒャンヒ完全復活、「人民は呼ぶ、親近なるその名前」、金正恩の肖像画、李オクファ (2014年9月5日 「朝鮮中央TV」)
今、標記音楽会の「録画実況」を「朝鮮中央TV」が放送しているが、ソヌ・ヒャンヒは完全復活した模様だ。口紅が濃いような気がするが。
<追記>
「新作音楽会」の放送中に短い記事を書いて、放置してしまったのでフォローアップしておく。
「新作音楽会」は、タイトルどおり「元帥様」が観覧したのであるが、「朝鮮中央TV」で紹介された動画では「元帥様」の姿はステージ全体を見せるカットで後ろ姿が小さく出ただけで、正面からの撮影はなかった。もちろんスクリーンには大きく映し出されたが、入退場だけではなく、拍手をするシーンも写らなかった。過去の公演でもこのようなことがあったような気はするが、どういう基準によるのかが興味深いところである。
『労働新聞』に掲載された「新作音楽会」を観覧する金正恩夫妻の写真

Source: 『労働新聞』、「경애하는 김정은동지께서 모란봉악단의 신작음악회를 관람하시였다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2014-09-04-0001&chAction=L
この音楽会のトップは「新しく出た歌」として紹介されている、「人民は呼ぶ、親近なるその名前」である。「新しく出た歌」より、歌詞を紹介しておく。
「人民は呼ぶ、親近なるその名前」

Source: KCTV, 2014/09/06放送
作詞:チャ・ホグン、作曲:ウ・ジョンヒ、編曲:李ミョンナム、歌:金ソルミ、李オクファ、羅ユミ、演奏:モランボン楽団
1.
私の国 銀金の風景
のどかなあちこちで
恩恵にみちたその手が輝き
花咲く夢も多い
楽しく希望に満ちた我々の生活の中に
いつも情深く響く親近なるその名前
慕わしい 慕わしい ああ慕わしい
燃える 燃える 千万の心臓
高く頂き 従いながら呼ぶ
我々の金正恩同志
2.
その音声が横で響き
誰もが心強くなり
英明なるその知恵を持ち
人民は勇敢になる
創造の熱情溢れる 我々の偉勲の中に
進軍の歌として響く親近なるその名前
慕わしい 慕わしい ああ慕わしい
燃える 燃える 千万の心臓
高く頂き 従いながら呼ぶ
我々の金正恩同志

Source: KCTV, 2014/09/06放送
3.
その名前を高々と呼び
奇跡を鳴り響かせる人民
三千里の国土に輝かしい
強国の祝砲が上がる
世界をリードする我々の勝利の中で
栄光の旗を輝かせる親近なるその名前
慕わしい 慕わしい ああ慕わしい
燃える 燃える 千万の心臓
高く頂き 従いながら呼ぶ
我々の金正恩同志
1番の「銀金(ウングム)」で「恩(ウン)」と同音を使うなど、なかなか心憎い歌詞である。また、静止画にあるように、この歌の画面の中では「肖像画」が使われているようである。写真との組み合わせの可能性もあるが、背景の夕焼けは明らかに「絵」である。これが肖像画であるとすると、万寿台創作社が制作した最初の金正恩の肖像画ということになるのではないだろうか。同様の肖像画は、「新作音楽会」のプロジェクターにも映し出されている。

Source: KCTV, 2014/09/06放送
これまでは視覚的に「お爺さん」との類似点が強調されてきたが、この「肖像画」を見ると金正恩そのものである。金正恩カラーを出した「肖像画」を公開したということは、執権から2年半経ち基盤が強化されたからなのであろう。「お爺さん」と「お父さん」は真面目顔での肖像画から笑顔へと変化したが、「元帥様」は最初の作品から笑顔のようだ。また、重苦しい人民服ではなく、白い半袖シャツ姿というのも、彼のフットワークの軽さを象徴しているのかもしれない。次は「金正恩バッジ」だろうが、いつ頃登場するのであろうか。
さて、「新作音楽会」に話題を戻す。番組を見ながら冒頭部分を書いたのだが、1曲目がスタートしたとたんにアップで写ったのが、ソヌ・ヒャンヒによるイントロのソロ演奏であったからだ。

Source: KCTV, 2014/09/06放送
そして、もう一つ注目したいは、李オクファという「功勲俳優」が初めて(多分)歌手として加わり、上で紹介した金正恩称賛曲を多の2名と共に歌ったことだ。「功勲俳優」ということなので、既に他の楽団で活躍していた人なのだろうが、外見はモランボン楽団の歌手らしくない。何がモランボンらしくないかというと、「オバサン」っぽいラーメンパーマの髪型である。丸顔なので、短髪ストレートや刈り上げは似合わないのかもしれないが、それでもである。歌は上手なのかもしれないが、「視覚」路線のモランボン楽団になぜこの人を加え、「元帥様」の歌を歌わせたのであろうか。

Source: KCTV, 2014/09/06放送
「新作音楽会」ということで、放送は短めで50分ほどで終了した。
<追記2>
何人かの方から「階級章」に関するコメントを頂いた。私の方は、「階級章」には全く注目していなかったのだが、特に上記の李オクファの階級は興味深い。

Source: KCTV, 2014/09/06放送
上の写真を見ると、線の間に星が2つある「中佐」の「階級章」のように見える。過去記事に書いたように「団長」のヒョン・ソンウォルは大佐の「階級章」を付けているので、李オクファは上佐(星3つ)を挟んで2つ下の階級のようだ。もし「中佐」だとすると彼女がモランボン楽団の「副団長」の可能性もある。これまではヒョン・ソンウォルのように表に出なかったが、今回、民謡調の曲目が増えたので、こうした曲を上手に歌える経験豊富な李オクファを加えたのかもしれない。
<追記>
「新作音楽会」の放送中に短い記事を書いて、放置してしまったのでフォローアップしておく。
「新作音楽会」は、タイトルどおり「元帥様」が観覧したのであるが、「朝鮮中央TV」で紹介された動画では「元帥様」の姿はステージ全体を見せるカットで後ろ姿が小さく出ただけで、正面からの撮影はなかった。もちろんスクリーンには大きく映し出されたが、入退場だけではなく、拍手をするシーンも写らなかった。過去の公演でもこのようなことがあったような気はするが、どういう基準によるのかが興味深いところである。
『労働新聞』に掲載された「新作音楽会」を観覧する金正恩夫妻の写真

Source: 『労働新聞』、「경애하는 김정은동지께서 모란봉악단의 신작음악회를 관람하시였다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2014-09-04-0001&chAction=L
この音楽会のトップは「新しく出た歌」として紹介されている、「人民は呼ぶ、親近なるその名前」である。「新しく出た歌」より、歌詞を紹介しておく。
「人民は呼ぶ、親近なるその名前」

Source: KCTV, 2014/09/06放送
作詞:チャ・ホグン、作曲:ウ・ジョンヒ、編曲:李ミョンナム、歌:金ソルミ、李オクファ、羅ユミ、演奏:モランボン楽団
1.
私の国 銀金の風景
のどかなあちこちで
恩恵にみちたその手が輝き
花咲く夢も多い
楽しく希望に満ちた我々の生活の中に
いつも情深く響く親近なるその名前
慕わしい 慕わしい ああ慕わしい
燃える 燃える 千万の心臓
高く頂き 従いながら呼ぶ
我々の金正恩同志
2.
その音声が横で響き
誰もが心強くなり
英明なるその知恵を持ち
人民は勇敢になる
創造の熱情溢れる 我々の偉勲の中に
進軍の歌として響く親近なるその名前
慕わしい 慕わしい ああ慕わしい
燃える 燃える 千万の心臓
高く頂き 従いながら呼ぶ
我々の金正恩同志

Source: KCTV, 2014/09/06放送
3.
その名前を高々と呼び
奇跡を鳴り響かせる人民
三千里の国土に輝かしい
強国の祝砲が上がる
世界をリードする我々の勝利の中で
栄光の旗を輝かせる親近なるその名前
慕わしい 慕わしい ああ慕わしい
燃える 燃える 千万の心臓
高く頂き 従いながら呼ぶ
我々の金正恩同志
1番の「銀金(ウングム)」で「恩(ウン)」と同音を使うなど、なかなか心憎い歌詞である。また、静止画にあるように、この歌の画面の中では「肖像画」が使われているようである。写真との組み合わせの可能性もあるが、背景の夕焼けは明らかに「絵」である。これが肖像画であるとすると、万寿台創作社が制作した最初の金正恩の肖像画ということになるのではないだろうか。同様の肖像画は、「新作音楽会」のプロジェクターにも映し出されている。

Source: KCTV, 2014/09/06放送
これまでは視覚的に「お爺さん」との類似点が強調されてきたが、この「肖像画」を見ると金正恩そのものである。金正恩カラーを出した「肖像画」を公開したということは、執権から2年半経ち基盤が強化されたからなのであろう。「お爺さん」と「お父さん」は真面目顔での肖像画から笑顔へと変化したが、「元帥様」は最初の作品から笑顔のようだ。また、重苦しい人民服ではなく、白い半袖シャツ姿というのも、彼のフットワークの軽さを象徴しているのかもしれない。次は「金正恩バッジ」だろうが、いつ頃登場するのであろうか。
さて、「新作音楽会」に話題を戻す。番組を見ながら冒頭部分を書いたのだが、1曲目がスタートしたとたんにアップで写ったのが、ソヌ・ヒャンヒによるイントロのソロ演奏であったからだ。

Source: KCTV, 2014/09/06放送
そして、もう一つ注目したいは、李オクファという「功勲俳優」が初めて(多分)歌手として加わり、上で紹介した金正恩称賛曲を多の2名と共に歌ったことだ。「功勲俳優」ということなので、既に他の楽団で活躍していた人なのだろうが、外見はモランボン楽団の歌手らしくない。何がモランボンらしくないかというと、「オバサン」っぽいラーメンパーマの髪型である。丸顔なので、短髪ストレートや刈り上げは似合わないのかもしれないが、それでもである。歌は上手なのかもしれないが、「視覚」路線のモランボン楽団になぜこの人を加え、「元帥様」の歌を歌わせたのであろうか。

Source: KCTV, 2014/09/06放送
「新作音楽会」ということで、放送は短めで50分ほどで終了した。
<追記2>
何人かの方から「階級章」に関するコメントを頂いた。私の方は、「階級章」には全く注目していなかったのだが、特に上記の李オクファの階級は興味深い。

Source: KCTV, 2014/09/06放送
上の写真を見ると、線の間に星が2つある「中佐」の「階級章」のように見える。過去記事に書いたように「団長」のヒョン・ソンウォルは大佐の「階級章」を付けているので、李オクファは上佐(星3つ)を挟んで2つ下の階級のようだ。もし「中佐」だとすると彼女がモランボン楽団の「副団長」の可能性もある。これまではヒョン・ソンウォルのように表に出なかったが、今回、民謡調の曲目が増えたので、こうした曲を上手に歌える経験豊富な李オクファを加えたのかもしれない。