FC2ブログ

    羅先11:ロシアンレストラン、結婚式とモザイク壁画、銅像建設地、「バッジ」、シャンプーとリンス

    我々は、滞在期間中、一度だけ「ロシアンレストラン」に行った。過去記事でも紹介したように、ロシア・中国に接する羅先は中国ほどではないが、ロシアとの交易もかなりしているようである。きちんと調べたわけではないが、直感的にロシアからは材木などの資材や魚介類(タラバガニなど)を輸入しており、中国からは消費財を輸入しているようである。消費財は中国からの輸入なので、「ジャンマダン」ではロシア製品はほとんど見られなかった。

    「ロシアンレストラン」とはいえ、ロシア料理専門ではなく、ロシア料理も提供するというレストランであった。私も含めて何人かの同行者は、「朝鮮に来てロシア料理なんか食べたくない」と文句を言いガイドを困らせたが、実際にロシア式のマッシュド・ポテトなどが出ると美味しいと食べていた。最後までこだわりキムチとご飯、スープで食事をしていたのは、もちろん友好的日本人民である。

    「ロシアンレストラン」に掲げられたメニューの一例。「本日の新しい料理 焼き松茸、エビサラダ、牛メウンタン(辛いスープ)、焼き鰻、五福スープ」等と書かれている。焼き松茸を食べたかったのだが・・・
    IMGP4307.jpg

    レストランでは朝鮮人民もたくさん食事をしていた。平日の昼間から酒を飲んでいるグループもいた。色々な勤務形態があろうからそれはよいのだが、人民服の前をはだけたり、ズボンをまくり上げる姿など、80年代の韓国でもよく見られた姿である。人民服のボタンを外してシャツを見せるのは、暑い日の「現地視察」で「元帥様」もやっているので問題なしなのだろう。

    食事を終えて少し時間があったので、2階に上がってみた。この辺り、勝手気ままに動き回れるのが、羅先ツアーの良いところでもある。あるレストランでは、2階で行われていた朝鮮人民の結婚式を少しだけ見ることができた。日本では週末に結婚式を挙げることが多いが、北朝鮮では平日、週末問わず結婚式をするということである。ガイド曰く「国家が特別の休日を出してくれるから」とのことであった。我々が見たときは、誰かがカラオケを熱唱していた。このレストランは「太陽像モザイク壁画」の近くにあり、北朝鮮ガイドに「大元帥様にご挨拶してから、結婚式をやるのですね」と言ったら、驚きながら「よくご存じですね」と言っていた。

    我々一同も献花をした「太陽像モザイク壁画」。献花は通過儀礼のようだ。
    IMGP3838.jpg

    「2階に上がる」話からそれてしまうが、「モザイク壁画」と関連し銅像の話を少し書いておく。実は、羅先には「大元帥様」の銅像はまだない。羅先ほどの都市なのに、銅像がないのは意外である。北朝鮮ガイドは「羅先劇場の前に大元帥様の銅像を奉るよう準備中です。これは羅先市民の願いです」と言っていた。

    銅像建設予定地で多くの中年女性が作業をしていた。実態として「動員」なのだろうが、「羅先市民の願いを叶えるためのボランティア」ということになるのであろう。
    IMGP4492.jpg

    この写真からも分かるように、銅像建設地をまず十分に整備してから、「万寿台創作社」が銅像を搬入、建立するというやり方のようだ。銅像がどのような形で運び込まれるかは分からないが、過去にシートで覆われた建設現場の写真をどこかで見たことがある。銅像が建立されれば、必ず「20時報道」で報道されるので、いつできるのか楽しみだ。「元帥様」は、羅先での「現地指導」をしたことがないので、銅像の除幕式に参席するのかもしれない。そうなれば、「羅先市民の願い」が2つまとめて叶うことになる。しかし、これほど外国人(中国人)が多くいる羅先に「元帥様」を招くことは難しいのかもしれない。数日間の国境閉鎖という措置を取るのであろうが、保安上の問題さえなければ、「元帥様」には是非とも羅先LIVEを見ていただきたいものである。

    さて、例によって話がそれたが、「2階」に上がるときれいな「販売員ドンム」がいた。
    IMGP4309.jpg

    この写真は、きれいな「販売員ドンム」を紹介するためではなく、彼女の胸に注目していただきたい。「バッジ」がない。彼女は、北朝鮮方言の朝鮮語を話していたので朝鮮人だと思う。もちろん可能性としては「ロシア系朝鮮人」であったり「中国朝鮮族」であったりすることはあるが、なぜ「バッジ」がないのだろうか。直接質問しようと思ったが、「バッジ」の話はセンシティブな話題だったので、やめておいた。

    「バッジ」の扱いであるが、今回、色々なことを発見した。まず、「金日成・金正日の笑顔が赤旗に描かれている最新型の「バッジ」は、エリートに配られている」という説は、どうやら真実ではないようだ。例えば、北朝鮮ガイドを見ても、先輩ガイドは丸い小さな古いタイプの「金日成バッジ」、若い方は「金日成・金正日の笑顔」が描かれた最新の「バッジ」を着用していた。「成分」の問題かとも思ったが、先輩ガイドは「金日成総合大学卒業」と言っていたので、同大学を卒業できたことからしても「成分」的にはトップクラスであろう。

    また、「バッジ」の管理は相当厳密に行われているという説もあるが、これも疑わしい。というのは、「バッジ」を複数着用している朝鮮人民を何人も見たからだ。
    IMGP4155.jpg

    この人は2つであるが、上着に2つ、その下のシャツに1つと全て違うタイプを3つ着用している人もいた。「バッジ」にはかなり種類があるようで、肖像画の下に金日成のサインが入っているようなタイプもあった。傾向としては、普通の顔で写っているタイプから微笑み顔で写っているタイプに移行しているようである。

    本物か偽物かは分からないが、中国・図們市の土産物屋で売っていた「金日成バッジ」。店の主人は「本物」と言っていた。かなりできはよい。
    IMGP5548.jpg

    さて、もう一度きれいな「販売員ドンム」の写真に戻って欲しい。今度は、背景に注目して欲しい。「ドンム」の右の棚の中断に置いてある細長いものは、最近発売された「平壌で作られたシャンプーとリンス」とのことであった。セットで60元で売っていたが、「ドンム」曰く、「これはジャンマダンでは売っていませんよ」。確かに、「ジャンマダン」では売っていなかったようだ。どうやら、製品の流通ルートにより「ジャンマダン」に流れていくものと、このように「商店」で売られるものと分けられているようだ。ホテルで提供された中国製シャンプーの質があまりよくなかったので、買ってみた。

    IMGP5549.jpg

    製品名は「未来」、「ミョンホチョンホ合作会社」の製品なので、どのみち中国系企業との合弁ではあるが、ホテルで提供されたシャンプーよりも質と香りがよかった。裏面には、成分や効果が朝鮮語と英語で記されている。実は、ホテルのシャンプーの質以外にもこのシャンプーを買った理由がある。過去記事で「元帥様」がリンゴの香りのシャンプーのにおいを嗅いでいる姿を紹介したが、それがこのシャンプーではないかと思ったからである。残念ながら、調べてみると「元帥様」のシャンプーはこのシャンプーではなかったが、香りはといえばこのシャンプーもリンゴの香りである。成分には「天然植物抽出物」と書かれているので、これがリンゴの香りの元なのかもしれない。

    「元帥様」が臭いを嗅ぐ過去記事:http://dprknow.blog.fc2.com/blog-entry-829.html

    コメントの投稿

    非公開コメント

    プロフィール

    川口智彦

    Author:川口智彦
    「크는 아바이(成長するオッサン)」

    ブログの基本用語:
    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「政治局員候補」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)、2018年2月11日から「第1副部長同志」とも
    「白頭の血統」=金一族
    「大元帥様達」=「首領様」と「将軍様」
    「女史」=李雪主夫人(2018.07.26より「同志」に)

    우 그림은 충정 담아 아이가 그린 경애하는 김정은원수님이십니다.


    YouTube dprknow

    最新記事
    最新コメント
    最新トラックバック
    月別アーカイブ
    カテゴリ
    Visitors
    検索フォーム
    RSSリンクの表示
    リンク
    QRコード
    QR