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    羅先1:「苦難の行軍」、柳京ホテル、笑顔の「接受員ドンム」、「朝鮮中央TV」が出迎え、「形から入る韓国人」、市場と朝鮮人民

    今回は、神奈川→名古屋→北京→延吉→羅先という経由地が多い旅であった。延吉に行くには成田(羽田)→ソウル→延吉というルートが最も早いのであるが、8月中頃は韓国人が大量に「長白山(白頭山)観光」に行くのでソウル経由のルートは満席か、そうでなくても料金がとてつもなく高い。成田(羽田)発北京経由でもよかったのだが、手続きの関係で航空券を購入するのが遅れ、私にとって適切な価格で買える航空券は名古屋発しかなかった。このような事情もあり、延吉に至るにも名古屋で前泊、そして北京空港で6時間ほどの待ち時間があるなどとても大変であった。

    空港から柳京ホテルまでタクシーで20分ほどの距離で、メーターで行けば20元ほどである。空港で乗ったタクシーは例によってメーターを使わず40元と言ってきた。交渉する意欲も中国語の実力もないので、言われるままに支払って柳京ホテルに着くも、ホテル前の道が工事中で車が入れず200メートルほど歩く必要があった。そんなこともあり、延吉の柳京ホテルに到着したのは夜7時半頃、かなり疲れていた。ともかく、「苦難の行軍」であった。

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    ともあれ、ホテルに入るとニコニコと微笑むチマチョゴリを着た「接受員ドンム」(フロント係)がおり、疲れも一気に吹き飛んだ。この「接受員ドンム」、最後まで写真を撮らせてもらうのを忘れてしまったが、笑顔が素敵なだけではなく、聡明そうな平壌出身の女性であった。フロントには、この女性の他にも何人かの朝鮮人民が立っていたが、この女性がリーダーのようだった。女性同士では「オンニ」(お姉さん)と呼んでいたが、職責は「班長」なのだと思う。あと、ほとんど表面には出てこないが、早朝、散歩に出かけるときにこの「班長」が中年の朝鮮人民女性とホテル正面の道の工事についてあれこれ話をしている場面に遭遇した。年齢と風貌からすると、この中年女性が「支配人」(社長)だったのであろう。

    「接受員ドンム」の笑顔で元気を得て部屋に入った。柳京ホテルではカードキーが採用されており、部屋の電源を入れるにはカードキーをドア横のスイッチに挿入する必要がある。挿入すると突然、真っ暗な中で聞き慣れた「朝鮮中央TV」の音声が私を歓迎してくれた。なぜテレビだけがONになったのかは謎であるが、これで疲れは完全に吹っ飛んだ。

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    空腹だったので1階のレストランに行くと、公演の真っ最中であった。「接受員ドンム」は「2階の方が静かですよ」と2階のレストランを勧めてくれたが、「歌が聞きたいから」と1階のレストランに入った。ほぼ満席状態であったが、後ろの方のテーブルがいくつか空いていたのでそこに座った。この日の観客の多くは「長白山観光」の韓国人。見るからに「登山」という服装であったが、「普通」の「長白山観光」であれば、Tシャツと半ズボンでも大丈夫である。確かに、長白山(白頭山)の頂上は気温が低いばかりでなく、風が吹いていてとてもTシャツと半ズボンでは厳しいが、麓でいくらか払えば厚いコートを借りることができる。90年代に私が初めて長白山に登ったときは、長い階段を3時間ぐらい掛けて上った記憶があるが、今の長白山観光は、一番楽なコースを選ぶのであれば、車で天池の下まで連れて行ってくれ、10分も歩けば天池を見ることができる。私が80年代に韓国にいた頃もそうであったが、ハイキング程度の山で「焼き肉」パーティーをするだけなのに、あたかも「登山」という出で立ちで来ていた。「形から入る韓国人」というか、古き良き韓国人を見たようで、何となくなつかしかった。

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    (長白山のコートレンタルショップ前、2013年8月撮影)

    レストランには本箱があり、そこに北朝鮮の本が並べられていた。手に取ってみることはしなかったが、金日成の「世紀と共に」が最も上の段にタイトルが書かれた紙と共に丁重に置かれているのが印象的であった。

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    翌朝、ホテル周辺の散歩をした。延吉は延辺朝鮮族自治州の中心都市なので、看板も朝鮮語だけであったり、漢字と朝鮮語が並記されているものが多い。視覚的にも私にとって居心地の良い場所である。

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    市内の川縁で朝市をやっていた。6時台にもかかわらず、かなりの人で賑わっていた。イヌ肉を売る店、松茸や朝鮮人参を売る店、北朝鮮歌謡のVCDやDVDのコピー版を売る店などが出ていた。さすがに延吉だけあって、あちこちで朝鮮語が聞こえてくる。北朝鮮入国前だったので、私はお守りの小さなヒョウタンを買っただけであるが、それを売っていたお爺さんも朝鮮族だった。そんな中、同じ服を着た人々が歩いて来た。よく見ると胸には「バッジ」があった。どんな人たちなのかは分からないが、延吉にある北朝鮮系会社の社員か延辺大学に留学をしている人々ではないだろうか。個人行動が許されていないからなのか、友達同士で買い物に来たのか、はたまたその両方なのかは分からない。

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    No title

    ぱっと見,この液晶SAMSUNGのものにも
    似ていそうな気がしますが,アリランだったの
    でしょうか? なかなか立派なホテルですね.

    ウォッシュレット

    コメントありがとうございます。テレビのメーカーははっきりと覚えていませんが、中国製だったと思います。韓国製のものではっきり記憶しているのは、ウォッシュレットです。メーカーこそ忘れましたが、サムソンだったかもしれません。中国のホテルでウォッシュレットを使ったのは、私は初めてです(高級ホテルには泊まったことがないので)。

    現状、インターネット予約ができないのが残念ですが、お勧めのホテルです。なお、客室でのインターネットはワイアレス、ワイアード共に非常に快適に繋がります。こちらは、中国のネットワークですから、中国基準に準じています。

    「元帥様」には、中国訪問の際、是非とも「現地指導」していただき、「三大革命赤旗」を授与して頂きたいような「模範的単位」です。

    > ぱっと見,この液晶SAMSUNGのものにも
    > 似ていそうな気がしますが,アリランだったの
    > でしょうか? なかなか立派なホテルですね.
    プロフィール

    川口智彦

    Author:川口智彦
    「크는 아바이(成長するオッサン)」

    ブログの基本用語:
    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「政治局員候補」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)、2018年2月11日から「第1副部長同志」とも
    「白頭の血統」=金一族
    「大元帥様達」=「首領様」と「将軍様」
    「女史」=李雪主夫人(2018.07.26より「同志」に)

    우 그림은 충정 담아 아이가 그린 경애하는 김정은원수님이십니다.


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