「米国と南朝鮮当局は全世界が厳しい視線で時代錯誤的な軍事的妄動を注視していることを忘れてはならない、朝鮮民主主義人民共和国国防委員会政治局スポークスマン談話」:「日本侵略軍海軍艦船」も参加 (2014年7月13日 「労働新聞」)
7月12日に「朝鮮中央通信」が報じていた記事の中に「日本侵略軍海軍」という表現があった。日朝交渉が進展している中、なかなかきつい表現をするものだと思ったが、それ以上の追求をしなかった。
『労働新聞』、「미국과 남조선당국은 온 세계가 엄한 시선으로 시대착오적인 군사적망동을 지켜보고있다는것을 잊지 말아야 한다 조선민주주의인민공화국 국방위원회 정책국 대변인담화」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2014-07-13-0013&chAction=L
ところが、ロイターが配信した「日米韓、21日から合同海上訓練」によると、「日本の海上自衛隊と米韓両国の海軍が21、22両日に韓国南方の公海で、合同で海上捜索・救助訓練を行うことが13日分かった。韓国軍関係者が明らかにした」となっている。この記事を書いている時点でのタイムスタンプを見ると「2014年 07月 13日 20:12 JST」となっており、「韓国軍関係者」がいつ明らかにしたのかは分からないが、「朝鮮中央通信」が「スポークスマン談話」を配信してから半日以上経過している。
REUTERS, 「日米韓、21日から合同海上訓練」、http://jp.reuters.com/article/kyodoPoliticsNews/idJP2014071301001723
日本の防衛省や自衛隊が、この事実をどの時点で公開したのかについては、本記事を書くに当たって全く確認していないので、もしかしたら、公開済みなのかもしれない。日本のメディアは、ハワイで行われているリムパックに自衛隊が参加し、米国だけではなく第三国とも一緒に訓練をしていることを「集団的自衛権」との絡みで報じているが、21日からは「米国が仲介する形で人道目的の救助訓練」(ロイター)を米日韓で行うことになる。
『労働新聞』の同記事では「7月22日からは、日本侵略軍の海軍艦船まで引き入れ、済州島近海で連続して大規模な海上合同訓練を強行する」としており、日にちは1日ずれているが、自衛隊が「訓練」に参加することは把握しているようだ。
『産経新聞』によると小野寺防衛大臣は、北朝鮮が31日早朝に開城付近から再び短距離ミサイルを発射したことに対し「韓国に対しての威圧的な発射ではないか」と述べているが、いくつかの理由があるにせよ、北朝鮮が軍事境界線に隣接した開城から過去記事でも紹介した移動式車両に搭載されたと思われる短距離ミサイルを発射したことは、「韓国に対する威圧」であることは確かであるし、米韓合同演習への威圧であることも間違いない。
『産経新聞』、「北ミサイル「韓国への威圧」 小野寺防衛相が見解」、http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140713-00000531-san-pol
その米韓合同演習に「人道目的の救助訓練」であれ、自衛隊艦船が参加していることははっきりと認識しておくべきである。北朝鮮にとっては、米韓合同訓練は「人道目的」どころか「北侵戦争準備」であり、そこに関与する船舶はどの国の船舶であれ「北侵戦争準備」に協力していると解されても不思議ではない。
もちろん、北朝鮮側も日朝交渉に配慮しつつ、「日本侵略軍の海軍艦船」については、上記の記述だけにとどめ、以下の部分では「(米帝が)南朝鮮と日本を掌握し」と日本は「米帝」の「被害者」扱いになっているが、日朝交渉がなければ、「日本反動は、朝鮮半島支配の野望を実現しようと」と書かれていたことであろう。
日本側も、安倍首相の「(ミサイル発射と)拉致問題とは分けて」という彼らしからぬ抑制したコメントからも分かるように、「拉致問題解決」には相当に重きを置いていることが分かる。
北朝鮮と日本のベクトルは全く異なる方向を向いているが、現状、安倍政権の「思惑」と金正恩政権の「思惑」のベクトルが交差点で均衡が取れ、双方が抑制をしているのが現状であろう。
日朝関係、日韓関係、日米関係が「スパゲッティボール」に投げ込まれ、それに日中、韓中、米中の「ミートソース」が欠けられているような状況ではないだろうか。
『労働新聞』、「미국과 남조선당국은 온 세계가 엄한 시선으로 시대착오적인 군사적망동을 지켜보고있다는것을 잊지 말아야 한다 조선민주주의인민공화국 국방위원회 정책국 대변인담화」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2014-07-13-0013&chAction=L
ところが、ロイターが配信した「日米韓、21日から合同海上訓練」によると、「日本の海上自衛隊と米韓両国の海軍が21、22両日に韓国南方の公海で、合同で海上捜索・救助訓練を行うことが13日分かった。韓国軍関係者が明らかにした」となっている。この記事を書いている時点でのタイムスタンプを見ると「2014年 07月 13日 20:12 JST」となっており、「韓国軍関係者」がいつ明らかにしたのかは分からないが、「朝鮮中央通信」が「スポークスマン談話」を配信してから半日以上経過している。
REUTERS, 「日米韓、21日から合同海上訓練」、http://jp.reuters.com/article/kyodoPoliticsNews/idJP2014071301001723
日本の防衛省や自衛隊が、この事実をどの時点で公開したのかについては、本記事を書くに当たって全く確認していないので、もしかしたら、公開済みなのかもしれない。日本のメディアは、ハワイで行われているリムパックに自衛隊が参加し、米国だけではなく第三国とも一緒に訓練をしていることを「集団的自衛権」との絡みで報じているが、21日からは「米国が仲介する形で人道目的の救助訓練」(ロイター)を米日韓で行うことになる。
『労働新聞』の同記事では「7月22日からは、日本侵略軍の海軍艦船まで引き入れ、済州島近海で連続して大規模な海上合同訓練を強行する」としており、日にちは1日ずれているが、自衛隊が「訓練」に参加することは把握しているようだ。
『産経新聞』によると小野寺防衛大臣は、北朝鮮が31日早朝に開城付近から再び短距離ミサイルを発射したことに対し「韓国に対しての威圧的な発射ではないか」と述べているが、いくつかの理由があるにせよ、北朝鮮が軍事境界線に隣接した開城から過去記事でも紹介した移動式車両に搭載されたと思われる短距離ミサイルを発射したことは、「韓国に対する威圧」であることは確かであるし、米韓合同演習への威圧であることも間違いない。
『産経新聞』、「北ミサイル「韓国への威圧」 小野寺防衛相が見解」、http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140713-00000531-san-pol
その米韓合同演習に「人道目的の救助訓練」であれ、自衛隊艦船が参加していることははっきりと認識しておくべきである。北朝鮮にとっては、米韓合同訓練は「人道目的」どころか「北侵戦争準備」であり、そこに関与する船舶はどの国の船舶であれ「北侵戦争準備」に協力していると解されても不思議ではない。
もちろん、北朝鮮側も日朝交渉に配慮しつつ、「日本侵略軍の海軍艦船」については、上記の記述だけにとどめ、以下の部分では「(米帝が)南朝鮮と日本を掌握し」と日本は「米帝」の「被害者」扱いになっているが、日朝交渉がなければ、「日本反動は、朝鮮半島支配の野望を実現しようと」と書かれていたことであろう。
日本側も、安倍首相の「(ミサイル発射と)拉致問題とは分けて」という彼らしからぬ抑制したコメントからも分かるように、「拉致問題解決」には相当に重きを置いていることが分かる。
北朝鮮と日本のベクトルは全く異なる方向を向いているが、現状、安倍政権の「思惑」と金正恩政権の「思惑」のベクトルが交差点で均衡が取れ、双方が抑制をしているのが現状であろう。
日朝関係、日韓関係、日米関係が「スパゲッティボール」に投げ込まれ、それに日中、韓中、米中の「ミートソース」が欠けられているような状況ではないだろうか。