詳細は、映画をきちんと見ながら紹介することにするが、昨日から「朝鮮中央TV」のゴールデンタイムに「朝鮮芸術映画」、「砲声のない戦区」が放送されている。昨日は、雑用に追われてみることができなかったのだが、今夜は何気なく見ていた。これまで、日本が映画の舞台となる映画についてはいくつか拙ブログで紹介したが、この映画は見たことがなかった。途中から見たので、時代背景などについてはよく分からないのだが、今日は金日成の凱旋演説や帝銀事件がその題材とされていた。帝銀事件については、キャノンという米軍将校が行員に毒を盛り、金を奪ったという話になっている。
VOAによると、この映画は「朝鮮芸術映画撮影所ヌンブンリ創作団で多部作芸術映画」として創作されたとのことである。また、この映画製作に先だち金正恩はる「映画革命の火風を力強く吹かせよう」という指示を出していたということなので、この映画が彼の私事に対する初めての結実と言うことになる。
VOA, [뉴스 풍경] 북한 김정은 정권 첫 다부작 영화 '포성 없는 전구' ,http://www.voakorea.com/content/north-korea-new-movie/1938890.html
同記事によると、北朝鮮ではこの映画の予告編を流されていたとのことであるが、少なくとも「朝鮮中央TV」では確認されていないので、他のチャンネルか、そうでなければ映画館での話であろう。
それにしても、日朝交渉が進行しているこの時期に日本を舞台にしたこのような映画を製作、公開したのは単なる偶然なのだろうか。映画をきちんと見ていないので、映画の中で日本や日本人がどのように扱われているかについては分からないが、今日見た部分については悪者は例によって米帝のようだ。
「朝鮮映画」の映像も変わっており、ワイドスクリーンのサイズでの放映となっている。

Source: KCTV, 2014/06/26
「砲声のない戦区」

Source: KCTV, 2014/06/26
この映画の詳細については、追って紹介していくことにする。
お世話になります。
ニンジャが出てくるところが笑えます。
(VOAの画像はニンジャを射殺しているところですよね。)
北朝鮮が持つ日本のイメージが米帝と同レベルです。
それはいいとして、以前からわからなかったのですが、北朝鮮における太平洋戦争終戦時の歴史がよくわかりません。
日本の敗戦のどさくさに金日成の抗日パルチザンが朝鮮の北半分を奪回したものの、南半分は米帝がどさくさに占領してしまった。
だから朝鮮半島は分断されてしまった、というようなカンジなのでしょうか?
だとしたら、スミコが日本に送られたのもわかりますが。
いずれにせよ、北朝鮮が「米帝の兵站基地としての日本」という認識を強く持っていて、これが核兵器開発の要因になっていることがよくわかります。
コメントありがとうございます。1部も見ておらず、2部の途中から最後にかけて見ただけです。よって、忍者が登場することも知りませんでした。日本のイメージもそうですが、堕落した資本主義のダンスクラブなど、過去に紹介した日本を舞台にした映画と同じセットを使っていました。イメージが固定的なのか、セットが固定的なのか分かりませんが、少し変えてほしかったです。
太平洋戦争期前後の話ですが、和田春樹著『北朝鮮現代史』(岩波新書、2012)をご一読されることをおすすめします。
それを前提にかなり大まかに書くと、
北朝鮮版の歴史:金日成は満州と朝鮮半島北部で抗日武装闘争を展開、日本敗戦後に平壌に凱旋(抗日武装闘争の勝利ですから、「祖国奪還」かも)。南朝鮮は米帝とその傀儡李承晩に占領される。統一選挙を実施しようとするが、「米帝」の妨害策動で不可能となる。「南朝鮮傀儡共」が勝手に南だけで選挙をやり、「傀儡国家」を樹立。その後、北半部でも選挙をやり人民共和国の樹立。
乱暴すぎて、和田先生に叱られそうなので、どうぞ上でご紹介した本をお読みください。
スミコについては、第1部を見てから考えてみることにします。
> お世話になります。
>
> ニンジャが出てくるところが笑えます。
> (VOAの画像はニンジャを射殺しているところですよね。)
>
> 北朝鮮が持つ日本のイメージが米帝と同レベルです。
>
> それはいいとして、以前からわからなかったのですが、北朝鮮における太平洋戦争終戦時の歴史がよくわかりません。
>
> 日本の敗戦のどさくさに金日成の抗日パルチザンが朝鮮の北半分を奪回したものの、南半分は米帝がどさくさに占領してしまった。
> だから朝鮮半島は分断されてしまった、というようなカンジなのでしょうか?
>
> だとしたら、スミコが日本に送られたのもわかりますが。
>
> いずれにせよ、北朝鮮が「米帝の兵站基地としての日本」という認識を強く持っていて、これが核兵器開発の要因になっていることがよくわかります。
「ニンジャ」にはそそられます、是非見てみたい!!
元来、日本人にとっての忍者は児雷也のような妖術使いだったのですが、それをリアルな存在に変えたのが赤旗に連載されていた「忍びの者」の映画化で監督はやはり共産党系の山本薩夫です。
当時、蜜月時代だった日朝両党関係からすれば朝鮮映画にも少なからずの影響を与えても不思議ではありません。
そこから起きた空前絶後の忍者ブームの中、忍者がリアルな存在であれば現代版忍者もありうるとしたのが「忍者部隊月光」であり「007は二度死ぬ」での丹波哲郎が率いるところの忍者部隊です。
しかし後者のイメージが強烈過ぎたためか、以後、国内での忍者は活躍の場を失い、例外は水戸黄門の由美かおるくらいでしょうか。
NARUTOにいたっては元の妖術使いに先祖帰りしてしまいました。
しかし国外では依然として根強い支持者をもつ「リアル」忍術、国内でも頑張ってもらいたいところです。
今、1部を見終わったところです。もう3部まで放送されたので、スミコの素性を明かしておきます。
スミコは、抗日パルチザンのスパイです。任務は米軍情報機関が朝鮮・満州にいた旧日本軍軍人から朝鮮半島北部の共産勢力関連の情報を収集し、共産勢力に攻撃を加えられないよう、在日米軍の協力者を装って妨害工作をするということです。スミコは日本名で、本名はリ・ナムフィ(音的には、リナミと聞こえます)と言っています。
パルチザンのスパイですが、関東軍の情報関連の中佐として勤務しています。それだけではなく、関東軍の中でも極右組織「黒竜会」の中心人物の一人でもあります。10代は日本の共産党員、20代で外国語学校に通い、外国語の実力が認められて関東軍の情報将校となったという筋書きです。スミコは、「奈良県マサオカ村で1918年9月3日出生、15歳で日本共産党関西地区連絡員、19歳で日本共産党関西地区副責任者、21歳で日本外国語学院情報学校、同校卒業、22歳で黒竜会情報員として関東軍司令部高等情報館として勤務」となっているので、在日朝鮮人です。
関東軍の中佐(実は、パルチザンのスパイ)李・ナムフィは、日本敗戦で北朝鮮に戻ります。しかし、朝鮮労働党に上に書いたとおり米軍を混乱させるよう命令されます。李・ナムフィは満州でソ連軍に連行される日本軍人の隊列に混ざり込み、問題を引き起こしてソ連軍に逮捕される形で日本に送還されます。
そして、巣鴨刑務所に収監され、米軍に利用されるふりをして米軍のスパイになります(もちろん、朝鮮労働党のミッションを遂行するため)。
こんな話でした。
今日 Youkuにアップロードされている第一部と第二部を見たんですが始まり方が北朝鮮的な感じがしませんでした
更に終わる時の制作に協力した人達の名前のだしかたも北朝鮮風と言うよりかは日本風に見えました
音楽の使い方もこれまでとは異なっておりましたし
見てて面白かったです
今、第2部を見ているところですが、音楽の使い方はこれまでとだいぶ違いますね。日本風の部分もありますし、1部に挿入されていたハミングで歌う曲などは韓国風でした。名前の出し方もそうですが、映画の冒頭で「ヌンポラ創作団」のクレジットを出すところなど、もう米国のコロンビアか角川映画です。その時流れるBGMも「ターミネーター」のような曲ですね。
ストーリーも凝っています。北朝鮮の映画は勧善懲悪の先が見える単純なストーリーが多いのですが、この映画は、なかなかそれが分からないように作られています。
記事の中で論じたいのですが、何とも色々なことがあって、どのようにまとめたら良いのか困るほどです。今夜は3部まで見て寝るつもりです。
> 今日 Youkuにアップロードされている第一部と第二部を見たんですが始まり方が北朝鮮的な感じがしませんでした
> 更に終わる時の制作に協力した人達の名前のだしかたも北朝鮮風と言うよりかは日本風に見えました
> 音楽の使い方もこれまでとは異なっておりましたし
> 見てて面白かったです
コメントありがとうございます。昨夜、やっと「ニンジャ」を見ました。正確には、ニンジャの格好をしたヤクザです。映画の中でこのニンジャは大きな意味を持っていません。むしろ、ヤクザの方に意味があります。少なくとも2部まででは、ヤクザは「反社会的集団」という扱いではなく、「義理人情に厚い人々」という扱いです。しかし、3部で少しこの流れが変わってきます。
ともあれ、ヤクザに忍者の格好をさせたのは、やはり「ニンジャ」が日本を象徴しているということは間違いありません。
まだ映画をごらんになっていないのだと思いますが、「『忍びの者』の映画化で監督はやはり共産党系の山本薩夫です。当時、蜜月時代だった日朝両党関係からすれば朝鮮映画にも少なからずの影響を与えても不思議ではありません。」というのは鋭いご指摘です。ニンジャとは直接関係ないのですが、この映画では日本の共産党も重要な要素になっています。
uriminzokkiriのダウンロードは遅いですが、是非ご覧下さい。
> 「ニンジャ」にはそそられます、是非見てみたい!!
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> 元来、日本人にとっての忍者は児雷也のような妖術使いだったのですが、それをリアルな存在に変えたのが赤旗に連載されていた「忍びの者」の映画化で監督はやはり共産党系の山本薩夫です。
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> 当時、蜜月時代だった日朝両党関係からすれば朝鮮映画にも少なからずの影響を与えても不思議ではありません。
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> そこから起きた空前絶後の忍者ブームの中、忍者がリアルな存在であれば現代版忍者もありうるとしたのが「忍者部隊月光」であり「007は二度死ぬ」での丹波哲郎が率いるところの忍者部隊です。
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> しかし後者のイメージが強烈過ぎたためか、以後、国内での忍者は活躍の場を失い、例外は水戸黄門の由美かおるくらいでしょうか。
> NARUTOにいたっては元の妖術使いに先祖帰りしてしまいました。
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> しかし国外では依然として根強い支持者をもつ「リアル」忍術、国内でも頑張ってもらいたいところです。