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    「第9回全国芸術人大会参加者のためのモランボン楽団祝賀公演開催」:ソヌ・ヒャンヒ格下げか? (2014年5月20日 「朝鮮中央TV」)

    20日付けの『労働新聞』には、既に「祝賀公演」に関する記事が写真とともに掲載されている。「朝鮮中央通信」も14枚の写真とともにこの「祝賀公演」の様子を伝えている。15時9分に放送された「朝鮮中央TV」の「録画報道」では、別の写真も交えながら、公演の様子を伝えた。静止画像報道なので曲を聞くことはできなかったが、大写しになったのは、歌手で人民貢献俳優称号を受けた羅ユミ(未確認ながら)と演壇で「討論」をしたバイオリニストのチャ・ヨンミであった。やはり「第1バイオリン手(バイオリニスト)」には一般的な「ベスト」以上の意味があり、「第1秘書」の「第1」と同様の意味が付与されていたようだ。ソヌ・ヒャンヒについてはいつものポジションで演奏しているようであるが、単独の写真は出なかったばかりか、「元帥様」と団員が握手しているシーンの写真でも比較的離れた位置に立っており、正面写真ではない。

    追って、静止画像を掲載することにするが、どうやら、ソヌ・ヒャンヒは何らかに理由で格下げされたようだ。

    <追記1>
    5月20日「朝鮮中央TV」が放映した「録画報道」で「愛国歌を演奏」とアナウンスしながら見せた静止画。一番左の女性がソヌ・ヒャンヒだと思ったが、どうやらチャ・ヨンミのようだ。
    20140520_kctvasf_000759526.jpg
    Source: KCTV, 2014/05/20放送

    「朝鮮中央通信」が20日付けで配信した「モランボン楽団祝賀公演継続開催」という記事に添付されている3人がクリアに写っている写真を見ると、ソヌ・ヒャンヒはいないようだ。
    no sonu1
    Source: KCNA, 2014/05/21

    また、昨日「録画報道」を見たときは下の写真の右端に立っているのがソヌかと思ったが、どうやら違うようだ。
    20140520_kctvasf_000991419.jpg
    Source: KCTV, 2014/05/20放送

    ソヌ・ヒャンヒは「楽長」どころか、レギュラーメンバーからも外されてしまったのであろう。そう考えると、両江道公演前の平壌公演で彼女がいなかったのも理解できる。それにしても、韓国メディアなどで「粛清された」と書き立てられたメンバーが健在どころか「芸術人大会」の壇上に上がり、書き立てられなかったソヌ・ヒャンヒが格下げというのも実に皮肉な話だ。

    この刈り上げ頭はリュ・ジナだと思うが、金正恩に深々と頭を下げているだけではなく、
    20140520_kctvasf_000976738.jpg
    Source: KCTV, 2014/05/20放送

    李雪主にも何か言っているようだ(右端)。
    20140520_kctvasf_000978774.jpg
    Source: KCTV, 2014/05/20放送

    本公演には、金ヨジョンも同行している。「戦闘飛行術大会」の時もそうであったが、彼女は崔龍海のいる側(左端)に座るようで、「党幹部」であるということの証左なのだろうか。
    20140520_kctvasf_000951113.jpg
    Source: KCTV, 2014/05/20放送

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    非公開コメント

    No title

    第一秘書と同様の意味での第一バイオリンというのは
    若干違和感を覚えます.
    ただ,報道を見ていないので,やはり格下げなのかも
    しれませんね.格下げとしても一応同じ場所にいます
    ので少しは安心です.
    金與正もひな壇にいますが,彼女はモランボン楽団に
    どのような接点があるのかないのかも気になります.

    No title

    いつもお世話になります。

    チャ・ヨンミの楽器について

    元ネタはここです。
    http://plaza.rakuten.co.jp/tsuruwonya/diary/201308010001/
    http://tl.wikipedia.org/wiki/Moranbong_Band

    ビオラはバイオリンの一種でやや低い音を出します。
    電子ビオラはバイオリンと同じ形、大きさなので映像ではほぼ見分けがつきません。
    通常、弦楽三重奏の場合、バイオリン・ヴィオラ・チェロが2:1:1の割合で演奏するのが普通です。
    弦楽4人組の並び順は、この音の違い、つまり向かって右から左へ音が低くなっていく順番なのです。

    それはともかく、この4人の中で一番「地味」(笑)なチャ・ヨンミが賞を貰えた理由がよくわからないのですが、やはり思想とか献身的努力が理由なのでしょうか?
    あるいは、単に作文がうまいだけとか。

    ラ・ユミが貰うのは、あれだけソロを歌っているのだからわかる気がしますけど。

    リュ・ジナは李雪主に泣きついてますね。(写真)

    今回、玄松月はじめモランボン関係者6人が表彰され、うち実演メンバーで賞をもらったのは、リュ・ジナ チャ・ヨンミ2人みたいですが(ラ・ユミは?)、とにかく賞をもらう基準やランク付けの意味が日本人にはイマイチ理解できないですね。

    少なくともソヌ・ヒャンヒが格下げとは思いたくないだけですが、「天才」とはそういう境遇なのかもしれません。

    羅ユミ

    コメントありがとうございます。楽器の区別についての私の知見は、ビオラとバイオリンは似た形の楽器だという程度しかなく、それ以上は知見の範囲外で、何ともお返事をすることが出来ず申し訳ございません。聞き間違いかと思い、チャの発言を報じた『労働新聞』の記事を確認したところ、「バイオリン手」と書いてありましたが、バイオリンが弾ければビオラも弾けるという話なのでしょうか。チャの楽器がビオラだとして、ソヌのバイオリンとの入れ替えがあれば「第一バイオリン手」の完成ですね。

    チャが読んだのは、彼女の作文ではなく、「芸術人大会」の会場にいた「文芸芸術人」か、そうでなければ思想指導イルクンの作品だと思います。「賞」と言われているのが、私のフォロー不足で今一つよく分かりません。私がフォローできているのは羅ユミに対する「共和国功勲俳優」が「大会」後に授与されたことだけです。

    李雪主と握手をしているのは、リュでしたか。誰なんだろうと思っていました。昔の楽団仲間なのでしょうか。

    ソヌの扱いですが、今後、動画でどのように映されるのかが見物ですね。それにしても、あの太い態度はなかなか立派なものです。

    > いつもお世話になります。
    >
    > チャ・ヨンミの楽器について
    >
    > 元ネタはここです。
    > http://plaza.rakuten.co.jp/tsuruwonya/diary/201308010001/
    > http://tl.wikipedia.org/wiki/Moranbong_Band
    >
    > ビオラはバイオリンの一種でやや低い音を出します。
    > 電子ビオラはバイオリンと同じ形、大きさなので映像ではほぼ見分けがつきません。
    > 通常、弦楽三重奏の場合、バイオリン・ヴィオラ・チェロが2:1:1の割合で演奏するのが普通です。
    > 弦楽4人組の並び順は、この音の違い、つまり向かって右から左へ音が低くなっていく順番なのです。
    >
    > それはともかく、この4人の中で一番「地味」(笑)なチャ・ヨンミが賞を貰えた理由がよくわからないのですが、やはり思想とか献身的努力が理由なのでしょうか?
    > あるいは、単に作文がうまいだけとか。
    >
    > ラ・ユミが貰うのは、あれだけソロを歌っているのだからわかる気がしますけど。
    >
    > リュ・ジナは李雪主に泣きついてますね。(写真)
    >
    > 今回、玄松月はじめモランボン関係者6人が表彰され、うち実演メンバーで賞をもらったのは、リュ・ジナ チャ・ヨンミ2人みたいですが(ラ・ユミは?)、とにかく賞をもらう基準やランク付けの意味が日本人にはイマイチ理解できないですね。
    >
    > 少なくともソヌ・ヒャンヒが格下げとは思いたくないだけですが、「天才」とはそういう境遇なのかもしれません。

    金ヨジョン

    コメントありがとうございます。音楽に限らず、北朝鮮では、特に金正恩「第1秘書」登場以降、「第1」を「天下第1強国」、「天下第1名将」などと使っているので、少なからず「第1バイオリン手(の弾き手)」には意味があると思いました。

    金ヨジョンですが、今回のように音楽関連の行事に同行したり、「戦闘飛行術競技大会」に同行したり、軍・党関係なくランダムに同行しているようですね。ただ、いずれも崔龍海の側(飛行大会では金正恩の右、モランボン公演では金正恩の左)に座っている点からすると、やはり報道で使われている言葉通り「党幹部」なのだと思います。何を担当しているのかは謎ですね。

    > 第一秘書と同様の意味での第一バイオリンというのは
    > 若干違和感を覚えます.
    > ただ,報道を見ていないので,やはり格下げなのかも
    > しれませんね.格下げとしても一応同じ場所にいます
    > ので少しは安心です.
    > 金與正もひな壇にいますが,彼女はモランボン楽団に
    > どのような接点があるのかないのかも気になります.

    No title

    お世話になります。

    またまた各方面に様々な憶測が飛び交いそうな怒涛の展開ですね。
    北朝鮮、というより金正恩の論理は我々には到底理解しがたいものがあります。

    先生の憶測のようにソヌ・ヒョンチョルの血筋の者なので今回は「自粛」なのかどうなのかわかりませんが、本当に格下げなら大会そのものに顔を出すこともなかったと思うのですが。

    彼女はモランボン楽団の中で、外の世界、つまり我々に人気のあるアーチストなので、単にそれが気に入らないとか。

    いずれにせよ、モランボン楽団の音楽はかつてのような派手さというか、テンポがなくなってきたのは確かだと思います。
    それが、金正恩の指摘した「やりすぎ」であり、その先導者がソヌ・ヒャンヒだったという考えなのかもしれませんね。
    対するリュ・ジナの態度を見ていると、いかにも「教化所あがり」だという気がします。

    教化

    コメントありがとうございます。やはり、表面には出てこないドロドロとしたものがきっとあるのでしょうね。法治ではあるにせよ、それを超越した人治があるのでよけいに分かりにくいのだと思います。

    「やりすぎ」が金正恩自身の考えなのか、彼が周りにある程度迎合しているのかもよく分かりませんね。

    リュ・ジナやはり「討論」で半泣きになっていたのは、「教化」が効いていたということでしょうか。

    > お世話になります。
    >
    > またまた各方面に様々な憶測が飛び交いそうな怒涛の展開ですね。
    > 北朝鮮、というより金正恩の論理は我々には到底理解しがたいものがあります。
    >
    > 先生の憶測のようにソヌ・ヒョンチョルの血筋の者なので今回は「自粛」なのかどうなのかわかりませんが、本当に格下げなら大会そのものに顔を出すこともなかったと思うのですが。
    >
    > 彼女はモランボン楽団の中で、外の世界、つまり我々に人気のあるアーチストなので、単にそれが気に入らないとか。
    >
    > いずれにせよ、モランボン楽団の音楽はかつてのような派手さというか、テンポがなくなってきたのは確かだと思います。
    > それが、金正恩の指摘した「やりすぎ」であり、その先導者がソヌ・ヒャンヒだったという考えなのかもしれませんね。
    > 対するリュ・ジナの態度を見ていると、いかにも「教化所あがり」だという気がします。
    プロフィール

    川口智彦

    Author:川口智彦
    「크는 아바이(成長するオッサン)」

    ブログの基本用語:
    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「政治局員候補」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)、2018年2月11日から「第1副部長同志」とも
    「白頭の血統」=金一族
    「大元帥様達」=「首領様」と「将軍様」
    「女史」=李雪主夫人(2018.07.26より「同志」に)

    우 그림은 충정 담아 아이가 그린 경애하는 김정은원수님이십니다.


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