「レッド・ドーン」:娯楽なのでよいがメチャクチャ、北朝鮮でなくてもよい (2014年3月24日)
米朝関係というカテゴリーに入れるのも気が引けるが、「レッド・ドーン(Red Dawn)」というアメリカ映画を見た。
http://reddawn-film.com/
子供がDVDを借りたいというので一緒にレンタル屋に行ったら、人共旗と共に「北朝鮮、アメリカ全土占領」というキャッチコピーが書かれたDVDの箱を見つけてピックアップした。てっきり、以前に拙ブログで紹介した「Olympus has Fallen」だと勘違いして借りたのだが、全く別の映画であった。というのも、英語の映画タイトルは日本でカタカナ英語タイトルにして出すときに全く変えられてしまうので、これもそれかと思ったからだ。ちなみに「Olympus has Fallen」は「エンド・オブ・ホワイトハウス」というカタカナ英語のタイトルが付けられているようだ。
「Olympus has Fallen」は、それなりによくできた映画、つまり北朝鮮や韓国の実情にある程度基づいた内容となっていると評した。娯楽映画なので相当に現実離れしているのは当然であるが、それでも許容範囲内の現実離れであった。
ところが、この「レッド・ドーン」は、そのレベルではない。そもそも、映画の流れから行けば、アメリカ全土を占領するのが北朝鮮である必要は全くない。反米的な国、イランであろうがシリアであろうが、ベネズエラであろうがどこでもよい。もっとも、これらの国の中でハイテク兵器を作れるのは北朝鮮ぐらいかもしれないので、北朝鮮でよいのかもしれないが、そのハイテク兵器さえ過去記事で紹介したuriminzokkiriか何かの動画の中で登場したハイテク兵器の類いだ。まあ、この映画がuriminzokkiriに掲載された動画を参照したとしたならば立派なものだが、到底そうは思えない。
北朝鮮軍人も登場するが、敵を率いる大尉は東南アジア系の顔つきだし、例によって彼らが話す朝鮮語は酷いものである。「ドンム」という言葉は有名なようで、一度だけ使われていた。
吹き出しそうになったのは、星条旗の真ん中に朝鮮労働党の党章がデザインされた旗が描かれた装甲車や戦車が登場したことだ。発想が単純というか分かりやすいというか、何とも言い難い。「元帥様」がこの映画を見たかどうかは分からないが、この旗のデザインは気に入るかもしれない。
1984年の「若き勇者たち」という映画を2012年にリメイクしたということらしいが、一つだけ先見の明があったとすれば、北朝鮮軍を支援しているのがロシア軍という点である。日本では3月5日からDVDとブルーレイがリリースされたとのことであるが、2012年には予測も付かなかったウクライナ情勢とタイミングが合い、ロシアが北朝鮮を支援することもあり得るかもと妙に納得する。しかし、2012年に戻って考えれば、中国が支援するとせずロシアとしておいたのがフィクションのフィクションたる所以であるといった方がよいのかもしれない。
雰囲気的には、テレビドラマとしてシリーズものになりそうなのだが。
http://reddawn-film.com/
子供がDVDを借りたいというので一緒にレンタル屋に行ったら、人共旗と共に「北朝鮮、アメリカ全土占領」というキャッチコピーが書かれたDVDの箱を見つけてピックアップした。てっきり、以前に拙ブログで紹介した「Olympus has Fallen」だと勘違いして借りたのだが、全く別の映画であった。というのも、英語の映画タイトルは日本でカタカナ英語タイトルにして出すときに全く変えられてしまうので、これもそれかと思ったからだ。ちなみに「Olympus has Fallen」は「エンド・オブ・ホワイトハウス」というカタカナ英語のタイトルが付けられているようだ。
「Olympus has Fallen」は、それなりによくできた映画、つまり北朝鮮や韓国の実情にある程度基づいた内容となっていると評した。娯楽映画なので相当に現実離れしているのは当然であるが、それでも許容範囲内の現実離れであった。
ところが、この「レッド・ドーン」は、そのレベルではない。そもそも、映画の流れから行けば、アメリカ全土を占領するのが北朝鮮である必要は全くない。反米的な国、イランであろうがシリアであろうが、ベネズエラであろうがどこでもよい。もっとも、これらの国の中でハイテク兵器を作れるのは北朝鮮ぐらいかもしれないので、北朝鮮でよいのかもしれないが、そのハイテク兵器さえ過去記事で紹介したuriminzokkiriか何かの動画の中で登場したハイテク兵器の類いだ。まあ、この映画がuriminzokkiriに掲載された動画を参照したとしたならば立派なものだが、到底そうは思えない。
北朝鮮軍人も登場するが、敵を率いる大尉は東南アジア系の顔つきだし、例によって彼らが話す朝鮮語は酷いものである。「ドンム」という言葉は有名なようで、一度だけ使われていた。
吹き出しそうになったのは、星条旗の真ん中に朝鮮労働党の党章がデザインされた旗が描かれた装甲車や戦車が登場したことだ。発想が単純というか分かりやすいというか、何とも言い難い。「元帥様」がこの映画を見たかどうかは分からないが、この旗のデザインは気に入るかもしれない。
1984年の「若き勇者たち」という映画を2012年にリメイクしたということらしいが、一つだけ先見の明があったとすれば、北朝鮮軍を支援しているのがロシア軍という点である。日本では3月5日からDVDとブルーレイがリリースされたとのことであるが、2012年には予測も付かなかったウクライナ情勢とタイミングが合い、ロシアが北朝鮮を支援することもあり得るかもと妙に納得する。しかし、2012年に戻って考えれば、中国が支援するとせずロシアとしておいたのがフィクションのフィクションたる所以であるといった方がよいのかもしれない。
雰囲気的には、テレビドラマとしてシリーズものになりそうなのだが。