「偉人称賛の宝物庫、世界の自慢(13)」:共同通信元社長が金正恩に双眼鏡 (2012年4月12日 「労働新聞」HP)
『労働新聞』HPに「馬息嶺スキー場」の写真が埋もれていたので、その他にもおもしろい写真はないのかと眺めていた。すると、金正日や金正恩に北朝鮮を訪問した著名人が贈呈したプレゼントを紹介する写真があった。「偉人称賛の宝物庫」という写真集なのだが、過去のものは削除されてしまい現在見られるのは12~14までである。プレゼントは訪問者の国の伝統工芸品や絵画などがほとんどだが、その13集の中に2012年4月に北朝鮮を訪問した山内豊彦共同通信社元社長が金正恩に伝達したとされる双眼鏡が出てくる。
山内共同通信元社長が金正恩に伝達したとされる双眼鏡

Source: 『労働新聞』HP, http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_02&newsID=2014-01-01-0044&chAction=L
解説には、
「敬愛する金正恩同志に日本の共同通信社社長石川聡が2012年4月12日に差し上げた贈り物である。贈り物を意味深い太陽節に際して我が国を訪問した日本の共同通信社前社長山内豊彦が持参し、朝鮮中央通信社を通して差し上げた。贈り物は石川聡社長が東京で最新型ということで購入した双眼鏡である。双眼鏡の長さは17.5cm、幅は14cm、高さは6cmである。」(敬称他、原文ママ)
と書かれている。
「東京で購入した」とされるこの双眼鏡であるが、調べてみるとNIKON製の8X42HG LDCFあるいは10X42HG LDCFのようだ。NIKONのpdf版カタログで調べると、形状が上の写真に最も近く、サイズがほぼ一致している。色は、カタログでは黒色であるが、上の写真はカーキ色っぽく見える。カタログ価格は前者が15万円、後者が16万円である。参照しているカタログは最新版なので、2012年当時は別のモデルがあったかもしれないが、同社のプレスリリースを確認した限りでは、このシリーズが2004年11月に発売されて以来、新製品は出ていないようである。
NIKON双眼鏡カタログ、http://www.nikonvision.co.jp/products/dl/catalogue/Sport_Optics201308.pdf
技術立国の日本なので、伝統工芸品でではなく、一流光学メーカNIKONの双眼鏡をプレゼントする意味は分かるが、当時既に実施されていた対北朝鮮全面禁輸措置との関係で問題はなかったのであろうか。
以上、『労働新聞』HPに掲載されている内容に基づいてこの記事を書いている。その事実関係について共同通信社に問い合わせはしていないので、この点は十分に留意して頂きたい。
ともあれ、「元帥様」はもっと良い双眼鏡をお持ちのようだ。

Source: 『労働新聞』HP、「人民軍部隊の火力打撃訓練を視察される敬愛する最高司令官金正恩同志 2013年10月」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_02&newsID=2013-12-29-0006&chAction=L
山内共同通信元社長が金正恩に伝達したとされる双眼鏡

Source: 『労働新聞』HP, http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_02&newsID=2014-01-01-0044&chAction=L
解説には、
「敬愛する金正恩同志に日本の共同通信社社長石川聡が2012年4月12日に差し上げた贈り物である。贈り物を意味深い太陽節に際して我が国を訪問した日本の共同通信社前社長山内豊彦が持参し、朝鮮中央通信社を通して差し上げた。贈り物は石川聡社長が東京で最新型ということで購入した双眼鏡である。双眼鏡の長さは17.5cm、幅は14cm、高さは6cmである。」(敬称他、原文ママ)
と書かれている。
「東京で購入した」とされるこの双眼鏡であるが、調べてみるとNIKON製の8X42HG LDCFあるいは10X42HG LDCFのようだ。NIKONのpdf版カタログで調べると、形状が上の写真に最も近く、サイズがほぼ一致している。色は、カタログでは黒色であるが、上の写真はカーキ色っぽく見える。カタログ価格は前者が15万円、後者が16万円である。参照しているカタログは最新版なので、2012年当時は別のモデルがあったかもしれないが、同社のプレスリリースを確認した限りでは、このシリーズが2004年11月に発売されて以来、新製品は出ていないようである。
NIKON双眼鏡カタログ、http://www.nikonvision.co.jp/products/dl/catalogue/Sport_Optics201308.pdf
技術立国の日本なので、伝統工芸品でではなく、一流光学メーカNIKONの双眼鏡をプレゼントする意味は分かるが、当時既に実施されていた対北朝鮮全面禁輸措置との関係で問題はなかったのであろうか。
以上、『労働新聞』HPに掲載されている内容に基づいてこの記事を書いている。その事実関係について共同通信社に問い合わせはしていないので、この点は十分に留意して頂きたい。
ともあれ、「元帥様」はもっと良い双眼鏡をお持ちのようだ。

Source: 『労働新聞』HP、「人民軍部隊の火力打撃訓練を視察される敬愛する最高司令官金正恩同志 2013年10月」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_02&newsID=2013-12-29-0006&chAction=L