新しく出た歌3曲「私の祖国の野山に溢れる歌」、「我々はあなたしか知らない」、「革命武力は元帥様の領導だけを受ける」 (2013年12月9日、「朝鮮中央TV」)
張成沢解職関連の記事にも書いた通り、解職報道があった9日の『労働新聞』には、「我々はあなたしか知らない」という歌が掲載されていた。このところ「朝鮮中央TV」をきちんと見ていないのだが、昨日『労働新聞』に掲載された歌の他に、10日(今日)掲載された「革命武力は元帥様の領導だけを受ける」、そして『労働新聞』には未だに掲載されていないようだが、12月4日に『労働新聞』に掲載された表題の歌、「私の祖国の野山に溢れる歌」を皮切りに3曲が相次いで出されたようだ。では、9日に「朝鮮中央TV」で放送された順に曲を紹介していく。
「私の祖国の野山に溢れる歌」作詞:金ヒョンチャン、作曲:李ミョンナム、歌:声楽組、演奏:モランボン楽団

Source: KCTV, 2013/12/09放送
1.
希望に満ちた私の国、祖国の野山に
響き渡る元帥様の歌
人民のために捧げられる愛がありがたくて
心臓から歌う敬慕の歌
歌、歌、敬慕の歌
野山に満ちあふれる歌
ああ、私たちの金正恩元帥様の歌

Source: KCTV, 2013/12/09放送
2.
家々の庭からこの地のはてまで
限りない、元帥様の歌
軍部隊を訪問され、職場を訪問されて行かれる道に
その方のご無事を願う祝願の歌
歌、歌、祝願の歌
野山に満ちあふれる歌
ああ、私たちの金正恩元帥様の歌
「軍部隊を慰問され」の部分で映し出される映像であるが、四角い箱状のものは爆薬が仕掛けられた戦車止めかもしれない。韓国でも板門店に通じる道に形状は違うが爆薬が仕掛けられた戦車止めが何カ所も設置されている。

Source: KCTV, 2013/12/09放送
3.
天下の一番強国を建設してくださる
元帥様を支えるただそれだけの思い
私の国の千万福がその懐にあり
一片丹心、忠誠を尽くす誓いの歌
歌、歌、誓いの歌
野山に満ちあふれる歌
ああ、私たちの金正恩元帥様の歌
金正恩元帥様の歌
ああ・・・
「天下の一番強国を建設してくださる」では、「銀河3-2号ロケット」を打ち上げた管制センターの様子が出る。

Source: KCTV, 2013/12/09放送
エンディングは、指導者(金正恩)を象徴するやはり太陽で終わる。

Source: KCTV, 2013/12/09放送
例によって、音楽的評価はコメントにお願いするとし、曲調は優しい感じである。歌詞からしても「元帥様」の「愛」や「温情」を表す歌なので、このような強調にしているのであろう。背景で使われる「元帥様」が出てくる映像もほとんど微笑みながら人民と接する映像である。今も傍らで放送中の「朝鮮中央TV」を見ているが、この曲からは「新しく出た曲」という紹介は外された。
「我々はあなたしか知らない」作詞:チャ・ホングン、李チソン、作曲:金ウンリョン、ファン・ジンヨン、編曲:合同、合唱:功勲国家合唱団、指揮:チャン・ドンシク

Source: KCTV, 2013/12/09放送
1.
この朝鮮を導いていく力(は)強力だ
人民の運命を体一つに抱き
我々が願う夢と理想
全て花咲かせてくださる方
偉大な金正恩同志
我々はあなたしか知らない
偉大な金正恩同志
あなたに忠実であれ
労働党舎

Source: KCTV, 2013/12/09放送
2.
まぶしいその理想が我々の目標だ
霊将の決心は人民の勝利
その方が指し示すただ一途へ
千万が暴風を打ち砕いて進む
偉大な金正恩同志
我々はあなたしか知らない
偉大な金正恩同志
あなたに忠実であれ

Source: KCTV, 2013/12/09放送
間奏で「党中央を体で死守しよう」のアレンジが使われている。(「人民軍歌」に聞こえたが、複数の方からコメントを頂き、聞き直した。思い込みとは怖いもので、コメントでご指摘いただいたとおり、「党中央を体で死守しよう」の方であった。コメントを頂いた方々には、敬意を示し、感謝申し上げる。)
3.
天地がひっくり返っても逆風が吹いても
我々の心臓にはあなただけある
最後まで生死を共にして
その領導だけを支えていこう
偉大な金正恩同志
我々はあなたしか知らない
偉大な金正恩同志
あなたに忠実であれ
偉大な金正恩同志
我々はあなたしか知らない(この部分は、曲から外して叫ぶように歌っている)
偉大な金正恩同志
あなたに忠実であれ
ああ・・

Source: KCTV, 2013/12/09放送
こちらは、功勲国家合唱団の歌であるが、冒頭で紹介した「私の祖国の野山に溢れる歌」と全く異なる元気のいい行進曲である。歌詞はひたすら金正恩に忠実であれという内容であるが、「我々はあなたしか知らない」というタイトルからして、金正日賞賛歌である「あなたがいなければ祖国はない」に繋がる。曲調や音階もそう思って聞くと何となく関連づけられているように聞こえるが、この辺りについてはコメントに任せたい。「全て咲かせてくださる方」、「千万が暴風を打ち砕いて進む」、「天地がひっくり返っても逆風が吹いても」なども「あなたがいなければ・・・」と意味的に類似している。
今日の『労働新聞』に掲載された「革命武力は元帥様の領導だけを受ける」は、昨日流れなかったので、今日の放送から追って紹介することにする。
それにしても、このタイミングで金正恩賞賛ソング3曲を連続で出してきたのはなぜだろうか(過去記事で紹介した12月4日の「私たちの元帥様」も含めれば4曲)。金正恩の温情(「私の祖国の野山に溢れる歌」)、人民大衆の金正恩支持(「我々はあなたしか知らない」)、そしてまだ紹介していないが朝鮮人民軍の金正恩擁護(「革命武力は元帥様の領導だけ受ける」)をセットで出してきたのは、「張成沢一味」も動きが金正恩体制にとって相当に危ういものであったので、3曲セットの歌を流布することで金正恩に対する忠誠心を高めようとしているのかもしれない。「銀河水楽団」がどうなったのかは依然として不明であるが、張成沢事件と無理矢理関連づけるなら、張成沢勢力が同楽団に浸透したということなのかもしれない。
<追記>
3曲目の「革命武力は元帥様の領導だけを受ける」を紹介しておく。

Source: KCTV, 2013/12/10放送
作詞:チャ・ホング、李チソン、作曲:雪テソン、ハム・ヒョク、編曲:合同、合唱:功勲国家合唱団
1.
誰だ、白頭の大業を達成される方は
その方は金正恩同志
我々の最高司令官
その方の愛は我々の愛
その方の憎悪は我々の憎悪
白頭の革命武力は元帥様だけに従う
白頭の革命武力はその領導だけ受ける
「その方は金正恩同志」

Source: KCTV, 2013/12/10放送
「白頭の革命武力はその領導だけを受ける」

Source: KCTV, 2013/12/10放送
2.
信じる、死んでも離れることができない永世の懐を
我々は金正恩同志
その方と一つの心臓だ
その方の情は我々の血と肉
その方の信用は我々の命
白頭の革命武力は元帥様だけに従う
白頭の革命武力はその領導だけ受ける
間奏。ここで金正日称賛ソングである「あなたがいなければ祖国もない」のアレンジが流れる。昨日紹介した「我々はあなたしか知らない」もそうであるが、相当に金正日を意識している。時期的に金正日の命日が近いから父親に対する忠誠心を強調し、彼とイメージを重複させようとしているのか、時期とは関係なくお爺さん(金日成)のイメージ踏襲路線からお父さん(金正日)のイメージ踏襲路線に切り替えたのか、もう少し様子を見なければ分からない。
「信じる、死んでも離れることができない永世の懐を」という歌詞の背景で使われている映像も「あなたがいなければ祖国はない」の冒頭で使われた海と太陽という非常に類似した映像を意識的に使っているようである。「永世の懐」が金日成なのか金正日なのか、「誰だ、白頭の大業を達成する方は」に合わせて映し出される冒頭の映像では両名の「太陽旗(金日成、金正日の肖像画が描かれた赤旗)」が出てくるので、形式的には両名であるが、やはり金正日をより強く意識しているのではないだろうか。

Source: KCTV, 2013/12/10放送
3.
叫ぶ、変心を知らない革命の銃隊
偉大な金正恩同志
死守する赤い剣だ
その方の決心は我々の目標
その方の命令は我々の勝利
白頭の革命武力は元帥様だけに従う
白頭の革命武力はその領導だけ受ける
その方の領導だけ受ける
「白頭の革命武力は元帥様だけに従う」この軍人、なかなかのスターである。小型の人民軍海軍(多分)ボートから魚雷発射命令をするシーンであるが、北朝鮮が制作する勇ましい歌の背景や軍事関連の番組の映像としてしばしば使われる。劇映画の一シーンなのか軍事訓練の記録映画なのがのシーンなのかは不明であるが。

Source: KCTV, 2013/12/10放送
この曲は、上記のとおり勇ましい曲であるはあるが、軍歌ではない。モランボンは演奏に参加していないが、ドラムやベースの使い方などはモランボン的で、特に3番の冒頭でベースを「ビョーン」という感じで挿入する部分などは功勲国家合唱団が今までに使わなかった手法ではないだろうか。「銀河水楽団」ならばできたのかもしれないが、「銀河水楽団」の一部メンバーを「モランボン楽団」にその奏法と共に合流させた可能性もありそうだ。
歌詞であるが1番の「その方の憎悪は我々の憎悪」辺りも意味深そうだ。通常であれば「憎悪」の対象は「米帝」あるいは「南朝鮮傀儡一味」であるわけだが、この時期の「憎悪」は「張成沢一味」に集中しているはずである。また、3番の「叫ぶ、変心を知らない革命の銃隊」も「変心」を「張成沢一味」にかぶせ、彼らの反革命行為から革命の司令部(金正恩)を「決死擁護」することを謳わせているのであろう。ま、「張成沢一味」は「偶然分子」なので、「変心」したのではなく元々悪人であったという説明ではあるのだが。
ともかく、12月上旬に連続して出されたこれらの曲は、決して今回の張成沢事件と無関係ではないことは明らかなようだ。
「私の祖国の野山に溢れる歌」作詞:金ヒョンチャン、作曲:李ミョンナム、歌:声楽組、演奏:モランボン楽団

Source: KCTV, 2013/12/09放送
1.
希望に満ちた私の国、祖国の野山に
響き渡る元帥様の歌
人民のために捧げられる愛がありがたくて
心臓から歌う敬慕の歌
歌、歌、敬慕の歌
野山に満ちあふれる歌
ああ、私たちの金正恩元帥様の歌

Source: KCTV, 2013/12/09放送
2.
家々の庭からこの地のはてまで
限りない、元帥様の歌
軍部隊を訪問され、職場を訪問されて行かれる道に
その方のご無事を願う祝願の歌
歌、歌、祝願の歌
野山に満ちあふれる歌
ああ、私たちの金正恩元帥様の歌
「軍部隊を慰問され」の部分で映し出される映像であるが、四角い箱状のものは爆薬が仕掛けられた戦車止めかもしれない。韓国でも板門店に通じる道に形状は違うが爆薬が仕掛けられた戦車止めが何カ所も設置されている。

Source: KCTV, 2013/12/09放送
3.
天下の一番強国を建設してくださる
元帥様を支えるただそれだけの思い
私の国の千万福がその懐にあり
一片丹心、忠誠を尽くす誓いの歌
歌、歌、誓いの歌
野山に満ちあふれる歌
ああ、私たちの金正恩元帥様の歌
金正恩元帥様の歌
ああ・・・
「天下の一番強国を建設してくださる」では、「銀河3-2号ロケット」を打ち上げた管制センターの様子が出る。

Source: KCTV, 2013/12/09放送
エンディングは、指導者(金正恩)を象徴するやはり太陽で終わる。

Source: KCTV, 2013/12/09放送
例によって、音楽的評価はコメントにお願いするとし、曲調は優しい感じである。歌詞からしても「元帥様」の「愛」や「温情」を表す歌なので、このような強調にしているのであろう。背景で使われる「元帥様」が出てくる映像もほとんど微笑みながら人民と接する映像である。今も傍らで放送中の「朝鮮中央TV」を見ているが、この曲からは「新しく出た曲」という紹介は外された。
「我々はあなたしか知らない」作詞:チャ・ホングン、李チソン、作曲:金ウンリョン、ファン・ジンヨン、編曲:合同、合唱:功勲国家合唱団、指揮:チャン・ドンシク

Source: KCTV, 2013/12/09放送
1.
この朝鮮を導いていく力(は)強力だ
人民の運命を体一つに抱き
我々が願う夢と理想
全て花咲かせてくださる方
偉大な金正恩同志
我々はあなたしか知らない
偉大な金正恩同志
あなたに忠実であれ
労働党舎

Source: KCTV, 2013/12/09放送
2.
まぶしいその理想が我々の目標だ
霊将の決心は人民の勝利
その方が指し示すただ一途へ
千万が暴風を打ち砕いて進む
偉大な金正恩同志
我々はあなたしか知らない
偉大な金正恩同志
あなたに忠実であれ

Source: KCTV, 2013/12/09放送
間奏で「党中央を体で死守しよう」のアレンジが使われている。(「人民軍歌」に聞こえたが、複数の方からコメントを頂き、聞き直した。思い込みとは怖いもので、コメントでご指摘いただいたとおり、「党中央を体で死守しよう」の方であった。コメントを頂いた方々には、敬意を示し、感謝申し上げる。)
3.
天地がひっくり返っても逆風が吹いても
我々の心臓にはあなただけある
最後まで生死を共にして
その領導だけを支えていこう
偉大な金正恩同志
我々はあなたしか知らない
偉大な金正恩同志
あなたに忠実であれ
偉大な金正恩同志
我々はあなたしか知らない(この部分は、曲から外して叫ぶように歌っている)
偉大な金正恩同志
あなたに忠実であれ
ああ・・

Source: KCTV, 2013/12/09放送
こちらは、功勲国家合唱団の歌であるが、冒頭で紹介した「私の祖国の野山に溢れる歌」と全く異なる元気のいい行進曲である。歌詞はひたすら金正恩に忠実であれという内容であるが、「我々はあなたしか知らない」というタイトルからして、金正日賞賛歌である「あなたがいなければ祖国はない」に繋がる。曲調や音階もそう思って聞くと何となく関連づけられているように聞こえるが、この辺りについてはコメントに任せたい。「全て咲かせてくださる方」、「千万が暴風を打ち砕いて進む」、「天地がひっくり返っても逆風が吹いても」なども「あなたがいなければ・・・」と意味的に類似している。
今日の『労働新聞』に掲載された「革命武力は元帥様の領導だけを受ける」は、昨日流れなかったので、今日の放送から追って紹介することにする。
それにしても、このタイミングで金正恩賞賛ソング3曲を連続で出してきたのはなぜだろうか(過去記事で紹介した12月4日の「私たちの元帥様」も含めれば4曲)。金正恩の温情(「私の祖国の野山に溢れる歌」)、人民大衆の金正恩支持(「我々はあなたしか知らない」)、そしてまだ紹介していないが朝鮮人民軍の金正恩擁護(「革命武力は元帥様の領導だけ受ける」)をセットで出してきたのは、「張成沢一味」も動きが金正恩体制にとって相当に危ういものであったので、3曲セットの歌を流布することで金正恩に対する忠誠心を高めようとしているのかもしれない。「銀河水楽団」がどうなったのかは依然として不明であるが、張成沢事件と無理矢理関連づけるなら、張成沢勢力が同楽団に浸透したということなのかもしれない。
<追記>
3曲目の「革命武力は元帥様の領導だけを受ける」を紹介しておく。

Source: KCTV, 2013/12/10放送
作詞:チャ・ホング、李チソン、作曲:雪テソン、ハム・ヒョク、編曲:合同、合唱:功勲国家合唱団
1.
誰だ、白頭の大業を達成される方は
その方は金正恩同志
我々の最高司令官
その方の愛は我々の愛
その方の憎悪は我々の憎悪
白頭の革命武力は元帥様だけに従う
白頭の革命武力はその領導だけ受ける
「その方は金正恩同志」

Source: KCTV, 2013/12/10放送
「白頭の革命武力はその領導だけを受ける」

Source: KCTV, 2013/12/10放送
2.
信じる、死んでも離れることができない永世の懐を
我々は金正恩同志
その方と一つの心臓だ
その方の情は我々の血と肉
その方の信用は我々の命
白頭の革命武力は元帥様だけに従う
白頭の革命武力はその領導だけ受ける
間奏。ここで金正日称賛ソングである「あなたがいなければ祖国もない」のアレンジが流れる。昨日紹介した「我々はあなたしか知らない」もそうであるが、相当に金正日を意識している。時期的に金正日の命日が近いから父親に対する忠誠心を強調し、彼とイメージを重複させようとしているのか、時期とは関係なくお爺さん(金日成)のイメージ踏襲路線からお父さん(金正日)のイメージ踏襲路線に切り替えたのか、もう少し様子を見なければ分からない。
「信じる、死んでも離れることができない永世の懐を」という歌詞の背景で使われている映像も「あなたがいなければ祖国はない」の冒頭で使われた海と太陽という非常に類似した映像を意識的に使っているようである。「永世の懐」が金日成なのか金正日なのか、「誰だ、白頭の大業を達成する方は」に合わせて映し出される冒頭の映像では両名の「太陽旗(金日成、金正日の肖像画が描かれた赤旗)」が出てくるので、形式的には両名であるが、やはり金正日をより強く意識しているのではないだろうか。

Source: KCTV, 2013/12/10放送
3.
叫ぶ、変心を知らない革命の銃隊
偉大な金正恩同志
死守する赤い剣だ
その方の決心は我々の目標
その方の命令は我々の勝利
白頭の革命武力は元帥様だけに従う
白頭の革命武力はその領導だけ受ける
その方の領導だけ受ける
「白頭の革命武力は元帥様だけに従う」この軍人、なかなかのスターである。小型の人民軍海軍(多分)ボートから魚雷発射命令をするシーンであるが、北朝鮮が制作する勇ましい歌の背景や軍事関連の番組の映像としてしばしば使われる。劇映画の一シーンなのか軍事訓練の記録映画なのがのシーンなのかは不明であるが。

Source: KCTV, 2013/12/10放送
この曲は、上記のとおり勇ましい曲であるはあるが、軍歌ではない。モランボンは演奏に参加していないが、ドラムやベースの使い方などはモランボン的で、特に3番の冒頭でベースを「ビョーン」という感じで挿入する部分などは功勲国家合唱団が今までに使わなかった手法ではないだろうか。「銀河水楽団」ならばできたのかもしれないが、「銀河水楽団」の一部メンバーを「モランボン楽団」にその奏法と共に合流させた可能性もありそうだ。
歌詞であるが1番の「その方の憎悪は我々の憎悪」辺りも意味深そうだ。通常であれば「憎悪」の対象は「米帝」あるいは「南朝鮮傀儡一味」であるわけだが、この時期の「憎悪」は「張成沢一味」に集中しているはずである。また、3番の「叫ぶ、変心を知らない革命の銃隊」も「変心」を「張成沢一味」にかぶせ、彼らの反革命行為から革命の司令部(金正恩)を「決死擁護」することを謳わせているのであろう。ま、「張成沢一味」は「偶然分子」なので、「変心」したのではなく元々悪人であったという説明ではあるのだが。
ともかく、12月上旬に連続して出されたこれらの曲は、決して今回の張成沢事件と無関係ではないことは明らかなようだ。