「朝鮮民主主義人民共和国創建65周年慶祝公演 大集団体操と芸術公演 アリラン」 (2013年9月10日 「朝鮮中央TV」)
昨日の公演であろうか、「朝鮮中央TV」が「アリラン」の「録画実況」を放送した。日本では「アリラン」は、「無意味に人民を動員して、ろくでもないマスゲームをやらせている」というような認識で受け取られることが多いが、よく見れば「人民動員」はそうだとしても、「無意味」ではない。実は、私も「アリラン」を通しで見たことはなかったのであるが、今日放送された「録画実況」を見ていると色々なメッセージが込められていることが分かる(プロパガンダと言えばそれまでであるが)。拙ブログで「アリラン」を紹介したことはないと思うので、これを機に紹介しておくことにする。
「アリラン」は民謡「アリラン」の独唱で始まる。音楽も歌詞もいわゆるよく知られている「アリラン」だが、「十里もいけないで」の部分は平壌方言で歌われており、「シムリ(ソウル方言ではシムニ)」と歌っている。

Source: KCTV, 2013/9/10放送
「アリラン」は「章」と「景」に分けられているようなのだが、画質が悪かったり暗かったりでよく分からない部分がある。「アリラン」独唱後、どのような「章」に入ったのかは分からないが、様子からは「日帝」の植民地化で苦しむ朝鮮人民がまず登場するようだ。

Source: KCTV, 2013/9/10放送
そんな中、「光明星」が輝き、白頭山の天池から太陽が昇る。「祖国解放戦線」を戦った金日成を象徴する太陽である。歌は「アリラン」の合唱となるが、「将軍様を頂き」など、替え歌になっている。

Source: KCTV, 2013/9/10放送
そして、「日帝」との戦いを象徴する「雪嵐」の場面に続いて、祖国解放と朝鮮民主主義人民共和国の創立を喜ぶ場面となる。人民軍、政府、党がセットになっている。

Source: KCTV, 2013/9/10放送
続くのは朝鮮戦争の場面である。演技ではあるが、女の子が死んでいる姿は痛ましい。

Source: KCTV, 2013/9/10放送
そして、「7.27戦勝」を迎える。「人民軍行進曲」と共に人民軍バトンガールズが入場する。北朝鮮が戦争モードの時、「帝国主義侵略者、まとめて打ち倒せ」というこの歌はよく流れていたが、少し久しぶりに聞いた。

Source: KCTV, 2013/9/10放送
「朝鮮人民軍武装装備館」の宣伝も忘れていない。

Source: KCTV, 2013/9/10放送
次の章は「先軍アリラン」である。金正日時代を演出する章だと思うのだが、今一つよく分からない。雰囲気的には「苦難の行軍」も題材としているようだが、ストレートには伝わってこない。下の絵は「ヒチョン発電所」であろうか。

Source: KCTV, 2013/9/10放送
「先軍アリラン」が終わると、金正日追悼の章か景になる。「金正日花」中心に据え、踊りが続く。「どれほど偉大な方を我々は頂いたのか」という人文字が表れている。

Source: KCTV, 2013/9/10放送
そして、いよいよ金正恩時代に入る。金正恩時代に出てきた「金日成-金正日主義の旗に従い」というスローガンが登場する。音楽は「高くはためけ労働党旗」で、「先党時代」の幕開けを象徴しているようだ。

Source: KCTV, 2013/9/10放送
続いて、子供たちが登場する「世の中に羨むものはない」が始まる。「12年制義務教育」の人文字。

Source: KCTV, 2013/9/10放送
そして「敬愛する金正恩元帥様ありがとうございます」と金正恩の名前が初めて登場する。

Source: KCTV, 2013/9/10放送
次の景は「豊かな社会主義国」を象徴している。「科学化」、「社会主義守護」、「社会主義文明国」など色々なスローガンが見られるが、豚の中から小さな豚が飛び出してきたのが印象的であった。セポ台地に牧場を作り、人民に肉を食べさせたいということを表しているのであろうか。

Source: KCTV, 2013/9/10放送
3景は「もっと高く、もっと速く」というタイトルになっている。このタイトルの背景ではロケットの発射音とも核爆弾の爆発音とも思える音がしているが、絵は出てこない。ロケット発射成功時に流された「タンスメ」なので、銀河3-2号機の音のつもりなのかも知れない。

Source: KCTV, 2013/9/10放送
光明星3-2号機らしき衛星

Source: KCTV, 2013/9/10放送
そして、「金正日愛国主義」の人文字

Source: KCTV, 2013/9/10放送
次のコーナーは、サーカス団の公演となる。「空中飛び112.55メートル」と書かれている。

Source: KCTV, 2013/9/10放送
次にテクォンドの公演が入り、フィナーレに向かう。「運命も未来も委ねた方」が流れる中、労働党の記章と「党に従い一心団結」の人文字が表れる。「委ねた方」は金正恩なので、やはり「金正恩を中心に労働党に団結していこう」ということなのであろう。

Source: KCTV, 2013/9/10放送
ここで終わりかと思いきや、次に「国際親善」の章があった。「国際共産主義運動」を象徴する「インターナショナル」から始まる国際親善であるが、対象国は中国とロシアである。
「インターナショナル」が流れるシーン

Source: KCTV, 2013/9/10放送
「抗米援助保家衛国、血で結ばれた戦友の情」という人文字が出て中国との親善を象徴する公演が始まる。

Source: KCTV, 2013/9/10放送
そして、中国を象徴する人形が出てくる。確かに中国らしいし、日本でもこの人形は「中国的」ということであれば通用すると思う。しかしながら、こういう人形を「中国的」とされることについて、中国人はどう思っているのであろうか。

Source: KCTV, 2013/9/10放送
続いては、朝露親善コーナーであるが、このコーナーではたくさんの熊が出てくる。中国を象徴する人形同様、ロシア人は自分たちを熊に例えられる、あるいは熊で象徴されることについてどのように思っているのであろうか。残念ながら、日朝親善コーナーはないが、もしあるとすれば日本人は何に象徴されるのであろうか。

Source: KCTV, 2013/9/10放送
そして、いよいよ本当のフィナーレとなる。「金日成将軍の歌」と「金正日将軍の歌」が平壌放送のIDのような雰囲気で演奏された後、いわずとしれた「パルコルム」が流れる。
「最後の勝利を目指して前に」という人文字と共に「パルコルム」の大合唱が始まる。地球をセンターに配置するところなど、世界の朝鮮ということであろう。

Source: KCTV, 2013/9/10放送
アリラン公演の番組中では、全体を見渡すための上からの映像もしばしば使われていた。会場の屋根に設置したカメラを使ったと思われるが、様子がよく分かる。この花は何を意味するのであろうか。

Source: KCTV, 2013/9/10放送
機会があれば、アリラン公演を現地で見てみたいものである。
「アリラン」は民謡「アリラン」の独唱で始まる。音楽も歌詞もいわゆるよく知られている「アリラン」だが、「十里もいけないで」の部分は平壌方言で歌われており、「シムリ(ソウル方言ではシムニ)」と歌っている。

Source: KCTV, 2013/9/10放送
「アリラン」は「章」と「景」に分けられているようなのだが、画質が悪かったり暗かったりでよく分からない部分がある。「アリラン」独唱後、どのような「章」に入ったのかは分からないが、様子からは「日帝」の植民地化で苦しむ朝鮮人民がまず登場するようだ。

Source: KCTV, 2013/9/10放送
そんな中、「光明星」が輝き、白頭山の天池から太陽が昇る。「祖国解放戦線」を戦った金日成を象徴する太陽である。歌は「アリラン」の合唱となるが、「将軍様を頂き」など、替え歌になっている。

Source: KCTV, 2013/9/10放送
そして、「日帝」との戦いを象徴する「雪嵐」の場面に続いて、祖国解放と朝鮮民主主義人民共和国の創立を喜ぶ場面となる。人民軍、政府、党がセットになっている。

Source: KCTV, 2013/9/10放送
続くのは朝鮮戦争の場面である。演技ではあるが、女の子が死んでいる姿は痛ましい。

Source: KCTV, 2013/9/10放送
そして、「7.27戦勝」を迎える。「人民軍行進曲」と共に人民軍バトンガールズが入場する。北朝鮮が戦争モードの時、「帝国主義侵略者、まとめて打ち倒せ」というこの歌はよく流れていたが、少し久しぶりに聞いた。

Source: KCTV, 2013/9/10放送
「朝鮮人民軍武装装備館」の宣伝も忘れていない。

Source: KCTV, 2013/9/10放送
次の章は「先軍アリラン」である。金正日時代を演出する章だと思うのだが、今一つよく分からない。雰囲気的には「苦難の行軍」も題材としているようだが、ストレートには伝わってこない。下の絵は「ヒチョン発電所」であろうか。

Source: KCTV, 2013/9/10放送
「先軍アリラン」が終わると、金正日追悼の章か景になる。「金正日花」中心に据え、踊りが続く。「どれほど偉大な方を我々は頂いたのか」という人文字が表れている。

Source: KCTV, 2013/9/10放送
そして、いよいよ金正恩時代に入る。金正恩時代に出てきた「金日成-金正日主義の旗に従い」というスローガンが登場する。音楽は「高くはためけ労働党旗」で、「先党時代」の幕開けを象徴しているようだ。

Source: KCTV, 2013/9/10放送
続いて、子供たちが登場する「世の中に羨むものはない」が始まる。「12年制義務教育」の人文字。

Source: KCTV, 2013/9/10放送
そして「敬愛する金正恩元帥様ありがとうございます」と金正恩の名前が初めて登場する。

Source: KCTV, 2013/9/10放送
次の景は「豊かな社会主義国」を象徴している。「科学化」、「社会主義守護」、「社会主義文明国」など色々なスローガンが見られるが、豚の中から小さな豚が飛び出してきたのが印象的であった。セポ台地に牧場を作り、人民に肉を食べさせたいということを表しているのであろうか。

Source: KCTV, 2013/9/10放送
3景は「もっと高く、もっと速く」というタイトルになっている。このタイトルの背景ではロケットの発射音とも核爆弾の爆発音とも思える音がしているが、絵は出てこない。ロケット発射成功時に流された「タンスメ」なので、銀河3-2号機の音のつもりなのかも知れない。

Source: KCTV, 2013/9/10放送
光明星3-2号機らしき衛星

Source: KCTV, 2013/9/10放送
そして、「金正日愛国主義」の人文字

Source: KCTV, 2013/9/10放送
次のコーナーは、サーカス団の公演となる。「空中飛び112.55メートル」と書かれている。

Source: KCTV, 2013/9/10放送
次にテクォンドの公演が入り、フィナーレに向かう。「運命も未来も委ねた方」が流れる中、労働党の記章と「党に従い一心団結」の人文字が表れる。「委ねた方」は金正恩なので、やはり「金正恩を中心に労働党に団結していこう」ということなのであろう。

Source: KCTV, 2013/9/10放送
ここで終わりかと思いきや、次に「国際親善」の章があった。「国際共産主義運動」を象徴する「インターナショナル」から始まる国際親善であるが、対象国は中国とロシアである。
「インターナショナル」が流れるシーン

Source: KCTV, 2013/9/10放送
「抗米援助保家衛国、血で結ばれた戦友の情」という人文字が出て中国との親善を象徴する公演が始まる。

Source: KCTV, 2013/9/10放送
そして、中国を象徴する人形が出てくる。確かに中国らしいし、日本でもこの人形は「中国的」ということであれば通用すると思う。しかしながら、こういう人形を「中国的」とされることについて、中国人はどう思っているのであろうか。

Source: KCTV, 2013/9/10放送
続いては、朝露親善コーナーであるが、このコーナーではたくさんの熊が出てくる。中国を象徴する人形同様、ロシア人は自分たちを熊に例えられる、あるいは熊で象徴されることについてどのように思っているのであろうか。残念ながら、日朝親善コーナーはないが、もしあるとすれば日本人は何に象徴されるのであろうか。

Source: KCTV, 2013/9/10放送
そして、いよいよ本当のフィナーレとなる。「金日成将軍の歌」と「金正日将軍の歌」が平壌放送のIDのような雰囲気で演奏された後、いわずとしれた「パルコルム」が流れる。
「最後の勝利を目指して前に」という人文字と共に「パルコルム」の大合唱が始まる。地球をセンターに配置するところなど、世界の朝鮮ということであろう。

Source: KCTV, 2013/9/10放送
アリラン公演の番組中では、全体を見渡すための上からの映像もしばしば使われていた。会場の屋根に設置したカメラを使ったと思われるが、様子がよく分かる。この花は何を意味するのであろうか。

Source: KCTV, 2013/9/10放送
機会があれば、アリラン公演を現地で見てみたいものである。