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    「祖国解放戦争勝利60周年慶祝閲兵式および平壌群衆示威盛大に挙行」:「核」を避ける崔龍海演説、李源潮の顔つき、金正恩に椅子 (2013年6月27日 「朝鮮中央TV」)

    昨日は、10時頃から「戦勝60周年慶祝閲兵式及び平壌群衆示威」の模様が「朝鮮中央TV」で生中継された。編集された「録画実況」ではなく、生中継でこうした行事を見るのは私は初めてである。昨日夜には、編集された同閲兵式の「録画実況」も放送されたが、それとの比較もなかなか面白い。

    ひな壇には金正恩さんと李源潮中国副主席が立ち並んだ。他国からやってきた副大統領や副首相級の来賓もひな壇に立ったが、李源潮さんとは明らかに取り扱いが異なる。今回の行事が「戦勝60周年」ということからすれば、共に朝鮮戦争で「米帝とその追従勢力」と戦った中国の扱いが特別になることは何ら不思議ではないが、それにしてもやはり中国は別格である。

    前日には、中央報告大会が開催され、こちらにも李源潮さん他、外国からの賓客が出席した。

    中央報告大会では金永南最高人民会議議長が、閲兵式では崔龍海人民軍総政治局長がそれぞれ演説を行った。これら2つの演説で特徴的なのは、「核」や「並進路線」という言葉が一切使われなかったことである。金永南演説は『労働新聞』に既に掲載されており、崔龍海演説も今日の労働新聞に掲載されるであろうが、放送で聞いた限りではこれらの言葉は一切使っていない。また、特に金正日さんの「偉大な」業績が「朝鮮を堂々たる核保有国にした」ことであるにもかかわらず、彼の業績を語る中でもそれには一切触れていない。さらに、「朝鮮中央TV」のアナウンサーのナレーションも弾道ミサイルが登場する場面で「抑止力を持った」とまでは言っているが、「核抑止力」ということばは避けている。

    これは北朝鮮の核保有に反対する中国に対する遠慮であることは明らかであるが、それにしても相当に徹底している。もしかすると、中国と副主席が訪朝する条件として「核を誇示しない」と釘を刺されていたのかも知れない。

    李源潮さんがどのような顔つきで登壇するのかも関心があった。さすが中国人というか、李源潮さんは登壇直後から笑顔で軍事パレードの中頃まではそのまま拍手を送っている。疲れたということもあるのかもしれないが、パレード終盤にかけて連射砲、ロケット砲、短距離ミサイル、中距離弾道ミサイルを搭載した車両が通過する辺りでは、気のせいかも知れないが顔をこわばらせているようにも見える。

    崔龍海演説を聞く李源潮
    21030727kctvasf_005253908.jpg
    Source: KCTV、2013年7月27日放送(生放送)

    中距離弾道(と思われる)ミサイル搭載車両が通過する
    21030727kctvasf_008844495.jpg
    Source: KCTV、2013年7月27日放送(生放送)

    中距離弾道車両を見る李源潮
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    Source: KCTV、2013年7月27日放送(生放送)

    「核」関連で唯一出てきたのは核物質処理部隊であろうか、核マークがついた鞄のようなものを持っている。これならば、中国も駄目とはいえないであろう。これまで、この鞄を持った部隊を私は見たことがないが、中国が「核は駄目」というからということで登場されたのであろうか。これまでの閲兵式に登場していたかどうかは定かではないが、今回は「南朝鮮」に浸透して政治工作を行う部隊も登場している。
    21030727kctvasf_007804951.jpg
    Source: KCTV、2013年7月27日放送(生放送)

    軍事パレードは中距離弾道で終わり、続いて平壌市民の行進が始まる。平壌市民の行進が始まるのが金正恩一行登壇後約1時間半後である。その間、ずっと立ちっぱなしなので皆、相当に疲れているはずである。閲兵式の最中は晴れており、気温も30度前後であったはずである。日差しをまともに受けて閲兵式を見ている人々は汗を拭いている。バッジを付けた女性がチョゴリの袖をうちわのように使いパタパタやっている姿も映し出されている。

    この頃になると壇上の人々は話を始める。金正恩さんもいずれかの国の賓客としばらく言葉を交わし握手をする。その間、崔龍海さんは李源潮さんと話をしている。下の写真は、金正恩さんが話を終え戻ったところ。
    20130727kctv2asf_000219825.jpg
    Source: KCTV、2013年7月27日放送(生放送)

    その次に大変おもしろいハプニングがあった。金正恩さんが「お疲れ」とおもんばかった部下が椅子を持ってくる。横にいる李源潮さんにとっては信じられない出来事であったはずである。外国の貴賓、それも中国の副主席を着席されることを考えず、「偉大な元帥様」、しかも年齢的に明らかに若い彼ををまず座らせることを考えるというのは、やはり北朝鮮は狂っている。金正恩さんはすぐに椅子を引っ込めさせるが、それでも相当におかしい。これは、小さなハプニングであるが、ある意味、北朝鮮の外交センスを大きく損傷した出来事であるはずだ。誰が指示をしたのか分からないが、元帥様をおもんばかったばかりに大変なことにならないと良いのだが。

    20130727kctv2asf_000371472.jpg
    Source: KCTV、2013年7月27日放送(生放送)

    この場面、北朝鮮もまずいと思ったようで、同日夜に放送された「録画実況」ではカットされている。

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    No title

    閲兵式の動画
    uriminzokkiriにupされてましたがDLが中断しますね
    そちらはどうでしょうか?

    閲兵式

    コメントありがとうございます。こちらはダウンロードしていないのですが、100MBを超えるフィアルでダウンロードが集中すると中断してしまうことがしばしばあります。日本時間の早朝ですと比較的順調にできるようですので、もしだめでしたらその時間帯にお試しください。

    > 閲兵式の動画
    > uriminzokkiriにupされてましたがDLが中断しますね
    > そちらはどうでしょうか?

    戦車

    再びですが...
    録画実況を見ていたらなにか見慣れない戦車が出ていました
    もしかたら「先軍号」と言われるものでしょうか
    戦車部隊の最後に登場していました

    Re: 戦車

    コメントありがとうございます。ダウンロードされたようですね。戦車ですが、「先軍号」かどうかはわかりません。ナレーションで何か言ったかもしれませんが、注意して聞いていませんでした。しかし、新型の兵器も登場しているようですので、「先軍号」かもしれません。

    > 再びですが...
    > 録画実況を見ていたらなにか見慣れない戦車が出ていました
    > もしかたら「先軍号」と言われるものでしょうか
    > 戦車部隊の最後に登場していました
    プロフィール

    川口智彦

    Author:川口智彦
    「크는 아바이(成長するオッサン)」

    ブログの基本用語:
    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「政治局員候補」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)、2018年2月11日から「第1副部長同志」とも
    「白頭の血統」=金一族
    「大元帥様達」=「首領様」と「将軍様」
    「女史」=李雪主夫人(2018.07.26より「同志」に)

    우 그림은 충정 담아 아이가 그린 경애하는 김정은원수님이십니다.


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