FC2ブログ

    「偉大な祖国解放戦争60周年に捧げる」7.27行進曲、戦勝の祝砲よ語れ、偉大な年代の勝利者たちに敬意を捧げる、偉大な戦勝の名節 (2013年7月21日 「労働新聞」)

    7月21日の『労働新聞』の1面を4つの歌の楽譜と歌詞が飾った。同新聞には、時として新しくできた歌が楽譜付きで紹介されることはあるが、4曲まとめてというのは私が同新聞を読み出してからは記憶がない。

    音楽に疎い私では『労働新聞』に掲載された楽譜を見てもぴんとこなかったのだが、22日夜の「朝鮮中央TV」でモランボン楽団の演奏でこれら4曲が紹介された。いずれもモランボン楽団らしい曲である。

    「偉大な祖国解放戦争勝利60周年に捧げる」
    20130722kctvhasf_005709803.jpg
    Source: KCTV, 2013年7月22日放送

    また、これら4曲は「祖国解放戦争勝利60周年記念勲章を授与された作品」ということで、これに関する最高人民会議常任委員会政令第3287号が出されている。

    20130722kctvhasf_005714741.jpg
    Source: KCTV, 2013年7月22日放送

    『労働新聞』、「조선민주주의인민공화국 최고인민회의 상임위원회 정령 제3287호 주체102(2013)년 7월 21일 노래 《7.27행진곡》,《위대한 전승의 명절》,《전승의 축포여 말하라》,《위대한 년대의 승리자들에게 경의를 드린다》에 조국해방전쟁승리 60돐 기념훈장을 수여함에 대하여」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2013-07-22-0001&chAction=L

    また、これらの曲の作詞家や作曲家に対しても「国家勲章第1級」を授与する同政令第3289号が出されている。これら作詞家や作曲家は、貢勲国家合唱団所属であるが、1人だけ朝鮮人民軍総政治局課長が含まれている。総政治局と言えば、崔龍海さんが所属する部署であるが、歌詞や曲調の「政治性や思想性」にチェックを入れたのであろうか。

    『労働新聞』、「조선민주주의인민공화국 최고인민회의 상임위원회 정령 제3289호 주체102(2013)년 7월 21일 전승 60돐을 맞으며 훌륭한 노래들을 창작한 창작가들에게 조선민주주의인민공화국 국기훈장 제1급을 수여함에 대하여」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2013-07-22-0002&chAction=L

    さらに、モランボン楽団のリュ・ジンアさんにも「貢勲俳優称号」が同政令第3290号により授与されている。

    『労働新聞』、「조선민주주의인민공화국 최고인민회의 상임위원회 정령 제3290호 주체102(2013)년 7월 21일 류진아동지에게 조선민주주의인민공화국 공훈배우칭호를 수여함에 대하여」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2013-07-22-0003&chAction=L

    では、これら4曲の歌詞を紹介していく。

    「7.27行進曲」
    作詞:チ・ホグン
    作曲:チョ・キョンジュン
    1.
    歩みも高く 大きく手を振って 行こう
    7.27だ
    老兵たちと共に 軍楽の音に合わせ
    行進して行こう
    アメリカ野郎が差し出した降伏書を踏みつけ
    通り過ぎてきた広場
    ドンム(同志)よ 力強く 力強く 力強く
    地軸を鳴り響かせ 進もう
    勝利 勝利 勝利の7.27
    もっと高く轟かせよう 偉大な朝鮮の勝利を

    20130722kctvhasf_005800224.jpg
    Source: KCTV, 2013年7月22日放送

    2.
    首領様の命令 偉功で輝いた
    勲章を見ろ
    侵略者の旗 燃やしながら 打ち上げられた 
    祝砲を見ろ
    勝利のための戦い
    勇士たちは 我々の 父母だ
    ドンム(同志)よ 敬礼を 敬礼を 敬礼を
    時代を 継いで 捧げよう
    勝利 勝利 勝利の7.27
    もっと高く轟かせよう 偉大な朝鮮の勝利を

    20130722kctvhasf_005839529.jpg
    Source: KCTV, 2013年7月22日放送

    20130722kctvhasf_005859181.jpg
    Source: KCTV, 2013年7月22日放送

    3.
    戦勝広場を通過する 怒濤の行進
    止まるな
    祖国統一広場 閲兵式に向かい
    まっすぐに 行こう
    党中央にしたがい 歩みを合わせ
    歩武堂々と
    ドンム(同志)よ 前進 前進 前進
    最後の勝利に向かい
    勝利 勝利 勝利の7.27
    もっと高く轟かせよう 偉大な朝鮮の勝利を

    20130722kctvhasf_005931918.jpg
    Source: KCTV, 2013年7月22日放送

    この歌は曲名のとおり行進曲である。おもしろいのは、「勝利 勝利 勝利の7.27」の部分で口笛のような音(電子キーボードで出しているのであろうが)が裏拍で入る。類似した音は、沖縄の音楽や韓国の演歌(ズンチャ、ズンチャという感じの古い曲)にも入っている。北朝鮮の楽曲にこれまでこの演出があったのかは分からないが、少なくともモランボンの楽曲では初めてではないだろうか。

    『労働新聞』、「위대한 조국해방전쟁승리 60돐에 삼가 드린다 7.27행진곡」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2013-07-21-0002&chAction=D

    「戦勝の祝砲よ語れ」
    作詞:李チソン
    作曲:南チョル

    1.
    勝利のために蒔いた 勇士たちの熱い血を
    地に埋めておく訳にはいかず あの空に輝かすのか
    祝砲よ お前は 勇士のために 縫い取った 花束
    祝砲よ お前は 勇士のために ばらまく 花吹雪
    語れ 戦勝の 祝砲よ
    勝利は 永遠に 朝鮮のものだと

    2.
    滅敵へ 雨のように降り注いだ 弾丸が 目に浮かび
    胸で 防いだ 陣地が 思い出される
    祝砲よ お前は 勇士たちの 魂を輝かす 星の塊
    祝砲よ お前は 勇士たちの 偉貢を刻む 勲章メダル
    語れ 戦勝の 祝砲よ
    勝利は 永遠に 朝鮮のものだと

    20130722kctvhasf_006104218.jpg
    Source: KCTV, 2013年7月22日放送

    20130722kctvhasf_006145358.jpg
    Source: KCTV, 2013年7月22日放送

    3.
    全世界を 染める 勝利の 千万の花火
    党にしたがい 百勝して行く 我々の心臓 燃え上がらせる
    祝砲よ お前は 我々の名節 轟く 火の嵐
    祝砲よ お前は 我々の勝利を 伝える 金文字
    語れ 戦勝の 祝砲よ
    勝利は 永遠に 朝鮮のものだと

    20130722kctvhasf_006207318.jpg
    Source: KCTV, 2013年7月22日放送
     
    この曲はゆっくりとしたバラード調の曲だが、2番と3番の間にエレキギターのソロが入る。ここがいかにもモランボンらしい演出で、背景で流れる米帝と戦う勇士の映像と何とも微妙なバランスをなしている。 

    『労働新聞』、「위대한 조국해방전쟁승리 60돐에 삼가 드린다 전승의 축포여 말하라」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2013-07-21-0003&chAction=D

    「偉大な年代の勝利者たちに敬意を捧げる」
    作詞:ハン・テジュン、チョン・エナム
    作曲:チョ・ギョンジュン、ヒョン・ウンチョル

    1.
    この地を守り 命を捧げた
    勇士たちは 生きている
    米帝に勝った その精神は
    後世の 魂を 育てる
    偉大な年代の 勝利者たちに
    敬意を捧げる 敬意を捧げる

    20130722kctvhasf_006251060.jpg
    Source: KCTV, 2013年7月22日放送

    2.
    体で 防いだ 陣地と
    破片の痕跡が はっきりと残る旗
    決戦の 全ての 昼と夜を
    我々は 忘れない
    偉大な年代の 勝利者たちに
    敬意を捧げる 敬意を捧げる

    20130722kctvhasf_006302944.jpg
    Source: KCTV, 2013年7月22日放送

    3.
    首領様にしたがい 勝利を轟かせた
    その伝統は 永遠であれ
    党中央にしたがい 代を継いで
    英雄朝鮮 輝かせていけ
    偉大な年代の 勝利者たちに
    敬意を捧げる 敬意を捧げる

    20130722kctvhasf_006371810.jpg
    Source: KCTV, 2013年7月22日放送

    この曲は行進曲である。モランボンの演奏で特に気になったところはない。歌詞や背景の映像を見れば分かるように、この曲は朝鮮戦争を戦った「老兵」に敬意を捧げる曲である。若く、戦争を知らない金正恩さんとしては、節目事に「老兵」に敬意を示しておくことは、長幼の序を重んじる「主体朝鮮」だからであろう。

    『労働新聞』、「위대한 조국해방전쟁승리 60돐에 삼가 드린다 위대한 년대의 승리자들에게 경의를 드린다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2013-07-21-0004&chAction=D

    「偉大な戦勝の名節」
    作詞:チャ・ホグン
    作曲:ヒョン・ギョンイル

    1.
    老兵という その呼び方を 崇高に 抱いて生きる
    後世たちの 花束が 戦勝塔を 覆い隠す
    敬礼 神聖な 敬礼 偉大な この日に 捧げる
    党と 首領にしたがい 抱いてきた 戦勝の名節

    2.
    薬莢が積み上がった 戦場と 肉迫戦の銃創
    歓喜の 祝砲の中に 涙をこらえられず 浮かんでくる
    栄光 高価な栄光 偉大な この日に 捧げる
    党と 首領にしたがい 轟かせてきた 戦勝の 名節

    7.27 我々の 7.27
    7.27 我々の 7.27
    (別曲のフレーズが挟み込まれている)

    3.
    命を賭けて 祖国を守った その精神は 生きている
    勝利から 勝利へと 歳月を超え 引き継がれる
    誓い 継承の 誓い
    偉大な この日に 捧げる
    党と 首領に したがい
    引き継いでいく 戦勝の 名節

    20130722kctvhasf_006532299.jpg
    Source: KCTV, 2013年7月22日放送

    20130722kctvhasf_006553920.jpg
    Source: KCTV, 2013年7月22日放送

    『労働新聞』、「위대한 조국해방전쟁승리 60돐에 삼가 드린다 위대한 전승의 명절」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2013-07-21-0005&chAction=D

    コメントの投稿

    非公開コメント

    No title

    労働新聞1面に4曲も一気に譜面掲載されてたのに私も
    驚きました.軍楽団の示威行進の様子も写真掲載され
    ていましたが,沿道市民ひたすら一斉に立ち並ぶわけ
    でもなく,ごく普通に歩いている人がいたりなどの面
    でも驚きました.牡丹峰楽団のこの4曲ですが私の感想
    は次のようなものでした(長くなり失礼します).
    3曲目が最も面白いと思います.
    1曲目は楽譜から予見したとおりで,手の込んだ和声に
    なっているので,牡丹峰楽団だけでなく吹奏楽でも
    オーケストラでも汎用できる構造になっています.
    間奏部での画面と音楽のタイミングを合わせるあたりも
    (7.27のテロップなど)普通の様相になってきましたね.
    口笛みたいな音色はキーボードで発声されています.
    なお,かつて普天堡電子楽団でもよく見られ,旧ソ連の
    赤星赤軍合唱団でよく見られた(もちろん本物の口笛)
    ものですが,その影響もあるでしょう.2曲目はよくある
    演歌調のパターンのものですが,間奏部のエレキがこんなに
    派手とは,相当驚きました.3曲目が,私は一番驚きました.
    楽譜では嬰ハ短調になっているのに放送ではイ長調から始ま
    った(調は異なりますが♯の数は同じになります)ので,
    どんな展開で歌に入るのかと思っていましたら前奏8小節の
    直後,そのまま短調に降下したので,先が読めにくい曲だと
    感じたのも束の間,2番に入る際にも1拍も猶予なくそのまま
    進むと予想していましたら,今度は1小節の前振りがあり,
    何度もうなってしまいました.演出に使えそうな「間」ですね.
    そして間奏8小節のうちの5,6小節部分のキーボードの和音,
    極めてアメリカ的というか牡丹峰楽団ならではのアレンジだと
    感じました.で,3番もいきなり長調(ニ長調)からト短調に
    変わり,かなり面白いアレンジにあふれた曲でツボに入りま
    した.4曲目は特に目新しさは感じませんでした.

    口笛(指笛)

    コメント、ありがとうございます。色々とご教授いただいたのですが、私はあの「口笛(指笛?)」のようなもに随分こだわっています。ソ連合唱団でも口笛を使ったとのことですが、同質のものでしょうか。私が80年代に韓国にいた頃、オジサン(当時、私はまだ「若者」でした)たちが聞く曲(韓国版演歌というのでしょうか)には、あの口笛(電子音ですが)多用されていました。その後、沖縄旅行で沖縄音楽を聞き、指笛で似たような効果を出していたので驚きました。さらに、記憶曖昧なのですが、台湾旅行の際にも、同じような音を聞きました。

    上手く説明できないのですが、音というよりもリズムへの挿入の仕方が、みな非常に似ているような気がしています(ヒュー、ヒュ、ヒュ、という感じ)。北朝鮮の他の楽曲で既に使われているのかも知れませんが、私には新鮮でした。

    > 労働新聞1面に4曲も一気に譜面掲載されてたのに私も
    > 驚きました.軍楽団の示威行進の様子も写真掲載され
    > ていましたが,沿道市民ひたすら一斉に立ち並ぶわけ
    > でもなく,ごく普通に歩いている人がいたりなどの面
    > でも驚きました.牡丹峰楽団のこの4曲ですが私の感想
    > は次のようなものでした(長くなり失礼します).
    > 3曲目が最も面白いと思います.
    > 1曲目は楽譜から予見したとおりで,手の込んだ和声に
    > なっているので,牡丹峰楽団だけでなく吹奏楽でも
    > オーケストラでも汎用できる構造になっています.
    > 間奏部での画面と音楽のタイミングを合わせるあたりも
    > (7.27のテロップなど)普通の様相になってきましたね.
    > 口笛みたいな音色はキーボードで発声されています.
    > なお,かつて普天堡電子楽団でもよく見られ,旧ソ連の
    > 赤星赤軍合唱団でよく見られた(もちろん本物の口笛)
    > ものですが,その影響もあるでしょう.2曲目はよくある
    > 演歌調のパターンのものですが,間奏部のエレキがこんなに
    > 派手とは,相当驚きました.3曲目が,私は一番驚きました.
    > 楽譜では嬰ハ短調になっているのに放送ではイ長調から始ま
    > った(調は異なりますが♯の数は同じになります)ので,
    > どんな展開で歌に入るのかと思っていましたら前奏8小節の
    > 直後,そのまま短調に降下したので,先が読めにくい曲だと
    > 感じたのも束の間,2番に入る際にも1拍も猶予なくそのまま
    > 進むと予想していましたら,今度は1小節の前振りがあり,
    > 何度もうなってしまいました.演出に使えそうな「間」ですね.
    > そして間奏8小節のうちの5,6小節部分のキーボードの和音,
    > 極めてアメリカ的というか牡丹峰楽団ならではのアレンジだと
    > 感じました.で,3番もいきなり長調(ニ長調)からト短調に
    > 変わり,かなり面白いアレンジにあふれた曲でツボに入りま
    > した.4曲目は特に目新しさは感じませんでした.

    No title

    たびたび失礼します.私の感覚では,沖縄の指笛とは
    だいぶ異なり,やはり旧ソ連と同質のように思います.
    歌の旋律と同じような役割を果たすため,音程が明確で
    あることが特徴なのではないでしょうか.人民軍合唱団
    でも相当昔からやっているはずです.その後,ポチョン
    ボ電子楽団で役割をキーボードが担い,モランボン楽団
    でもひき継がれているかと思います.

    口笛

    コメントありがとうございます。そうですか。私の耳で聞くと、そのように聞こえてしまうのですが、やはり違うのですね。You Tubeかどこかで、旧ソ連の曲を探して聞いてみようと思います。


    > たびたび失礼します.私の感覚では,沖縄の指笛とは
    > だいぶ異なり,やはり旧ソ連と同質のように思います.
    > 歌の旋律と同じような役割を果たすため,音程が明確で
    > あることが特徴なのではないでしょうか.人民軍合唱団
    > でも相当昔からやっているはずです.その後,ポチョン
    > ボ電子楽団で役割をキーボードが担い,モランボン楽団
    > でもひき継がれているかと思います.
    プロフィール

    川口智彦

    Author:川口智彦
    「크는 아바이(成長するオッサン)」

    ブログの基本用語:
    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「政治局員候補」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)、2018年2月11日から「第1副部長同志」とも
    「白頭の血統」=金一族
    「大元帥様達」=「首領様」と「将軍様」
    「女史」=李雪主夫人(2018.07.26より「同志」に)

    우 그림은 충정 담아 아이가 그린 경애하는 김정은원수님이십니다.


    YouTube dprknow

    最新記事
    最新コメント
    最新トラックバック
    月別アーカイブ
    カテゴリ
    Visitors
    検索フォーム
    RSSリンクの表示
    リンク
    QRコード
    QR