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    開城工業団地再開に関する「南北当局実務会談」第1回~5回 北側主張 (2013年7月23日他 「労働新聞」)

    韓国報道は、金正日・盧武鉉「議事録」が国家記録院・大統領記録館で紛失したと伝えている。この「議事録(会談録)」の翻訳も少しずつ進んでいるのであるが、このところ雑用が多く、作業が進まない。

    開城工団を巡る南北会談も回を重ねている。7月7日の1回会談以降の北朝鮮側主張を『労働新聞』を基にまとめておく。

    7月7日 第1回会談:板門店北側地域「統一閣」にて
    南側企業の梅雨期被害を減らし、開城工業地区を正常化させるための問題について合意し、合意書を採択した。
    合意内容
    ・北と南は、2013年7月6日から7にちまで板門店・統一閣で開城工業地区問題と関連した北南当局実務会談を持った。
    ・北と南は、開城工業地区の企業が晒されている問題を解決し、工業地区事業を発展的に正常化していくことについて認識を一致させ、次のように合意した。
    1.北と南は、開城工業地区の梅雨期被害を減らすために、南側企業関係者をはじめとした関係者が7月10日から工業地区を訪問し、設備点検及び整備を行うこととする。
    2.北と南は、南側企業が完成品及び原材料を搬出できるようにし、関連手続きに従い設備を搬出できるようにする。
    3.北と南は、設備点検と物資搬出などのために、開城工業地区に出入りする南側人員と車両の通行、通信と南側関係者の安全な復帰と身辺安全を保障する。
    4.北と南は、準備され次第、開城工業地区企業が再稼働するようにし、稼働中断裁初防止など開城工業地区を正常化するため7月10日、工業地区で次の会談を持つこととした。

    「개성공업지구 북남당국실무회담 진행」、『労働新聞』、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2013-07-08-0019&chAction=D

    7月10日 第2回会談:開城工業地区にて
    北朝鮮側は、6.15共同宣言の精神に合致するよう、今回の会談で相互理解と信頼に基づき、適切な結果を出すため、開城工業地区事業を再開することにおける実践的で合理的な提案をし合意に至るよう誠意ある努力をした。

    しかし南側は、工業地区事業を再開するための現実的な提案もせず、工業地区中断事態に対する責任を北側に転嫁しようとする不当な主張だけに固執し、会談進展に対する意図的な難関を造り出した。

    北側が合意書草案まで提示し、積極的な立場を示したが、最後まで南側は旧態依然とした主張ばかり繰り返し、問題についての議論を故意に避けながら、内部事情を口実に会談日程まで穏当ではない態度を示した。

    南側のこうした誠意のない立場と態度により、結局、会談は何の成果もなく終わってしまった。

    双方は、7月15日に開城工業地区で第3回南北当局実務会談を持つこととした。

    『労働新聞』、「개성공업지구정상화를 위한 제2차 북남당국실무회담 진행」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2013-07-11-0021&chAction=D

    7月15日 第3回会談:開城工業地区にて
    双方が開城工業地区正常化のための合意書草案を出し、意見交換をした。
    双方は、第4回北南当局実務会談を7月17日、開城工業地区で持つこととした。

    『労働新聞』、「개성공업지구정상화를 위한 제3차 북남당국실무회담 진행」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2013-07-16-0016&chAction=D

    7月17日 第4回会談:開城工業地区にて
    北側は、開城工業地区正常運営に障害を与える政治的、軍事的行為を一切行わないなど、中断事態再発防止問題、工業地区の安定的運営と企業活動を円満に保障するための機構及び制度的装置を作ることに関する問題、身辺安全及び投資財産保護問題、通行・通信・通関問題、工業地区を国際的競争力ある経済協力地区に発展させる問題をはじめとし、工業地区を一日も早く正常化し、発展させるための誠意ある実践的提案をした。

    しかし、南側は、工業地区(中断)事態についての責任と一方的な再発防止保証だけを前面に押し出し、問題解決に人為的な難関を作り出す非常に不遜で誠意のない態度を取った。

    南側は、言葉では開城工業地区を正常化しようという立場であるといいながらも、合意の基礎となる合意書草案さえ準備してこないことで、会談を空転させて回数だけ増やす会談をするという形式だけ整えようとした。

    北側の誠意ある努力にもかかわらず、南側の不当な主張と不誠実な態度により、会談は結実を見ずに終わった。

    第5回南北当局実務会談は、7月22日、開城工業地区で持つこととした。

    『労働新聞』、「개성공업지구정상화를 위한 제4차 북남당국실무회담 진행」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2013-07-18-0028&chAction=D

    7月22日 第5回会談:開城工業地区にて
    会談で双方は、合意書内容を真剣に協議し、一部の問題は次の会議で議論することにした。
    第6回南北当局実務会談は、7月25日、開城工業地区で持つこととした。

    『労働新聞』、「개성공업지구정상화를 위한 제5차 북남당국실무회담 진행」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2013-07-23-0022&chAction=D

    なかなかまとまらないが、ともかくも双方が大枠で開城工団再開で合意し、それに向けての会談を続けていることは良いことである。韓国側は北側に「(今回のような)一方的中断防止」を求め、国際基準に合致するような運営ルールを受け入れることを求めている。しかし、開城工団が休戦状態にある(北朝鮮が、休戦を本当に白紙化していなければであるが)2国間が共同運営する特殊な工業団地であることからしても、国際基準に合致する運営ルールの適用というのは難しいであろう。逆に、今回の中断事態に至るまで、韓国側の被害が大きかったとはいえ、天安号事件や延坪島砲撃事件という軍事衝突を経験しながらも、ほぼ正常運営が続いてきたのは、国際基準に照らしてもむしろ異常な事態であったといえよう。開城工団に韓国以外の企業が入っていれば国際基準適応もあろうが、現状では韓国企業のみである。もちろん、北朝鮮が開城以外の経済特区に外国企業を誘致しようとするならば、開城で良い見本を見せることは必要であろうが、良くも悪くも開城工団は南北朝鮮というきわめて特殊な関係の政府間の同意に基づき形成された経済特区である。

    振り返れば、今回の操業中断は、韓米合同訓練と韓国メディアなどによる「最高尊厳の冒涜」がその原因であったはずだ。興味深いのは、北朝鮮側が第4回会談で「開城工業地区正常運営に障害を与える政治的、軍事的行為を一切行わない」を提案していることである。これが双務協定に盛り込まれるのであれば、この条項は北朝鮮側にも適用される。北朝鮮が色々と条件を付けたり言い逃れをする可能性はあるが、南北間の平和や信頼を強化する一つの契機にはなり得る。

    韓国メディアによる「最高尊厳の冒涜」だけは、これは韓国政府たりともどうにも統制しようがない。しかし、今翻訳を進めている金正日・盧武鉉会談「議事録」の中でも、金正日さんが「メディアは作文をするから困ったものだ」というようなことを漏らしている。将軍様も「韓国メディアは・・・・」と諦めているのだから、この辺りは元帥様も「尊厳の冒涜」があっても許せとはいわずとも、無視するしかない。だいたい、韓国以上にメディア統制が容易な中国においてですら「尊厳の冒涜」がなされているのだから。ま、しかしこれも、南北間の特殊な事情が関係しているのかも知れない。

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    プロフィール

    川口智彦

    Author:川口智彦
    「크는 아바이(成長するオッサン)」

    ブログの基本用語:
    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「政治局員候補」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)、2018年2月11日から「第1副部長同志」とも
    「白頭の血統」=金一族
    「大元帥様達」=「首領様」と「将軍様」
    「女史」=李雪主夫人(2018.07.26より「同志」に)

    우 그림은 충정 담아 아이가 그린 경애하는 김정은원수님이십니다.


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