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    ブータン:GDPが低い「王国」 (2024年3月18日)

    今、ブータンにいる。理由は、北朝鮮に行けなかったからだ。職場から海外で研究をする資金が急に提供されることになり、それを執行するためにどこに行くか悩んだ挙句に選んだのがブータンだった。しかし、ブータンについての知識は、日本の皇室と関係が良い王国だという程度だった。なので、北朝鮮の研究者がなぜブータンに行くのかという理由作りはとても苦労した。一つだけ思いついたのが、「北朝鮮もブータンもガイドなしの個人旅行が認められていない国」ということで、両国のツーリズムについて比較するというかなり無理筋な計画書を作った。

    昨日朝、ブータンに着いた。バンコクからDurkairで来たが、座席の前に挟まっていた冊子を読んでいたらとても面白かった。冊子の内容は、4代目国王の演説の内容が英訳されたもので、プンツォリン(Phuntsholing)にインドの協力を得ながらSAR(Special Administrative Region)を建設することについて書かれていた。しかし、人民に対する呼びかけや自信がそのために献身しているというような表現は、なんとも「元帥様」の演説と似ていることに気がついた。別にどちらがどちらを真似したということはないのだが、やはりGDPが低い国の「王」が経済開発を人民に訴える言い回しは自然と似てくるものなのだと思いながら読んでいた。冊子は持ち帰りかとのことだったので、帰国したら訳出して拙ブログで紹介したいと思っている。

    インドは第3代国王の時代からブータンとの経済協力関係を強め、21日はモディ首相がブータンの首都を訪問するとのことで、国王とインド首相の写真がメインストリートには飾ってある。これも北朝鮮と何となく似ている。違う点といえば肖像画の扱いがブータンの方が北朝鮮よりも緩やかだという点だ。人々がつけている国王バッジもそこらの土産物屋で売っているものだという。

    そして、「動員」もある。空港から首都ティンプにつながる道路を掃除している人々がたくさんいたが、ガイドはインドの首相が来るので動員されて掃除をしている言っていた。

    ブータンの人々は国王をとても尊敬している。国王の写真はあちこちに掲げられており、昨夜、ブータン・ワインを飲んだホテルのバーには国王一家の写真を文字盤に使った掛け時計まであった。領導者のバッジを付けるのは北朝鮮ぐらいだと思っていたが、ブータンの人々の中にも「国王」バッジを付けて歩いている人が一定程度いることが分かった。

    ホテルの宿泊客が二人しかいなかったこともあり、食堂のウェイトレスから色々と話を聞くことができた。彼女はバーの係も兼ねていたので、昨夜は10時過ぎまで彼女から様々な話を聞くことができた。

    これからまた出かけるので詳細を書くことはできないが、「両国のツーリズム比較」などとかなり怪しい研究課題を出したのだが、そんなことよりも文化・社会・政治・経済に関する様々な貴重な情報が得られ、全く想定していなかった北朝鮮「王国」との比較ができそうな気がしている。

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    川口智彦

    Author:川口智彦
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    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「政治局員候補」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)、2018年2月11日から「第1副部長同志」とも
    「白頭の血統」=金一族
    「大元帥様達」=「首領様」と「将軍様」
    「女史」=李雪主夫人(2018.07.26より「同志」に)

    우 그림은 충정 담아 아이가 그린 경애하는 김정은원수님이십니다.


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