「核反撃仮想総合戦術訓練実施」:モザイクの男、「元帥様」の「核攻撃命令」の執行者か、「娘様」がもっと重要 (2023年3月20日 「朝鮮中央TV」)
20日、公開された「核反撃仮想総合戦術訓練実施」の影像の中にサングラスをかけてモザイク処理をされた男がいる。「元帥様」に同行する軍人の顔にモザイク処理が施されるのは以前にもあったことなのであまり気にしなかったのだが、コメントで質問も頂いたので、少し検討してみることにした。
まず、以前にモザイクが施された事例を紹介したいのだが、残念ながら影像を直ぐに見つけ出すことができない。
サングラスは明らかに正体を明かさないために着用しているのは間違いない。「元帥様」の前でやたらとサングラスを着用するのは無礼な行為だからだ。一方、マスクは他にも着用している軍人がおり、顔を隠すという目的もあろうが、どちらかというと感染予防対策だと思う。過去記事にも書いたが、北朝鮮ではインフルエンザが流行しているようで、「元帥様」に極近い人間を除いては、基本的にマスク着用が義務づけられているようだ。これも過去記事で紹介した「80万青年嘆願」の動画を見れば、全員がマスク着用していることが分かる。

Source: KCTV, 2023/03/18
モザイクの男で注目すべき点は、黒い鞄だと思う。鞄の中には銀色の物が入っているが、タブレットかパソコンのようにも見える。形状からして銃器ではないだろうし、左利きでもなければ左にはぶら下げない(左利きの軍人が左手で銃を撃つのかすら知らないが)。

Source: KCTV, 2023/03/20 (筆者加工)
次に、モザイクの男が登場する部分のアナウンスを拾い出してみる。「朝鮮中央TV」の静止画影像は、アナウンスの内容とリンクしている場合が多い。
「3月18日、戦術核武力に対する指揮及び管理統制運用体系の信頼性を多角的に再検閲し、様々な仮想的な緊急状況の中で核攻撃命令下達及び受け取り手続きの正確性と核兵器取り扱い秩序、様々な核攻撃方案による稼働手続きを厳格な安全性の検知から検閲しながら」

Source: KCTV, 2023/03/20
「核攻撃へと迅速に移行するための行動秩序と戦闘法に熟達するための訓練が何回も繰り返されながら行われました。1日の訓練を通して、核反撃準備の全行程が迅速でありながらも厳格で信頼性が高く安全な体系で運用されていることが確証されました」

Source: KCTV, 2023/03/20 (筆者加工)
「発射訓練に先立ち、最終核攻撃命令認証手続きと発射承認体系など、技術的及び制度的装置の稼働正常性と安全性を検閲し、それによる行動法を繰り返して熟練させました」

Source: KCTV, 2023/03/20
以上の影像とシンクロされているアナウンスでボールドにした部分に注目すると、核攻撃に至る手続きに関する文言が見られる。今回の訓練の目的がミサイル発射自体よりも、核攻撃に至る手続きを検証するためだったことからすると、このモザイクの男は「元帥様」の核攻撃命令を執行する核心的な軍人ではないかと推測される。すると、モザイクの男の肩からかけている黒い鞄の中に入っている銀色の機械は、核攻撃に至る最終的な指令を出すための装置、核のボタンのような機能がある装置なのかも知れない。
「元帥様」の核攻撃命令を執行する軍人だとすれば、敵のターゲットになることは間違いない。そんしたことから、顔にモザイクを入れて、特定されないようにしているのではないだろうか。もちろん、本当の執行者は隠しておき、カカシを出してきている可能性も十分にある。ともあれ、訓練の性格上、この人物が「元帥様」の近くにいることは非常に重要であることは間違いない。
だが、そのような決定的な瞬間、「元帥様」の最も近くに「娘様」がいることがもっと重要なのかも知れない。
まず、以前にモザイクが施された事例を紹介したいのだが、残念ながら影像を直ぐに見つけ出すことができない。
サングラスは明らかに正体を明かさないために着用しているのは間違いない。「元帥様」の前でやたらとサングラスを着用するのは無礼な行為だからだ。一方、マスクは他にも着用している軍人がおり、顔を隠すという目的もあろうが、どちらかというと感染予防対策だと思う。過去記事にも書いたが、北朝鮮ではインフルエンザが流行しているようで、「元帥様」に極近い人間を除いては、基本的にマスク着用が義務づけられているようだ。これも過去記事で紹介した「80万青年嘆願」の動画を見れば、全員がマスク着用していることが分かる。

Source: KCTV, 2023/03/18
モザイクの男で注目すべき点は、黒い鞄だと思う。鞄の中には銀色の物が入っているが、タブレットかパソコンのようにも見える。形状からして銃器ではないだろうし、左利きでもなければ左にはぶら下げない(左利きの軍人が左手で銃を撃つのかすら知らないが)。

Source: KCTV, 2023/03/20 (筆者加工)
次に、モザイクの男が登場する部分のアナウンスを拾い出してみる。「朝鮮中央TV」の静止画影像は、アナウンスの内容とリンクしている場合が多い。
「3月18日、戦術核武力に対する指揮及び管理統制運用体系の信頼性を多角的に再検閲し、様々な仮想的な緊急状況の中で核攻撃命令下達及び受け取り手続きの正確性と核兵器取り扱い秩序、様々な核攻撃方案による稼働手続きを厳格な安全性の検知から検閲しながら」

Source: KCTV, 2023/03/20
「核攻撃へと迅速に移行するための行動秩序と戦闘法に熟達するための訓練が何回も繰り返されながら行われました。1日の訓練を通して、核反撃準備の全行程が迅速でありながらも厳格で信頼性が高く安全な体系で運用されていることが確証されました」

Source: KCTV, 2023/03/20 (筆者加工)
「発射訓練に先立ち、最終核攻撃命令認証手続きと発射承認体系など、技術的及び制度的装置の稼働正常性と安全性を検閲し、それによる行動法を繰り返して熟練させました」

Source: KCTV, 2023/03/20
以上の影像とシンクロされているアナウンスでボールドにした部分に注目すると、核攻撃に至る手続きに関する文言が見られる。今回の訓練の目的がミサイル発射自体よりも、核攻撃に至る手続きを検証するためだったことからすると、このモザイクの男は「元帥様」の核攻撃命令を執行する核心的な軍人ではないかと推測される。すると、モザイクの男の肩からかけている黒い鞄の中に入っている銀色の機械は、核攻撃に至る最終的な指令を出すための装置、核のボタンのような機能がある装置なのかも知れない。
「元帥様」の核攻撃命令を執行する軍人だとすれば、敵のターゲットになることは間違いない。そんしたことから、顔にモザイクを入れて、特定されないようにしているのではないだろうか。もちろん、本当の執行者は隠しておき、カカシを出してきている可能性も十分にある。ともあれ、訓練の性格上、この人物が「元帥様」の近くにいることは非常に重要であることは間違いない。
だが、そのような決定的な瞬間、「元帥様」の最も近くに「娘様」がいることがもっと重要なのかも知れない。