FC2ブログ

    「<特集>「唯一超大国』を戦慄させる強軍の力」:対米全面対決戦の勝利宣言か (2013年4月25日 「朝鮮中央TV」)

    「朝鮮中央TV」でタイトルのような番組が「建軍節」の25日に放送された。類似した番組(記事にはしたが、番組名失念)は過去にも放送され、そのリメイクのような番組だと思ったのだが、今回は内容的に「対米全面対決戦」における勝利宣言に近い。「建軍節」ということと「トクスリ」米韓合同演習もまもなく終了するので、対話モードに切り替えるために対内的な「勝利宣言」をしておく必要があるのであろう。スカッド発射で「勝利宣言」とすると私は予測していたが、現況ではスカッド発射なくして「勝利宣言」をするように見えてきた。

    スカッド発射を断念したのは、水面下での中国との交渉や、この時点でスカッドを発射してしまうとさらなる安保理決議などに繋がり、「トクスリ」終了後に対話モードに切り替えるのが難しくなるという読みがあるのかもしれない。理由はともあれ、北朝鮮が緊張を高める道を選ばなかったとすれば、それは良い兆候である。

    この「特集」では、日米など外国のテレビ番組の画面を多用し、イタリア人やロシア人のインタビューを織り交ぜながら、国際的に北朝鮮が勝利したと認知されているということを強調している。では、これらの場面と共にこの番組を紹介していく。

    「唯一超大国」を戦慄させる強軍の力
    20130425-2 kctvasf_028121350
    Source: KCTV, 2013.04.25放送

    ナレーション:米国を打撃するという我々の宣言が米国とその追従勢力を恐怖に陥れている。

    記事のヘッドラインは、「朝鮮はやらないことは言わない」
    20130425-2 kctvasf_028136665
    Source: KCTV, 2013.04.25放送

    ナレーション:各種の核兵器を南朝鮮地域に持ち込み、核戦争演習に狂奔していた米国が突然態度を変え、ミサイル実験中止、一部の軍事演習取りやめ、北を刺激しないための措置、北との対話を言い出しています。

    米国務省定例記者会見やホワイトハウスでの記者会見場面
    20130425-2 kctvasf_028155950
    Source: KCTV, 2013.04.25放送

    ナレーション:この突然の変化は、決して米国の本心が変わったからではありません。宣言の背景には、我が人民軍の予測不可能で強力な作戦的措置が取られるということ、軍事的対決では百回なら百回、奴らが敗北を免れないと言うことを感じているからです。

    人民軍の訓練風景
    20130425-2 kctvasf_028163224
    Source: KCTV, 2013.04.25放送

    ナレーション:朝鮮人民軍の実力こそが、朝鮮民主主義人民共和国の力です。今、世界のメディアでは我々の軍事力について多く語られています。

    各国の新聞
    20130425-2 kctvasf_028189450
    Source: KCTV, 2013.04.25放送

    ナレーション:特に、米国とその追従勢力でそのような傾向が強く見られます。最近、米国の国防長官と軍事専門家が、昨年、偉大な金日成大元帥様の誕生100周年記念閲兵式で見せた我々の先端兵器について言及し、米国本土を打撃できる兵器を見せる場面が毎日放送され米国全土に恐怖を拡散させているだけではなく、米国の核専門家たちも「朝鮮民主主義人民共和国は、長距離ミサイルだけではなく、中・短距離ミサイルに搭載できる核弾頭も開発した」と述べることで、恐怖の雰囲気を増長させています。

    米ABC放送の記者
    20130425-2 kctvasf_028209236
    Source: KCTV, 2013.04.25放送

    「長距離ミサイル」
    20130425-2 kctvasf_028219212
    Source: KCTV, 2013.04.25放送

    ミサイルの射程「北朝鮮が米国を狙う」
    20130425-2 kctvasf_028229222
    Source: KCTV, 2013.04.25放送

    20130425-2 kctvasf_028239232
    Source: KCTV, 2013.04.25放送

    ナレーション:全世界が、敬愛する金正恩元帥様の軍部隊現地視察と共に登場する軍の装備を見て、「初めて見たもの、想像もできなかったもの」といいながら、「まだ公開されていないものまで含めれば、北の国防力は限りがない」と驚きを示しています。

    20130425-2 kctvasf_028251177
    Source: KCTV, 2013.04.25放送

    20130425-2 kctvasf_028255181
    Source: KCTV, 2013.04.25放送

    ナレーション:いわゆる「世界的超大国」を揺する強軍、それが今の朝鮮人民軍の地位なのです。しかし、我々の軍の中には、先端兵器や核兵器だけでは計算することができないさらなる威力があります。米国と追従勢力が本当に恐れる要因が、まさにそれなのです。

    20130425-2 kctvasf_028267293
    Source: KCTV, 2013.04.25放送

    20130425-2 kctvasf_028269695
    Source: KCTV, 2013.04.25放送

    20130425-2 kctvasf_028289548
    Source: KCTV, 2013.04.25放送

    ナレーション:世界のメディアは、現在の朝米対立が「第2のキューバ危機」だと言っています。キューバ危機は、当時の超大国であるソ米間で発生した20世紀最大の核対決戦であったわけですが、それを朝米対決危機に例えるのは、強力な核兵器を持つ我が共和国と米国の対決が2国の運命と世界の軍事状況に与える影響力を評価しているからです。

    「1962年 カリブ海危機(キューバ危機)」
    20130425-2 kctvasf_028303795
    Source: KCTV, 2013.04.25放送

    ナレーション:しかし、ある新聞は当時と今の本質的な違いについて「根本的に異なる側面がある。過去の超大国間の核対決戦ではソ連が引いたが、今は米国が引いている」と分析しました。

    20130425-2 kctvasf_028339330
    Source: KCTV, 2013.04.25放送

    ナレーション:これは、莫大な核兵器を保有していても、意志と決断が不足し一方の超大国がもう一方の超大国に敗れたという事実からして、首脳部と軍隊の思想・精神的な優勢が運命的な対決においてどれほど重要であるのかを強調するものであり、特に朝鮮人民軍だけが備える思想・精神的優勢を示したものであります。

    20130425-2 kctvasf_028345970
    Source: KCTV, 2013.04.25放送

    20130425-2 kctvasf_028358349
    Source: KCTV, 2013.04.25放送

    20130425-2 kctvasf_028361986
    Source: KCTV, 2013.04.25放送

    ナレーション:現在の朝米対決戦で、世界的に、特に米国が我が朝鮮人民軍よりも劣っているのが思想・精神的側面です。

    20130425-2 kctvasf_028370227
    Source: KCTV, 2013.04.25放送

    20130425-2 kctvasf_028374865
    Source: KCTV, 2013.04.25放送

    ナレーション:その中でも最高司令官の意志と決断力に注目しています。その方が、軍部隊を現地指導しながら下される命令や指示、共和国の声明を通じて伝えられる警告が米国と追従勢力を驚愕させています。

    「力を示す、米国に対する新たな脅威か?」
    20130425-2 kctvasf_028378769
    Source: KCTV, 2013.04.25放送

    20130425-2 kctvasf_028390614
    Source: KCTV, 2013.04.25放送

    ナレーション:「降伏文書に署名する奴がいなくなるまで完全に殲滅しろ」、「ソウルとワシントンを容赦なく火の海にしろ」、「米国の核威嚇が続く限り、核兵器を質的・量的に強化し続けろ」などの超強硬な立場と意志という自衛偉業の正当性と信念と無慈悲な敵殲滅の意志、勝利は確定的であるという自信など、世界のどの指導者にも見いだすことができない朝鮮人民軍最高司令官の思想と意志、強い決断力が溢れているからです。

    20130425-2 kctvasf_028403760
    Source: KCTV, 2013.04.25放送

    20130425-2 kctvasf_028425314
    Source: KCTV, 2013.04.25放送

    「イタリア総合投資グループ理事長、ジャンカルロ・エルリマ・パルリ」
    20130425-2 kctvasf_028440729
    Source: KCTV, 2013.04.25放送

    字幕:「金正恩同志は卓越した戦略戦術で敵を倒すだけではなく、強い信念と意志をお持ちで、戦わずとも敵に勝てる天性の品格をお持ちです。」

    ナレーション:特に米国とその追従勢力は、最高司令官の思想と意志、そしてその決断が我が軍隊全てのものとなり、朝鮮人民軍が最高司令官の命令と指示に絶対的に忠実であることについて極度の恐怖を感じています。

    20130425-2 kctvasf_028471293
    Source: KCTV, 2013.04.25放送

    ナレーション:神聖な我が祖国に対する火遊びをしたヨンピョン島の敵共を無慈悲に掃討した朝鮮人民軍の決断を米国とその追従勢力は、震えながら記憶しているのです。

    20130425-2 kctvasf_028480602
    Source: KCTV, 2013.04.25放送

    ナレーション:西側のメディアまで思想・精神的主体、党と首領を死守する制度を崩そうとする敵に対する妥協をせず、全軍が爆弾になるのが朝鮮軍隊の本当の優勢であり、どの軍も持つことができない不変の価値だと認めています。

    20130425-2 kctvasf_028505793
    Source: KCTV, 2013.04.25放送

    「ロシア 金正日同志労作研究普及促進協会 委員長 ワジム・クジミン」
    20130425-2 kctvasf_028517772
    Source: KCTV, 2013.04.25放送

    字幕:「我々が既に目撃したように、イラク、ユーゴスラビア、リビア、シリアなどの国の指導者たちが先軍政治を実現できなかったので、自衛的国防力を強化することができず、軍隊の思想が瓦解し、結局、国の自主権を失ってしまいました。」

    ナレーション:朝鮮人民軍は、米国の強権と武力を前にして、核を放棄したり莫大な莫大な国富を投じて保有するに至った武器さえ使うことができずに崩壊してしまった、いわゆる地域強国、軍事強国といわれたバルカン半島のユーゴスラビアや中東のイラク、リビアの軍隊とは根本的に違うのであるというのが、米国と西側の一致した評価です。

    20130425-2 kctvasf_028546900
    Source: KCTV, 2013.04.25放送

    20130425-2 kctvasf_028548869
    Source: KCTV, 2013.04.25放送

    20130425-2 kctvasf_028551505
    Source: KCTV, 2013.04.25放送

    ナレーション:自分の敬愛する最高司令官と思想を同じくし、敵陣に突撃しろという命令を待ち、「心臓を燃やし」最高司令官と社会主義祖国のためであるならば、笑いながら突撃する意志と覚悟を持つ軍隊は強軍であり、こうした強軍にとって崩壊という言葉はありえないのです。

    20130425-2 kctvasf_028576062
    Source: KCTV, 2013.04.25放送

    20130425-2 kctvasf_028579899
    Source: KCTV, 2013.04.25放送

    20130425-2 kctvasf_028586139
    Source: KCTV, 2013.04.25放送

    ナレーション:米国と西側は、最高司令官金正恩同志の信念と意志で武装した朝鮮人民軍には米国の強権は通用せず、核戦力を絶対に譲歩することはなく、最高司令官が決心した瞬間、容赦なく米国を掃討するということを既存の事実として受け入れています。思想と核戦力が結合した強軍の前で米国は恐怖におののいています。これまで世界を恐怖に陥れてきた米国の核航空母艦、核潜水艦、戦略核爆撃機など、いわゆる世界最強の軍隊が本当の恐怖におののいています。いわゆる世界最強のミサイルと爆撃機を保有し、対決で譲歩をすることがなかった米国が対話を持ち出してきています。

    20130425-2 kctvasf_028635520
    Source: KCTV, 2013.04.25放送

    ナレーション:これについて「ロシアの声放送」は、「全般的な流れからすると、朝鮮が勝利している」と述べました。また、あるインターネット新聞は次のような記事を掲載しました。

    20130425-2 kctvasf_028665650
    Source: KCTV, 2013.04.25放送

    字幕:「いつか世界史の1ページに次のような一文が書かれることになるだろう。朝鮮という東方の社会主義国が、自国よりも武力の数量において500倍の強力な帝国主義「超強国」米国に対して、不屈の精神力と卓越した戦法で対決戦を展開し、米国を「タンスメ(一気に)」降伏させて21世紀の世界秩序を変えた。このような事変はこれまでもなかったし、これからもないであろう。南朝鮮のインターネット新聞 『自主民報』」

    ナレーション:世界は今、現実となった我々の世界的強軍の本当の威力を驚愕する中で目にすることになる。

    20130425-2 kctvasf_028696513
    Source: KCTV, 2013.04.25放送

    以上、相当に長くなってしまったが、ナレーションと字幕をほぼそのまま紹介してきた。見てのとおり、画面には外国のメディアが多く使用されているし、ナレーションもほぼ「勝利宣言」と言ってもよい内容である。

    注目すべきは、「米国が対話を持ち出してきた」と言っている点である。この番組は、対内的に「金正恩最高司令官の卓越した軍事指導の下、米国との対決戦において世界が認めるように北朝鮮は勝利し、北朝鮮に事実上降伏した米国が対話を呼びかけている」とした上で、「降伏した米国が対話を望むなら受け入れてやろう」という出てくるための説明するきっかけではないだろうか。同じタイトルの「労働新聞」の記事を探してみたが、見つけることはできなかった。もしかすると、別のタイトルでこうした記事が掲載されているかもしれない。

    前述したとおり、ともかくも対話モードに入ってきたということは良いことである。

    コメントの投稿

    非公開コメント

    プロフィール

    川口智彦

    Author:川口智彦
    「크는 아바이(成長するオッサン)」

    ブログの基本用語:
    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「政治局員候補」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)、2018年2月11日から「第1副部長同志」とも
    「白頭の血統」=金一族
    「大元帥様達」=「首領様」と「将軍様」
    「女史」=李雪主夫人(2018.07.26より「同志」に)

    우 그림은 충정 담아 아이가 그린 경애하는 김정은원수님이십니다.


    YouTube dprknow

    最新記事
    最新コメント
    最新トラックバック
    月別アーカイブ
    カテゴリ
    Visitors
    検索フォーム
    RSSリンクの表示
    リンク
    QRコード
    QR