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    「強くて特別な関係」:ケリー国務長官訪中 (2013年4月18日 「China Daily.com」)

    ケリー訪中関連の記事がChina Daily.comに出ていた。訪中前の米国務省定例記者会見で、同省報道官はケリー訪中の重要な目的は北朝鮮問題について中国指導部と話し合うことであるとしていた。それを示すかのように、会談後にケリー国務長官は、北朝鮮問題について中国と協力しながら対処していくというようなコメントを出していた。一方、ケリー訪中に関する中国側のコメントはChina Daily.comではこれまで見られなかったが、この記事にはかなり具体的に書かれている。興味深い点は、北朝鮮問題のプライオリティーが低いことである。

    タイトルの記事は「ケリー訪中は、米中関係を強固なものとし、朝鮮半島の緊張緩和のための中米協力を強化した」という書き出しで始まり、ケリー訪中の目的を「第一に、中米首脳の実務関係を確立すること、第二に、確固かつ強力な特別な中米関係を構築すること、第三に、朝鮮半島の安全保障について中国と話し合うこと」と朝鮮半島問題は、三番目の目的としている。つまり、ケリー訪中は、あくまでも米中関係について話し合うことであり、その枠組みの中で北朝鮮問題についても話し合うという扱いであろう。

    記事では「朝鮮半島の緊張は警戒水位に達しており、緊張を緩和し、朝鮮半島の非核化を進展させるのかという問題は、明らかにケリー訪中の最も重要なアジェンダであった」と北朝鮮問題が米国にとってはトップ・プライオリティーであったことも認めている。

    米国側の要請を受けてであろうが、「4月22日から29日の間に、米国務省副長官のジョセフ・バーンズが中国を訪問し、北朝鮮問題について中国側とより突っ込んだ話し合いをする」と報じている。

    一方、同記事では「ケリーが米国のアジア・太平洋リバランシング戦略について言及しなかった」とし、「米国は軍事面に重点を置いているので、リバランシング戦略は憂慮せざるをえなくなっている」と米国のリバランシング戦略を批判し、「ケリーも今回の歴訪中にいっているように、オバマ政権は、北朝鮮が核開発計画を放棄すれば、米国はアジア防衛のためのミサイル防衛能力を削減することで、リバランスのリバランスをする」と述べている。

    China Daily.com, "A strong and special relationship", http://www.chinadaily.com.cn/opinion/2013-04/18/content_16417479.htm

    中国外務省報道官は、ケリー訪中に先だつ17日、「我々は国連決議に従い、関連する国際的義務を尊重する」と述べ、「国連決議は明確であり、中国は国連安保理の常任理事国であり、国際社会の責任あるメンバーである」と強調している。

    China Daily.com, "China honors UN resolution on DPRK", http://www.chinadaily.com.cn/china/2013-04/17/content_16416424.htm

    中国は、米国が「北朝鮮の核・ミサイル」を口実に東アジアの同盟国におけるミサイル防衛能力を強化していることに明らかに神経質になっており、北朝鮮にどのように対応するのかを巡り米国との協力関係を強調しつつも、厳しい交渉をしているのではないかと思われる。

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