「朝鮮民主主義人民共和国外務省スポークスマン談話」:米国の対話提案に対して (2013年4月16日 「朝鮮中央通信」)
昨夜、このタイトルで記事を書き始めたら、話が大幅にそれて「朝鮮中央TV」のストリーミングについてになってしまった。アノイマスに攻撃されたと言われているuriminzokkiriは、依然として稼働していない。今回も金正恩パロディー画が掲載されたのかどうかは分からないが、今回は再稼働までに時間がかかっているので、前回よりも事態を重く見ているのかもしれない。
ストリーミングで「朝鮮中央TV」が見られるようになったとはいえ、uriminzokkiriが不調なのは実に痛い。アノイマスは北朝鮮の独裁体制を非難するという名目でuriminzokkiriにハッキング攻撃を加えているようであるが、一見悪を懲らしめる正義の味方のように見えるが、情報を遮断しているという点では独裁政権とやっていることは変わりない。自由を叫ぶのであれば、独裁政権の情報であれ何であれ発信させるべきで、さらに言えば、それを見たいと思っている側の自由を侵害していることには全く無頓着である。高尚なことをいっても、所詮ハッカー集団だといえばそれまでだが、ハッカー集団であるのならば、ハッキングが比較的容易な中国国内のサーバーなどを相手にせずに、北朝鮮内にあるkpドメインのサーバーをハッキングして実力を誇示すれば良い(今も「労働新聞」が見られなくなったので、やろうとしているのかもしれないが)。
また話がそれたので本題に戻すが、タイトルの記事の内容は以下のとおりである。
記事は「最近、米国の高位当局者が口々に対話、対話と騒ぎ立てている」と始まる。続けて「米国がまるで軍事行動を自制し、対話を願うように装い、戦争直前まで緊張を激化させた責任から逃れようとしているだけだ」と米国のを非難している。
そして、これまで同様に緊張激化の発端が「我々の平和的な衛星発射の権利を乱暴に侵害した」ことであるとし、ロケット発射を受けて出された「制裁決議」に対する「やむを得ぬ自衛的な軍事的対応措置」として核実験を実施したと主張している。
さらに、「キーリゾルブ」や「トクスリ」米韓合同演習に米国が核攻撃可能な最先端の兵器を動員したと非難し、米国が発射実験を延期した大陸間弾道弾ミサイルについては「しばらく延期したとはいうが、それも5月には発射する計画」と述べている。普通に読めば「どうせ5月に発射するのだから同じことだ」ということになろうが、「延期した」という事実を北朝鮮が認識しているという点は留意しておく必要がある。
そして「(米国がありとあらゆる兵器を動員して、北朝鮮を核で威嚇している)状況で、我々の核抑止力をなくすための対話を云々することこそが、世界の世論をミスリードするための欺瞞」であるとし、「そんな対話に我々が少しでも耳を傾けると考えるのは誤算である」と対話を拒否する姿勢を示している。
また、3月末の労働党全員大会で提示されたの「核開発と経済開発の並進路線」やそれに関わる法律に触れながら「米国が我々がまず非核化の意志を示せば対話をするというのは、我が党の路線と共和国の方を無視しようとする傲慢無礼の極致」と非難し、「我々は対話に反対はしないが、核兵器を振りかざす相手との屈辱的な協議のテーブルには着かない」と「対話はする」が「核兵器を持つ相手とはしない」としている。さらに読み続けると、「米国が対朝鮮敵対視政策と核威嚇恐喝を放棄しない限り、本当の対話は、我々が米国の核戦争威嚇を防ぐことができる核抑止力を十分に持った段階に至って初めて可能になる」としている。一部報道では、この北朝鮮の主張を「核保有国」と認めなければ米国と対話しないとしていると解釈しているが、基本的にはこれまでの北朝鮮の主張を踏襲しているだけで、対話の条件を「米国の対朝鮮敵対視政策放棄」と「北朝鮮が核を放棄してからではない」と言っているだけである。もちろん、北朝鮮は党の並進路線やそれに関わる法令が制定してハードルを挙げたが、2.29の時と基本的には変わっていない。「敵対視政策放棄」はどうとでも解釈できるし、核についても「核を開発中、あるいは保有中」という前提であった。
「談話」は、「米国が核戦争演習をやめ、侵略的な武装装備を全て(南朝鮮から)撤収しない限り、我々は自衛的な軍事的対応度合を継続的に高める」と米国を威嚇しながら結んでいる。
「労働新聞」HPが見られるようになったので、そちらの記事を参照資料として挙げておく。
『労働新聞』、「조선민주주의인민공화국 외무성 대변인담화」、http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2013-04-17-0026&chAction=L
ボストンで発生した爆弾テロで8才の男の子が亡くなったという報道があったが、本当に心が痛む。北朝鮮は、今のところこの爆弾テロについて何の報道もしていない(「朝鮮中央通信」HP準拠)。注目しているのは、北朝鮮がこの事件について、全く伝えないのか、事実のみ伝えるのか、爆弾テロの犯人を非難するコメントを付けて報道するのか、あるいは、このような事件は「米国社会が病んでいるから」というコメントを付けて報道するのかということである。9.11の時、北朝鮮は非常に早く「テロ非難声明」を出したが、今回は9.11と比べれば小規模ということもあってか、まだ何も言っていない。
ストリーミングで「朝鮮中央TV」が見られるようになったとはいえ、uriminzokkiriが不調なのは実に痛い。アノイマスは北朝鮮の独裁体制を非難するという名目でuriminzokkiriにハッキング攻撃を加えているようであるが、一見悪を懲らしめる正義の味方のように見えるが、情報を遮断しているという点では独裁政権とやっていることは変わりない。自由を叫ぶのであれば、独裁政権の情報であれ何であれ発信させるべきで、さらに言えば、それを見たいと思っている側の自由を侵害していることには全く無頓着である。高尚なことをいっても、所詮ハッカー集団だといえばそれまでだが、ハッカー集団であるのならば、ハッキングが比較的容易な中国国内のサーバーなどを相手にせずに、北朝鮮内にあるkpドメインのサーバーをハッキングして実力を誇示すれば良い(今も「労働新聞」が見られなくなったので、やろうとしているのかもしれないが)。
また話がそれたので本題に戻すが、タイトルの記事の内容は以下のとおりである。
記事は「最近、米国の高位当局者が口々に対話、対話と騒ぎ立てている」と始まる。続けて「米国がまるで軍事行動を自制し、対話を願うように装い、戦争直前まで緊張を激化させた責任から逃れようとしているだけだ」と米国のを非難している。
そして、これまで同様に緊張激化の発端が「我々の平和的な衛星発射の権利を乱暴に侵害した」ことであるとし、ロケット発射を受けて出された「制裁決議」に対する「やむを得ぬ自衛的な軍事的対応措置」として核実験を実施したと主張している。
さらに、「キーリゾルブ」や「トクスリ」米韓合同演習に米国が核攻撃可能な最先端の兵器を動員したと非難し、米国が発射実験を延期した大陸間弾道弾ミサイルについては「しばらく延期したとはいうが、それも5月には発射する計画」と述べている。普通に読めば「どうせ5月に発射するのだから同じことだ」ということになろうが、「延期した」という事実を北朝鮮が認識しているという点は留意しておく必要がある。
そして「(米国がありとあらゆる兵器を動員して、北朝鮮を核で威嚇している)状況で、我々の核抑止力をなくすための対話を云々することこそが、世界の世論をミスリードするための欺瞞」であるとし、「そんな対話に我々が少しでも耳を傾けると考えるのは誤算である」と対話を拒否する姿勢を示している。
また、3月末の労働党全員大会で提示されたの「核開発と経済開発の並進路線」やそれに関わる法律に触れながら「米国が我々がまず非核化の意志を示せば対話をするというのは、我が党の路線と共和国の方を無視しようとする傲慢無礼の極致」と非難し、「我々は対話に反対はしないが、核兵器を振りかざす相手との屈辱的な協議のテーブルには着かない」と「対話はする」が「核兵器を持つ相手とはしない」としている。さらに読み続けると、「米国が対朝鮮敵対視政策と核威嚇恐喝を放棄しない限り、本当の対話は、我々が米国の核戦争威嚇を防ぐことができる核抑止力を十分に持った段階に至って初めて可能になる」としている。一部報道では、この北朝鮮の主張を「核保有国」と認めなければ米国と対話しないとしていると解釈しているが、基本的にはこれまでの北朝鮮の主張を踏襲しているだけで、対話の条件を「米国の対朝鮮敵対視政策放棄」と「北朝鮮が核を放棄してからではない」と言っているだけである。もちろん、北朝鮮は党の並進路線やそれに関わる法令が制定してハードルを挙げたが、2.29の時と基本的には変わっていない。「敵対視政策放棄」はどうとでも解釈できるし、核についても「核を開発中、あるいは保有中」という前提であった。
「談話」は、「米国が核戦争演習をやめ、侵略的な武装装備を全て(南朝鮮から)撤収しない限り、我々は自衛的な軍事的対応度合を継続的に高める」と米国を威嚇しながら結んでいる。
「労働新聞」HPが見られるようになったので、そちらの記事を参照資料として挙げておく。
『労働新聞』、「조선민주주의인민공화국 외무성 대변인담화」、http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2013-04-17-0026&chAction=L
ボストンで発生した爆弾テロで8才の男の子が亡くなったという報道があったが、本当に心が痛む。北朝鮮は、今のところこの爆弾テロについて何の報道もしていない(「朝鮮中央通信」HP準拠)。注目しているのは、北朝鮮がこの事件について、全く伝えないのか、事実のみ伝えるのか、爆弾テロの犯人を非難するコメントを付けて報道するのか、あるいは、このような事件は「米国社会が病んでいるから」というコメントを付けて報道するのかということである。9.11の時、北朝鮮は非常に早く「テロ非難声明」を出したが、今回は9.11と比べれば小規模ということもあってか、まだ何も言っていない。