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    「根拠のない『北の仕業』説をねつ造する者は、第2の李明博逆徒と烙印される 朝鮮人民軍総参謀部スポークスマン記者の質問に回答」 (2013年4月13日 「労働新聞」)

    「朝鮮中央通信」では昨日配信されたが、同内容の記事が「労働新聞」にも掲載された。「朝鮮中央通信」に掲載されたときは、あまりにも内容が専門的すぎる、つまりインターネットがそれなりに普及しており、国民がそれに関する知識がなければ分からない記事なので、「労働新聞」に出るとは思わなかった。

    記事では「4月10日からは、青瓦台の新たな脚本に従い『未来創造科学部』が前面に立って、いわゆる『3.20ハッキング攻撃事件』が『北の仕業』である」と決めつけていると韓国政府を非難し、この問題についての北朝鮮の見解を述べている。

    まず、このハッキング攻撃により「報道業務が中断し、金融ネットワークなど銀行業務が麻痺する『電算大混乱』
    」に陥り、「いわゆる『IT強国』と自称する傀儡共は、ハッキング攻撃により発生した混乱が大きな恥」であったとしているが、「いわゆる・・・自称」としながらも韓国が「IT強国」と述べているところがおもしろい。朝鮮人民はさておき、北朝鮮指導部は韓国が「IT強国」であることは認識しているのであろう。記事では、その後、韓国当局の発表に紆余曲折があったことを紹介し、結局「北の仕業」であるという結論に達したことを根拠がないと主張している。以下、その理由が書かれているがインターネットがあまり普及していない北朝鮮で、こうした内容が「労働新聞」に掲載されているところがおもしろい。北朝鮮が主張する「ねつ造である根拠」は以下のとおりである。

    1.韓国政府は「我々が昨年6月28日から攻撃開始までに南朝鮮内部電子網に1590回も接続したことをはじめとし、長期間攻撃準備をしており、実際に攻撃した痕跡を発見した」と主張しているが、「国境のないインターネットに残されたIPアドレスを盗用したり、偽造してハッキングに利用するのは、正体を隠すためにハッカーが使う一般的な手法である。

    2.韓国政府は「過去に発生したハッカー攻撃事件に利用された攻撃経由地と今回の事件に使われた攻撃経由地が同じであるから」と主張しているが、「一般的にハッカーは、インターネットの世界で脆弱な対象を攻撃経由地として利用し」ており、その利用が「繰り返されるからといって、特定の国や集団を攻撃者として断定することは」できない。

    3.また、「精密さと隠密性を必要とするハッキングでは、何年も同じ経由地を利用するということは常識外のことである」

    4.韓国当局が「収集・分析した悪性コード76種の中で、30種余りが以前使われた攻撃コードと一致し、攻撃方式も過去に我々の仕業と主張された主要な事件の時と方式が同一である」としているが、そのような主張には「反論する価値もない」

    そして、過去に韓国が北朝鮮の「仕業」として主張した、天安号事件、農協ネット麻痺事件、GPS妨害事件などは、全てねつ造であり、北朝鮮に「挑発者」、「テロ国」という汚名を着せようとする策動であると非難している。

    記事では、「青瓦台の主人は代わったが、違うことは全くないことが再び暴露された」とし、「現南朝鮮執権者が選挙公約の時から李明博逆徒との『差別化』を表明してきたが」、「特等対決狂である李明博逆徒の轍をそのまま踏んで」おり、「時間が経つと共に、そうであることが証明されてきている」と主張している。

    そして、「根拠のない『北の仕業』説をねつ造する者は、第2の李明博逆徒の烙印を押される」と警告している。

    「朝鮮中央通信」で配信された少し前の記事で、北朝鮮がはじめて大統領就任後の朴槿恵さんを名指しで攻撃した。その記事を探したのだがすぐに見つけることができなかったので正確さには欠けるが、記事の中で「朴槿恵『政権』」と彼女の名前を出して攻撃した。しかし、注意深く読むと李明博さんには「逆徒」が付けられているが、朴槿恵さんにはまだ「逆徒」が付けられていなかった。その関係で、本記事のタイトルとなる記事を読むと朴さんも「逆徒」直前まで来ているものの、「逆徒」には至っていないということが言いたいようだ。

    「逆徒」に至るとどのようなことが起きるのか。どのみち北朝鮮は青瓦台は粉砕すると言っているのだから、運命は同じなのかもしれないが、現実的には、カカシに似顔絵を貼られて軍用犬にかみつかせたり、射撃の的とされるのであろう。最近の的は、過去記事にも書いたとおり、韓国・国防大臣の金寛鎮さんである。似顔絵を攻撃することは、ご当人や韓国民にとっては快くないことであろうが、北朝鮮にとっては全く別の意味がある。つまり、彼らとしては「最高尊厳」である歴代指導者の顔をカカシに貼り付けて射撃しているのと同じような意味合いがあるはずである。朝鮮人民にとっては最大の国辱、韓国民にとっては快くない程度と、この辺りの意識の差も大きいのかもしれない。

    『労働新聞』、「터무니없는 《북소행》설을 날조하는자들은 제2의 리명박역도로 락인될것이다 조선인민군 총참모부 대변인 기자의 질문에 대답」、http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2013-04-13-0031&chAction=T

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    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
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