「朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議第12期第7次会議開催 我が党と人民の最高領導者金正恩同志が会議に参席された」:議案、人事、法令 (2013年4月2日 「労働新聞」)
4月1日に開催された第12期第7回最高人民会議で制定された法令等については別記事で既に書いたが、会議自体についてはまだ書いていないので、1週間経ってしまったがメモを残しておく。
2012年9月25日に開催された第12期第6回最高人民会議の写真と今回の会議の写真を比較すると、背景にある銅像が変わっていることが分かる。
第12期第6回会議

Source:『労働新聞』、http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2012-09-26-0001&chAction=D
第12期第7回会議

Source: 『労働新聞』、http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2013-04-02-0004&chAction=D
第6回会議の時は、怖い顔をした金日成像であったが、今回は「太陽の微笑」顔の金日成・金正日銅像に変わっている。また、銅像上部の板の色も緑から茶色に変わり、周辺の板の色も変わっているように見えるので、改装されたのであろう。去年の放送された「録画報道」はまだ未確認だが、今年の印象では銅像を照らす照明が強められたようで、テレビ映像ではハレーションをおこしているように見えた。
序列を確認しておくと、第6回会議では金永南、崔永林、崔龍海、玄永哲、金正覚、張成沢、朴道春、金国泰、金己男、楊亨燮、姜錫柱、李勇武、玄哲海、金元弘であったが、第7回会議では、金永南、崔龍海、朴奉珠、崔永林、張成沢、金敬姫、玄永哲、金格植、金己男、朴道春、金永春、楊亨燮、李勇武、姜錫柱となっている。
細かいことはさておき、トップの数人についてだけ述べるとすれば、崔龍海さんの地位が一層向上したこと、第6回大会時の序列名簿には名前さえ挙がっていなかった朴奉珠(首相に任命)さんが第4位(金正恩を1位とする)に登場したこと、張成沢さんは序列を1つ上げ第6位に、そして金正覚さんが31位へと大幅に低下したことなどが特徴的である。
また、上の写真を見ると第6回会議では張成沢さんは党関係者の席の座っているが、第7回会議では軍側の席に最前列では1人だけスーツを着て座っている。着ているスーツが同じように見えるということはさておき、この辺りの席次は何を意味しているのであろうか。
(今日行われた「金正日国防委員長就任20周年慶祝中央報告大会」の記録映画を、今まで「朝鮮中央TV」が放送していたが、この中で張成沢さんは軍服を着ていた。錦繍山太陽宮殿を訪問するときは、軍服を着ていたと記憶しているが、金正日関係の行事には軍服着用で出席することにしているのであろうか。)
<追記>この「中央報告大会」に張成沢さんが参加していたのかというコメントを頂いた。記事を書いた後に「労働新聞」で確認したところ彼の名前はなかった。「記録映画」で軍服を着ていたのは別人の可能性が高い。
第12期第7回最高人民会議の議案は下記のとおりである。
1.朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法の一部内容修正補充について
2.朝鮮民主主義人民共和国錦繍山太陽宮殿法を採択することについて
3.朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議法令「自衛的核保有国の地位を一層確固たるものにすることについて」を採択することについて
4.朝鮮民主主義人民共和国宇宙開発法を採択することについて
5.朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議決定「朝鮮民主主義人民共和国国家宇宙開発局を設立することについて」を採択することについて
6.朝鮮民主主義人民共和国内閣の2012年事業実績と2013年の計画について
7.朝鮮民主主義人民共和国2012年国家予算執行の結果と2013年国家予算について
8.組織問題(人事問題)
1~3については、過去記事に書いた。4については同法を制定すること、5については同局を「国家の宇宙科学技術を飛躍的に発展させ、経済建設を進めて人民生活を向上させ、共和国の全ての宇宙活動を統一的に指導管理する」とし、「宇宙開発計画の作成と実行、宇宙開発事業に関する監督と統制を統一的に指導管理する国家の中央指導機関」と位置づけている。
『労働新聞』、「조선민주주의인민공화국 최고인민회의 법령 조선민주주의인민공화국 우주개발법을 채택함에 대하여」、http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2013-04-02-0016&chAction=L
『労働新聞』、「조선민주주의인민공화국 최고인민회의 결정 조선민주주의인민공화국 국가우주개발국을 내옴에 대하여」、http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2013-04-02-0017&chAction=L
党人事(組織問題)に関しては、以下のとおりである。
崔永林内閣総理を召還し最高人民会議常任委員会名誉副委員長に、内閣総理は朴奉珠代議員に。金正覚、李ミョンス両代議員を「職務変動により」国防委員会員より召還。金格植代議員、崔富一代議員を国防委員会委員に。太亨徹代議員を最高人民会議常任委員会書記長より召還し、洪善玉を同書記長に。
この他に、内閣メンバーの解任及び任命が行われた。
解任者(括弧内は解任前の職責)
李スンホ代議員(内閣副総理)
金フィヨン代議員(原油工業相)
ファン・ミンデ代議員(農業相)
李ソンオク代議員(化学工業相)
リョム・チョルス代議員(国家資源開発相)
ファン・ハクウォン代議員(都市経営相)
金チャンリョン代議員(国土環境保護相)
崔チャンシク代議員(保健相)
ソン・チャリプ代議員(金日成総合大学総長兼教育委員会高等教育相)
新規被任命者
李ミョンヨン代議員(内閣副総理兼化学工業相)
李チョルマン代議員(内閣副総理兼農業相)
カン・ヨンス代議員(都市経営相)
ベ・ハクドン(原油工業相)
李ヒョク(水産相)
李チュンサム(国家資源開発相)
金ギョンジュン(国土環境保護相)
カン・ハコク(保健相)
テ・ヒョンチョル(金日成総合大学総長兼教育委員会高等教育相)
解任者と新規被任命者を比較すると、新規被任命者は最高人民会議の非代議員が増えている。最高人民会議の代議員選挙は2009年3月に行われて以来行われていないが、5年に1回であるとすれば来年3月に選挙が行われるはずである。その時までに、新内閣のメンバーが朴奉珠内閣の下で経済立て直しが進めば、彼らは代議員に選出されることになるのであろう。
『労働新聞』、「조선민주주의인민공화국 최고인민회의 제12기 제7차회의 진행 우리 당과 인민의 최고령도자 김 정 은동지께서 회의에 참석하시였다」、http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2013-04-02-0004&chAction=D
「労働新聞」が紹介するプロフィールは以下のとおり。
朴奉珠首相

Source: 『労働新聞』、http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2013-04-02-0020&chAction=D
1939年4月10日生まれ
トクチョン工業大学卒業後、機械製作技師の資格を受ける。
道党副部長、ナムフン青年化学連合企業所党責任秘書、党中央委員会副部長、化学工業相、内閣総理、党中央委員会第1副部長を経て、2012年4月から党中央委員会軽工業部部長
朴奉珠さんは、早速、8日の「金正日国防委員長就任20周年慶祝中央報告大会」で演説をしていたが、目新しいことは言わなかった。
崔永林最高人民会議常任委員会名誉副委員長

Source: 『労働新聞』、http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2013-04-02-0021&chAction=D
1930年11月20日咸鏡北道キョンフン郡生まれ
1950年7月人民軍入隊
大学卒業後、経済技師の資格を受ける
党中央委員会指導員、課長、副部長、第1副部長、部長、錦繍山議事堂書記室責任書記、政務院副総理、中央検察所長、最高人民会議常任委員会書記長、平壌市党責任秘書経て2010年6月から内閣総理。
2012年9月25日に開催された第12期第6回最高人民会議の写真と今回の会議の写真を比較すると、背景にある銅像が変わっていることが分かる。
第12期第6回会議

Source:『労働新聞』、http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2012-09-26-0001&chAction=D
第12期第7回会議

Source: 『労働新聞』、http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2013-04-02-0004&chAction=D
第6回会議の時は、怖い顔をした金日成像であったが、今回は「太陽の微笑」顔の金日成・金正日銅像に変わっている。また、銅像上部の板の色も緑から茶色に変わり、周辺の板の色も変わっているように見えるので、改装されたのであろう。去年の放送された「録画報道」はまだ未確認だが、今年の印象では銅像を照らす照明が強められたようで、テレビ映像ではハレーションをおこしているように見えた。
序列を確認しておくと、第6回会議では金永南、崔永林、崔龍海、玄永哲、金正覚、張成沢、朴道春、金国泰、金己男、楊亨燮、姜錫柱、李勇武、玄哲海、金元弘であったが、第7回会議では、金永南、崔龍海、朴奉珠、崔永林、張成沢、金敬姫、玄永哲、金格植、金己男、朴道春、金永春、楊亨燮、李勇武、姜錫柱となっている。
細かいことはさておき、トップの数人についてだけ述べるとすれば、崔龍海さんの地位が一層向上したこと、第6回大会時の序列名簿には名前さえ挙がっていなかった朴奉珠(首相に任命)さんが第4位(金正恩を1位とする)に登場したこと、張成沢さんは序列を1つ上げ第6位に、そして金正覚さんが31位へと大幅に低下したことなどが特徴的である。
また、上の写真を見ると第6回会議では張成沢さんは党関係者の席の座っているが、第7回会議では軍側の席に最前列では1人だけスーツを着て座っている。着ているスーツが同じように見えるということはさておき、この辺りの席次は何を意味しているのであろうか。
(今日行われた「金正日国防委員長就任20周年慶祝中央報告大会」の記録映画を、今まで「朝鮮中央TV」が放送していたが、この中で張成沢さんは軍服を着ていた。錦繍山太陽宮殿を訪問するときは、軍服を着ていたと記憶しているが、金正日関係の行事には軍服着用で出席することにしているのであろうか。)
<追記>この「中央報告大会」に張成沢さんが参加していたのかというコメントを頂いた。記事を書いた後に「労働新聞」で確認したところ彼の名前はなかった。「記録映画」で軍服を着ていたのは別人の可能性が高い。
第12期第7回最高人民会議の議案は下記のとおりである。
1.朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法の一部内容修正補充について
2.朝鮮民主主義人民共和国錦繍山太陽宮殿法を採択することについて
3.朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議法令「自衛的核保有国の地位を一層確固たるものにすることについて」を採択することについて
4.朝鮮民主主義人民共和国宇宙開発法を採択することについて
5.朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議決定「朝鮮民主主義人民共和国国家宇宙開発局を設立することについて」を採択することについて
6.朝鮮民主主義人民共和国内閣の2012年事業実績と2013年の計画について
7.朝鮮民主主義人民共和国2012年国家予算執行の結果と2013年国家予算について
8.組織問題(人事問題)
1~3については、過去記事に書いた。4については同法を制定すること、5については同局を「国家の宇宙科学技術を飛躍的に発展させ、経済建設を進めて人民生活を向上させ、共和国の全ての宇宙活動を統一的に指導管理する」とし、「宇宙開発計画の作成と実行、宇宙開発事業に関する監督と統制を統一的に指導管理する国家の中央指導機関」と位置づけている。
『労働新聞』、「조선민주주의인민공화국 최고인민회의 법령 조선민주주의인민공화국 우주개발법을 채택함에 대하여」、http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2013-04-02-0016&chAction=L
『労働新聞』、「조선민주주의인민공화국 최고인민회의 결정 조선민주주의인민공화국 국가우주개발국을 내옴에 대하여」、http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2013-04-02-0017&chAction=L
党人事(組織問題)に関しては、以下のとおりである。
崔永林内閣総理を召還し最高人民会議常任委員会名誉副委員長に、内閣総理は朴奉珠代議員に。金正覚、李ミョンス両代議員を「職務変動により」国防委員会員より召還。金格植代議員、崔富一代議員を国防委員会委員に。太亨徹代議員を最高人民会議常任委員会書記長より召還し、洪善玉を同書記長に。
この他に、内閣メンバーの解任及び任命が行われた。
解任者(括弧内は解任前の職責)
李スンホ代議員(内閣副総理)
金フィヨン代議員(原油工業相)
ファン・ミンデ代議員(農業相)
李ソンオク代議員(化学工業相)
リョム・チョルス代議員(国家資源開発相)
ファン・ハクウォン代議員(都市経営相)
金チャンリョン代議員(国土環境保護相)
崔チャンシク代議員(保健相)
ソン・チャリプ代議員(金日成総合大学総長兼教育委員会高等教育相)
新規被任命者
李ミョンヨン代議員(内閣副総理兼化学工業相)
李チョルマン代議員(内閣副総理兼農業相)
カン・ヨンス代議員(都市経営相)
ベ・ハクドン(原油工業相)
李ヒョク(水産相)
李チュンサム(国家資源開発相)
金ギョンジュン(国土環境保護相)
カン・ハコク(保健相)
テ・ヒョンチョル(金日成総合大学総長兼教育委員会高等教育相)
解任者と新規被任命者を比較すると、新規被任命者は最高人民会議の非代議員が増えている。最高人民会議の代議員選挙は2009年3月に行われて以来行われていないが、5年に1回であるとすれば来年3月に選挙が行われるはずである。その時までに、新内閣のメンバーが朴奉珠内閣の下で経済立て直しが進めば、彼らは代議員に選出されることになるのであろう。
『労働新聞』、「조선민주주의인민공화국 최고인민회의 제12기 제7차회의 진행 우리 당과 인민의 최고령도자 김 정 은동지께서 회의에 참석하시였다」、http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2013-04-02-0004&chAction=D
「労働新聞」が紹介するプロフィールは以下のとおり。
朴奉珠首相

Source: 『労働新聞』、http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2013-04-02-0020&chAction=D
1939年4月10日生まれ
トクチョン工業大学卒業後、機械製作技師の資格を受ける。
道党副部長、ナムフン青年化学連合企業所党責任秘書、党中央委員会副部長、化学工業相、内閣総理、党中央委員会第1副部長を経て、2012年4月から党中央委員会軽工業部部長
朴奉珠さんは、早速、8日の「金正日国防委員長就任20周年慶祝中央報告大会」で演説をしていたが、目新しいことは言わなかった。
崔永林最高人民会議常任委員会名誉副委員長

Source: 『労働新聞』、http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2013-04-02-0021&chAction=D
1930年11月20日咸鏡北道キョンフン郡生まれ
1950年7月人民軍入隊
大学卒業後、経済技師の資格を受ける
党中央委員会指導員、課長、副部長、第1副部長、部長、錦繍山議事堂書記室責任書記、政務院副総理、中央検察所長、最高人民会議常任委員会書記長、平壌市党責任秘書経て2010年6月から内閣総理。