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    「朝鮮民主主義人民共和国国家航空総局報道官談話」:ICAOの北朝鮮非難に対する談話、「戦争状態」だからミサイル発射の「事前通告」はしない (2022年10月8日 「朝鮮中央通信」)

    8日、「朝鮮中央通信」に以下。

    ***************
    朝鮮民主主義人民共和国国家航空総局報道官談話
    조선민주주의인민공화국 국가항공총국 대변인담화

    最近、国債民用航空機構総会第41回会議では、我々のミサイル発射が「国連安保理事会決議」と国際民用航空条約に対する違反となるという「決議」なるものを採択した。
    최근 국제민용항공기구총회 제41차회의에서는 우리의 미싸일발사가 《유엔안보리사회 결의》와 국제민용항공협약에 대한 위반으로 된다는 이른바 《결의》를 채택하였다.

    朝鮮民主主義人民共和国国家航空総局は、これを共和国の自主権を侵奪しようという米国と追従勢力の政治的挑発行為と烙印し、断固として糾弾排撃する。
    조선민주주의인민공화국 국가항공총국은 이것을 우리 공화국의 자주권을 침탈하려는 미국과 그 추종세력들의 정치적도발행위로 락인하고 단호히 규탄배격한다.

    我々のミサイル発射は半世紀以上持続してきた米国の直接的な軍事的脅威から国の安全と地域の平和を守護するための正常で計画的な自衛的措置であり、国際飛行する民用航空機の安全を事前に十分に考慮したものとなり、民用航空の安全はもちろん、周辺国と地域の安全にいかなる脅威や危険も与えなかった。
    우리의 미싸일시험발사는 반세기이상 지속되여오는 미국의 직접적인 군사적위협들로부터 나라의 안전과 지역의 평화를 수호하기 위한 정상적이고 계획적인 자위적조치이며 국제비행하는 민용항공기들의 안전을 사전에 충분히 고려한것으로 하여 민용항공의 안전은 물론 주변국가들과 지역의 안전에 그 어떤 위협이나 위해도 주지 않았다.

    しかし米国は、なんとしてでも我が共和国の自衛権行使を遮ろうと国際民用航空機構を政治化し、我々に対する国際的圧迫を醸成しながら、国際的に公認された航空サービスを中止させるだけではなく、機構成員国である我々との技術活動まで遮断する「決議」を強圧的に採択させた。
    그러나 미국은 어떻게 해서든지 우리 공화국의 자위권행사를 가로막아보려고 국제민용항공기구를 정치화하여 우리에 대한 국제적압박을 조성하면서 국제적으로 공인된 항행봉사를 중지시킨것도 모자라 기구성원국인 우리와의 기술활동까지 차단하는 《결의》를 강압적으로 채택하게 하였다.

    今回の「決議」採択の根拠として持ち出してきた「国連安保理事会決議」について言えば、それはむしろ国際民用航空機構が標準としている国際的な航空サービスを遮断させ、国際航空の安全に脅威を醸成し、成員国の会費送金さえも遮り、機構の財政活動を妨害しており、我々が遵守しなければならないという「事前通知」規定も技術的に戦争状態にある朝鮮半島の現実を全く反映していない。
    이번 《결의》채택의 근거로 들고나온 《유엔안보리사회 결의》에 대해 말한다면 그것은 오히려 국제민용항공기구가 표준으로 내세운 국제적인 항행봉사를 차단시켜 국제항행의 안전에 위협을 조성하고 성원국의 회비송금마저 가로막아 기구의 재정활동을 방해하고있으며 우리가 준수하여야 한다는 《사전통지》규정도 기술적으로 전쟁상태에 있는 조선반도의 현실을 전혀 반영하지 않고있다.

    国際民用航空機構は、朝鮮半島に醸成されている政治軍事的問題を純粋な技術活動とごちゃ混ぜにしながら機構舞台を成員国に対する政治的圧力空間として盗用しようという米国をはじめとした反共和国敵対勢力の策動に便乗するのではなく、公正な立場を取らなければならない。
    국제민용항공기구는 조선반도에 조성되여 있는 정치군사적문제를 순수한 기술활동과 뒤섞으면서 기구무대를 성원국에 대한 정치적압력공간으로 도용하려는 미국을 비롯한 반공화국적대세력들의 책동에 편승할것이 아니라 공정한 립장을 취해야 한다.

    我が国の自主権行使を遮ろうという米国と追従勢力の企ては、国連憲章に反する乱暴な国権侵害行為である。
    우리 국가의 자위권행사를 가로막으려는 미국과 그 추종세력들의 시도는 유엔헌장에 배치되는 란폭한 국권침해행위이다.

    朝鮮民主主義人民共和国国家航空総局は、今後も国際民用航空機構成員国としての自己の義務を責任を持って誠実に履行していき、機構で起こっている米国と敵対勢力の反共和国孤立圧殺策動を絶対に容認せず、より強力に対応していく。
    조선민주주의인민공화국 국가항공총국은 앞으로도 국제민용항공기구성원국으로서의 자기의 의무를 책임적으로 성실히 리행해나갈것이며 기구에서 벌어지고있는 미국과 적대세력들의 반공화국고립압살책동을 추호도 용납하지 않고 보다 강경하게 대응해나갈것이다.

    主体111(2022)年10月8日
    주체111(2022)년 10월 8일
    平壌
    평 양(끝)
    www.kcna.kp (주체111.10.8.)

    ******************************


    B) (ICAO理事会)は、国際航空路上あるいはその付近での北朝鮮による事前通告のない継続的な弾道ミサイルの発射に対する強い非難を表明する。こうした発射は、国際民間航空の安全に重大な脅威となっている。
    b) expressed its strong condemnation of the continued launching of ballistic missiles by
    the Democratic People’s Republic of Korea over or near international air routes
    without advance notification, which seriously threatens the safety of international civil
    aviation;

    「(COUNCIL — 212TH SESSION FIRST MEETING, THE COUNCIL CHAMBER, F RIDAY, 6 O CTOBER 2017, AT 1000 HOURS,
    SUMMARY OF DECISIONS)」、日本外務省、https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000296480.pdf

    に対する反論を「北朝鮮航空総局報道官」が出した。「国際航空路上あるいはその付近」を通過するミサイル発射をする際は「事前通告」をすることがルールになっているようだが、北朝鮮以外の「成員国」はこのルールを遵守しているのだろうか。北朝鮮が朝鮮半島が「技術的に戦争状態にある」ことを「事前通知」できない理由としているところからすると、「事前通知」をしないのは北朝鮮だけという可能性はある。

    「技術的に戦争状態」になくても、軍事的・政治的目的でミサイル発射をするのに、わざわざ「事前通告」をするというのもあり得ない話ではある。北朝鮮は「人工衛星運搬ロケット」を発射する際には、ICAOやIMOに空路や航路の安全に関する事前通告をしている。

    <追記>
    航空管制について少し調べてみた。

    まず、空域には「飛行情報区(Flight Information Region, FIR)」が設定されており、北朝鮮に対しては「平壌飛行情報区」が設定されている。FIRでは「航空機の航行に必要な各種の情報提供活動」が行われるとされており、ミサイル発射の事前通告もその一つと考えられる。
    20221008 FIR
    Source: 日本・国交省、https://www.mlit.go.jp/koku/content/001423394.pdf

    北朝鮮のFIR飛行については、次のような説明があった。

    *********************
    2018年にあった米国との対話以来、北朝鮮はICAOに対して全ての北朝鮮のFIRにおける「航空に危険を及ぼす活動」に関する適切な警告を提供することで合意した。しかし、2019年5月、北朝鮮はノータム(航空士に対する情報提供、NOTAM)による警告をすることなく日本海に向けてのミサイル発射を再開した。
    Following talks with the US in early 2018, North Korea agreed with ICAO that it would provide adequate warning of all “activity hazardous to aviation" within its airspace. However, in May 2019 North Korea resumed launching missiles into the Sea of Japan, without providing any warning by Notam.

    米国は日本海上の北朝鮮空域と海上部分を含む平壌FIRを含む全ての北朝鮮空域の飛行を禁止した。他の国々も事前通告がないロケット発射の危険があるので注意するよう空域警報を出している。
    The US prohibits flights across all North Korean airspace, including the oceanic part of the ZKKP/Pyongyang FIR over the Sea of Japan. Several other countries have airspace warnings in place which advise caution due to the risk posed by unannounced rocket launches.

    主要な危険は、日本海上の平壌FIRの海域におけるミサイルの再突入による落下物である。そのため、飛行ルートは日本列島上あるいはその東を考慮するよう求められている。
    The primary risk is from debris from missile re-entries striking aircraft overflying the oceanic part of the ZKKP/Pyongyang FIR over the Sea of Japan. Consider rerouting to remain over the Japanese landmass or east of it.

    Japan-FIR-Risk-17.png

    Source: SAFE AIRSPACE, Conflict Zone & Risk Database, All current warnings, in one place, https://safeairspace.net/north-korea/
    *********************

    トランプと「元帥様」の間で対話が行われていた時期、北朝鮮が「事前通告」について「合意」したことは知らなかったか忘れていた。しかし、対話が決裂してから北朝鮮は「事前通告」なくミサイル発射を再開し、今日の至っている。2022年の地図は見つからなかったが、落下地点はもっと多くなるであろう。

    上の解説に出てくる「Notam」であるが、花火大会や気球を上げることも含めて、細かな情報提供がなされていることが分かるHPがあった。

    20221008 notman
    Source: http://wxwbntm.info/notammap

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    川口智彦

    Author:川口智彦
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    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「政治局員候補」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)、2018年2月11日から「第1副部長同志」とも
    「白頭の血統」=金一族
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