東京ビッグサイトで2つのフェア、アマチュア無線、パタパタ時計、メルクリン、昭和的ホルモン焼き (2022年8月21日)
21日、東京ビッグサイトで開催された2つのフェアを回ってきた。
1つめは、「ハムフェア」。コロナの影響で3年ぶりの開催となったが、実は、2019年に数十年ぶりに行って以来、21世紀では2回目に行くハムフェアだった。19年に行ったときは、「デジタル何とか」とか全くついて行けず、せいぜいジャンクコーナーに並ぶ古い無線機を見て懐かしいと思うぐらいだった。この年は、StandardのVX-8というワイドバンド受信+50MHzのAMも含む3バンドで使える「奇跡的」な無線機を中古で買った。一般展示の閉店ギリギリで買ったこともあり、そこそこ安く買えたが、それでもこの「古い」無線機を触ったときは数十年のテクノロジーの変化を感じた。
無線の世界では、その間に「新スプリアス規格」なるものができており、登録されている無線機は全て何らかの手続きをしなければ継続して使えない状態になっていた。そんな中、VX-8は「新スプリアス規定」をクリアしたありがたい無線機だった。そんなこともあり、購入後、早速、変更申請を出しておいた。
この無線機は、時々、朝鮮の放送を聞く以外ほとんど使うことはないのだが、災害が発生して携帯電話網が麻痺したときには役に立つのかも知れない。50MHzのAMで誰かと話してみたいと思っているのだが、誰もいない。私が初めて使った無線機はFDAM-3という50MHzの「ハンディ」ではない弁当箱より大きな「移動用」トランシーバーだった。懐かしくなってメルカリで3000円で購入し、使えるところまで修理したが、そもそも相手もいないし、ダミーロード以外で電波を出すためには「新スプリアス規格」をクリアしなければならないので、金も手間もかかる。
ともあれ、このハムフェアを契機に電子工作に再び火が付き、ラジオや受信機を買っては修理・調整して遊んだり、dprknowチャンネルにYJ88シリーズも出せるようになった。過去、中古品は無線機店の店頭で買うか無線雑誌の「売ります・買います」コーナーしかなかったが、今はネットオークションやフリマで、しかも国境を越えて購入できるので、見つけるのも容易になった。さらに、回路図や修理に関する情報もネットに多く漂っており、また古い部品も入手できたりするので、すごい時代になったと思う。
最近ではメルカリでジャンクのパタパタ時計を買って修理したのだが、この時も海外のネット情報がとても役立った。購入した時計はモータのコイルが焼き切れているという致命的な状態だった。メーカーも「Tokyo Clock」というパタパタ時計としては超レアなメーカーなので、2個1で修理することも不可のだった。ところが、色々と検索していたら、この時計に使われているモーターユニットが日本製ではなく米国製らしいことが分かった。調べてみると、米国のGE系の電気時計に使われているモーターが使われてることが分かった。調べていてまず出てきたのは、コイルを巻き直して安全のために16Vで使うというオーストラリアの人のプロジェクトだった。巻き数や巻き線の太さが具体的に書かれており、面倒だがコイルを巻き直すことを一応、プラン1とした。しかし、コイルを巻き直したところで、モーター部分が回らなければ話にならない。こちらはこちらで、モーターの中で固まったグリスをオーブンレンジで焼いて溶かして復活させるという荒技をYouTubeで紹介している米国人がいた。オーブンレンジの荒技はちょっと怖かったので、コーヒーメーカーの保温機能を使って溶かすという技を採用して溶かしてみたら、見事に復活した。さらに検索を続けると、同じモーターの米国仕様(60Hz)版の中古がebayで安く売られていることが分かり、これを購入した(送料の方が高かった)。
パタパタ時計に使われているモーターは欧州仕様の50Hz版という超入手困難なモーターだったが、コーヒーメーカーで復活したので、米国から取り寄せたコイルにセットしたら普通に動き出した。
こんなことは、ネットや海外オークションがなければ到底不可能な技なので、本当に凄い時代になったと思う。
米国仕様の60Hzモーター(左)と焼けたコイル右)

静かに動いているパタパタ時計

このパタパタ時計はサンキョーのジャンクパタパタ時計とセットで購入したのだが、サンキョーの方はプラスチックギアが割れて飛び散り、消えていた。こちらは日本のサイトで見ていたらダイソーの100円目覚ましのギアが流用できるという情報があり、軸穴や厚みを加工する必要はあったが、ギアの数や大きさはぴったりでこちらも普通に動いている。
3年ぶりのハムフェア、コロナの影響もあってか2019年より出店店舗も観覧者も少なく、特に、観覧者も出展者も私も含めて「老化」が進んでいた。欲しいジャンクは色々とあったのだが、ただでさえ増えつつあるジャンクをあまり増やすのはやめ、それでも来場記念に島津製作所の70年代に製作された「2号回路計」を2000円で買ってきた。その場で、抵抗レンジで試したところ動いたので購入したが、帰宅後に試したところ、電圧レンジはACもDCも正常なようだ(電流レンジはまだ未テスト)。
3時頃から店じまいするコーナーが増えてきたので、隣の建物でやっていた「国際鉄道模型コンベンション」なるものにも足を運んでみた。「ハムフェア」と比較するまでもなく、こちらは盛況で、高校生以下の若い人たちもたくさんいた。あるコーナーで人だかりができて皆撮影していたので覗いてみたら、自称「鉄道オタク」の自民党国会議員が来場して記念撮影をしていた。
鉄道模型は、それこそ子供の頃にHOゲージで遊んだ程度だが、これもメルカリで面白半分に格安のメルクリンのセットを買って少しはまった。その後、米国ディーゼル機関車RS3模型を塗装し直して北朝鮮のディーゼル機関車に改造しようと思ったのだが、台車部分にテーピングをしたところで止まっている。HOは線路を持っていないので、メルクリンの3線線路上で日本製の車両を走らせようと給電版を付けての台車部分だけのテスト走行にも成功しているのだが、塗装には全く手が出ていない。一番のネックは、HOの6動軸台車がなく、改造できそうな個体は4動軸ばかりだということもあるのだが。
テーピングをして塗装しようと思ったまま放置された台車

メルクリンの欧州ディーゼル機関車(上)、日本メーカーのディーゼル機関車(6動軸車輪)(下)、上に載せられているのは日本メーカのディーゼル機関車(4動軸車輪)をメルクリンの3線レールで走らせるために給電部を付けたもの。上の写真のテーピングをした車台にこの写真にある6動軸車輪を移植しようと目論んだが、へこみ部分のサイズが合わなかった。また、ボディーだけの交換も形状が微妙に異なり不可だった。鉄道模型会場にいた人々なら何とかしてしまうのだろうが、私はここで諦めた。

製作を目指した北朝鮮のディーゼル機関車

Source:不詳ながら北朝鮮で撮影したことは間違いない、手すりに「XX線」とあるるのだが読み取れない。
SantaFeで偽物を作ることもできそうだが・・・

ということで、鉄道模型熱も少し冷めてはいたのだが、コンベンションの会場を回って、鉄道模型の世界がディープだということを改めて感じた。ジオラマはどれを見ても素晴らしかったが、私が一番関心を持ったのは古いOゲージの展示で、特にトランスの1次側の電圧を調整するというアイディアは斬新だった。最近のプログラム化された自動運転も凄いとは思うが、こういうオールド・テクノロジーの方が私にはおもしろい。そんなこともあり、Oゲージを動かしていたコーナーの方と30分ぐらい話し込んでしまった。
こちらでの記念品は入場時に受け取ったバッジしかないが、まだ持っていなければ、「元帥様」と「大元帥様達」の小さなフィギュアでも買うところだった(写真の左隅)。やはり「絶世偉人」達は、日本人民に大人気なのか、3人セットは私が行ったときは売り切れになっていた(しかも、値段も一番高かった)。

Source: 19日に行った同志提供
帰路、浜川崎駅から徒歩15分ぐらいの所にある「道飛館」という焼き肉店に立ち寄り、ビールを飲みながらホルモン系の肉を食べた。この店は「同胞」系の店なのだが、拙宅からはそれなりに時間がかかるので、年に数回しか行けない。コロナに勝ち抜きお店が営業を続けているのは嬉しいことだ。この店に初めて行ったときは店のお婆さんがいて、少し朝鮮語で話をした。駅から距離があり、探しにくい場所にあるが、Google Mapを活用すれば十分に見つけることができる。
<追記>
テスターをビニール袋に入れて歩いていたら、測定器会社のおねーさんが丈夫な布バックをくれた。「測定器の説明をしてますので、ご覧になりませんか」と言われたが、「頂き物をしたのにすみません」と立ち去った。帰宅後中を見たらカタログと一緒にミニ・ドライバセットも入っており、ちょっとお得な気分に。バッジは鉄道模型コンベンションのもの。
2000円のテスターをぶら下げて歩いているオッサンに8万円のオシロは高すぎる。

オシロとして使ってるHANTEKで測ったAC100Vタップの電圧と「2号回路計」(何か北朝鮮ポクてよい)で測った電圧。「2号回路計」とても正確。

抵抗値も測ってみた。こちらもかなり正確。

1つめは、「ハムフェア」。コロナの影響で3年ぶりの開催となったが、実は、2019年に数十年ぶりに行って以来、21世紀では2回目に行くハムフェアだった。19年に行ったときは、「デジタル何とか」とか全くついて行けず、せいぜいジャンクコーナーに並ぶ古い無線機を見て懐かしいと思うぐらいだった。この年は、StandardのVX-8というワイドバンド受信+50MHzのAMも含む3バンドで使える「奇跡的」な無線機を中古で買った。一般展示の閉店ギリギリで買ったこともあり、そこそこ安く買えたが、それでもこの「古い」無線機を触ったときは数十年のテクノロジーの変化を感じた。
無線の世界では、その間に「新スプリアス規格」なるものができており、登録されている無線機は全て何らかの手続きをしなければ継続して使えない状態になっていた。そんな中、VX-8は「新スプリアス規定」をクリアしたありがたい無線機だった。そんなこともあり、購入後、早速、変更申請を出しておいた。
この無線機は、時々、朝鮮の放送を聞く以外ほとんど使うことはないのだが、災害が発生して携帯電話網が麻痺したときには役に立つのかも知れない。50MHzのAMで誰かと話してみたいと思っているのだが、誰もいない。私が初めて使った無線機はFDAM-3という50MHzの「ハンディ」ではない弁当箱より大きな「移動用」トランシーバーだった。懐かしくなってメルカリで3000円で購入し、使えるところまで修理したが、そもそも相手もいないし、ダミーロード以外で電波を出すためには「新スプリアス規格」をクリアしなければならないので、金も手間もかかる。
ともあれ、このハムフェアを契機に電子工作に再び火が付き、ラジオや受信機を買っては修理・調整して遊んだり、dprknowチャンネルにYJ88シリーズも出せるようになった。過去、中古品は無線機店の店頭で買うか無線雑誌の「売ります・買います」コーナーしかなかったが、今はネットオークションやフリマで、しかも国境を越えて購入できるので、見つけるのも容易になった。さらに、回路図や修理に関する情報もネットに多く漂っており、また古い部品も入手できたりするので、すごい時代になったと思う。
最近ではメルカリでジャンクのパタパタ時計を買って修理したのだが、この時も海外のネット情報がとても役立った。購入した時計はモータのコイルが焼き切れているという致命的な状態だった。メーカーも「Tokyo Clock」というパタパタ時計としては超レアなメーカーなので、2個1で修理することも不可のだった。ところが、色々と検索していたら、この時計に使われているモーターユニットが日本製ではなく米国製らしいことが分かった。調べてみると、米国のGE系の電気時計に使われているモーターが使われてることが分かった。調べていてまず出てきたのは、コイルを巻き直して安全のために16Vで使うというオーストラリアの人のプロジェクトだった。巻き数や巻き線の太さが具体的に書かれており、面倒だがコイルを巻き直すことを一応、プラン1とした。しかし、コイルを巻き直したところで、モーター部分が回らなければ話にならない。こちらはこちらで、モーターの中で固まったグリスをオーブンレンジで焼いて溶かして復活させるという荒技をYouTubeで紹介している米国人がいた。オーブンレンジの荒技はちょっと怖かったので、コーヒーメーカーの保温機能を使って溶かすという技を採用して溶かしてみたら、見事に復活した。さらに検索を続けると、同じモーターの米国仕様(60Hz)版の中古がebayで安く売られていることが分かり、これを購入した(送料の方が高かった)。
パタパタ時計に使われているモーターは欧州仕様の50Hz版という超入手困難なモーターだったが、コーヒーメーカーで復活したので、米国から取り寄せたコイルにセットしたら普通に動き出した。
こんなことは、ネットや海外オークションがなければ到底不可能な技なので、本当に凄い時代になったと思う。
米国仕様の60Hzモーター(左)と焼けたコイル右)

静かに動いているパタパタ時計

このパタパタ時計はサンキョーのジャンクパタパタ時計とセットで購入したのだが、サンキョーの方はプラスチックギアが割れて飛び散り、消えていた。こちらは日本のサイトで見ていたらダイソーの100円目覚ましのギアが流用できるという情報があり、軸穴や厚みを加工する必要はあったが、ギアの数や大きさはぴったりでこちらも普通に動いている。
3年ぶりのハムフェア、コロナの影響もあってか2019年より出店店舗も観覧者も少なく、特に、観覧者も出展者も私も含めて「老化」が進んでいた。欲しいジャンクは色々とあったのだが、ただでさえ増えつつあるジャンクをあまり増やすのはやめ、それでも来場記念に島津製作所の70年代に製作された「2号回路計」を2000円で買ってきた。その場で、抵抗レンジで試したところ動いたので購入したが、帰宅後に試したところ、電圧レンジはACもDCも正常なようだ(電流レンジはまだ未テスト)。
3時頃から店じまいするコーナーが増えてきたので、隣の建物でやっていた「国際鉄道模型コンベンション」なるものにも足を運んでみた。「ハムフェア」と比較するまでもなく、こちらは盛況で、高校生以下の若い人たちもたくさんいた。あるコーナーで人だかりができて皆撮影していたので覗いてみたら、自称「鉄道オタク」の自民党国会議員が来場して記念撮影をしていた。
鉄道模型は、それこそ子供の頃にHOゲージで遊んだ程度だが、これもメルカリで面白半分に格安のメルクリンのセットを買って少しはまった。その後、米国ディーゼル機関車RS3模型を塗装し直して北朝鮮のディーゼル機関車に改造しようと思ったのだが、台車部分にテーピングをしたところで止まっている。HOは線路を持っていないので、メルクリンの3線線路上で日本製の車両を走らせようと給電版を付けての台車部分だけのテスト走行にも成功しているのだが、塗装には全く手が出ていない。一番のネックは、HOの6動軸台車がなく、改造できそうな個体は4動軸ばかりだということもあるのだが。
テーピングをして塗装しようと思ったまま放置された台車

メルクリンの欧州ディーゼル機関車(上)、日本メーカーのディーゼル機関車(6動軸車輪)(下)、上に載せられているのは日本メーカのディーゼル機関車(4動軸車輪)をメルクリンの3線レールで走らせるために給電部を付けたもの。上の写真のテーピングをした車台にこの写真にある6動軸車輪を移植しようと目論んだが、へこみ部分のサイズが合わなかった。また、ボディーだけの交換も形状が微妙に異なり不可だった。鉄道模型会場にいた人々なら何とかしてしまうのだろうが、私はここで諦めた。

製作を目指した北朝鮮のディーゼル機関車

Source:不詳ながら北朝鮮で撮影したことは間違いない、手すりに「XX線」とあるるのだが読み取れない。
SantaFeで偽物を作ることもできそうだが・・・

ということで、鉄道模型熱も少し冷めてはいたのだが、コンベンションの会場を回って、鉄道模型の世界がディープだということを改めて感じた。ジオラマはどれを見ても素晴らしかったが、私が一番関心を持ったのは古いOゲージの展示で、特にトランスの1次側の電圧を調整するというアイディアは斬新だった。最近のプログラム化された自動運転も凄いとは思うが、こういうオールド・テクノロジーの方が私にはおもしろい。そんなこともあり、Oゲージを動かしていたコーナーの方と30分ぐらい話し込んでしまった。
こちらでの記念品は入場時に受け取ったバッジしかないが、まだ持っていなければ、「元帥様」と「大元帥様達」の小さなフィギュアでも買うところだった(写真の左隅)。やはり「絶世偉人」達は、日本人民に大人気なのか、3人セットは私が行ったときは売り切れになっていた(しかも、値段も一番高かった)。

Source: 19日に行った同志提供
帰路、浜川崎駅から徒歩15分ぐらいの所にある「道飛館」という焼き肉店に立ち寄り、ビールを飲みながらホルモン系の肉を食べた。この店は「同胞」系の店なのだが、拙宅からはそれなりに時間がかかるので、年に数回しか行けない。コロナに勝ち抜きお店が営業を続けているのは嬉しいことだ。この店に初めて行ったときは店のお婆さんがいて、少し朝鮮語で話をした。駅から距離があり、探しにくい場所にあるが、Google Mapを活用すれば十分に見つけることができる。
<追記>
テスターをビニール袋に入れて歩いていたら、測定器会社のおねーさんが丈夫な布バックをくれた。「測定器の説明をしてますので、ご覧になりませんか」と言われたが、「頂き物をしたのにすみません」と立ち去った。帰宅後中を見たらカタログと一緒にミニ・ドライバセットも入っており、ちょっとお得な気分に。バッジは鉄道模型コンベンションのもの。
2000円のテスターをぶら下げて歩いているオッサンに8万円のオシロは高すぎる。

オシロとして使ってるHANTEKで測ったAC100Vタップの電圧と「2号回路計」(何か北朝鮮ポクてよい)で測った電圧。「2号回路計」とても正確。

抵抗値も測ってみた。こちらもかなり正確。
