北朝鮮、バイデン訪韓に際してミサイル発射、核実験の可能性、「内部情報」の怪しさ (2022年5月19日 「聯合ニュースTV」)
19日、『聯合ニュースTV』が北朝鮮がミサイル発射や核実験の時期を遅らせる可能性について米国の放送に登場した「専門家」なる人の発言を引用しながら報じた。

Source: 『聯合ニュースTV』、「"북한이 코로나 확산 막기 위해 추가 도발 늦출 수도"」、https://www.yonhapnewstv.co.kr/news/MYH20220519009400038?srt=l&d=Y
「専門家」なる人は、「兵器実験の為には群衆が集まらなければならないので、金正恩北朝鮮国務委員長が事態進展の時まで追加挑発を延期する方を選択する可能性がある」と分析している。
先ほどYouTubeに動画をアップロードしておいたが、北朝鮮は既に「最大非常防疫体系」宣布後に「朝鮮人民軍軍医部門戦闘員の決議集会」を開催している。仮に「火星砲ー17」型を発射するとしても、「決議集会」に参加した軍人よりも遙かに少ない数の軍人で決行できるはずだ。したがって、「群衆が集まる」ことを理由にした分析は当たっていないと言える。
米国の研究所が衛星写真を分析した上で北朝鮮がミサイル発射を準備していると言っていることもあり、バイデンの訪韓中にミサイル発射をする可能性は高いと思う。北朝鮮としては、平壌国際空港近隣のいつもつかう軍事施設付近にミサイルを並べて、発射する兆候を敢えて米韓に見せ、威嚇している可能性が高い。そしてバイデン訪韓当日に発射して世界に注目させておきながら、翌日には、このところのミサイル発射と同様に「通常の軍事訓練」として何も報道しない、つまり「核保有国」としての当然の軍事訓練と自信を示すのではないだろうか。
だからといって、米国や韓国が今言っている北朝鮮に対する医療援助を引っ込めることになれば、「人権大国」としての名に傷が付くことになる。北朝鮮が支援を受けるか受けないかは別として、北朝鮮としてはそこまで見極めるつもりでいるのであろう。
発射するミサイルは、今一つ成功例が怪しい「火星砲ー17」型ではなく、ICBMであれば「火星砲ー15」型、そうでなければ「極超音速ミサイル」のような成功事例があり、それなりの威力があるミサイルを使うのではないかと思われる。
核実験は中国を怒らせる可能性が高いので実施しないであろう。
ミサイルを発射しても中国は怒らないし、安保理の追加制裁も中露の反対で不可能であることは明白である。そして、上に書いたように米国とて「人道支援」は引っ込めることができないはずだ。「こんなときに」と人民が反発するという人も出てきそうだが、報道しなければ、ほとんどの人民は知るよしもない。「報道」には書かれていないが、17日の「政治局常務委員会」ではそのような話も出た可能性がある。
話がそれるが、「専門家」と言えば、北朝鮮の内部情報だとして「公開処刑」だの「失禁」だのを連日伝えている「専門家」は、北朝鮮の内部情報から今回の「発熱者急増」を伝えられなかったのだろうか。Yahooニュースに出てくる項目しか見ていないので分からないが、怪しい「失禁公開処刑」や人民が知るよしもない「元帥様」周辺の話よりも、内部情報としては伝わりやすいと思うのだが。

Source: 『聯合ニュースTV』、「"북한이 코로나 확산 막기 위해 추가 도발 늦출 수도"」、https://www.yonhapnewstv.co.kr/news/MYH20220519009400038?srt=l&d=Y
「専門家」なる人は、「兵器実験の為には群衆が集まらなければならないので、金正恩北朝鮮国務委員長が事態進展の時まで追加挑発を延期する方を選択する可能性がある」と分析している。
先ほどYouTubeに動画をアップロードしておいたが、北朝鮮は既に「最大非常防疫体系」宣布後に「朝鮮人民軍軍医部門戦闘員の決議集会」を開催している。仮に「火星砲ー17」型を発射するとしても、「決議集会」に参加した軍人よりも遙かに少ない数の軍人で決行できるはずだ。したがって、「群衆が集まる」ことを理由にした分析は当たっていないと言える。
米国の研究所が衛星写真を分析した上で北朝鮮がミサイル発射を準備していると言っていることもあり、バイデンの訪韓中にミサイル発射をする可能性は高いと思う。北朝鮮としては、平壌国際空港近隣のいつもつかう軍事施設付近にミサイルを並べて、発射する兆候を敢えて米韓に見せ、威嚇している可能性が高い。そしてバイデン訪韓当日に発射して世界に注目させておきながら、翌日には、このところのミサイル発射と同様に「通常の軍事訓練」として何も報道しない、つまり「核保有国」としての当然の軍事訓練と自信を示すのではないだろうか。
だからといって、米国や韓国が今言っている北朝鮮に対する医療援助を引っ込めることになれば、「人権大国」としての名に傷が付くことになる。北朝鮮が支援を受けるか受けないかは別として、北朝鮮としてはそこまで見極めるつもりでいるのであろう。
発射するミサイルは、今一つ成功例が怪しい「火星砲ー17」型ではなく、ICBMであれば「火星砲ー15」型、そうでなければ「極超音速ミサイル」のような成功事例があり、それなりの威力があるミサイルを使うのではないかと思われる。
核実験は中国を怒らせる可能性が高いので実施しないであろう。
ミサイルを発射しても中国は怒らないし、安保理の追加制裁も中露の反対で不可能であることは明白である。そして、上に書いたように米国とて「人道支援」は引っ込めることができないはずだ。「こんなときに」と人民が反発するという人も出てきそうだが、報道しなければ、ほとんどの人民は知るよしもない。「報道」には書かれていないが、17日の「政治局常務委員会」ではそのような話も出た可能性がある。
話がそれるが、「専門家」と言えば、北朝鮮の内部情報だとして「公開処刑」だの「失禁」だのを連日伝えている「専門家」は、北朝鮮の内部情報から今回の「発熱者急増」を伝えられなかったのだろうか。Yahooニュースに出てくる項目しか見ていないので分からないが、怪しい「失禁公開処刑」や人民が知るよしもない「元帥様」周辺の話よりも、内部情報としては伝わりやすいと思うのだが。