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    「朝鮮人民軍最高司令官金正恩同志が大延坪島、ベクリョン島打撃に投入される熱戦地域の砲兵軍部隊の実戦能力判定のための実弾射撃訓練を指導された」 (2013年3月14日 「労働新聞」)

    「朝鮮中央TV」もこう題する「録画報道」を放送したが、昨日、サイトへの接続がなかなかできなかった「労働新聞」にも多くの写真付きでこの記事が掲載されている。

    『労働新聞』、「조선인민군 최고사령관 김 정 은동지께서 대연평도,백령도타격에 인입되는 열점지역 포병구분대들의 실전능력판정을 위한 실탄사격훈련을 지도하시였다」、
    http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2013-03-14-0001&chAction=D

    訓練は、記事のタイトルにあるように実弾を使った訓練で、ターゲットは大延坪島にある韓国軍の基地を想定した北朝鮮領の島である。北朝鮮軍がどちらの方向に向けて砲弾を発射しているのかは明らかにされていないが、韓国領に向かって発射したとすればとても危険な挑発である。地域に詳しい人であれば、公開された写真の背景に写っている島から発射方向は特定できるはずであるが、私には分からない。

    沖に見えるのが大延坪島に想定したターゲットの島
    2013-03-14-01-02.jpg
    Source: 『労働新聞』、http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2013-03-14-0001&chAction=D

    金正恩さんは「いつも強調することであるが、現代戦は砲兵戦であり、砲兵の戦闘こそが人民軍隊の戦闘準備であ」ると述べている。砲兵隊へのリップサービスなのかもしれないが、「現代戦は砲兵戦」というのはどうも疑わしい。私は軍事の専門家ではないが、「現代戦は空戦」というのが正しいのではないだろうか。アフガニスタンもイラクも米国の圧倒的な空軍戦力で初戦は圧倒されたはずである。もちろん、その後の泥沼のゲリラ掃討戦ではその空戦力もあまり役立っていないようではあるが。金正恩さんは「砲兵戦の天才」という触れ込みなので、砲兵戦を強調したいということもあるのだろうが、「米帝」と本気で戦うためには空軍力を何とかした方が良い(制裁の嵐の中では不可能であろうが)。

    そして、例によって金正恩さんは「玉柳館(平壌の一流レストラン)で兵士に食事をさせてやれ」と兵士たちを平壌に連れてくるよう指揮官に命じたという。韓米を威嚇するついでに、恩情を施して忠誠心を鼓舞する所などなかなか上手だと思う。

    記念写真の撮影もしているが、両サイドの幹部との間の距離が広いような気がする。親愛さを演出するには、もう少し近づけた方が良いと思うのだが、何か意図があるのだろうか。
    2013-03-14-03-01.jpg
    Source: 『労働新聞』、http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2013-03-14-0001&chAction=D

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    川口智彦

    Author:川口智彦
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    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「政治局員候補」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)、2018年2月11日から「第1副部長同志」とも
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