FC2ブログ

    「朝露親善の新たな歴史を開かれ」:「ネナラ」に掲載された「将軍様」の対露親善動画、米国が核の先制使用も可能に (2022年3月31日 「ネナラ」)

    31日、「ネナラ」見たら、「将軍様」とロシアとの関係を紹介する動画が掲載されていた。2月から3月に掲載されたものと思われ、「将軍様」の「誕生80周年に際して」とあるので、ロシアのウクライナ侵略とは直接的な関係はない。


    Source: 「ネナラ」、2022/03/31ダウンロード

    上の動画の最後に「我らの親善永遠なり」という楽曲の楽譜が出ていたので、上の動画からプーチンと「将軍様」の会談シーンを切り出して、この楽曲を紹介する動画も掲載しておいた。


    Source: 「ネナラ」の動画を筆者加工

    過去記事でも紹介したとおり、北朝鮮は政治的(公式)にはロシアを支持している。しかし、北朝鮮に入ってくるロシアや旧ソ連のミサイル関係の部品はウクライナ経由のものが多いとされており、ウクライナとの関係は決して悪くない。そのため、「朝鮮外務省」が発表するロシア支持の文書では、ロシアが主張する「虐殺」や「ネオナチ」に触れながらウクライナを非難することはせず、その背景にいる米国や西側を非難する形を取っている。これは中国も同じで、Global Timesなどの記事を読んでいると、ウクライナでの戦争は背後にいる米国と西側に責任があるという論調になっている。

    20220331 hu says
    Source: Global Times, Hu Says"The US' attitude will be the biggest obstacle to peace in Ukraine", http://1253985869.vod2.myqcloud.com/39f921f7vodgzp1253985869/7475d6b1387702298391912203/ZxbaareroPcA.mp4

    北朝鮮は、公式的にはロシアを支持しているが、感情的にはウクライナを支持しているのではないだろうか。というのは、今、ロシアがやっていることは、これまで北朝鮮が非難してきた「米帝」によるアフガニスタン、リビア、イラクなど、小国に対する一方的な主張での進攻と同じで、ありもしない「大量破壊兵器」を口実にイラクに侵攻した米国も、ありもしない「ジェノサイド」を口実にウクライナに進攻しているロシアも、所詮、「帝国主義者共」と考えているはずである。

    そんな中、バイデンは核の先制使用をしないという方針を破棄し、先制使用するという方針に切り替えたと『聯合ニュースTV』が伝えていた。

    『聯合ニュースTV』、「북·중·러 위협에…바이든 '핵 선제사용 금지' 폐기」、https://www.yonhapnewstv.co.kr/news/MYH20220331004300641?srt=l&d=Y

    関連文書をダウンロードしてみたところ、

    **************
    これらの戦略見直しの完了と整合性を取るために、大統領は米国の核抑止戦略のビジョンを明確にした。
    核兵器が存在する限り、基本的な米国の核兵器の役割は米国、同盟国、友好国に対する核攻撃を抑止することである。米国の核兵器の使用は、米国あるいは同盟国や友好国の死活的利益を守るための究極の状況のみ考慮する。
    In concert with completion of these strategic reviews, the President has articulated his vision for U.S.
    nuclear deterrence strategy: As long as nuclear weapons exist, the fundamental role of U.S. nuclear
    weapons is to deter nuclear attack on the United States, our allies, and partners. The United States would
    only consider the use of nuclear weapons in extreme circumstances to defend the vital interests of the United States or its allies and partners.

    Source: US DOD, https://media.defense.gov/2022/Mar/29/2002965339/-1/-1/1/FACT-SHEET-2022-NUCLEAR-POSTURE-REVIEW-AND-MISSILE-DEFENSE-REVIEW.PDF
    *************

    と、書かれていた。つまり「死活的利益を守るための究極の状況」と米国が判断すれば、核攻撃を受けていない状況でも米国は核使用をするということである。このような見直しがされたのは、直接的にはロシアによるウクライナでの生物化学兵器や戦術核の使用を抑止、牽制するところに目的があるのだろうが、「死活的利益を守るための究極の状況」なるものはあくまで米国の判断となり、歴史上3回目の核使用をする国が米国になる可能性が高まったことを意味している。

    通常兵器でも圧倒的な軍事力を有する米国が、第三次世界大戦の入り口以外で先制攻撃に核を使用しなければならない状況などあるのだろうか。

    コメントの投稿

    非公開コメント

    プロフィール

    川口智彦

    Author:川口智彦
    「크는 아바이(成長するオッサン)」

    ブログの基本用語:
    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「政治局員候補」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)、2018年2月11日から「第1副部長同志」とも
    「白頭の血統」=金一族
    「大元帥様達」=「首領様」と「将軍様」
    「女史」=李雪主夫人(2018.07.26より「同志」に)

    우 그림은 충정 담아 아이가 그린 경애하는 김정은원수님이십니다.


    YouTube dprknow

    最新記事
    最新コメント
    最新トラックバック
    月別アーカイブ
    カテゴリ
    Visitors
    検索フォーム
    RSSリンクの表示
    リンク
    QRコード
    QR