トランプが自分の対北朝鮮政策を称賛しながら「元帥様」を「利口だ」と (2022年3月26日 「C-SPAN」)
26日(現地時間)、ジョージア州で開かれた「トランプが米国を救う」集会で、トランプが北朝鮮との関係や「元帥様」について次のように発言している。
C-SPAN, Former President Trump Holds Rally in Commerce, Georgia, https://www.c-span.org/video/?518958-1/president-trump-holds-rally-commerce-georgia&event=518958&playEvent
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(バイデンがアフガニスタンから撤退する際に大量の兵器を残してきたことが愚かだと批判しつつ・・・)
我が国の愚かさを中国も金正恩も見ています。
北朝鮮といえば、覚えていますか、オバマ政権の時、北朝鮮と戦争になるところでした。我々は北朝鮮と戦争をしませんでした。私は彼とうまくやりました。もちろん、初めの2ヶ月は彼と口げんかをしていました。彼は「俺はあいつが嫌いだ」、「俺の机の上にはレッド・ボタン(核発射ボタン)がある」と言いました。私は「俺にもレッド・ボタンがある。俺のボタンはお前のよりも大きいし、強い。そして、俺のボタンは機能している」、そう言ったのを覚えていますか。
(聴衆歓声)
その後も口汚い言い合いをしました。私は「リトル・ロケットマンのくせにでかいことを言っている」などと言っていました。ところが突然、彼が電話をして来て、「(ピョンチャン)五輪に代表を送りたい、参加したい」と言いました。韓国での五輪には誰も参加せず、史上、最も空虚な五輪になっただろうし、誰も五輪を見ている最中に大爆発なんて御免ですよね。
しかし、突然、彼が電話をして来て「会いたい」と言った。結果的に我々は会い、戦争もなく、何もなかった。初めの頃は、彼との関係は良くなかったですけど。
皆さん、昨日、彼は長距離ミサイルを発射しました。彼はバイデンを強く尊敬していません。しかし、彼は私が好きでした。私たちは2回の首脳会談を持ち、良い関係を築きました。私は彼についてたくさんのことを知っています。彼は利口な男だし、タフな奴(tough guy)です。
(その後、習近平もプーチンも「利口」などと発言)
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自分の対北朝鮮外交が上手くいったという自慢話の一環ではあるが、いくつかおもしろいことを言っている。トランプが「元帥様」をどのような脈絡で「リトル・ロケットマン」呼ばわりしたのかよく分からなかったが、トランプは「リトル・ロケットマンのくせにでかいことを言っている」と言ったとしている。それとの関連で自分の机の上にある「レッド・ボタン」が「お前のよりも大きいし、強い。そして、俺のボタンは機能している」とも言っているので、「元帥様」の身体的に小さいという意味ではなく、「核戦力」が小さいということを言いたかったようだ。「元帥様」は単に「ちび」と捉えていたと思うのだが。
また、ピョンチャンに北朝鮮が参加する過程についてもおもしろいことを言っている。トランプのことなので、どこまで正確なのかは分からないが、「彼が電話をして来て、『(ピョンチャン)五輪に代表を送りたい、参加したい』」と言ったとしているように聞こえる。「元帥様」のピョンチャン参加の意向は、公式的には2018年の「新年の辞」の中で表明されたわけだが、それ以前にトランプに電話で伝えていたとなると、話は少し変わってくる。ピョンチャン五輪では、米国は副大統領のペンスを派遣し、前日本首相の安倍と一緒に北朝鮮代表団を避けるような行動をしていたわけだが、その時点で既に「元帥様」からの電話があったとするとおもしろい。トランプが言っている「call」は「電話をする」ではなく、「(参加を)呼びかける」という意味かも知れないが、よく分からない。
トランプは、ピョンチャン五輪が「誰も参加せず、史上、最も空虚な五輪になっただろう」とよく分からないことを言っている。記憶の限りでは、北朝鮮を除いては、ピョンチャン五輪をボイコットする国などなく、通常規模の冬季五輪として開催されることになっていたはずだ。トランプは「五輪の最中の大爆発」と言っているので、朝鮮半島が緊張した状態での五輪には不安で参加したがらなかっただろうという意味で言っているのだろう。自分がその状況を逆転させたと自慢するために。
トランプは「元帥様」が自分のことが好きだったし、自分は「彼についてたくさんのことを知っている」とも言っている。これは事実であろう。恐らく、「元帥様」にとって人間的に最も深い関係を持った指導者は習近平でもプーチンでもなく、トランプだったはずだ。そんなこともあり、トランプが「たくさんのことを知っている」というのも事実だと思う。
トランプは、「元帥様」を「利口」で「タフ・ガイ」だと褒めている。これは、その後に続く「最も利口な奴がトップにいるべきだが、我が国ではそれがうまくいっていない」とバイデンをこき下ろすための前段として使っているのかも知れないが、「たくさんのことを知っている」トランプが言っているのだから、本当にそう思っているのかも知れない。
C-SPAN, Former President Trump Holds Rally in Commerce, Georgia, https://www.c-span.org/video/?518958-1/president-trump-holds-rally-commerce-georgia&event=518958&playEvent
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(バイデンがアフガニスタンから撤退する際に大量の兵器を残してきたことが愚かだと批判しつつ・・・)
我が国の愚かさを中国も金正恩も見ています。
北朝鮮といえば、覚えていますか、オバマ政権の時、北朝鮮と戦争になるところでした。我々は北朝鮮と戦争をしませんでした。私は彼とうまくやりました。もちろん、初めの2ヶ月は彼と口げんかをしていました。彼は「俺はあいつが嫌いだ」、「俺の机の上にはレッド・ボタン(核発射ボタン)がある」と言いました。私は「俺にもレッド・ボタンがある。俺のボタンはお前のよりも大きいし、強い。そして、俺のボタンは機能している」、そう言ったのを覚えていますか。
(聴衆歓声)
その後も口汚い言い合いをしました。私は「リトル・ロケットマンのくせにでかいことを言っている」などと言っていました。ところが突然、彼が電話をして来て、「(ピョンチャン)五輪に代表を送りたい、参加したい」と言いました。韓国での五輪には誰も参加せず、史上、最も空虚な五輪になっただろうし、誰も五輪を見ている最中に大爆発なんて御免ですよね。
しかし、突然、彼が電話をして来て「会いたい」と言った。結果的に我々は会い、戦争もなく、何もなかった。初めの頃は、彼との関係は良くなかったですけど。
皆さん、昨日、彼は長距離ミサイルを発射しました。彼はバイデンを強く尊敬していません。しかし、彼は私が好きでした。私たちは2回の首脳会談を持ち、良い関係を築きました。私は彼についてたくさんのことを知っています。彼は利口な男だし、タフな奴(tough guy)です。
(その後、習近平もプーチンも「利口」などと発言)
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自分の対北朝鮮外交が上手くいったという自慢話の一環ではあるが、いくつかおもしろいことを言っている。トランプが「元帥様」をどのような脈絡で「リトル・ロケットマン」呼ばわりしたのかよく分からなかったが、トランプは「リトル・ロケットマンのくせにでかいことを言っている」と言ったとしている。それとの関連で自分の机の上にある「レッド・ボタン」が「お前のよりも大きいし、強い。そして、俺のボタンは機能している」とも言っているので、「元帥様」の身体的に小さいという意味ではなく、「核戦力」が小さいということを言いたかったようだ。「元帥様」は単に「ちび」と捉えていたと思うのだが。
また、ピョンチャンに北朝鮮が参加する過程についてもおもしろいことを言っている。トランプのことなので、どこまで正確なのかは分からないが、「彼が電話をして来て、『(ピョンチャン)五輪に代表を送りたい、参加したい』」と言ったとしているように聞こえる。「元帥様」のピョンチャン参加の意向は、公式的には2018年の「新年の辞」の中で表明されたわけだが、それ以前にトランプに電話で伝えていたとなると、話は少し変わってくる。ピョンチャン五輪では、米国は副大統領のペンスを派遣し、前日本首相の安倍と一緒に北朝鮮代表団を避けるような行動をしていたわけだが、その時点で既に「元帥様」からの電話があったとするとおもしろい。トランプが言っている「call」は「電話をする」ではなく、「(参加を)呼びかける」という意味かも知れないが、よく分からない。
トランプは、ピョンチャン五輪が「誰も参加せず、史上、最も空虚な五輪になっただろう」とよく分からないことを言っている。記憶の限りでは、北朝鮮を除いては、ピョンチャン五輪をボイコットする国などなく、通常規模の冬季五輪として開催されることになっていたはずだ。トランプは「五輪の最中の大爆発」と言っているので、朝鮮半島が緊張した状態での五輪には不安で参加したがらなかっただろうという意味で言っているのだろう。自分がその状況を逆転させたと自慢するために。
トランプは「元帥様」が自分のことが好きだったし、自分は「彼についてたくさんのことを知っている」とも言っている。これは事実であろう。恐らく、「元帥様」にとって人間的に最も深い関係を持った指導者は習近平でもプーチンでもなく、トランプだったはずだ。そんなこともあり、トランプが「たくさんのことを知っている」というのも事実だと思う。
トランプは、「元帥様」を「利口」で「タフ・ガイ」だと褒めている。これは、その後に続く「最も利口な奴がトップにいるべきだが、我が国ではそれがうまくいっていない」とバイデンをこき下ろすための前段として使っているのかも知れないが、「たくさんのことを知っている」トランプが言っているのだから、本当にそう思っているのかも知れない。