北朝鮮衛星画像はGoogle Earthより盗用疑惑:「20時報道」前の報道でも写真等は未使用、「元帥様」は大恥か (2022年3月10日)
Source: KCTV, 2022/03/10 筆者加工
<追記>
「20時報道」前の「革命活動報道」でも、静止画も動画も使われない。やはり、まずい写真を公開してしまったということだろうか。もし、下に書いたことが当たっているとすると、「元帥様」は前代未聞の大恥をかいたことになる。この写真を準備した幹部は、炭坑送りでは済まないはずだ。今後、同行した4人がまた登場するかどうか、注目したい。
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10日に公開された写真を見ていたらおもしろいことが分かった。
まず、問題となる写真のオリジナルサイズ。

Source: KCNA, 2022/03/10
それを拡大したもの。

Source: KCNA, 2022/03/10 筆者切り抜き
Google Earthが2020年2月14日に撮影した写真(現時点では最新)。

北朝鮮が試験撮影したとしている日が「2月27日」であることは明らかなので、季節的には上の写真の撮影時期とほぼ同じになる。
しかし、Google Earthにある2016年10月10日に撮影した写真が右側の写真と酷似していることが分かった。
まず、赤丸部分に注目すると、白黒写真でも同じ位置に同じ物が置かれている。この黄色い物体は、2017年以降のGoogle Earthの写真では見られない。次にピンクで囲んだ影に注目して欲しい。2月と6月では影の出方が異なるはずだが、影の濃さや影の向き、長さがほぼ同じであることが分かる。次に右上の茶色で囲んだ部分に注目すると、白黒写真でも同じ場所に何かが置かれている。農業用の資材だと思うが、Google Earthで確認できる写真で同じ位置に同じような資材が置かれているのはこれしかない。さらに、資材置き場の下の農耕地の耕作状況に注目すると、作物が植えられていると思われる白黒写真の色の濃い部分の形がGOogle Earthの濃い緑色の部分と一致する。(また、2020年2月写真にはある青丸の部分のビニールハウスが写っていない。)

10月10日は「党創建記念日」だからこの写真を選んだということはなかろうが、もしかするとGoogle Earthではこのように見えるということを示している可能性もある。
しかし、調べていると、公開された朝鮮半島全体の写真以上の撮影はできていない可能性が高いのではないだろうか。まともな撮影システムができていないとすると、これから発射されるミサイルは「衛星運搬ロケット」を語ったICBMだと言われても仕方ない。