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    「演習ではなく序幕になる可能性」:朝鮮半島での戦争と原発攻撃、ウクライナの例から、我々の日常は、日本原発を守れるのは「空想の世界だ」 (2022年3月2日 「我々民族同士」)

    2日、「我々民族同士」に韓国、米国、日本など「敵対勢力共」が行っている軍事演習の危険性を主張する動画が掲載された。

    この動画のタイトル「演習ではなく序幕となる可能性」が目を引いた。動画のナレーションの最後の方では「戦争史には、周辺で頻繁に行われている軍事演習が、奇襲攻撃に移り、全面戦争に繋がった例が数え切れないほど記録されています」と言っているが、まさにロシア軍がウクライナ国境付近で行っていた軍事演習が戦争に移行したのと同じことを言っている。「戦争史」ではなく、これは欧州で現実のものとなっている。

    この動画を出してきたタイミングからして、この動画はウクライナの状況を意識して出してきたものであろう。北朝鮮の立場からすれば、「敵対勢力」が「演習」だと言いながら行っている演習がいつ自国に対する攻撃に移行されるか分からない、だから「我々は万端の準備を整えている」ということを主張したいのであろう。

    少し前、ロシア軍が「ザポロジエ原発を攻撃した」というニュースが出ていた。原発を保有する国が戦場となった戦争というのは今回が初めてではないだろうか。ロシア軍は一次的には電力供給を止めるために原発を攻撃したのであり、自国への影響からも原発自体を破壊して核物質を拡散させようとしたのではないと思われるが、非常に危険な行為であることは間違いない。核物質を拡散させないように原発を制圧する作戦が必ず成功するとは限らない。

    これを朝鮮半島での戦争に当てはめると恐ろしいことになる。北朝鮮は自滅覚悟で戦うということは、何回も書いてきた。しかし、叩かれるだけで自滅することはせず、ありとあらゆる兵器を動員した上で自滅する道を選ぶであろう。日本にも韓国にも原子力発電所はある。北朝鮮は通常爆弾を搭載したミサイルで、こうした原発を破壊できる能力を持っているし、それを完全に防ぐことは不可能であろう。ウクライナの事態を見ていて、原発は恰好の攻撃目標となるということを改めて認識した上で、原子力発電継続如何について考える必要があると再認識した。

    日本に潜伏している北朝鮮の「細胞組織」が動いて核施設を爆破するというような世迷い言を言った人がいたが、そんな面倒なことをする必要は北朝鮮にはない。そもそも、「細胞組織」からの攻撃ならば、自衛隊が原発を「鉄桶のごとく防衛」すれば、かなり高い確率で防ぐことができる。しかし、ミサイルはそうはいかない。

    ロシア軍が国境で軍事演習をしている頃のキエフの映像を見ると、人々は普通の生活をしていた。それが、1週間もたたないうちに、廃墟と化した住宅やシェルターに非難した人々の様子に変わってしまった。プーチンの狂気については、ロシアの専門家が色々と解説しようとしているが、どれ一つ十分に説明できているものがない。そもそも戦争に合理性はなく、狂気の沙汰だからなのかと考えてしまう。

    朝鮮の「最高領導者同志」が妹と一緒に植樹をしている日常が続けば、我々日本人の日常も続くというのが現実なのであろう。彼らも我々同様に日常が破壊されることを望んではいないはずだ。


    Source: 「我々民族同士」、2022/03/02

    <追記>
    「原発攻撃、ミサイルで迎撃 松野官房長官」、https://news.yahoo.co.jp/articles/2fb1323c116e7ade3ad1d83795124b202c406e85 という報道が流れているが、本気だろうか。できないことならば、はっきりとできないと言うべきで、原発再稼働を推進したいからと言って、いい加減なことを言うべきではない。国民に問うべきは、朝鮮半島で戦争が起きる可能性と環境負荷も含めた日本の原発依存度のトレードオフ関係であり、日本のミサイル防衛能力で守り切れるなどといった戯言ではない。戯言でないのであれば、その発言には相当な重みがあってしかるべきだ。もちろん、朝鮮半島で戦争が起きないようにすることがベストであるが、米国に追従するだけしかできない日本にその重責は負えない。

    「空想の世界だ」とはよく言ったものだ。

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    川口智彦

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    「首領様」=金日成主席
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