「ケリー国務長官、中国楊潔篪外交部長と電話会談」 (2013年2月26日 「米国務省定例記者会見」)
「米国務省定例記者会見」でベントレル報道官が「ケリー国務長官が中国の楊潔篪外交部長と電話で北朝鮮問題を含む案件について会談をした」と述べた。
U.S. Department of State, Daily Press Briefing,
http://www.state.gov/r/pa/prs/dpb/2013/02/205227.htm#DPRK
しかし、具体的にどのようなことが話し合われたのかは伝えていない。記者は、消息筋の話として中米間の「国連憲章第7章に触れず、新たな安保理決議を出すことについて合意」という報道が出ていることについても質問しているが、報道官は「我々はこの問題について鋭意取り組んでいるが、現在ニューヨークで行われている会談について何ら確認はできていない」と答えている。
『朝日新聞デジタル』、「憲章第7章に触れず制裁強化へ 対北朝鮮決議、米中合意」、
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130226-00000003-asahi-int
一方、核実験直後に北朝鮮を強く非難したロシアも強い制裁を避け話し合いで問題を解決するよう態度を後退させている。これを受けて中国も外務省報道官が「関係国全てが対話で問題を解決すべき」と述べている。恐らく、国連安保理の協議では、中ロと米国との駆け引きが行われているのであろう。
China Daily.com, "Dialogue necessary for Korean Peninsula nuclear issue",
http://www.chinadaily.com.cn/china/2013-02/26/content_16258559.htm
問題は、新たな安保理決議が出された場合の北朝鮮の反応である。2月12日の核実験は、北朝鮮が安保理決議2087に強く反発して実施したものであるが、中国は安保理が新たな決議を出して、それに北朝鮮が反発するというスパイラルに陥ることを懸念しているのであろう。中国は、新たな決議が出されたところで、一定レベル以上に北朝鮮との軍事関係や経済関係を低下させることができない立場にあり、北朝鮮が強硬な態度に出れば出るほど国際的に自ら(中国)が不利な立場に追い込まれることを知っている。
米国務省定例記者会見では、記者が「なぜ核実験から2週間以上経っても結果を出せないのか」と質問しているが、これはニューヨークでも米中間の折衝が続いている一方で、中朝間の折衝も行われているのではないかと思う。安保理決議2087は中朝の話し合いを十分に行わずに出てきたので、北朝鮮が激怒して核実験に走ったとすれば、今回は決議を出すにしても、その結果について中朝間で何らかの合意を引き出した上でというのが中国の立場ではないのだろうか。だから、中米と中朝の間でやりとりされるボールをどこに落とすのかについて中国が苦労しているのかもしれない。
過去記事にも書いたが、張成沢さんが光明星節(金正日の誕生日)以降、公式の場に姿を表していない。「労働新聞」は、「第3次核実験成功に成功した科学者、技術者、労働者、軍人建設者と関係者を祝賀する宴会開催」という記事を伝えているが、この席にも崔龍海朝鮮人民軍総政治局長や崔泰福最高人民会議議長は参席しているが、張成沢さんの名前はない。もしかすると、形式的には核実験に関与していない彼が中国との調整に当たっているのかもしれない。
『労働新聞』、「제3차 지하핵시험성공에 공헌한 과학자,기술자,로동자,군인건설자들과 일군들을 축하하는 연회 진행」、
http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2013-02-27-0002
金正恩さんは、核実験を「成功させた」科学者・技術者などに贈り物をしている。贈り物をした理由は「米帝との全面対決戦に打って出た千万軍民に必勝の自信と勇気を与えてくれた核兵器開発者の偉勲を高く評価」したからであるというが、依然として彼らとの「愛の写真」の撮影はしてくれない。過去記事には各関係者の顔を出したくないからであろうと書いたが、最近の「20時報道」では、さくらかどうかは別として多くの「関係者」がインタビューで話をしている。彼らが平壌を去る直前に「愛の写真」を撮るのかもしれないが、どうなるのだろうか。
『労働新聞』、「경애하는 김 정 은동지께서 제3차 지하핵시험성공에 공헌한 과학자,기술자,로동자,군인건설자들과 일군들에게 선물을 보내시였다」、
http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2013-02-27-0001
<追記>
27日、「朝鮮中央通信」が、金正恩さんが科学者・技術者と記念撮影をしたと伝えた。崔龍海・張成沢さんも一緒に撮影した。最後に来て、一同集まったということのようだ。
U.S. Department of State, Daily Press Briefing,
http://www.state.gov/r/pa/prs/dpb/2013/02/205227.htm#DPRK
しかし、具体的にどのようなことが話し合われたのかは伝えていない。記者は、消息筋の話として中米間の「国連憲章第7章に触れず、新たな安保理決議を出すことについて合意」という報道が出ていることについても質問しているが、報道官は「我々はこの問題について鋭意取り組んでいるが、現在ニューヨークで行われている会談について何ら確認はできていない」と答えている。
『朝日新聞デジタル』、「憲章第7章に触れず制裁強化へ 対北朝鮮決議、米中合意」、
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130226-00000003-asahi-int
一方、核実験直後に北朝鮮を強く非難したロシアも強い制裁を避け話し合いで問題を解決するよう態度を後退させている。これを受けて中国も外務省報道官が「関係国全てが対話で問題を解決すべき」と述べている。恐らく、国連安保理の協議では、中ロと米国との駆け引きが行われているのであろう。
China Daily.com, "Dialogue necessary for Korean Peninsula nuclear issue",
http://www.chinadaily.com.cn/china/2013-02/26/content_16258559.htm
問題は、新たな安保理決議が出された場合の北朝鮮の反応である。2月12日の核実験は、北朝鮮が安保理決議2087に強く反発して実施したものであるが、中国は安保理が新たな決議を出して、それに北朝鮮が反発するというスパイラルに陥ることを懸念しているのであろう。中国は、新たな決議が出されたところで、一定レベル以上に北朝鮮との軍事関係や経済関係を低下させることができない立場にあり、北朝鮮が強硬な態度に出れば出るほど国際的に自ら(中国)が不利な立場に追い込まれることを知っている。
米国務省定例記者会見では、記者が「なぜ核実験から2週間以上経っても結果を出せないのか」と質問しているが、これはニューヨークでも米中間の折衝が続いている一方で、中朝間の折衝も行われているのではないかと思う。安保理決議2087は中朝の話し合いを十分に行わずに出てきたので、北朝鮮が激怒して核実験に走ったとすれば、今回は決議を出すにしても、その結果について中朝間で何らかの合意を引き出した上でというのが中国の立場ではないのだろうか。だから、中米と中朝の間でやりとりされるボールをどこに落とすのかについて中国が苦労しているのかもしれない。
過去記事にも書いたが、張成沢さんが光明星節(金正日の誕生日)以降、公式の場に姿を表していない。「労働新聞」は、「第3次核実験成功に成功した科学者、技術者、労働者、軍人建設者と関係者を祝賀する宴会開催」という記事を伝えているが、この席にも崔龍海朝鮮人民軍総政治局長や崔泰福最高人民会議議長は参席しているが、張成沢さんの名前はない。もしかすると、形式的には核実験に関与していない彼が中国との調整に当たっているのかもしれない。
『労働新聞』、「제3차 지하핵시험성공에 공헌한 과학자,기술자,로동자,군인건설자들과 일군들을 축하하는 연회 진행」、
http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2013-02-27-0002
金正恩さんは、核実験を「成功させた」科学者・技術者などに贈り物をしている。贈り物をした理由は「米帝との全面対決戦に打って出た千万軍民に必勝の自信と勇気を与えてくれた核兵器開発者の偉勲を高く評価」したからであるというが、依然として彼らとの「愛の写真」の撮影はしてくれない。過去記事には各関係者の顔を出したくないからであろうと書いたが、最近の「20時報道」では、さくらかどうかは別として多くの「関係者」がインタビューで話をしている。彼らが平壌を去る直前に「愛の写真」を撮るのかもしれないが、どうなるのだろうか。
『労働新聞』、「경애하는 김 정 은동지께서 제3차 지하핵시험성공에 공헌한 과학자,기술자,로동자,군인건설자들과 일군들에게 선물을 보내시였다」、
http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2013-02-27-0001
<追記>
27日、「朝鮮中央通信」が、金正恩さんが科学者・技術者と記念撮影をしたと伝えた。崔龍海・張成沢さんも一緒に撮影した。最後に来て、一同集まったということのようだ。